概要
リ・エスティーゼ王国の都市、エ・ランテルの冒険者組合を拠点に活動している冒険者。
冒険者登録する以前から旅を続けていたとされ、冒険者となった時点で既に、アダマンタイト級以上と評される驚異的な戦闘力を有していた。
人物像
威圧的な風貌に拘わらず非常に温厚かつ誠実な性格で、成し得た偉業を笠に着て横柄な態度をとる事は一切せず、非があれば素直に謝罪する潔さなどの器の大きさとカリスマ性から、多くの冒険者や民衆から尊敬と敬意を持たれている。
かつては別のチームを組んでいたと語ったことはあるものの冒険者となる以前の経歴は一切不明で、装備からどこかの王族ではないかと噂されている。
また、『命を奪った日は4人以上で食べてはならない』という変わった風習を持つ。
容姿
身長2mに達する巨躯に全身を包む漆黒の鎧を身に纏い、表情を窺う事が出来ない漆黒の兜を被り、赤いマントを羽織っている。
滅多に見せない素顔は意外と普通らしく、特にイケメンでも不細工という訳ではない。また、黒髪であるなど顔立ちが南方の人々の特徴に似ている事から、南方出身ではないかと推測されている。
なおモモンの素顔を見た『漆黒の剣』のメンバーの見立てでは、「意外におっさん」とそこまで若い訳ではない事が語られており、年齢は30代程ではないかと思われる。
強さ
150cmはある先端が扇状に広がった両手用のグレートソードを2本背負い、それを片手で軽々と操る程の力を持つ二刀流の使い手。
ただし熟練の戦士からは、「身体能力に任せて力押ししているだけ」と評されるなど何故か戦士にも拘わらず技量が低く、武技も使えない。
しかし技量については、徐々に力任せばかりでなく自己流ながらも体捌きなどが洗練されてきており、武技が使えずとも所有する破格のマジックアイテムや、魔法を付与された武器をサブウェポンとする事で弱点を補っている。
装備
- イルアン・グライベル
筋力を増大させる無骨で鉄製の籠手。遊びで作り出されたため、性能は高くない。
- 真紅の槍(インフェルノ)
穂の部分がまるで炎が渦巻いている様な槍。何らかの魔法的な効果を有する模様。
カナの名前はオバマス放送局、『【オバマス 公式】浴衣ナーベラル&浴衣ルプスレギナ!500万DL突破記念キャンペーンも開催!【オバマス放送局/スライム子】【オーバーロード】』で判明した。
- 漆黒の全身鎧
常備している黒い帯。詳細は不明。
- 凍牙の苦痛(フロスト・ペイン)・改
蜥蜴人(リザードマン)四至宝の1つを模倣して、実験的に作られた装備。オリジナルよりも強力な《氷結爆散(アイシー・バースト)》を使用できる。
- 加速の靴(ヘイスト・ブーツ)
常備している金の刺繍が施された半長靴。詳細は不明。
- モモンズ・グレートソード
主武器である二振りの大剣。
偉業
エ・ランテルに魔力系魔法詠唱者(マジック・キャスター)の美女・ナーベと共に忽然と現れ、冒険者組合に登録して冒険者となる。当初は、冒険者としては最下位の銅(カッパー)級には釣り合わない装備を身に付けていたため、良くも悪くも注目されて、他の冒険者のやっかみを受けていた。
だが、最初の依頼の途中でトブの大森林を支配していた大魔獣“森の賢王”を力で捻じ伏せ、従属させた事を皮切りに……
- 数千に及ぶアンデッドの軍勢の撃破と、首謀者のテロ集団『ズーラーノーン』の壊滅
- 北上してきたゴブリン部族連合の殲滅
- トブの大森林での超稀少薬草の採集
- 戦士にとって天敵のギガント・バジリスクを討伐
- カッツェ平野から流れてきたアンデッド師団を滅ぼす
- 強大な力を持つ吸血鬼“ホニョペニョコ”を、大地が変容する様な熾烈な争いの末に討伐
……などの偉業の数々を果たした事によって、王国では三番目のアダマンタイト級冒険者として認められる。
その際、元々はチーム名は無かったのだがモモンが常に漆黒の全身鎧(フル・プレート)を着用しているため、周りが通称として『漆黒』と呼んでいた事から、チーム名を『漆黒』と名付けた。
この頃から自身は“漆黒の英雄”という異名が付き、ナーベも“美姫”という異名が付けられた(当人達が認識しているかは不明だが最初の依頼を同行・ズーラーノーンに殺害された漆黒の剣のチーム名を一部ながら受け継いだ二つ名となっている。加えて下記のヤルダバオト事件の際には漆黒の剣が探し求めていた伝説の四大暗黒剣、『漆黒の剣』の一つ『魔剣キリネイラム』を所有していたラキュース・アルベイン・デイル・アインドラとも出会っている)。
ちなみに森の賢王を引き込むのを決めたのにはかつての仲間に似た動物を飼っていた経験がある者がいたらしい事から昔を思い出させるのも関係している模様。
王都が魔皇ヤルダバオトの軍勢に襲われた際は、レエブン侯の要請を受けて急行し、同じアダマンタイト級冒険者『蒼の薔薇』が手も足も出なかったヤルダバオトと対峙し、撃退に成功。
元々は2体の吸血鬼を追ってきた流れ者であったはずだが、長く滞在した事でエ・ランテルの街と市民に愛着を持つ様になり、エ・ランテルがアインズ・ウール・ゴウン魔導国の統治下に入った際は、彼等を守るために敢えて配下に加わった。
