みんなで笑っていっしょにいっぱい楽しく踊る!
そんなアイドルになってみせるよ!
本記事の概要
「アイドルマスターミリオンライブ!」の登場人物高坂海美の記事にて、漫画「アイドルマスターミリオンライブ! Blooming Clover」についての記述があまりにも長くなるため、また記述内容にネタバレを大量に含むため、「Blooming Clover」に関する記述はこの記事に分割する。
以下では作品の根幹に関わるネタバレを大量に含むため注意されたし。
概要
ある年の春、765プロの新人アイドルオーディションを受け、合格してアイドルになった16歳の女の子。第8話からはユニット「Clover」のメンバーとなり、物語の中核をなす人物である。
常に明るく元気であり、またそれが高じていつも落ち着きのない少女。
幼少期から10年に渡ってバレエを習っており、その経験から同期の中でも非常に高い運動能力と体幹の強さ、バランス感覚を誇る。故にダンスの技術も群を抜いて高く、多くの登場人物から一目置かれている。ステージ上だけでなく、普段の移動などでもバレエのポーズなどを見せることが多い。
一方で料理や裁縫など「女子力」に関わるスキルは壊滅的で、例として特製のホットケーキは黒焦げになる。
現在はロシアでプロのバレエダンサーをしている姉をとても尊敬しており、そして姉のように自分もアイドル達の中で「お姉ちゃん」としての役割を果たすべく奮闘中。
ストーリー
※「Clover」4人全員に共通する事項についてはClover(アイマス)も参照。
第0話
新人アイドル達の初顔合わせの場となる親睦会に参加。舞浜歩や島原エレナといった年上のダンス上級者達にも引けを取らないダンス能力を既に見せつけ、箱崎星梨花らと仲良くなるが、一方で「ここにいる人たちは馴れ合う仲間じゃなくてライバル」と豪語する北沢志保とも出会う。
1巻
第1話
レッスンが待ちきれず劇場を早めに訪れ、この日から765プロに加わる矢吹可奈に劇場を案内する。お腹が空いた可奈に持参したおにぎりを分け与え、そして公演で自主練に勤しむ志保を可奈に紹介する。
その後、皆の前での自己紹介にあたって緊張していた可奈の手をぎゅっと握って落ち着かせ、彼女の自己紹介の歌には高評価を示していた。
第2話
公演に出演し、歩と共にステージに立つ。出番の終了後、この日が初ステージとなる可奈にも「かなりんも楽しんできてね」と声を掛けた。
第4話
可奈・志保・星梨花のステージデビューを懸けたオーディションを見学。開始前、海美は志保が休む間を惜しんで練習を重ね疲労が極度に達していることを見抜く。
海美の不安は的中し、志保はオーディションには合格するものの審査結果を聞いた直後にその場で倒れてしまい、プロデューサーの指示で誰かにその事態を伝えに走っていった。
2巻
第5話
可奈と星梨花は病み上がりの志保のバックアップのため2日後の公演まで猛特訓を重ねることになる。門限の為に夜遅くまで劇場に滞在できない星梨花のために、海美はロコのタブレットを介して星梨花に入念な指導を行っていた。
第6話
定期公演が行われ、海美は横山奈緒とステージに立つ。そして自身の次のパートに登場した志保と星梨花の様子を舞台袖で見守り、心配から落ち着きがない様子であった。
そんな中、この日公演に出られなくなった可奈が観客席で志保達を一生懸命応援している姿を望月杏奈が発見。その献身的な姿に、海美も舞台袖から計3人を全力で応援する。
楽曲披露後、徳川まつりの「可奈を公演に出させてあげてほしい」という提案に海美も同調。中谷育より背丈が低くなるほど頭を下げ、観念したPに「可奈を呼んできてくれるか」と頼まれ客席の可奈を超特急で連れてくる。
可奈と志保のステージが終わった後は、可奈達を海美なりの最大級の賛辞で褒め称えた。
第7話
