第6巻より
スモーキー「しゅ……手榴弾でブッ飛んだのに!こんなやつを!こんなやつを!
こんな化け物を! やっつける策がさらにあるのか! ジョジョ!」
ジョジョ「ああ…あるぜ!」
スモーキー「ええ! あるのか!?」
ジョジョ「ああ…たったひとつだけ残った策があるぜ」
スモーキー「たったひとつだけ!そ…それはいったい?」
ジョジョ「とっておきのヤツがな! あの足をみろ!
やつは足がコマ切れになりすぎてまだ完全に回復しきれてねえ! そこがつけめだ! 」
スモーキー「そ…それで たったひとつの策とは?」
ジョジョ「こっちも足を使うんだ」
スモーキー「足だって! 足をどうやって!」
ジョジョ「逃げるんだよォ!スモーキーーーーーッ!! どけーっヤジ馬どもーッ!!」
スモーキー「わあ~~ッ!! なんだこの男ーッ」
台詞概要だよォ!
吸血鬼と化して襲ってきたストレイツォに対してジョセフは波紋や機関銃で対抗し、手榴弾でストレイツォをバラバラに吹き飛ばすが、吸血鬼の凄まじい再生能力で吹き飛んだ肉体は元通りになりつつあった。
倒す策はまだあるのかとスモーキーから問われたジョセフは、たったひとつだけ残ったとっておきの策があると答える。それは、足がまだ完全に再生しきれていないストレイツォに対し、こちらも足を使うことすなわち「逃げる」ことであった。
一見、少年漫画の主人公らしくない敵前逃亡という発想である。だが、これは実は仲間を逃がすためや、相手を罠にはめるためにおびき寄せる戦略的なもので、敵前逃亡では決してない。まさに、策略で敵を出し抜いて倒すジョセフらしいやり方である(第3部では「若い頃から作戦上逃げることはあっても戦いそのものを途中で放棄したことは決してない」と言い切っている)。作中ジョセフが孫子の兵法を引用しているが、この『逃げる』という行為も兵法三十六計の最後の項目に記されている他、孫子が『勝算が無い時は戦ってはならない』としている。
後に第12巻で究極生命体と化したカーズに対しても、「逃げる」と称して対抗策を練る時間稼ぎをしている。
その時のジョセフのセリフは「逃げるんだよォォォ──────ッ」、それに対してのスモーキーのセリフは「うわーっやっぱりそうだったァァァァァァン~~~~」。
人によってはこちらの方を覚えていたり、もしくは最初のものと混同して記憶していたりもすることもあるが、どちらのシーンもコマ内の構図がほぼ一致しており、明らかにワザとやっているのでそれもやむなしである。
そもそもカーズ戦自体がストレイツォ戦と非常に酷似している(これの他にも女性を人質にとる、最後は波紋を使ったことが原因で自滅する等幾つか共通点がある)。
第3部では孫の承太郎に受け継がれた。仗助、ジョルノ等後の主人公達も強敵との戦いでは「一先ず逃げて反撃を狙う」という作戦を時々行っている。第5部で明確に語られているが、スタンド能力の脅威は単純な攻撃力よりも個々の持つ特殊能力にある場合が多く、その特殊能力の実態を見極め対抗策を練る時間を稼ぐ為にも「一旦退く」というのは理にかなった戦法と言える。
余談だが、この逃げるんだよォ!という戦法自体は初代JOJOのジョナサンも行っている(ジョースター邸での吸血鬼ディオとの最初の戦闘、ブラフォードを倒した直後のタルカス戦など)。
しかし、その戦法をハッキリと逃げるという言葉で表現したのはジョセフが初である。後に承太郎もラバーソール戦時にこれに近い戦法をする(水場に飛び込む)際、「逃げる」と発言している。
ちなみに、『ジャンプアルティメットスターズ』では同名のミッションがあり(ただしタイトルに!が1文字多い)、エイジャの赤石を取った後15秒間守り切るというルールだが、カーズがプレイヤーキャラとして登場しないためDIOが代わりにライバルとして登場している。専用デッキはなく、自分のデッキを使ってプレイすることになる。
TVアニメ版ではジョギングを始めるかのように、悠長かつコミカルな動きで表現された。
ジョセフ役の杉田氏の演技も、それに合わせてか「逃ィげるんだよォ~~~~~」といったかなり間の抜けた台詞回しになっている。