現在はアンデッドの支配に不安感を抱く住民達と魔導王とその配下達との間を取り持つ、緩衝材及び潤滑油的な立場となり、そうしたモモンの働きのお陰で徐々に人々のアンデッドへの偏見は払拭されていき、魔導王側も円滑な統治を心がけ、王国統治下時代には貴族同士の利権争いのせいでおざなりになっていた道路の舗装や、治安悪化の原因となっていたスラムや野盗及びモンスターへの対処などをアンデッドを用いた大規模な公共事業により解決に導くなど、エ・ランテルの人間達と魔導王らと間にあった軋轢や距離も縮まりつつある。
とはいえ住民の心理的な依存度が高くなっているため、ヤルバダオトが再出現したのに当たって彼の救援を要請したローブル聖王国に対しては住民が混乱する恐れを考慮して5年、早くて3年しないと遠方への派遣は出来ないと返答されていた。
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ネタバレ
その正体は、情報収集のために変装したアインズ・ウール・ゴウン。“美姫”ナーベの正体もプレアデスの1人、ナーベラル・ガンマ。
素顔は幻術で作った物であり、変な風習もただ単純に飲食が出来ない事を隠すための嘘である。技量が低いのも彼が本来は魔法詠唱者であり本領を発揮していない事に加え、注目を浴びるのを程々にする意味もあると思われる。
最上級のアダマンタイトとして稼ぎは低くないのだが必要性を求めてないのにアダマンタイトに相応しい高級宿に拘った方がよかった事(しかもアインズは飲食が出来ないので利用費が釣り合わない)や現地の硬貨がナザリックに対応可能な種類に変換する事に加え(逆にナザリックに保管してる貨幣は悪目立ちする事と補充の方法が確立してなかったため使えなかった)、セバスらの外部で調査活動や傘下に置いた蜥蜴人への支援等の資金といった様々な分野に使用する必要がありしばらく活動しても予算に余裕が持てず苦労が絶えなかったという(専門のスポンサーに付いてもらったり依頼を増やすという手もあったがモモンに金に意地汚いというイメージを持たれたり他の冒険者の依頼を奪って反感を買うのを避けるため出来なかった)。
魔導国を建国した現在は以前より自由に動けなくなったため、主にパンドラズ・アクターがモモンに変身し、影武者として上述の仕事及び役割をこなす様になっている。
声で同一人物だと気付かれないよう両者が立ち会うか、建国以前にどちらかと接触した相手と対話する際はナザリックの者越しに言葉を伝えるか(王国の王都で居合わせたガゼフとはそもそも会話しないようにしていた。一方フォーサイトとは両方で会話したのだが絶体絶命状況だったためか一切気にされる描写は無かった。)、エントマから提供された口唇蟲(こうしんちゅう)(知的生命体の声帯を捕食し、その声を喋らせる事ができるモンスター)の“ヌルヌル君”(もちろんアインズが名付け親)が発する「渋い」声色を用いて会話している(声の持ち主は、ニューロニストに預けられていた捕虜のものとの事。アニメでは多少エフェクトがかけられている位で、声そのものは変わっていない。漫画・アニメではカットされてるがバハルス帝国にモモンとして訪れた際は逆にこちらの声をモモンの声で通している)。
なおオーバーな挙動が却って功を奏したのか、パンドラズ・アクターが演じるモモンの方が英雄然としているらしい。
16巻時点でナザリックに所属してない者で両者が同一人物と把握しているのはモモンの持っていたポーションの出所を知ろうと接触、アインズが助けたカルネ村での証言を元に推測したンフィーレア・バレアレ及びナザリックがバハルス帝国を同盟国へと導く(実質裏から掌握するための工作としてだが)際に引き込んだフールーダ・パラダインのみである。
前者は何か事情があってのものと理解、後者はアインズの魔法詠唱者としての力に心酔したため幸い口外は伏せてもらっている。
真の姿を見た者と裏でナザリックと通じていると知った者としてクレマンティーヌとイグヴァルジがいるがクレマンティーヌは変装を解いたと同時に捕まりそのまま討伐される形で死亡、その後何者かに蘇生させられるも逃亡生活を送る事になったため名前も正体も探るどころではなく、イグヴァルジは上記の吸血鬼討伐で来たら死ぬと警告したのを無視して同行した結果ナザリックの者が関与している事を知ってしまい口封じとアンデッド作成の実験体にするのを兼ねてマ―レによって始末された。
初期に依頼した若者が後年生まれた子供にモモンの武勇伝を語っていた事を考えるに少なくとも10年前後、人間社会には知られることはなかった事が示唆されている。
WEB版
こちらではアインズがナザリック外へ出る事はほぼ無いため、ナーベラルが冒険者モモンに扮して情報収集を行っていた。
アインズがバハルス帝国の貴族入りを果たすと同時に、王国で活動していた冒険者モモンの身分は用済みとなり、完全撤収した。
MASS FOR THE DEAD
第十一章から登場。表立って動けないモモンガの代わりに、冒険者として活動しているアプリゲーム版主人公が武装した姿という事になっている(実際は、主人公の声帯を食べた口唇蟲を装備したパンドラズ・アクター)。
ビジュアルこそ同一だが、劇中での名称は“漆黒の戦士”というものになっている。