概要
1984年にアーケードゲームとして開発されたウォーシューティングゲーム『1942』に登場する超長距離航行型戦略爆撃機。
機体のモデルは旧日本軍未完の超級重爆撃機『富嶽』だが、ディレクターを務めた岡本吉起曰く「当時のサウンド部門に"森安也子"(もり あやこ)という開発スタッフがいて、その大柄な体格を見て巨大戦闘機を出すアイデアが生まれ、名前もその人に因んで付けた」とされており、この事から「おばさん」の愛称を持つ。
※補足:森安也子
河本圭代*(かわもと たまよ)と共にカプコン黎明期のゲームサウンド部門を支えた名コンポーザーであり、単独作品では『バルガス』『魔界村』『闘いの挽歌』『サイドアーム』『1942』『ガン・スモーク』が、共同作品では『ソンソン』『ひげ丸』が代表に挙げられる。
* カプコンを退社しタイトーに移籍。現在はフリーランスで活動。
タイトー時代にはTAMAYO名義でZUNTATAにも参加。タイトー時の主な担当はレイシリーズやラクガキ王国など。
機体基本仕様(1942版)
機体全容 | |
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機体全長 | 46.00m |
機体全幅 | 63.00m |
機体全高 | 8.80m |
機体材質 | 総金属製 |
自重 | 42t |
全備重量 | 122t |
主翼形状 | 中翼単葉・直線テーパー翼 |
主翼面積 | 330.00m² |
発動機 | 空冷式4列36気筒 6000馬力レシプロエンジン×6 |
プロペラ形状 | VDM定速6翅 |
プロペラ直径 | 4.65m前後 |
実用上昇限度 | 15000m以上 |
航続距離 | 19400km以上 |
搭載武装 | 20mm機関砲×1、7.7mm機関銃×5 |
※モデルとなった富嶽の機体仕様計画値を参考とした非公式想像値である点に注意
構成
特定の地点に差し掛かると、突然のBGM変更の後に画面上部から自機であるP-38の十数倍もある巨体を悠然と現し、機体のそこかしこから繰り出す無数の機銃掃射で容赦無く攻め立てる圧倒的な印象をプレイヤーに植え付けたため、19シリーズにおける象徴的兵器として後発作品にも度々登場する。
通常の得点とは別に加算される「敵機破壊率ボーナス」が改定された『1943 ミッドウェイ海戦』以降、ボスキャラクターとして登場する他の艦艇や航空機編隊とは違って目安が掴み辛いために破壊率100%の撃墜が難しく、その目安に見当を付けて撃墜に臨んでいるか否かがハイスコアの高みを目指す基準となっている。
変遷
1943 ミッドウェイ海戦
3種類の亜也虎が登場し、1機目は4発式試作大型陸上攻撃機『連山』をモチーフに20mm機関砲4門を搭載したサンドイエロー迷彩のI型、2機目はオリジナルデザインの6発式機体に20mm機関砲と7.7mm機関銃各4門を搭載した緑色のII型、3機目は前作と同じく『富嶽』をモチーフに20mm機関砲4門を搭載したフルメタリックカラーのIII型となっている。
亜也虎の登場と同時に画面上部に耐久度を示すパワーゲージ(I型:3本、II型:4本、III型:5本)が表示され、一定のダメージを与える毎に1本ずつゲージが減少し、全てのゲージを無くすと晴れて撃墜となる。主翼(あるいはエンジン)への攻撃以外は一切のダメージを受け付けず、自機が亜也虎に衝突した場合は有無を言わさず撃墜されてしまう。
2014年1月31日には、カプコン創業30周年企画の一環として模型業界の老舗『フジミ模型』からP-38を同梱した1/144スケールプラモデル『1943 戦闘機・亜也虎III 2機セット』が発売され、未だに「亜也虎=1943」の根強いイメージと人気を誇る。
1943 THE BATTLE OF VALHALLA
ファミリーコンピュータ用ROMカートリッジへの移植の制約、特に記憶容量の都合でアーケード版のように全くデザインの違う3機をそのまま登場させる余裕が無く、回避策としてアーケード版のII型を元に20mm機関砲1門と7.7mm機関銃7門を搭載したオリジナルデザインの4発式機体を識別型式やカラーリング(I型:緑、II型:カーキ、III型:白銀)、行動パターンで差別化している。
耐久度は3機とも異なるがパワーゲージは存在せず、1機でも厄介な存在に関わらず終盤のステージ23では「攻撃目標 亜也虎I・II・III」(=亜也虎3連戦)というまさかのお膳立てでプレイヤーを戦慄させた。
1943改 ミッドウェイ海戦
従来の流麗、且つスマートなフォルムから一転して角張った形状の飛行艇にリデザインされている。
19XX THE WAR AGAINST DESTINY
歴代最大となる全長57m、全備重量670tの超巨大戦闘機『亜也虎改』(AYAKO SPECIAL)としてステージ1から張り切って登場する。
銃器だけでも12.7mm格納式連装機関銃18門を機体各部に、それらを管理下に置く中央火器管制室に20mm全方位機関銃1門を備え、さらに37mm連装機関砲1門を機首に据えた化け物じみた火力を持ち、これに加えて可動式カタパルト4基から機内に搭載するロケット推進型戦闘機『コメート』(メッサーシュミット Me163)を次々と射出し、それとは別にパラシュート付き無人戦車も投下するなど「飛行要塞」と呼ぶに相応しい変貌を遂げている反面、何らかの理由で装甲面に難を抱えている点(機体は木製羽布張りらしい)から旧型機に比べて機体の頑健性は格段に劣り、従来の作品で強固な防弾障壁となっていた尾翼に初めて破壊判定が組み込まれた。
ところが、亜也虎の開発計画は留まる所を知らず、最終盤のステージ7後半で遠隔操作型全方位レーザーガンポッド2機、主翼の12.7mm格納式連装機関銃6門、4基のカタパルトから現れる戦車の援護射撃で襲い掛かるティルトウイング(VTOL)型試作機が登場する。驚くべきは形態変化による第2形態にあり、深刻な損傷を受けた主翼の一部と尾部を切り離してエンジン6発を残すのみとなった主翼がエンジン搭載部を関節としてフレキシブルに動くマニピュレーターと化し、三本指のマニピュレーター先端部とエンジンの死角に隠されたレーザーガン12門、機首周辺に隠された12.7mm格納式連装機関銃7門、電磁防御壁を展開する新たな遠隔操作型ポッド2機を以って怒涛の反撃に打って出る恐るべき執念を見せる。
なお、かつてゲームセンターで配布されていた冊子『19XXひみつ大図解』では、「空挺母艦 亜也虎改」と題してどこかで見たような見開きの解説ページが設けられていた。
1944 THE LOOP MASTER
亜也虎の名を冠する機体は登場しないが、ステージ5のボスとして、同種の巨人機である大陸間爆撃機 『穹王』が登場する。
194X-3D DOGFIGHT
『1943』アーケード版のII型に類似した機体がステージ1に登場するが、『19XX』のような奇想天外な武装や可変機構は施されていない。