前日に放送された「アイドル大運動会」の菊地真の姿に感化され、劇場に向かう途中の駅で星梨花と会い、そのまま星梨花(37kg)+服+鞄を肩車して劇場までの300m強をダッシュし息切れ一つしないという成人男性顔負けの体力を見せつける。
劇場では新たに765プロに加わった桜守歌織と初対面。また、家事が得意な志保の裁縫の様子を見物し、自分は女子力が低いから志保が羨ましいと語った。
第8話
ミリオンスターズの新ユニット3組が発表され、海美は可奈・志保・星梨花と「Clover」を結成する。ユニット内最年長であるが、リーダーには「しほりんしっかりしてるしね」と他の2人と同様に志保を推し、そのまま志保がリーダーとなった。
その後、一旦帰りかけるも鞄を置き忘れて取りに帰った際、百瀬莉緒とPの会話を偶然聞く。
莉緒は、「Clover」の残り3人が13~14歳なのに対し、16歳と少し年上の海美が同じユニットに入ったことにやや疑問を抱いていた。
その理由をPは説明する。海美は自由奔放に見えて、第4話で志保の異変をいち早く察知するなど「きちんと人を見ている」という点をPは評価しており、まだまだ荒削りな可奈達を、ユニットの「お姉ちゃん」として引っ張っていってほしいということを期待して海美を入れたのだった。
それを聞いた海美は欣喜雀躍し、改めて帰路に就く。そして海美は、自身の姉(この時写真でビジュアル初登場)と同様に「お姉ちゃん」としての存在を果たすことを誓ったのだった。
翌日、ユニットでのダンスレッスンが開始するが、案の定3人は海美のダンスに全くついていけない。指導役から「もう少しみんなに動き合わせられる?」とダンスを抑えるよう言われ、海美も承諾したが、志保はライブの成功の為に「ダンスのレベルを落としたくない」と、常に全力で踊るよう海美に要請するのだった。
3巻
第9話「海美ちゃんも自分の夢を叶えてね」
海美の過去などが明かされる個人回。
バランスボールの上でポージングができるなど、驚異的なバランス感覚を持つ海美。その身体能力は、姉がきっかけで始めたバレエを10年間続けたことで培われたものだった。
海美が敬愛する海美の姉は、海美とは違いお淑やかで料理も得意、美人で優しいというほぼ完璧な人物。彼女は物語開始前、ロシアのバレエ団に所属しプロのバレエダンサーになるという自身の夢を叶えていた。
ある日、そのロシア行きが決まったことを本人から聞き、海美は心から祝福する。しかし、海美に予想外の言葉を姉は言う。
「海美ちゃんも自分の夢を叶えてね」
姉を応援してばかりで、自分の夢なんてものについては考えたこともなかった海美。そんな時、たまたまその場所の掲示板に貼ってあった「765プロ新人アイドルオーディション」のポスターを発見する。
昔からアイドルが好きで、765PRO ALLSTARSの「いつも笑顔でいっぱい踊って」いる姿に漠然と憧れていた海美。「私の夢はこれだ!」と思い立ち、そしてすぐに10年通ったバレエ教室を辞め、オーディションを受けて現在に至っている。
しかしそれを聞いた歩は、10年間継続できたダンスは本人も大好きだっただろうし、海美の実力なら姉同様にプロも夢ではなかったと、本当にアイドルが正しい道なのかという疑問を抱いていた。
やがてレッスンが始まり、海美は本日も好調だったが、体力面で劣る星梨花は海美についていけず露骨に苦しむ。更に志保も「海美さんにお手間をかけさせるわけには」と海美の指導を断り、帰り道の海美は「これが 私の叶えたかった夢なのかな…」と苦悩する。
そんな海美は、かつて通っていたバレエ教室の前を通り、765プロ所属以降1度も顔を出していないことを思い出す。するとその姿をかつての恩師に発見され、言われるがままに小学生達と共にレッスンに参加することになる。
その休憩中、小学生たちに声をかけられる海美。その中の1人は、バレエを始めて半年経つにもかかわらず基本姿勢の「パッセ」でよろけてしまい、バレエに向いてないのではと考えていた。そんな彼女に海美は、ジャンプの大技である「グラン・ジュテ」をやってみようと言い出す。
