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味の素

あじのもと

味の素とは、うまみ調味料。および当該商品ほか食品、化成品を製造するメーカーである。
目次 [非表示]

企業としての「味の素」

本社を東京都中央区京橋に構え、川崎市四日市市佐賀市に主要生産拠点がある。

創業時は鈴木商店と称し、1946年に現在の社名に改めた。ちなみに同社最大の生産拠点である川崎事業所の所在地は、旧社名に由来する川崎区鈴木町で、京急大師線鈴木町駅が現在も実在する(こちらの旧駅名は味の素前だった)。


沿革

1908年、東京帝国大学池田菊苗博士グルタミン酸ナトリウムの製造方法を発明し、特許が認められた。日本化学工業から独立した鈴木三郎助は池田博士と契約し、葉山の合資会社鈴木製薬所で味の素を製造する事とした。

1909年、味の素が発売されたが、当初は全く売れなかった。

1911年、鈴木製薬所の工場が暴風雨で壊滅的打撃を受けた。

1914年、川崎市多摩川沿いに移転。味の素製造の過程で出るデンプン鐘淵紡績に提供し、会社の経営が持ち直す。

1917年、株式会社鈴木商店を設立。「味の素の原料は蛇である」という風説が流行したが、かえって知名度を高める事となり、大きな利益が上がるようになった。鈴木は工場の電力確保のため東信電気株式会社を設立して千曲川流域で電源開発を行い、建造した発電所東京電燈に売却することで莫大な利益をあげた。

1923年、味の素の特許権が切れる年であったが、政界へのロビー活動により6年の延長が認められた。関東大震災により本社社屋が焼失し、川崎工場は全壊。

1932年、株式会社鈴木商店に社名変更。

1940年、鈴木食料工業株式会社に社名変更。

1943年、大日本化学工業株式会社に社名変更。

1946年、味の素株式会社に社名変更。

1964年、クノール社(ドイツ)と提携し「クノールスープ」を発売。

1970年、和風調味料「ほんだし」を発売。

1973年、ゼネラルフーヅ社(現在はモンデリーズ・インターナショナル、クラフトフーヅ・グループ)と合弁で味の素ゼネラルフーヅ株式会社(AGF)を設立。

1991年、カルピス食品工業を傘下に収める。

2000年、冷凍食品事業を分社化し、味の素冷凍食品株式会社を設立。

2002年、味の素製油株式会社が、株式会社ホーネンコーポレーションと経営統合、持株会社として株式会社豊年味の素製油が発足。

2003年、株式会社豊年味の素製油に吉原製油株式会社が参加し、株式会社J-オイルミルズに商号変更。

2007年、鰹節メーカーのヤマキを持分法適用会社化した。

2012年、カルピスの全株式をアサヒグループホールディングス株式会社へ譲渡。

2017年、味の素AGF株式会社に商号変更。


主な商品

食品事業

  • 調味料「味の素」「ハイミー」「アジシオ」「ほんだし」など。「ハイミー」は1971年頃、宮崎県民謡「いもがらぼくと」の替え歌にて、同県の郷土料理「かぼちゃのけんちん揚げ」のハイミーを使った作り方を紹介するCMで有名になった。
  • 加工食品「クノール」「Cook Do」など
  • 冷凍食品(製造は主に子会社の「味の素冷凍食品」が担当)
  • コーヒー(子会社の「味の素AGF」が担当)

アミノ酸事業

  • 栄養食品事業:アミノバイタル
  • 甘味料事業:アスパルテーム
  • 化成品事業:香粧品事業(「Jino」ブランド)、ケミカル事業(電材)

