スキヤキ・ウエスタンジャンゴ
すきやきうえすたんじゃんご
表記ゆれがあるが、一番引っかかるのは「スキヤキ・ウエスタン」。
数百年前、壇ノ浦の戦いで雌雄を決した源氏と平家も、いまや無法者のギャングに成り下がってしまった。
埋蔵金を狙って荒野にたたずむ村・根畑に押し入った両家は、村を二分して睨み合い、村民は彼らの横暴に怯えていた。
そこへ通りすがりの凄腕ガンマンが介入したことで抗争が激化する。
日本発、異色の和製西部劇。イタリア製がマカロニウエスタンなら日本はと、今作はスキヤキを名乗っている。
源平合戦にモチーフを借りながらも、美術デザインは現代的な要素を併せ持っており、西部劇・時代劇・現代劇の要素が混然と交じり合った独特の世界観を持つ。
なお、かつては日本でも西部劇を模倣した無国籍アクション映画が日活などで作られており、それらを鍋焼きウエスタンと呼ぶ向きもあった。
今作の基となっているのはマカロニウエスタンの『続・荒野の用心棒』(原題:『ジャンゴ』)。
その他、黒澤明の時代劇『用心棒』、マカロニウエスタンの『荒野の用心棒』などの要素も取り入れている。
タイトルがややこしいが、
- 『用心棒』 - 黒澤明のハードボイルド時代劇。無法者が二手に分かれて対立する寒村へ一人の浪人がやってくることから話が展開する。話のベース、またはクライマックスの銃と刀の戦いが一致する。
- 『荒野の用心棒』 - マカロニウエスタン。上記の『用心棒』の翻案であることから、この邦題がつけられた。防弾の鎧を着込んでいるシーンが一致。
- 『続・荒野の用心棒』 - マカロニウエスタン。上記の『荒野の用心棒』の続編ではないが、同じ『用心棒』へのオマージュが見られることからこの邦題にされたと思われる。棺桶の中から出てくるガトリングガンと主題歌(今作は日本語カバー)が一致。
といった具合で「用心棒になろうと思うな」という若干のメタ発言もある。
また、監督同士の縁でクエンティン・タランティーノが友情出演しているが、「登場人物が多い」「だらだらと無駄話が続く」「アニメが入る」などタランティーノの影響も色濃い。
タランティーノ自身も『続・荒野の用心棒』へのオマージュ作品『ジャンゴ 繋がれざる者』を監督した。
キャストはみな日本人だが、台詞をすべて英語で演じている。日本語吹き替え版もあり、本人が吹き替えている(タランティーノのみ三池監督が熱演)。
エグゼクティブプロデューサー - 遠谷信幸
プロデューサー - 吉田浩二 / 山口敏功
脚本 - 三池崇史 / NAKA雅MURA
撮影監督 - 栗田豊通
美術 - 佐々木尚
衣装 - 北村道子
編集 - 島村泰司
音楽 - 遠藤浩二
主題歌 - 北島三郎「ジャンゴ~さすらい~」
製作 - SUKIYAKI WESTERN DJANGO film partners (セディックインターナショナル / ジェネオン・ユニバーサル・エンターテイメントジャパン / ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント / 電通 / テレビ朝日 / 小学館 / エー・チーム / メ~テレ / 東急レクリエーション)
配給 - ソニー・ピクチャーズ