「まるで夢を見てるみたい」
注:本項目で記述できない部分についてはLシステムの項目を参照してください。
プロフィール
性別 | 女性 | 身長体重は設定無し |
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年齢 | 20歳 | 第7次宇宙戦争時(本編15年前) |
35歳(推定、肉体年齢は20歳のまま) | アフターウォー15年(本編時) | |
登場 | 18話 | 『Loreleiの海』 |
19話 | 『まるで夢を見てるみたい』 | |
所属 | 地球連邦軍ニュータイプ部隊(教育士官とされる、階級不詳) | 第7次宇宙戦争時(本編15年前) |
ニュータイプ研究機関、被験者? | 第7次宇宙戦争時、精神崩壊後(本編15年前) | |
Lシステム生体ユニット | Lシステム搭載後(本編15年前)~アフターウォー15年(本編時) | |
名前英語表記 | Rucil Lyriant | Lutil Liliant,Lucille Rilliant,Lucille Lilliantなど異説有り |
概要
早くから能力に覚醒した優れたニュータイプで、旧地球連邦軍ニュータイプ部隊の女性教育士官として、フラッシュシステムのコントロール指導をしていた。またジャミル・ニートの軍人時代の上官であり憧れの女性でもあった。
第7次宇宙戦争にて革命軍との戦いの末、精神を破壊し尽くされてしまう。しかし、ルチルの高いニュータイプ能力と、微かながら戦いを憎む心は残っており、大戦末期に計画されたL作戦に供するべくその身体はニュータイプ研究機関によって「Lシステム」という兵器の生体ユニットとして搭載、利用されてしまう。
しかし、L作戦は本作戦を推進する一派があったものの遂行されること無く、革命軍のコロニー落とし作戦の時点でも計画は初期段階までしか進行していなかった。またシステム自体が海路での輸送中にコロニー落としに伴う余波で専用のコンテナごと海底に沈んでしまい、彼女は生きることも死ぬことも出来ないまま放置されることになる。その場所は後に『女性の幽霊が出る』『女性の歌うような声が聞こえる』等と噂され、ライン川のローレライ伝説になぞらえて「ローレライの海」と呼ばれることとなる。
戦後15年(アフターウォー15年)経った時点でもルチルは肉体年齢の変化なく沈んでいたが、新連邦の諜報員であるオルバ・フロストの依頼によりオルクのマーカス・ガイによってGXビットと共に偶発的に詳細不明のコンテナとしてサルベージされる。コンテナを開封されたLシステム内のルチルはティファに接触、ルチルの意識はティファの心と身体を借りることでジャミルとの「再会」を果たし、直後にオルクとの戦闘で撃沈寸前にあるフリーデンを救うためLシステムを発動させ、敵味方の電子機器を停止させて戦闘を終了させる。
その後、ティファの口からジャミル達と会話し、自分が精神崩壊して人格としてはもう存在しないにも等しいこと、ニュータイプ能力とわずかに残った戦いへの嫌悪を利用するためLシステムに搭載されたこと、そしてもう誰にも利用されたくない事を明かし、ジャミル達はルチルを救出するため再びオルクと戦闘することとなる。
だがオルバはシャギアに連絡を取り、ルチルとLシステムの存在は新連邦に伝わってしまう。ルチルは新連邦に回収されることになり、それまで無力化するためLシステムは増幅機を外されてしまう。
その後、オルクの増援のため現れた新連邦の襲撃で窮地に陥ったフリーデンを救うため、今度は機能しなくなったLシステムの代わりにガンダムXディバイダーに搭載されていたフラッシュシステムを使ってGXビットを起動させる事でジャミルに力を貸し、オルク及び新連邦部隊撃退に成功する。
そしてLシステムはフリーデンクルーに回収され、ルチルはジャミルと対面する。しかし、ルチルはGXビットの使用で最後の力を使い果たしており、ジャミルとの最期の再会を喜びながら眠りにつく。亡骸はフリーデンクルーの手でLシステムから解放され、ルチルの遺言通りに『安らいだ気持ちでいられた』海底へ棺に入れられて葬られた。
漫画版、外伝描写、ゲーム出演など
漫画版ではローレライの海の位置が南太平洋ミクロネシア海域と設定されている。漫画版の作者のときた洸一氏はアニメとの整合のため準備稿段階の資料を貰っていたためアニメ本編でも同様と考えられる。