言われるがままぎこちないステップで助走して飛んだ彼女を、海美は片足と体を支えてアシスト。ジャンプの快感を覚えさせた海美は他の子にもジャンプを教え、その場には皆の笑顔が広がっていた。
終了後、体を動かし足りないからと精力的に掃除をする海美。そんな中、海美は厳格な恩師に「私がバレエやめたこと怒ってる?」と気になっていたことを訊く。
別に海美がバレエ嫌いになったわけではないことを確かめ、「なら いいです」と海美を許す恩師。海美は、指導が厳しく怖いことはあったけどもバレエは本当に楽しかった、でも今はみんなと笑って踊れるアイドルが大好きだと語り、そして「10年間バレエ教えてくれて ありがとうございました」と、おそらくは辞めた時に面と向かって言えていなかったのであろうお礼と感謝の気持ちを、バレエの終演時のお辞儀である「レヴェランス」を交えて恩師に伝えたのだった。
先刻の小学生たちのように、海美は周りの人を笑顔にするのでアイドルに向いているだろうと語る恩師は「何かあったら話を聞きますから」と、協力の姿勢を示す。すると海美は早速…
翌日。海美はメールで星梨花を「秘密特訓」に呼び出す。
その中身は、息を吐く特訓である「アクティブコンディショニング」であり、前日のレッスンで「箱崎さんちゃんと息吸って!」と指摘されていた星梨花への対症療法として、前日海美がバレエ教室で聞いていた練習法なのであった。
「がんばったらがんばった分だけステージは楽しいんだ」と語り、星梨花に練習法を教える海美。星梨花は何となく楽しくなり笑い出してしまい、海美は「みんなで笑っていっしょにいっぱい楽しく踊る」アイドルになることを改めて誓うのだった。
第10話
4ユニット合同レッスンが行われる。そしてこの頃海美は、相変わらず志保は「ダンスは全力で」と言っているが、星梨花らがそれについていけていないのにこのままでいいのかという疑念を抱き始めていた。
この日もレッスン後に星梨花と上述の秘密特訓をし、その現場を可奈に発見される。
第11話
同様に星梨花らとレッスンや特訓を重ねる。
4巻
第12話
ユニットデビューライブ1週間前、劇場で通しリハ(全体リハーサル)が行われる。
この日の事前練習も相変わらずダンスは合わないが、相変わらず志保は「次もダンスは全力でお願いします」と何度も念を押し、海美も「わかったよ」とそれを承諾していた。
が、1回目のリハーサル。4人は今までにない調和のとれたダンスをすることができる。しかしそれは、志保の言葉に反して海美が意図的にダンスを抑えていたからだった。
当然気付いた志保に海美は問い詰められるが、海美は第9話頃から自分だけフルパワーで踊ることに疑念を抱き始め、「できることの違うみんなが 笑顔で楽しく踊る方法はそうじゃない」と考えていた。そして、みんなと楽しく笑って踊るために、自分が星梨花達に合わせるのが「私の考えた 今できる全力ダンス」だと語る。
約束を反故にされた志保は激昂するが、今のダンスで息が上がっているのが自分だけであったことに気付き自尊心を大きく傷つけられ、休憩に入った途端海美達の元を離れ1人になる。
海美の行動も、本番1週間前にしてダンスが揃わないという状況においてはそれほど間違ったものではなかったのだが、田中琴葉に「本気でステージに臨もうとする志保ちゃんに 失礼だったかもしれないね」と指摘され、自分の取り柄のダンスで人を傷つけてしまったことを深く後悔する。
第13話
ライブ6日前のレッスン前、志保が失踪したことが発覚する。海美は昨日の自分の行動が原因でこのような事態になったのではと責任を感じる(実際にはどちらかというと家族とのいざこざが原因であった)が、莉緒に励まされ、他のアイドル達と雨の街を捜索に走る。しかし成果はなく、再集合した海美達にPは「今日はみんな家に帰ってくれ」と解散を命じる。
