アントラー山口
あんとらーやまぐち
GURPS版
GURPS版の雑誌連載開始にあたって生み出されたレスラーの1人。実在の女子レスラーである井上京子をモデルとしたベテランレスラー。ゲーム開始時点ではNJWP(新日本女子プロレス)タッグベルト保持者。タッグパートナーはスパイダー菊池。
地元で蕎麦屋を営む両親のスポーツ好きの影響を色濃く受け継ぎ、上京前の学生時代にはアマレスや陸上競技に明け暮れていた。高校卒業後は大学に進まず、NJWPのプロテストを受けて合格を機に単身上京し、入団直後から凶獣入りを直訴してヒールレスラーの道を歩む。
同期入団のソニックキャット、滝沢泉などが所属する人員潤沢の正規軍に比べ、選手層の薄い凶獣では圧倒的な力量差などお構い無しに次から次へと組まれる先輩レスラー相手のマッチアップが半ば常識であり、図らずもブラッディ井上同様に新人時代から徹底的な洗礼を受ける事となった。しかし、学生時代のスポーツで培った努力と根性で降りかかる苦難を乗り越え続け、遂には菊池と並び凶獣No.2と言われるまでになった。
リプレイ2部ではPCとして活躍。井上の離脱(&神崎との新旧エースタッグ結成)、菊池の脱退が立て続けに起こった事で凶獣の屋台骨が大きく傾いた際には、自ら先頭に立って凶獣の弱体化阻止の為にフル回転。友野なるみを新しいパートナーに据えてNJWPタッグ王座を奪還してみせたり、神崎のベルトに何度も挑んだりと、新反逆軍の台頭で埋没しかけた“正統派ヒール軍団”の存在をリング上で示し続けた。
レスラーとしては、ナイアガラドライバー、ナイアガラドライバーW(読者投稿技の正式採用。渡辺智子のヘルスマッシャーと同型)、ラリアットなど一撃の破壊力が高い力技を得意とする。一方で、カンパーナ(釣鐘固め)、スパイダーネスト(井上京子オリジナルの複合関節技)に代表される複雑なサブミッション、ドロップキック、プランチャ・スイシーダ、トペ・レベルサ、フランケンシュタイナーといった派手な空中殺法など、ルチャムーヴも軽々とこなす。こうしたレスラーとしての引き出しの多さは特筆すべきものであり、これらは、偏に新人時代に経験した数多の辛苦と、それを克服する為の人一倍の努力によって習得したものである。
元々は生真面目で融通の利かない四角四面の性格だったらしい(不利な特徴「つっこみ」をもっているのはその名残か)が、選手寮の一室で同居していたソニックキャットの影響で現在のような性格に変化。その変貌振りを知る周囲からは「バカが移った」と言われている。
ブラウザゲーム版
かつてヒール軍“凶獣”のトップに君臨し、正規軍のトップ神崎玲子と数々の死闘を繰り広げた井上が全盛期に指導した直弟子の1人。GURPS時代のキャラクターデザインをほぼ引き継いでいるが、フェイスペイントやコスチュームに細かな変更が加えられ、勝ち気で直情的な性格もやや抑えられている。
慣れ合いを避ける井上や菊池、南城蛍と多数の若手を繋ぐ重要なパイプ役を担い、ベテラン陣からはスケジュール管理などの裏方仕事を一手に取り仕切る事務手腕で、若手陣からはトレーニングコーチなどの新人指導に当たる面倒見の良さで絶大な信頼を得ており、派閥構造を持たない凶獣で大多数のヒール選手を抱える事実上の実働部隊『山口グループ』を率いている。
リングに上がる機会は少なくなりつつあるが、凶獣の双璧として共闘した菊池が井上からヒール軍の全権を引き継いだ後もナンバー2に留まり続ける相当の実力者。憎まれ役の立場からプロレス人気を支える悪役側に身を置いてはいるものの、恐怖や威圧、憎悪や残虐といったヒールカラーとは無縁の「プロレスは激しく、明るく、楽しくがモットー!」を理想に掲げ、攻守共に小細工を弄しない真っ向勝負のストロングスタイルを信条としている。
「努力の天才」の自負を胸に磨き抜いたタフネスに絶対の自信を持ち、相手が繰り出す技を全て受け切る覚悟で全身全霊のラリアットをいつ、どこで放つかを計算し、試合運びを巧みに操作する策士の一面を持つ。その一方、実は苦難に追い込まれるほど喜びに身を震わせて全力で立ち向かう、早い話がプロミネンス加藤(正規軍『紅炎団』所属)やジャスティスX(正規軍『サンデーモーニング』所属)に限りなく近い逆境バカでもある。
「子どもの頃はかわいいぬいぐるみより怪獣のオモチャが好きだった」「女子より男子と遊ぶほうが多かった」と回顧する生粋の腕白娘であり、父親の教訓「ヤなこた笑って吹き飛ばせ」に従って一度限りの人生を後悔しないように突き進む明朗快活な性格の持ち主。小さい頃から男子の輪の中で過ごす時間が多かったためか恋愛感情が今一つ理解できず、いざプレイヤーの分身であるマネージャーと交際を始めても新しい家族、あるいは親密な男友達程度にしか捉えない上、若手に向ける目線や思考が徐々にセクハラ色を帯びたスケベオヤジと化しつつある事実を素直に受け止めて毎日の眼福に頬を緩めている。
2017年に入ってから表面化した世代抗争「ニューリーダーvsナウリーダー」に便乗し、加藤が保有するシングルベルト『KOM』(キング・オブ・マッスル)に挑戦する。
そもそも、KOMは加藤の発案によって設立された新規タイトルにして、引退を間近に控えた井上との最後の直接対決を望んだパワーレスラー一同の宿願を実現したものであり、井上が初代王者、加藤が第2代王者を飾った「東女最強のパワーレスラー」の称号を象徴するものでもある。つまり、KOM第2代王者の座に就いてパワータイプのニューリーダーの頂点に君臨する加藤は、井上の直弟子たる山口にしてみれば拳を交えて然るべき仇敵であり、同時に縁の薄かったシングルベルト奪取における絶好の相手でもあった。
同年4月、団体五指に数えられる猛者同士が正面からぶつかり合う激闘を制してKOM第3代王者の座に輝き、デビュー15年目にして遂に待望のシングルベルトをその腰に帯びた。
- 「正面からぶっ飛ばす!この右手でなぎ倒す!!」
- 「どんな技でも正面から受けるよ。私はプロレスラーだからね。」
- 「よーし、今日はみんなで食いいこーっ!食って、飲んで、細かいことは吹き飛ばしちまえーっ!」