概要
2008年に「Part1」が、2009年に「Part2 未来への最終決戦」が公開された。
赤壁の戦いをモチーフに制作されてはいるが、呉の視点から描かれるため、主人公は周瑜である。
あらすじ
多少変更点があるものの、ほとんど三国志演義と変わらないので省略。
主な三国志演義との差異
- 中村獅童演じる呉の将軍、甘興の存在(本来は甘寧役になるはずだったが、出番を増やし過ぎて急遽、架空の人物となった)。
- 序盤の長坂の戦いで、糜夫人だけでなく甘夫人まで死亡している。
- 孫尚香と魏の兵士・孫叔財(架空の人物)とのラブロマンス(原典では劉備の妻)。
- 迫り来る曹操の脅威の前に弱腰となる孫権に対し、周瑜が強引の虎の狩りに連れ出し、現れた虎を孫権一人で立ち向かわせ、虎を矢で射らせて曹操への恐怖心を打ち破らせて奮い立たせる(演義で虎狩りは存在しないが、その後の家臣達の面前で机の角を斬るのは演義でもある)。
- 曹操軍の将の扱い(腕を切られて戦死する楽進、行方不明になる許褚、夏侯惇・夏侯淵など重要な武将がいないなど(代わりに彼らをモデルにしたと思わしき夏侯雋が登場する)。比較的まともな扱いを受けている人物は、曹操・曹洪・張遼くらい)。
- 曹操が蒋幹を見せしめのために毒殺して処刑するシーンがあるが、史実にも演義にもこのような描写は一切ない(三国志平話では、敗戦の責任を取らされて自軍の将兵により殺害されている)。
- 華佗が頭痛に悩まされる曹操の治療を行うため従事している(一時期、曹操の典医をしていたのはたしかだが、赤壁の戦いに従事していたかは定かではない。また、演義では曹操の対面するのは関羽の死後となっている。ちなみに、作中では火計を受ける前に陣営から去っている)。
- 演義には水上戦だった前哨戦(三江口の戦い)が野戦に変更。
- 重要な計略の変更(船を鎖でつなぐ案を龐統ではなく味方の蔡瑁が考案する、蔡瑁達の死後に行われた矢狩りを彼らが生きている時に行い蔡瑁達の失態として描かれる、苦肉の計を提案した黄蓋を周瑜が却下するなど)。
- 曹操が疫病で病死した兵士の死体を船に積んで敵連合陣営に送り付け、敵陣営に疫病を蔓延させるという非人道的な作戦を実行(史実・演義ともに曹操陣営で疫病が流行したのは確かだが、病死した死体を送り付けるという行為は記されていない)。
- 周瑜の妻の小喬が時間稼ぎのために曹操陣営の元に赴く。
- 曹操が「(自分が)公孫瓚を滅ぼした」と発言しているが、実際に公孫瓚を滅ぼした人物は袁紹である。
- 演義では火計が成功した後は敗走する曹操軍の追撃戦となるが、作中では曹操軍は逃げずに総力戦の決戦となる。