諦めた海美は星梨花に帰宅を促そうとするが、星梨花の「わたしも『Clover』の1人で 志保さんの仲間なんです」「できることがあるかもしれないなら」「わたしは帰りたくないです!」という言葉に心を打たれ、少し前に劇場を飛び出した可奈の後を星梨花と共に追う。
そして公園で「Dreaming!」を歌う可奈の歌声を聞きつけ、そこに立っていた志保の前で海美は可奈の歌に合わせてダンスを見せる。海美は第9話のアイドルを志した経緯を思い出し、今日は志保の心を自分のダンスで動かすという意志を抱いていた。
「いっしょにいくよー!」
一度アイドルを辞めることを決心していた志保は3人に手を差し伸べられ、自身のアイドルへの憧れを思い出しその決心を覆したのだった。
翌日、志保は海美らに自分の家庭の事情を打ち明ける(詳細)。そして星梨花の提案で、北沢家で合宿が始まることになり、その日の夜に海美達3人は北沢家を訪れ、志保の弟の陸と出会う。
第14話
北沢家で朝食を摂り、星梨花の家の車で学校に向かうという生活が始まる。レッスン後は志保・星梨花と共に陸を保育園に迎えに行き、夕食前は陸の好きなサッカーに付き合っていた。
翌日、着替えを取りに一度家に戻った海美。この時母親はパートに出掛けており家には海美1人だった。その様子に、海美はかつてこの時間には一緒にバレエに行く姉がいたこと、そしてその姉と空港で別れた際に号泣したことをふと思い出す。
この日も夜までレッスンを敢行。その終了後、志保の複雑そうな表情に「泊まるのやっぱイヤだった?」と心配するも、志保は思ったより悪くないと語る。ここ最近、志保は周囲の優しさに触れる機会が増え、そしてそれに戸惑いを感じるようになっていた。
なんだかんだで志保がみんな大好きだと言う海美は、志保の髪をぐしゃぐしゃと撫でてかわいがる。しかし志保はそんな海美を突き放してしまう。
それは、かつて父親と突然別れるというトラウマを負い、誰かに優しくされることをその優しさが消えることへの恐怖から過度に怖がっていたからだった。
しかし、上述の通り自身も姉との別れを体験している海美は、将来的にまた大切な人と別れることはあるだろうが、それでも今はみんなと人生って楽しい!っていう想い出をいっぱい作って残すことが大切という私見を語る。
そして、「今は うれしかったら笑おうよ」という言葉を残し、志保もそれを理解して海美達の優しさに身を委ねることにしたのだった。
5巻
第15話
ライブ前日、合宿は終了し星梨花らは元の家に帰る。次のお泊まりの機会のために海美は料理の練習に意欲を見せた。
第16話
ユニットデビューライブ当日。海美らはオープニングとして出演した白石紬と野々原茜の出番を見届け、そしてステージに立ち「Brand New Theater!」を歌唱する。
第17話
「ダブルエース」「トライスタービジョン」のパフォーマンス中、海美らはダンスの最終確認を行う。
そしてCloverのパートの本番直前。海美も緊張を感じずにはいられなかったが、第8話で可奈が作詞作曲し、今日は志保が主導で歌い出した「Cloverのうた」の下に4人は結束し、ステージに上がる。
第18話
時は流れ、Cloverは最後の一曲「Clover Days」を歌う。
海美は、以前のようにただ自分の全力を出すだけでも、また逆に皆に合わせようと過度に手を抜くわけでもなく、踊りながら3人の動きを見極め全体の調和をとり、更に3人のポテンシャルを可能な限り引き出すという境地に達する。
海美は自分の夢見た「楽しく笑っていっぱい踊るアイドル」になれたことを心の底から喜ぶ。
そしてこのライブは全世界に生配信されていたため、第9話で登場したバレエ教室の面々、そしてロシア在住の姉も海美の勇姿を見届けることができたのだった。