if展開というより尺の都合だが、Lシステムのカプセルに入れられたままGXビットの使用で最後の力を使って事切れる前にジャミルに介錯を頼み、オルクの艦を撃沈させる形でジャミルが操縦するGXディバイダーの手でLシステムのカプセルごと海底に沈められた(この際、カプセル部のみ脱落して沈んでいるのでLシステムとしては破壊されたと思われる、ルチルの肉体的な生死は不明)
また、第七次宇宙戦争時のジャミルを主人公とした外伝の『ニュータイプ戦士ジャミル・ニート』でも登場している。
所属が『北米 連邦軍 第31軍事研究室』と明かされており、そこではジャミルとキナが訓練をサボるのを多少の息抜きと認めつつ注意したり、キナが戦死して焦るジャミルを心配するシーンなど軍人としての自覚はありつつ優しい性格な描写がされていた。
そして、コロニー迎撃作戦にジャミルが出撃と決まり、その前にルチルに挨拶に行ったところ、その時はジャミルと初対面のテクスがルチルの部屋でニュータイプ関連の医療データを集めており、テクスからルチルは開発中のニュータイプ用新兵器の研究のために他の研究所に出向中でしばらく帰ってこれない、と語られている。
その次のコマに、カプセルが空っぽのLシステムが映っていること、またジャミルのセリフでもルチルの精神崩壊に関しては『戦争で精神を破壊された』となっており革命軍の関与が薄いセリフとなっているため、漫画版ではルチルの精神崩壊には連邦軍が深く関与している可能性が示唆されている。その場合、Lシステムの実験機はかなりの短期間でルチルの搭載から輸送まで行ったことになるが…
スーパーロボット大戦ではスーパーロボット大戦α外伝、スーパーロボット大戦Zに登場している。
…が、前者では元の所属の敵方に回収されてLシステムに搭載、かつルチルの意思に関係なく外部コントロールで使用可能、かつ効果が敵味方識別有りにまで強化されており、能力停止のためにティファの力を借りるという本編と逆の展開、後者に至っては他のガンダムシリーズの強化人間関係の技術により調整の上パトゥーリアと大量のGXビットをコントロールするシステムにされているなど、本編以上に悲惨な扱いを受けている。また生存ルートも無い…どころか、スーパーロボット大戦Zでは条件を満たすとブラックボックスFという自軍のGX、DXにGビット攻撃を追加するアイテムが手に入る。
また、GUNDAM WARでは第10弾の刻の末裔、第25弾の双極の閃光にてキャラクターカードになっている。前者はジャミルとフラッシュシステムをしてるシーンの画像で、ユニット(MS等)にセットできない代わりに、GカードにセットしてほかのNTの能力を上げる効果を持つ。後者は戦時中のイメージか、ユニットにセット可能で、サイコミュ、範囲攻撃の数値を与える効果を持つ。なお、後者の方がコストが重い。なお、Lシステムは敵軍のカードの効果を無効化できるが、使用の際にコストとしてNTキャラクターを一枚破棄する本編以上にニュータイプの扱いが過酷な物となっている。
容姿
腰まで届くほどの美しいブロンドと碧眼である。
15歳のジャミルと並んだ姿はかなりの長身で、その表情と相まって優しい美人なお姉さん(教官)キャラのように感じる。また、旧地球連邦軍の軍服姿の上からでも十分に分かる程のスタイルの良さを持っている(ただ、ジャミルが身長180cmなのを考えると相当な長身と言うことになる…成長期でジャミルの背がそれよりも低かった可能性も有るが)
…と、言うのが15年前の写真から分かる事であり、15年後の物語本編での姿はというと…
ただ一つ言えることは、本編に登場した時点のルチルの姿としてピクシブ百科事典に乗せられる画像はほとんど存在しない、ということである。
また、ティファと同調する展開があるためか、全体的にティファと雰囲気自体は似ている。金髪碧眼にして年齢を上げたティファ、のようなイメージとも言える。
なお、キャラクターデザイン時にそこそこ難航したのか、髪型を中心に何パターンか描かれていたようだ。ラフ画のメモに『我流リ○ーナになりそうでヤバい(意訳)』と書いてあるものも…
関連機体
・ガンダムX…外伝では既にガンダムXが存在してる段階でジャミルの検査を行っており、フラッシュシステムの訓練機材として使用していた可能性がある。また、本編でガロードの搭乗したガンダムXの1号機(NT-001)か、破壊されたとされるガンダムXの3号機(NT-003)は彼女の機体では?と言う説がある。
