といった、これまでGREE版やシアターデイズで存在の言及はされていたものの深く掘り下げはされていなかったアイドルの家族や周囲の人物たちについて、ビジュアルが登場し、彼女らとの関係がそれぞれ1話以上をかけて入念に描写されているという点が挙げられる。更に上記の関連人物は、全員ビジュアルがシアターデイズに逆輸入されている。

　「ぷちます!」や「シンデレラガールズ劇場」といった4～5コマ漫画の類を除いた、メインストーリーが存在するコミカライズの中では、アイドルマスターシリーズの漫画で初めて単行本が10巻に到達するなど、異例とも呼べる長期連載作品になっている。なお、連載開始時期や単行本刊行ペースが近い作品として「アイドルマスターシンデレラガールズU149」がある。

　2023年12月26日発売の2024年2月号より、単行本2巻分の長さの外伝作品『アイドルマスターミリオンライブ! Blooming Clover［encore］』の連載が開始されている。

あらすじ

※本項における第○部の範囲の分割には推測が含まれるが、作者の稲山氏によると第35.5話をもって「第3部完」であるとのこと。また、○○編という名称は本記事のオリジナルである。

第1部：アイドルデビュー編(第1話～第6話)

　矢吹可奈は歌が大好きだけどちょっと音痴な14歳の女の子。指導係の北沢志保の下でレッスンを積み、バックダンサーとして初めてステージを踏むも大失敗してしまう。それでも先輩達の姿を見て決意を新たにし、志保や箱崎星梨花とアイドルとしてのステージデビューの座を争うオーディションに挑む。

第2部：ユニットデビュー編(第7話～第18話)

　ミリオンスターズに白石紬と桜守歌織が合流し、新たに3つのユニット「Clover」「トライスタービジョン」「ダブルエース」が結成される。1ヶ月後のユニットデビューライブを目標に活動を始めるが、ライブ1週間前のある日、志保が姿を消し――。

第3部：夏休み編(第19話～第35.5話)

　夏休みにミリオンスターズのほぼ全員が参加する1週間連続公演の開催が決定。それに向けた新ユニット「夜想令嬢」も結成される。

　各々が様々な経験を積みながら日々を過ごし、公演初日を迎えるが――。

第4部：プロ編(第36話～第54話)

　劇場もオープンから半年を過ぎ、「765プロファン感謝祭」の開催が決定。そして可奈は周防桃子、福田のり子と共に「秋の課題」をプロデューサーに与えられる。「プロ」とは何か、「アイドル」とは何かという問いへの答えを、様々なお仕事や体験を通してアイドル達は探し求めていく。

第5部：フィナーレ編(第55話～最終話)

　これまで「仲間と協力する」ことを学び大切にしてきたアイドル達だが、トップを目指すにおいては仲間と争うことも必要になるという現実にアイドル達は直面する。そして志保の提案で、「Clover」は重大な決断を下す――。

登場人物

登場ユニット

※名前のあるもののみ記載。

Clover(矢吹可奈×北沢志保×高坂海美×箱崎星梨花)
第8話(2巻)で結成。本作でのメインとなるユニット。リーダーは志保。
トライスタービジョン(所恵美×田中琴葉×島原エレナ)
第8話(2巻)で結成。ミリオンライブでも特に名の知れたトリオユニット。リーダーは琴葉。今までどの媒体でもユニット名は明かされなかったが、この漫画でユニット名がつけられた。詳しくはことめぐエレへ。
ダブルエース(佐竹美奈子×横山奈緒)
第8話(2巻)で結成。リーダーは奈緒。元々劇場版のバックダンサー等で絡みもあり、名の知れたカップリングであったが、この漫画でついにユニットとして活動を開始。しかし本作と別世界線にあたる『シアターデイズ』では…。
シグナル(春日未来×最上静香×伊吹翼)
第8話(2巻)以前に結成されていたユニット。ミリオンスターズでは最も早く活動を開始したユニットでもある。本作でのリーダーは静香。ユニット名はまさにそのままの意味である。詳しくはミリマス信号機トリオへ。
夜想令嬢(二階堂千鶴×天空橋朋花×百瀬莉緒×所恵美)
第19話(6巻)から登場。夏休みの1週間連続公演の目玉として設けられた、千秋楽の演劇公演を担うユニット。

