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炎の記憶

ほのおのきおく

正式名称「ルパン三世 炎の記憶〜TOKYO CRISIS〜」。1998年に放送されたルパン三世TVスペシャル第10弾作品。視聴率は歴代2位となる24.1%。
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概要編集

ルパン三世TVスペシャル第10弾となった本作では初めて銭形警部こと、銭形幸一が話の主軸に扱われた。それもあってか本作では珍しく銭形が敏腕警部として描かれ、舞台も久々の日本になっている。

そして、本作は「燃えよ斬鉄剣」に次いで歴代2位の視聴率を記録した。

また、「開運!なんでも鑑定団」でお馴染みの鑑定師・中島誠之助が本人役でゲスト出演もしている。

脚本は藤田伸三、監督は篠原俊哉


2019年10月25日にはYouTubeの「TMSアニメ55周年公式チャンネル」にて本編の無料配信(21時からのプレミア配信→アーカイブ配信)が行われた。


あらすじ編集

徳川埋蔵金」の在り処を示すとされる徳川慶喜を写した2枚のガラス乾板「巽の慶喜」と「乾の慶喜」をルパンは狙うが、それは凄腕の若手実業家マイケル・スズキ(声:山寺宏一)が保有しており、彼から警護を任された銭形の計略にルパンは嵌ってしまった為、盗み損ねてしまう。

いつものメンバーに応援を求めるルパンだったが、不二子五ェ門は音信不通。頼みの綱の次元虫歯のせいでまともに銃が撃てない有り様で、ルパンは結局単独で活動することになってしまう。一方で銭形の元にはやたらと勘の良い女雑誌記者一色まりや(声:林原めぐみ)が取材に押しかけて来ていた。

その夜、ルパンは「乾の慶喜」がトレーラーで運ばれることを知り、道中で盗み出そうとするが、トレーラーは銭形の指揮を無視してルパンを攻撃しようと暴走する。そして突然ヘリコプターで現れた不二子と五ェ門に「乾の慶喜」は奪われてしまった。銭形の応援に駆けつけたまりやの車でルパンを追おうとした銭形は道路交通法違反として逮捕されてしまい、責任を取らされる形で一時休職を命じられてしまう。

ルパンは不二子と五ェ門にコンタクトを取り、まだ虫歯のままの次元も加わって、残った「巽の慶喜」をスズキの元から盗み出そうと計画するが、休職中にもかかわらず銭形はスズキの本拠地となっている「アクアポリス」へルパン捜査に向かう。


しかし、ルパン達はまだ「巽の慶喜」と「乾の慶喜」に隠されたもう一つの秘密、マイケル・スズキの裏の顔、そして一色まりやの過去に隠された謎をまだ知らなかったのだ……。


登場人物編集

ルパンファミリー編集

今作のルパンファミリーは、今まで描かれていた華麗で完璧な超人達!というキャラではなく、油断していたこともあった為か全体的にどこか人間くさく、かつ泥臭いイメージになっている。


永遠の大泥棒。

いつものお調子者な部分が仇となり、若干詰めの甘さが見られるも、他の3人に比べて常識人ポジションになっている。

…と思いきや、劇中のラストのトンデモ展開には流石にルパン本人も苦笑い。


クールなガンマン。

いつもは常識人で頼りになるが今作は、弱点の虫歯のせいで全然役に立たない髭面のオッサン。

そんな中1人でとある歯科医院に治療に行ったが…


「アッーーー!痛み止め忘れた」


侍に生きる男。

でも今作は、女に騙され愛刀の斬鉄剣を奪われる大失態を犯してしまった時代錯誤のオッサン。

そしてエンディングでは意外な一面も…


次元「女か?」

ファンファーレが鳴る中、五ェ門は赤面した。


華麗で自分の欲に正直なトラブルメーカーなオネーサン(?)。

だが今作は、珍しく空気を読んだかルパンサイドを裏切らず、むしろ近年よく見せる詰めの甘いかませ犬要員のオバサン。

これでも次元、五ェ門よりはマシ?