医薬中間体事業


飼料用アミノ酸事業


調味料の「味の素」

味の素株式会社の主力商品。


サトウキビの糖蜜醤油味噌のように菌発酵させ、グルタミン酸ナトリウムを生成する事で生み出される。


料理に旨味を加えることで、味の輪郭線をはっきりと浮かび上がらせ、より料理を美味しく感じることが出来るようになる。

有り体に言えば「自然に味を濃く感じさせる」のが、主な効果といえる。

これは「出汁を加える(≒旨味を足す)」こととほぼ同じ効果を発揮しており、同時に出汁を取って加える手間を省略できることとも同じといえる。(ただし、当然ながら、通常の出汁、特に時間をとって加熱抽出した出汁に含まれているコク味などの「それ事態には味が無いが、旨味と合さった時には旨味を増幅する」「後味を残す効果が有る」成分が含まれていない為、良く言えば「あっさりした」「スッキリした」旨味、悪く言えば「コクが無い」旨味になる傾向が有る。言わば「味の素」などの旨味調味料は、和食のような「あっさりした」「素材の味を活かす」味付けの料理に向いており、中華料理のような「濃厚な味」のものに使うには、あくまで補助として使うか何かの一工夫が必要と言える)

さらに出汁には各々で料理との相性があるため、時には風味や味わいが喧嘩して美味しさを損ねる危険性を伴うが、味の素は加えてもほぼ無臭なので、出汁を加える際に考えるべき「風味との兼ね合い」を無視出来るのも強みの一つである。


さらに近年では、「旨味を上手く扱うことで減塩しても美味しい料理が作れる」ことも分かっている。

人間にとって塩分は、体内循環に関わるあらゆる機能に不可欠な物質である。そのため人間は【塩分=美味しい】と遺伝子レベルで記憶しており、塩味のある食べ物を自然と欲するようにインプットされている。

しかし同時に、人間は【旨味=アミノ酸がある】とも遺伝子に記憶しており、さらに旨味の作用で味の輪郭を鮮明化させることで、塩味を普段以上にはっきりと感じることが可能となり、必要以上の塩分摂取を回避することができ、減塩に繋がるという寸法である。


否定派との長い戦い

同時に味の素の歴史は、味の素否定(反対)派との長い戦いの歴史という悲しい事実も寄り添っている。


2つの原因

事の発端は、1960年代のアメリカまで遡る。


当時のアメリカで、中華料理店が流行し始めると同時に、その料理店でグルタミン酸ナトリウムによる旨味調味料ももたらされた。


だが当時のアメリカ人にとってグルタミン酸ナトリウムは「謎の物体X」であり、それに対して健康被害を懸念する声や、さらに中華料理店で食事したことで体調不良を訴える声が続出し始める。


そこにアメリカの医学論文から「グルタミン酸ナトリウムよる健康被害」という、まったくのデタラメな学説が発表されたことで、グルタミン酸ナトリウムに対するイメージは一気に良くないものへと転じてしまった。

更に、当時は明らかに異常な量の旨味調味料を味付けに使っていた飲食店も存在していた事が、グルタミン酸ナトリウムに対する悪いイメージに拍車をかける事になった。(例えば、日本のラーメン屋などでも1人前につき「大匙山盛り1杯かそれ以上」の旨味調味料を使う店が有るなど、後に反動で「無化調」が売りになるラーメン屋が出るのも仕方ない状況だった)


俗に「中華料理店症候群(Chinese Restaurant Syndrome)とも呼ばれたこの現象は、世界中で旨味調味料への批判を生み出し、アメリカ食品医薬品局から「根拠のないデマ」と証明されるまで続いた。


同時期にNHK料理番組にて、味の素を調理に使用した際、「味の素」は商品名なので言葉の変換が必要になったのだが、これをNHKは化学調味料という言い方に変換した。

折しも、当時の日本は公害社会問題となっていた時代であり、「化学」という言葉に対するネガティブなイメージが強まった時期でもあった。


同時にこの言葉は、味の素はあくまで「サトウキビの糖蜜を発酵させた調味料で醤油や味噌と同じ手法で生成」しているにも拘らず、「化学薬品を利用して抽出した調味料」という歪曲されたイメージを生んでしまった。

(ただし、実の所50年ほど前には、味の素社製の一部の製品について石油由来の原料から合成法により生産していた時期もあった旨を味の素社がHPで明かしている。うま味調味料「味の素®」よくあるQ&A


さらに1970年代以降、社会運動のからへというシフトがあり、ネガティブキャンペーンが繰り広げられた。


「化学調味料」も「うま味調味料」と改称され、この時期を知らない若い世代によってようやくイメージは改善していっている。


外部リンク

公式サイト


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