ライブ終了後、志保は海美らを呼び止め、今日の成功は海美がユニットを支え引っ張ってくれたからだと感謝し、そして「海美さんはまるでお姉さんのようでした」と賛辞を述べる。
第8話でプロデューサーに期待をかけられ、自身としても姉を追いかけ目指していた「お姉ちゃん」という立ち位置に相応しいと評価された海美は、照れつつも深い感慨を覚えたのだった。
6巻
第19話
CloverのWebラジオ「くろらじ」が開始されることが決まり、初回収録に参加する。その後可奈達と一旦別れ、琴葉と宮尾美也と共に観劇に出掛け、美也のサンドイッチを堪能する。これまで中学生組の3人とずっと一緒だったため、同年代の高校生組と久しぶりに時間を過ごしいつも以上にはっちゃけていた。
その後1週間連続公演の開催が発表され、海美らCloverは1日目に「Clover Days」の発売記念公演として出演することが決まる。
第20話
第19話で志保に歌の練習を禁止されていた可奈はその理由を誤解し、逆に歌をもっと上達させるため海美を誘って練習に励む。
しかし、志保と考えのすれ違いが発生した可奈は、くろらじの収録現場で大喧嘩をしてしまう。海美は最初、自分も姉としていたテレビのチャンネル争いのような軽い程度のものだと認識し、「仲よしでもケンカぐらいするよ」と放置。しかし、可奈がスタジオを飛び出した後、1人残された志保が「可奈はいなくなりませんよね…?」とかつてのトラウマを抉る深い傷を負っていることに気付き、慌てて志保を慰める。
第21話
翌日、双海亜美/真美の誘いで、可奈や所恵美らとゲームセンターにやってきた海美。更に移動した先のカラオケで、可奈は自分の歌に関する悩みを皆に打ち明ける。
「うまく」ではなく心を込めて歌うことが大切だと把握したものの、自分の歌が拙いせいで第20話で志保を怒らせてしまったと語る可奈に対し、海美は前日に志保が「可奈はいなくなりませんよね」と言って震えていたこと、第14話で知った志保の人と別れることへのトラウマのことを伝え、可奈と一緒にアイドルを続けるため「勇気を出してキビしいことを言ったんだと思うよ」と述べる。
第22話
志保に改めて心を込めた歌を届ける為に志保の元にやってきた可奈に海美も同行。仲直りの一部始終を見届け、そしてあることを決心する。
2日後。劇場に居た佐竹美奈子と美也に対し、「私を2人の弟子にしてください!!」と、海美は突然弟子入りを志願したのだった。
7巻
第23話
第20話における可奈と志保の仲違いを深く憂い、そしてその原因を自分の至らなさに求めてしまった海美。もし自分が姉のように「お姉ちゃん」としてしっかりしていたら…と一念発起し、料理が得意な美奈子と料理に加え囲碁と将棋が得意な美也という、(海美基準で)「女子力」の高い2人に指導を仰ぎながら、料理や化粧など女子っぽいことを修行する決心を海美はしていたのだった。
しかし上述の通り海美の料理スキルは壊滅的であり、作った「女子力焼きそば」は一口食べた美奈子、可奈、木下ひなたがもれなく失神するという代物で全くうまくいかず、可奈や桜守歌織らにも急に自分を変えることを心配されていた。
そんなある日、海美は莉緒達と共にショッピングモールでの仕事に向かう。例によって激しく動かないよう頑張る海美であったがあまりにもぎこちなく、客を引かせてしまう有様だった。
第24話
本来の仕事の終了後、海美は莉緒達の頼みで、人手不足に陥っていた大学生サークルのヒーローショーに参加する。楽しそうではあるが女子っぽくはないと懸念していたが、美也に後押しされ皆で参加を決める。
正義のヒーロー「ピカリレッド」のスーツアクターを務めた海美は、機敏な動きで観客を魅了し、声の演技に緊迫感が欠けてしまっていた美也をカバーする。
しかし、コウモリ怪人役の莉緒が疲労で倒れてしまい、観客の声援を受けて立ち上がれはしたものの体力はほぼ尽きた状態。弱々しいアクションしかできなくなっていた莉緒を前にして、海美はある日のことを思い出す。