本作の主役。いつものドジな所はあるが、ルパン一味の悪巧みに気付くなど敏腕に描かれ、スズキの策略で起きた大事故の責任を取るなど正義を貫く警察官といった印象が強い。

前作で言った「悪党が誰であれワッパをかける」というポリシーの有言実行である。

ちなみに久々に銭形幸一というフルネームが登場する。アパートの大家さんからは幸ちゃんと呼ばれている。

神棚には銭形平次の物と思われる十手が祀られている。


ゲストキャラ編集

CV:林原めぐみ

独立項目を参照。


  • マイケル・スズキ

CV:山寺宏一

人工島アクアポリスの主であり、日系ハーフの青年実業家。

人当たりはよく、いい人という印象をもつが裏の顔は……。


  • ゴンドウ

CV:山寺宏一

マイケル・スズキのボディガード。

筋骨隆々の男でマイケルよりも野太い声色で話すが、終盤では意外な正体を明かす事に……。


  • 警視総監(浄園祐)

CV:藤本譲

恰幅のいい中年男。

銭形の成果を自分の事のように喜んだり、逆に高速道路で大事故を起こした時は彼のせいにしたり(銭形が作戦指揮をしていたのは事実の為、当然であるが)やや中間管理職のイメージがある。だが、性根まで腐っている訳ではなく、銭形の逮捕を取り下げるよう取り計らっている事からも、何とか銭形を助けようとしていた事がうかがわれる。

本編ではあまり触れられる事は無かったが、設定上の名前は現在のテレコム・アニメーションフィルム社長その人から拝借したものである(本作では制作進行としてクレジット)。


余談編集

  • ゲスト出演の中島誠之助は本人役としての声優だけでなくタイトルロゴのデザインの一部にも関わっているなど、見ているこちらが「いい仕事をしてますねー」と言いたくなる活躍を見せた。また、冒頭の飛行機の添乗員(ルパンの変装)役は、当時まだ無名だったネプチューン堀内健氏である(エンド・クレジットには未表記)。
  • OPで風船を受け取っている子どもが一瞬出てくるが、なんと名探偵コナン江戸川コナン毛利蘭である。この時点では制作会社が一緒だからという単なるお遊びに過ぎなかった(他にも「毛利蘭」の名は「コナン」が連載される遥か以前にTV第2シリーズの脚本家であった高屋敷英夫が筆名として使っていた事もある)が、2009年には正式な共演が実現した。
  • マイケル・スズキ(とゴンドウ)の中の人である山寺は本作の他にも「風魔一族の陰謀」では「警官B」を、「お宝返却大作戦!!」ではボスキャラである「ラッツ(本名:イワン・クロコヴィッチ)」を演じる他、「峰不二子という女」以降は納谷悟朗に替わって銭形役を引き継いでいる。
  • 日テレで放送された作品ではあるが(チャンネル番号に2をかけると8になる他局の本拠地である)お台場の風景も僅かではあるが描写されている。
  • 本作のエンディングテーマである「あこがれ」は一色まりや役の林原が歌っているが、アーティスト名義は「林原めぐみ」ではなく「まりや」名義(「一色まりや」もしくは「Mariya Isshiki starring Megumi Hayashibara」などでもない)となっている。これは彼女がキングレコード専属歌手である関係上(同曲はバップからのリリース)、権利関係で揉める事を避けるための苦肉の策とされる。この事もあり同曲は表向き「林原めぐみのディスコグラフィ」として計上されていないが、2015年にリリースされた彼女のベストアルバムである「タイムカプセル」には収録されている。
  • アクアポリスの地下のセキュリティは銭形が持っていた消費者金融のキャッシュカードで突破されてしまったが、これがそもそものセキュリティがザルなのか、端末が偶発的にカードの磁気コードの波長と一致したのかは不明である。
  • 劇中ではとあるシーンで営団地下鉄(現:東京メトロ)有楽町線07系が登場したが、そのシーンに車掌に変装したルパン三世が乗車している。その4年後のとあるゲーム中でも…

関連タグ編集

ルパン三世 埋蔵金 名探偵コナン

前作今作次作
ワルサーP38炎の記憶愛のダ・カーポ

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