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概要編集

オウム真理教の元幹部

1958年12月5日生まれ、大阪府吹田市出身。

ホーリーネーム「マンジュシュリー・ミトラ」


子供の頃からSF少年で、超能力や未知の世界への強い興味があった。

学業成績は優秀で、大阪府屈指の進学校である千里高校を卒業後、「歩いて通える」という理由で大阪大学に進学。

担任からはもっとレベルの高い東京の大学(恐らく東京大学)を薦められていたが、わざわざ上京するつもりはないと断っている。


大学院を卒業後、神戸製鋼に就職。

直後に麻原彰晃の著書に出会い、感銘を受けてオウムへの入信を決意し退職。

親の反対を押し切り、妻と共に出家した。


出家後すぐに殺人事件に加担した他、化学に強い土谷正実を説得しサリンの開発を指示。

更にレーザー銃、レールガンミサイルUFOAK-74タイプの自動小銃、極めつけは核兵器など様々な武器や兵器を企画。

大半は技術的に実現しようがなく計画倒れに終わったものの、自動小銃のように実際に製作されたものもある。


1994年には科学技術省大臣の立場を与えられ、PSI(麻原と同じ脳波を作り出すとされるヘッドギア)を開発したことで正大師に昇格。

麻原の右腕かつ教団のナンバー2という絶対的なポジションを得た。

また、同年には松本サリン事件に参加している。


1995年、警察の強制捜査かく乱について話し合う会議(リムジン謀議)で、地下鉄にサリンを撒くことを提案。

これが同年の地下鉄サリン事件の発端であり、同時に村井が指揮官に任命され、計画の立案やメンバーの選定をした。

実行犯に選ばれた5人のうち4人は、科学技術省の次官で村井の部下であった。


刺殺編集

同年4月23日20時ごろ、各報道陣が押し寄せる東京・南青山のオウム総本部前で取材を受けていたところ、紛れ込んできた山口組系の韓国人の暴力団員に腹を刺され、翌日24日搬送先の病院で死亡した。享年36歳。

逮捕前に死亡したため起訴はされなかったが、後に上記の通り村井が犯罪行為に積極的に関与していたことが発覚したため、仮に生きていても裁判死刑は免れなかっただろうと言われている。

同時に、数々の犯罪行為の中核をなした村井の証言を引き出せなくなったことで、一連のオウム事件に多くの謎を残す結果となった。


上述したように地下鉄サリン事件から日が浅くなかったのもあり多くのマスコミがカメラを回す中で殺害されたため、翌日のワイドショーでは訃報のニュースと共に殺害の瞬間が何度も流されることとなった。しかし当時映像にもモザイク修正すらかけなかった事から「子供に悪影響」だと批判的な声も多かった。


なお、彼を殺害した犯人は動機について要約すれば一連のオウム事件に対して私的な感情を持ち、誰でもいいので幹部をかなければならないと凶行に走った結果、重要参考人であろう村井が犠牲になってしまったという。


ただし、犯行現場の状況から犯人は明らかに村井一人を狙ったとされる推論もあり、「逮捕されれば事件に関する全てのことを話されることを危惧したオウム真理教が、暴力団組織と結託して口封じをさせた」との説もある。現に村井が刺殺されず逮捕されていれば、麻原逮捕や一連の事件の真相解明が大幅に早まったと思われ、幹部信者であった井上嘉浩は自身の裁判で「松本智津夫氏が部下を切り捨てる方向に動いていると思った。自分も内心殺されるのではと思っていた」と証言している。また、麻原は娘や井上に対し「村井を信じる奴はバカだ」「何のために村井が死んだのか考えろ」と意味深な発言をしている。


犯人は出所後、ブログTwitterを開設するも2016年の更新を最後に途絶えており、ドキュメンタリーの取材にも応じていないため消息は不明。


余談編集

  • IQは180とも200とも言われており、授業中に目を閉じて瞑想しながらどんな問にも答えられたという。
  • SF少年時代からの旺盛な好奇心を元に、無謀な企画をどんどん推進したことから、周囲からは呆れられており人望は無かった。死後、関係者からは後述のような散々な本音を漏らされている。特にもう一人の大幹部と言える上祐史浩とは犬猿の仲とされていた。
  • 出世欲は無かったものの、麻原のイエスマンとして忠実に行動するうちに大幹部の地位を得た。教団内では「麻原は信者の心を見透かせる」と認識されていたが、実際には愚痴や噂を聞いた村井が麻原に告げ口していただけであった。
  • ビラ配りロボット」なるものを発明したが、もちろん失敗作で、お披露目の際には人がビラを配った。更にこのロボットの見た目はR2-D2にそっくりであり、著作権的にも危ない代物であった。
  • ホーリーネームは「マンジュシュリー」と略されることが多く、まんじゅうなる愛称もあった。

人物評編集

  • IQ180、EQゼロ」(岡崎一明
  • 「村井の部署は金食い虫で評判が悪かった」(遠藤誠一
  • 「村井さんの指示で動くことが非常にいやだった」(林泰男
  • 「ひたすら麻原の意思通りに実行する人」(林郁夫
  • 「村井がいたから教団は破滅した」(土谷正実
  • 「理系オタクで人付き合いが全くできない人」(端本悟
  • 「記憶力はすばらしいが、思考能力があるかと言うとないと思う」(杉本繁郎

基本的に部下からの評判は散々であったが、妻や麻原は「嘘をつかない」「意志が強い」、田原総一朗は「目が綺麗」などと評価していた。


関連項目編集

オウム真理教 地下鉄サリン事件 マッドサイエンティスト


安倍晋三銃撃事件:殺害される瞬間が映像に記録されてしまった令和の殺人事件。犯人の動機がカルト宗教への粛清で、そのためなら殺す相手は誰でも良かったと供述している点でも共通しており、村井の事件は引き合いに出されやすい。なお、村井の事件が韓国人が日本のカルト宗教に私刑をかけたのに対し、こちらは逆に日本人が韓国のカルト宗教に私刑をかけている。

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