第64回東京優駿
だいろくじゅうよんかいにっぽんだーびー
これはもうフロックでもなんでもない
クラシック第1弾の第57回皐月賞は、良血馬オースミサンデーの競走後予後不良などがありつつも内国産馬の雄メジロブライトやランニングゲイルらを抑え、大西直宏の駈る11番人気サニーブライアンが勝利。2着のシルクライトニング、3着のフジヤマビザンも2桁人気だったことで馬連51,790円の大荒れの皐月賞となった。
しかし競馬ファンは、サニーブライアンの勝利を「あれは単なるフロック(まぐれ)だ」「有力馬の多くが追い込み脚質で、互いに後方で牽制しあって仕掛けが遅れたたけ」「直線の長い府中では逃げきれないだろう」と考えていた。まあ実際のところは、人気薄すぎて大西騎手の逃げ宣言が注目されてなかったのもあるのだが。
それはさておき単勝1番人気は、皐月賞に続いてメジロブライト。父のメジロライアンは1990年(第57回)のダービーではアイネスフウジンに敗れて2着だった。
2番人気は弥生賞(GⅡ)の勝馬ランニングゲイル。鞍上の武豊は、ダンスインザダークで挑んだ前年(第63回)、フサイチコンコルドに優勝を浚われたことから、未だに勝てていないダービー制覇に燃えていた。
3番人気はシルクジャスティス。若草ステークス・京都4歳特別を連勝し、ダービーに駒を進めてきた。鞍上は前年にフサイチコンコルドでダービーを制覇した藤田伸二で、まだ前例のない2年連続ダービー制覇を狙う。
4番人気は後に逃げ馬として名を馳せるサイレンススズカ。プリンシパルステークスを持ち前の快速で制した、サンデーサイレンス産駒期待の新鋭だ。
5番人気に青葉賞(当時GⅢ)の勝馬トキオエクセレントが続く。
……あれ、サニーブライアンは? 6番人気ですよ、皐月賞馬なのに。確かに何故か出走しようとしたプリンシパルステークス(サニーブライアンの調教助手が昔気質だったのが原因だとか)を未勝利馬に蹴っ飛ばされて怪我をしたせいで回避したりしたので、気持ちはまあ分からなくもない。だがレース前の併せ馬で『調教横綱』として有名だったスピードワールドをぶっちぎったりして馬体も良かったのに、なぜここまで不人気だったのだろうか。やはりどうしても、皐月賞の勝利は展開が上手くいきすぎた感があったせいかもしれない。しかし鞍上の大西直宏はこう言った。
「1番人気は要らない。1着が欲しい」
なお、皐月賞2着馬のシルクライトニングは競走除外となった。
着順 | 枠番 | 馬番 | 馬名 | 着差 | 人気 |
---|---|---|---|---|---|
1着 | 8 | 18 | サニーブライアン | 2分25秒9 | 6 |
2着 | 3 | 5 | シルクジャスティス | 1 | 5 |
3着 | 7 | 15 | メジロブライト | 1/2 | 1 |
4着 | 4 | 7 | エリモダンディー | クビ | 8 |
5着 | 6 | 12 | ランニングゲイル | クビ | 2 |