概要
2020年12月11日公開。
『史上最大の馬鹿馬鹿しい三国志』をコンセプトに、桃園の誓いから赤壁の戦いを劉備側(蜀)の視点からコメディタッチで描く。
監督は福田雄一で、いわゆる「福田組」の俳優が多数出演している。意外にも主演を務めた大泉洋は福田の映画作品には初出演となる。
主題歌は福山雅治の「革命」。
ギャグ全振りな内容ということもあってか、大泉は「三国志が好きな人は観ない方がいい(笑)」とコメントした。
なお、福田が大泉を起用したのには『水曜どうでしょう』の影響が大きいと公開前インタビュー
などで言及されており、あえて素の(水どうに出ているような)大泉のキャラクターを生かすような演出・脚本となっている。
2020年12月23日の時点で、興収17.8億円、動員130万人という興行成績だが、『劇場版鬼滅の刃 無限列車編』の日本映画史に残る大ヒットの影響もあってか、ヒット御礼イベントにおいて大泉が「すごいことなんですよ。『鬼滅の刃』のせいで全然、目立たねぇ。同じ東宝だから頭にくる」と発言している。(公開から約2週間で約20億円の興行収入となるのは世間一般ではヒットの証とされているため、健闘した方である。)
製作には日本テレビが関わっており、日本テレビ系列で公開前後の宣伝がなされた。また、Huluにて『新解釈・三國志ー異聞ー』としてスピンオフドラマが配信されている。
2022年1月21日に金曜ロードショーで地上波初放送される。
正式なタイトルは『新解釈・三國志』であるが、一部メディアで「三国志」と誤記されていることがある。
キャラクター
蜀
本作の主人公。
蜀の将軍。平和を好む戦嫌い…といえば聞こえはいいが、小心者で面倒くさがり屋。不思議と部下たちには慕われている。戦いの前線に出ることは全力で避けようとするが、後述の貂蝉を送り込むといった計略を考えるのは上手い。酔うと気が大きくなってしまうようで、武人らしい壮大な目標を口にする。
「お前らあれだよな!! 俺なんかいなくても頑張れるよな!?」
「え~!! また来んの~!? 足が棒~!! レッグ・イズ・スティック~~~!!」
↓
「曹操!! 戦好きのおめぇには、この世は任せられねーな!!」
「俺は、民の笑顔が見てえだけなんだ!!!」
劉備と桃園の誓いにて義兄弟の契りを交わした武将。頼りない劉備をなにかと励ましサポートしている。しっかりした性格で、劉備がサボっている時は先頭を取ることも多い。
同じく桃園の誓いにて義兄弟の契りを交わした武将。関羽と一緒に劉備をサポートしている。酔っている時の劉備を「真の武人」と評価し、普段からそのように振る舞ってほしいと思っている。
武将。誰もが認める美青年だが自分の美しさに絶対の自信を持つナルシストで、登場時にポーズをとったり会話の途中に妙な間を開けたりと、とにかく鼻につく言動が目立つ。
「すみません……………………………モテてます!!」
「モテる上に………………………………………………………強い!!」
劇中中盤でスカウトされた軍師。天才軍師と名高いが、実は妻の黄夫人に知恵を貸してもらってあたかも自ら考えたかのように演じているだけで、本人はほとんど何もできないヘタレである(本人曰く「俺は営業担当」)。その上無理難題を吹っかけられても安請け合いする癖がある。その一方で運がよく、口がうまいため時間稼ぎは得意。
「雇いましょうよー雇いましょうよ、孔明♪」
「ごめん、やっぱ無理だわ十万本とか」
劉備の妻。曹操軍に追われる中、生まれたばかりの息子を趙雲に預けるが、彼が無駄な格好つけで尺を取ったせいで敵に取り囲まれてしまい、井戸の中に身を投げてしまった。
劇中では夫と一緒にいる場面は一度もなく、あまり周囲から悲しまれている様子もなかった。哀れ。
孔明の妻。プー太郎同然であった孔明に怒って手を出そうとするなど荒っぽいところがある。非常に頭の切れる人物で、「アイディア」という形で夫の戦略を考えている。
「さっさとやんねーと一カ月メシ抜きだぞコラァ!!」
魏
魏の将軍。好戦的な性格から、酔った劉備には「平和な世を治めるには相応しくない」と警戒されている。男前で評判らしい。仕事に支障をきたすほどの女好きで、目隠しをしながら侍女たちを追いかけまわすという変態的な遊びに興じていた。
「分かってくれ夏侯惇、荀彧… 俺を唯一癒してくれるもの、それが…………エッチなんだ!参るぞ!」
曹操に仕える副将。冷静な性格。曹操の女好きには辟易している。
史実においては曹操とは従兄弟で幼馴染の関係にあることもあってか、劇中では彼と唯一対等な口調で話す人物となっている。
軍師。本来は切れ者だがおとなしい性格で、あまり曹操に強く出られずにいる。
史実では40代半ばだが、演じた磯村は公開時点で28歳であり、劇中では若者として描かれている。
武将。宴会の席で裸踊りを披露して大いに盛り上げるが…?