海美の姉がロシアに渡航する前、地元の千葉でダンサーとして大会に出演した時のこと。観客だった海美は終了後楽屋に出向いて姉を褒め称えたが、姉と共演した男性ダンサーから、自分が姉を持ち上げる技の時も姉の空中での姿勢保持が良かったため、(物理的に)支えているのは自分なのに実際には姉に支えてもらっていたようなものだ、という話を聞く。姉も海美がいるからこそ家で美味しい料理を作る気になると言い、「支えたり支えられたりしてできることもあるのよ」という言葉を受け取っていた。
そもそもこのヒーローショーへの参加の発起人であり、これまで海美や志保を励ましたりして皆を支えていた莉緒。そんな莉緒の窮地に、海美は怪人(莉緒)から受けた攻撃のノックバックを派手に取ることで相手の攻撃を強そうに見せるという機転を見せる。
海美の機転は美也などの会心の演技を引き出し、ショーは成功に終わった。
終了後、途中から観に来ていた可奈に海美は、急に自分を変えるのは難しい、そして自分はみんなと一緒に何かをするのが好きだからこれからもみんなの力を貸してほしいと伝える。可奈も快諾し、海美は理想の自分に少しずつ近づくことを決めたのだった。
8巻
第27話
星梨花が出演する定期公演の日。第25話で星梨花のアイドル活動の停止をPに求めに来ており、その後星梨花に招待されこの公演を観に来ていた星梨花の父親に可奈・志保と共に会い、「せりりん本当にアイドルがんばってるんです」と、活動を続けさせてくれるよう頼み込む。
その後、星梨花はジュリア・二階堂千鶴とステージに上がり、「スタートリップ」を歌唱。今まで大切な人達と関わってきたヒトツヒトツの全てが自分を形成していると言うこと、これからも躓くことはあるけれどそれでも自分は前に進みたいという決意を星梨花達は歌い上げ、その場にいたあらゆる人物と同様に海美も惜しみない拍手を送った。
終演後、海美らが見守る中星梨花は父親と面会。星梨花は「みんなを元気で笑顔にしちゃうアイドルになりたい」と語る。星梨花の父親はアイドル活動についての明確な返答こそしなかったが、直後に星梨花のグッズを1つ購入するという形で容認姿勢を示し、海美達は安堵したのだった。
第28話
レッスンルームが空いたことを志保に報告しに行くと、志保から相談を受ける。それは第19話で(海美が演劇を観に行ってる間に)志保らが秋月律子からよく考えるよう言われていた、ユニットの方向性などについてだった。可奈・星梨花を交え4人で相談した結果、「ちゃんと考えて行動する」「困ったらみんなと話し合う」「目の前のことを精いっぱいがんばる!」という3つのアイドルとして前に進む方法をこの時決めたことが次の第29話で明らかになる。
第29話
公演3日前、志保とランニングに出る。日焼け防止の帽子も被らずに炎天下に飛び出し、志保に慌てて止められ帽子を被せられる。
第30話
公演2日前、1日目メンバーのClover、ひなた、エミリーと共にPに呼び出され、台風接近のためライブの中止が決定したことを伝えられる。家族との再会の機会を奪われたひなた、それを受け入れられないエミリーを筆頭に、一同は悲壮感に包まれる。
そんな中、可奈がライブの代わりにファンのために何かできないかと提案する。そしてその代替企画を皆で話し合うことになり、海美は「ライブ中継」という第16~18話のユニットデビューライブのようなアイデアを提案する。勿論台風上陸時に劇場は開けられないため没にはなったが、この提案がライブ等の様子をまとめた「ミリオンスターズ特別動画」の配信の決定に繋がり、翌日(公演前日)に収録を行う。
迎えた動画公開の当日。海美はロシアの姉とオンラインで会い、動画の撮影を頑張ったこと、第24話のショーで姉の言葉のお陰でいい結果を残せたことなどを報告しながら動画を観る。
そして、ライブパートも最後の1曲になり、可奈の口上の後、4人で最後の楽曲の名を告げる。