Blooming Cloverの個別記事がある登場人物

設定

各話リスト

各話のサブタイトルは各回における誰かの台詞からつけられたものが多い。

単行本の欄に(Web)とある回は公式サイトで全ページが読める。

※雑誌での掲載順に記載。

No.	サブタイトル	単行本
第0話	(なし)	(Web)
第1話	私の名前は矢吹可奈♪	1巻(Web)
第2話	ステージは…	1巻(Web)
第3話	だけど私には	1巻(Web)
第4話	みんなが幸せになれるわけじゃないのよ	1巻
第5話	夢	2巻
第6話	なんでそんなことで泣いてるのよ	2巻
第7話	小さなキラボシたち	2巻
おまけマンガ/番外編(※1)	さすがですね千鶴さん	1巻
第8話	ちょっぴり嫉妬しちゃった	2巻
第9話	海美ちゃんも自分の夢を叶えてね	3巻
第10話	まるで魔法をかけられたみたいに	3巻
第11話	私は歌が好き	3巻
第11.5話	2人は「ダブルエース」	3巻
第12話	なんで	4巻
第13話	はじまりの歌	4巻
第13.5/14.5話(※2)	「トライスタービジョン」は星空に歌う	4巻
第14話	だからねしほりん	4巻
第15話	本当の気持ち	5巻
第16話	凛と	5巻
第17話	つたわるきもち	5巻
第18話	届いたかな…?	5巻
第18.5話	7月のメリークリスマス	5巻
第18.7話	「新人事務員青羽美咲ちゃん」	(Web)
第19話	あの子のことを想うと	6巻
第20話	うまく	6巻
第21話	Hearty!!(前編)	6巻
第22話	Hearty!!(後編)	6巻
第23話	回り道もいいものですよ～	7巻
第24話	がんばれー！	7巻
第25話	ジュリアさん…？	7巻
第26話	今	7巻
第27話	ヒトツヒトツ	8巻
第28話	聖母	8巻
第29話	なんとかなるべさ	8巻
第29.5/26.5話(※3)	大和撫子エミリーちゃん	7巻
第30話	立派なアイドル	8巻
第31話	ただいま	9巻
第32話	白詰草のように	9巻
第33話	よかった	9巻
第34話	祭りのあと	9巻
第35話	お日様	9巻
第35.5話	「オレはアイドル、永吉昴」	10巻
第36話	楽しい秋になりそうです♪	10巻
第37話	プロってなに?	10巻
第38話	可奈先生のアイドル授業	10巻
第39話	私たちの大事な人	11巻
第40話	知ること	11巻
第41話	流れ星	11巻
第42話	なりたい自分	11巻
第43話	伝え届けること(前編)	12巻
第44話	伝え届けること(後篇)	12巻
第45話	環とみんなと運動会と	12巻
第46話	中学2年生	12巻
第47話	可奈ちゃんももう――	12巻
第48話	これがロコのロコアートです	13巻
第49話	アタシと桃子のしたいこと	13巻
第49.5話	旅行の前に	13巻
第50話	道のり	13巻
第51話	ハレの日	13巻
第52話	きっと	14巻
第53話	こたえ	14巻
第54話	誰にでも	14巻
第55話	ごめんね…	14巻
第56話	私が思っていたよりずっと	15巻
第57話	私は願います	15巻
第58話	彼女たちの物語	15巻
第59話	「私の道」	15巻
第60話	「クリスマスだよ！「Clover」の近況報告」	15巻
第61話	「夢のはじまりなのね」	15巻
第62話	「歌声よ」	15巻
第63話	「Crossing!」	16巻
第64話	「Welcome!!」	16巻
第65話	「UNION!!」	16巻
第66話	「ミリオンスターズ」	16巻
最終話	(なし)	16巻