「ニャカニャカニャーニャーニャーニャーニャー♪」
呉
呉の若き皇帝。穏やかだが優柔不断でぼんやりしたところがあり、周りの意見に流されやすい上に危機意識も異様に低い。劉備を信用し、孔明を天才と評価する一方で、周瑜の暴走はなぜか止めない。
「では降伏!降伏の方向で行こう!」→「じゃあ戦おうではないか!」
「好き嫌いでまつりごとは務まらん!!」→「やっぱり君は素晴らしい!褒めて遣わす!」
武将。優れた武人だが気が短くいつも怒っており、単純で騙されやすい。妻の小喬を溺愛している。孔明に無理難題(矢を十万本用意させる、追い風を吹かせる)を吹っかけて排除しようとする。孔明に何度も騙されたことを根に持っており、何かあるとすぐ「斬首!」と彼に突っかかる。
「私の妻だと言ったナーウ! ジャースト・ナーーーーウ!!」
「もし風が吹かなければ、責任をとって…………斬首!!」
周瑜の妻。現代の感覚において美しい容姿の持ち主。「曹操が妻に迎えたがっている」という話(実際には孔明の策)から、男前と噂の曹操に懸想していた。
将軍の1人。蜀の面々をあまり信用しておらず、常に一歩引いたような態度をとっている。
なお、俳優の矢本は30歳(公開時点)にして壮年の役を演じ、「今まで演じた中で最高齢の役」とコメントしている。
軍師。突っ走りがちな周瑜をサポートしている。蜀の面々とあまりうまくいっていない他の将軍たちに比べ、間を取り持つような落ち着いた性格である。
史実では30代半ばだが、演じた半海が公開時点で62歳だったため、劇中では年配の男性として描かれている。
その他
漢(後漢)を簒奪した群雄の一人。暴君と恐れられるが、だいたい(福田監督作品における)いつもの佐藤二朗という感じの適当な性格で威厳は全くない。貂蝉に一目惚れし、彼女を巡って呂布と対立した。
佐藤氏の名誉のために追記するが、本人は董卓役が決まったと聞いた時「役作りのため、山寺で断食と滝行をする」つもりだったが、映画監督が福田監督と聞いて取りやめたとのことである。
「絶世の!美女の名を欲しいままにする!感じの!美女やんか!!」
「もう傾城や!一国傾城の女や! もうマジで傾くよ国が!!」
董卓の部下。端正な顔立ち(貂蝉曰く「中途半端な外人顔」)で、関羽と張飛を一人で一蹴してしまえるほど武芸に長けるが、お世辞にも頭が良いとは言えない。貂蝉に一目惚れし、彼女を奪おうと董卓を討つが…?
「俺の恋の暴走機関車は誰にも止められねえんだよ!!」
「貂蝉……貴様、本当はそんなに醜い姿だったのか……!!」
趙雲が仲間割れを目論んで董卓の元に送り込んだ当時の感覚では美人な女性。三国志演義においては董卓の部下、王允の養女とされるが、本作では劉備が考えた策のために趙雲が街でスカウトしてきたという設定である。超豊満なボディとそれを活かした舞(?)を特技とする。
正確には「黄巾族」という農民一揆(逆賊)の集団であり、本作における「黄巾」はその代表格の人物である。反逆を企て「黄巾の乱」を起こすが劉備達に制圧された。顔の黄金比にこだわりがあり、話し出すと長い。
- 蘇我宗光(歴史学者)、ナレーション:西田敏行
物語の語り部。彼による「新解釈の三国志」が映画のストーリーとなっており、一回の講義として場面ごとに語り(解説)が入る。
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