・ガンダムXディバイダー…本編ではルチルを救うためにジャミルが搭乗していた。また、この機体に搭載されていたフラッシュシステムをルチルが使用してGXビットを起動している。漫画版ではこの機体で事切れたルチルを介錯している。
・GXビット…上述の通り、本編時に登場した機体はルチルの精神波でフラッシュシステムを使いジャミルの操作を伝達することでコントロールされていた。また、フラッシュシステムの指導教官であったことから訓練機材として使用していた可能性がある。
余談、考察
・名前の由来は金紅石と輝かしい、と言う意味のbrilliantからと思われる。生体ユニットとしての彼女の姿その物であると言える。またルチルの原点であるルチルクォーツの石言葉が「強運」、「洞察力の向上」、「家族円満」であるが、「洞察力の向上」以外は皮肉としか言えない言葉ではと指摘するファンも居る。ただ、コロニー落としの被害もコンテナごとの水没のみで済み、ノーメンテナンスで15年間生存し、自らを搭載したLシステムもジャミルを救うために自分の意思で使用でき、最終的に本編でジャミルと再会できたことを考えると、百億の人類の99%が死亡したあの世界では本編時の彼女は充分幸運な方と思われる…
・現在では公式サイトがリニューアルされて個別紹介ページがなくなってしまったが、年齢は旧公式サイトでも20歳(15年前)の表記であった。これはLシステムに搭載されて以降、死んでこそいないが生きてるとも明言しにくい状態で、肉体的には一切の加齢がなかったためと思われる。
もし、GXビットのサルベージが無ければ、ローレライの海の底でLシステムが朽ち果てるまで生きることも死ぬこともできずに眠り続けていたのかもしれない。
・更に、旧公式サイトで行われたキャラクター人気投票では女性部門の5位となっている。出番こそ2話だけだがそれだけ印象が強いキャラクターだったと言えるだろう。
・本編ではLシステムの動作原理は明確には描かれていないため、電子機器停止効果が彼女のNT能力なのか、精神崩壊後に戦いへの嫌悪などで変質した彼女のNT能力か、Lシステムの効果かは明確にされていない。
・本編では本人が喋るシーンが無く、依り代となったティファが代わりに喋っているためCVの設定はない。ティファのCVのかないみか氏が便宜的に書かれるケースも多い。
これは、ルチルの精神は破壊し尽くされており、ティファに憑依した状態は『心と体を借りている』と言っていることから、おそらくルチルの戦いへの嫌悪以外の人格の残滓や記憶を元にティファの精神でルチルの人格を再現してる状態の表現と考えられる。
しかし、19話のサブタイトルの『まるで夢を見てるみたい』は大人になったジャミルと遭えたことに対して、ティファの口を借りて彼女が喋った台詞である。
そして同セリフはガンダムビルドファイターズの次回予告で別の意味でパロディ的に使用されている。
なお、ガンダムXの18話予告ではルチルは少女と言われている。20歳なのだが…
・ルチルの精神崩壊の経緯もほぼ上記の情報しか無いため不明点が多い。彼女もMSに乗って戦っていたか(ガンダムタイプの可能性が高い、条件的に符合するガンダムベルフェゴールなども存在する)、NTを利用するシステムを使って精神崩壊したか、非戦闘員だったが戦闘に巻き込まれたなどの可能性が考えられる。
・Lシステムに搭載された後に連邦での市民登録や連邦軍での軍籍がどうなったかも不明である。おそらく死亡扱いか抹消などの措置が取られているものと考えられる。そもそも20歳であるため精神崩壊あとの扱いについてNT研と何らか契約を結んでいてもおかしくない年齢ではある。
また、Lシステムと共に沈んでた15年間は生体ユニット状態かつ何処も彼女の所在を掴めていなかった、かつ所有を主張していなかったため所属は敢えて言うなら無所属の放置された兵器と言うことになる。
なお、Lシステムの開発その物は噂レベルで旧連邦のNT研究所では広まっていたようで、ジャミルもルチルが利用されているという事を除き存在自体は知っていたようである。
・生体ユニット扱いのキャラなのだが、本編時点ではティファの協力もあって終始ニュータイプ能力及びLシステムをフリーデンクルーを救うために自分の意思で使用しており、生体ユニットとして利用されるシーンがほとんど無い、と言う特徴がある。