「Clover Days」
「ねえ 雨の中で 光届けて 一緒に 笑っていようよ」
全世界のファン、アイドルやその家族、被災者等に、文字通り豪雨の中で笑顔を届けることに成功した可奈達。目の前にファンはいなくとも、その表情は充実感で溢れていた。
翌日(公演2日目)、台風一過で快晴の東京。可奈らと共に劇場に移動していると、その姿をファンに発見され、前日の動画のお礼を言われる。
そして、ひなたの事情を聞いた律子らから、彼女らがテレビ番組の収録で獲得した旅行券を与えられた海美達6人は、4日後(公演6日目)、北海道の空港の到着ロビーに立っていた。
9巻
第31話
ひなたの地元の夏祭りのステージにゲスト参加するために北海道にやってきた一同。鉄道でひなたの実家の最寄り駅、更にひなたの農園に勤める男達の運転する車でひなたの実家へ向かう。
ひなたの祖母との再会を見届け、その夜の歓迎会ではジンギスカンなどの美味しい食事に舌鼓を打っていた。
第32話
公演当日、準備のため控え室にいると、こちらも公演を目前にした東京の恵美から励ましの連絡を受け取る。
そして、志保からユニットの方向性についての案を聞いた際には可奈達と共に同意し、6人で神社のステージに立つ。
第33話
第9話で抱いた「みんなで笑っていっぱい踊るアイドル」という目標に忠実に、この日もステージを飛び出すなどして観客を巻き込んで踊り、出番を全うする。
第34話
公演後の夜、メンバーと共に花火を楽しむ。
第35話
公演翌日、朝からCloverで湖岸に観光に行っていたが、エミリーから連絡を受け木下家のりんご園を訪れ、ひなたの祖母から「人は誰かのお日様になれるんだよ」等と金言を授かる。
帰路に就いた際には、もっと遊びたかったが、しばらく会っていない家族の顔が見たいという本音も漏らしていた。
10巻
第36話
豊川風花と一緒に(実態は風花を置き去りにしていたようだが)ランニングをしていたところ、事務所に行っていた可奈たちと合流する。
劇場ではPの口からこの秋の展望が語られ、「なんだか盛り上がってきたねせりりん!」と期待に胸を膨らませていた。
第37話
第36話から数日後のある日、海美は可奈・志保・福田のり子・篠宮可憐・そして周防桃子と共にエキストラの仕事に参加する。
これまでの経験から皆と一緒にもっとファンを笑顔にできるような仕事をしていきたいと考えている海美は、自分に自信の持てない可憐にも手を差し伸べ一緒にダンス練習をしようと誘っていた。
11巻
第40話
この日、午前は「くろらじ」の収録を行い、午後からはのり子の主催する懇親会に可奈と共に合流するため駅に向かった。
その駅で、可奈の所属する合唱部の面々と遭遇し、海美もサインを求められるなどちょっとした騒ぎになる。その中で、友人と話す可奈がやや気まずそうな顔をしていたのに海美は気付き、不審に思った。
午後からはのり子の主導でプロレス観戦に。屈強なレスラーたちを前に「怖い」「痛そう」と慄く可奈や杏奈をよそに、海美は「大腿四頭筋に上腕二頭筋もムッチムチだー!!」と肉体美に目を輝かせ、終了後も興奮が隠せない様子だった。
しかしその後、レンタルビデオ店のワゴンで可奈が発見した桃子の出演作「将軍鳥物帖」が発端となって、桃子はのり子らに暴言を吐いて帰ってしまう。
第41話
その日の夜、劇場に向かった海美らは、「将軍鳥物帖」のことについてPに尋ね、この作品が桃子の出しゃばった発言が元となって桃子が芸能界から一度干される原因になった作品であることを知る。
第42話
数日後、海美は可奈・ロコと劇場に向かうが、桃子との一件を引きずっており深刻な表情のままだった。見かねた星梨花や可憐らの気遣いにより少し元気を取り戻すが、桃子にどう謝ればいいのか途方に暮れる。
その後、のり子の意見で搦手を使わず面と向かって謝罪することを決めた一同は、劇場にやってきた桃子に対し「この前はごめんなさい!」と頭を下げる。桃子側も言い過ぎたことを反省していたため、仲直りは成立することとなった。
その後、海美は志保に、可奈について何か気になることはないかと尋ねる。第40話での可奈の不審な様子が、海美はずっと気になっていたのだった。
更にその後、海美は杏奈・ロコ・真壁瑞希と共に、週末の仕事についての打ち合わせをする。そして週末、4人は営業の地である温泉施設「花菜の湯」に足を運ぶ。
12巻
第43話
この日「花菜の湯」のステージで2回のライブを行うことになっている海美たちであったが、挨拶に向かった施設の担当者は「見たことも聞いたこともない子たちが来て…」と端から期待していない様子。更に名指しで「せめてお客様の前ではにっこり愛想よく」と言われた瑞希を、海美は「気にしなくていいからね!」と庇う。
そしてライブが始まるが、事前に自分たちのことを知らない一般人に対してインパクトを与えるにはどうすればいいかという話し合いを瑞希を中心に行ったことが功を奏し、担当者の予想に反して瑞希らはライブを盛り上げることに成功。そして伊吹翼が合流し、2回目の公演を控える。
第44話
公演前に翼と共に杏奈にダンス指導を行う。公演後は、自分もみんなもハッピーにという信条に則ってライブで一際輝きを放った翼に感服し、次回のライブでも翼のように頑張ることを誓った。
第45話
ある日、可奈と2人で劇場と反対方向のどこかに向かって歩いているところを大神環らに発見される。
第46話
小学生時代、海美はバレエの発表会と、ずっと楽しみにしていた学校の運動会の日程が被ってしまったことがあった。結果的にバレエの発表会を優先し出場した海美だったが、終了後に姉の「急いだら運動会間に合うかもしれないね」という指摘がきっかけで学校に急行。流石に競技には出られなかったが最後のリレーの応援には間に合い、とっても嬉しい一挙両得の体験として心に残っていた。
第40話以降、可奈の態度が不審なことに気付いた海美は、2人だけの場を設けて何かできることはないかと単刀直入に訊く。可奈は、ずっと出たかった合唱コンクールと、此度の「Clover」のライブの日程が被ったこと、アイドルの仕事を優先しコンクールを諦めたことを語る。
上述の通り似たような経験のある海美は、「どっちもは無理なのかな?」と営業・ライブとコンクールの両方に出られる道もあるのではないかと提案し、結果的にPとの相談などによって両方に出られるようなスケジュールが組まれることとなる。
直後に泣き出した通り可奈の苦悩はかなり大きいものだったようであり、また予定通りの日程だった場合はPの言う通り「合唱コンクールに出られなかった」という一生ものの後悔が可奈の心に残っていた可能性もある。結果として、海美の行動は今後の活動にも影響し得る悪い連鎖を第1段階で断ち切ったファインプレーであっただろう。
第47話
合唱コンクール及びライブ当日、まずは営業イベントでの仕事を全うし、一同は馬場このみの運転で中学校へ。しかし渋滞で足止めを食らい、予定時刻までに到着できない見込みとなってしまう。すると学校まで走って向かうことを決意した可奈の後を志保たちと共に追い、海美は少なくとも3km以上の道のりを完走して学校に到着した(到着時、息も絶え絶えでまともに喋れなかった志保と星梨花に対して、ちょっと汗をかいただけで笑顔だった海美は流石である)。
可奈の合唱を見届けた後、4人は劇場へ。開演直前には翼の、自分も「みんなも楽しくてハッピーなのがプロ」という発言を引用して可奈をフォローし、ライブでも4人で劇場を沸かせた。
13巻以降
新章となる第55話以降では新たな壁が立ちはだかる。それに関連して、「みんなで楽しく笑顔で」という海美の信条の裏にある凄惨な過去なども明かされる。詳しくは単行本発売後に追記します。
関連タグ
アイドルマスターミリオンライブ! Blooming_Clover