・同作のカリスや同時期の他作品の生体ユニットキャラクターと比べても登場話数が2話と極めて少なく、生体ユニットでない登場シーンがジャミルとのツーショット写真と、埋葬されるシーンしかない、あるいみ生体ユニットとしての部分だけで描写が完結しているキャラクターともいえる。
・ルチルは本編、漫画版にティファ、ジャミルとの連携でのフラッシュシステムでGX-bitを使用する際に『最後の力』を使っており、それによって死亡しているが、正確な死因は不明である。精神崩壊後に能力を使える限界を使い切った可能性や、ルチルの能力使用による肉体的負担をLシステム側が生命維持しきれなかったなどの事が考えられる。
・本編中で、回収したルチルとLシステムについて調べている際のフロスト兄弟の会話から、もしジャミル達が新連邦から取り戻せなかった場合はルチルとLシステムはNT研究所に送られて研究材料となっていたとされる。また、第七次宇宙戦争においてL作戦が遂行された場合もルチルはLシステムの生体ユニットとして利用され続けていたと考えられる。
・ジャミルを1stのアムロ・レイ及びZのクワトロ・バジーナ(シャア・アズナブル)のオマージュキャラとすると、ルチルはマチルダ・アジャン(15年前のジャミルのあこがれの女性)とララァ・スン(本編時点での活動方針に影響を与えた女性)のオマージュと考えることができる。(金髪碧眼のサービスシーン要員としてはセイラ・マスなどもあると思われるが……)
そんな女性を、15年後に再会できたとは言えこんな扱いにしていたことから、ガンダムXの世界でのNTの扱いが透けて見えるともいえる(他にもD.O.M.E.、パトゥーリア、イルカの脳を生体部品に使う水中センサーのDナビ、など戦前・戦時のNTや生体ユニット兵器に関しては倫理や人道を度外視した物が多い)。
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…Lシステムの生体ユニットという都合上、アニメ本編での登場シーンは過去の写真を除いてこの状態である…しかも最期の埋葬シーンまで全裸で納棺されている徹底ぶりである……旧公式サイトでも載せる画像がなかったためか全裸でキャラクター紹介されている合法全裸扱いである………
機動新世紀ガンダムX[Characters:ルチル・リリアント](ウェイバックマシン)
全裸でLシステムの半透明なカプセルに収められ、胸は手ブラでガード、下半身は遮る物のないボトムレスの胸を隠してすじ隠さず状態である。だが詳細に描き込まない事で放送をセーフにしていた模様。
(裸とは言え性的な部分を隠す又は描き込まれていないルチルの本編の姿に、その前の新世紀エヴァンゲリオンもそうだったが、表現規制が始まりつつあった当時のTVアニメ業界の苦闘が窺える。しかし、現在でもガンダムチャンネルなどでは特に修正などはなしで配信されており、MS図鑑のビットMS回では冒頭にハッキリ映っている。)
・なお本編中で意識のあるイメージシーンもジャミルとフラッシュシステムをつかうシーンでがあるが、こちらも顔アップのため胸などは写らないが裸である。(GUNDAM WARの刻の末裔版もこのシーンである)
・そもそも服を着た設定画は顔周辺アップの物で軍服の襟が映った物と、ジャミルとのツーショット写真の物のみで、全身の設定画なども存在しない可能性がある。存在していれば旧公式サイトのキャラクター紹介で使われていたと思われる。
・また、ルチルが全裸であることについて言及しているキャラクターは居ない。ティファに乗り移ったルチル本人もオルバやオルク達に見られていても、ジャミルとカプセル越しに対面しても特に反応していない。ただし、ルチル自身は精神崩壊した後の事もジャミルに語っていることから自分がどのように実験され、どのような姿でLシステムに搭載されているかは把握している可能性は高い。
・Lシステム内のルチルの体は金色もしくは黄色にコーティングされた彫像のように見えるが、Lシステムから解放され棺に納められた際に元の肌色になっていることから、体色が変化したように見える原因はカプセルケースの色が薬品用のビンのように着色されていたか、カプセル内の充填物の色が金色もしくは黄色であったことが考えられる。
名は体を表すの通りの末路を迎えてしまった事に、切なさを感じる。