(※1)雑誌掲載時は「番外編」、単行本1巻では「おまけマンガ」となっている。

(※2)雑誌掲載時及び試し読みでは第13.5話、単行本4巻では第14.5話となっている。

(※3)雑誌掲載時及び試し読みでは第29.5話、単行本7巻では第26.5話となっている。

［encore］

No.	サブタイトル	単行本
第1話	まつりが表紙の雑誌(前編)	1巻
第2話	まつりが表紙の雑誌(後編)	1巻
第3話	おかめのお面の思い出	1巻
第4話	茜ちゃん人形着ぐるみの思い出	1巻
第5話	お菓子のかごバスケットの思い出	1巻
第6話	手紙の思い出-百合子side	2巻

765PRO ALLSTARS

　シアターデイズ配信開始前に始まった作品だが、シアターデイズ同様にASは物語開始時点で既に「雑誌やテレビで見ない日はない」程の成功を収めており、新たに「新人アイドルオーディション」で集ったミリオンスターズの面々の先輩にあたる設定である。レッスンや劇場公演にもたまに参加する。

765プロライブ劇場

　外観や所在地はシアターデイズを踏襲。劇場の前には広場があり、可奈と志保はよくここで自主練を行っている。その他、ショッピングモールやレストラン、大小様々な公園などの施設が周辺にある。

登場楽曲

アイドルマスターシリーズの楽曲

Dreaming!

　第1,11,13話に登場。新人アイドルオーディションの課題曲。

The World is all one!!

　第3話に登場。ASのライブの締めの1曲であった。

L・O・B・M

　第4話と第6話に登場。可奈、志保、星梨花がステージデビューした際に最初に歌った楽曲である。

キラメキラリ

　第7話に登場。原典同様高槻やよいの楽曲で、駅で泣いている男の子を励ますために可奈が一緒に歌った。

THE IDOLM@STER

　第10話と[encore]第5話に登場。可奈の回想の中で天海春香が歌っていた。

Brand New Theater!

　第10話と第16話に登場。ユニットデビューライブにおいて3ユニットが歌った最初の1曲である。

MUSIC♪

　第11話と第43話に登場。桜守歌織の初ライブで歌織、可奈、高山紗代子が歌った。

チェリー

　第13.5/14.5話に登場。トライスタービジョンの3人が懇親会後にカラオケで歌った曲。

Clover Days

　第18話と第30話に登場。本作のオリジナル楽曲。ユニットデビューライブではCloverが最後の1曲として歌った。

メリー

　第18.5話に登場。詳しくは下記の「シアターデイズ」の項を参照。

スタートリップ

　第27話に登場。ジュリア、箱崎星梨花、二階堂千鶴が定期公演で歌った。

Destiny

　第54話に登場。福田のり子と周防桃子の2人が公演で最後の一曲として歌唱した他、可奈も合唱部の活動で歌った。

オリジナル声になって

　第64話に登場。

Thank You!

　最終話に登場。

その他の楽曲

とんび

　第4話に登場。可奈が歌の上達のきっかけを掴む糸口となった曲。

われは海の子

　第40話に登場。可奈の合唱部が訪問活動で歌っていた楽曲。

単行本

各巻とも、「通常版」と楽曲・ボイスドラマが収録されたCDが付属する「オリジナルCD付き限定版」が同時発売される。

1巻

2017年 11月27日発売。第1話～第4話とおまけマンガを収録。

限定版には、可奈・志保の歌う「L・O・B・M」、可奈が歌う「ゲンキトリッパー」、志保が歌う「DREAM」を収録。ボイスドラマには可奈・志保・星梨花・海美が出演。

2巻

2017年12月18日発売。第5話～第8話を収録。

限定版には、星梨花・海美の歌う「Do-Dai」、星梨花が歌う「フラワーガール」、海美が歌う「スマイル体操」を収録。ボイスドラマには可奈・志保・星梨花・海美・まつり・雪歩が出演。

3巻

2018年 7月27日発売。第9話～第11.5話を収録。

限定版には、ダブルエースの歌う「神SUMMER!!」、春香・未来・可奈の歌う「ONLY MY NOTE」、歌織・紗代子・可奈の歌う「MUSIC♪」を収録。ボイスドラマには可奈・紗代子・歌織・環が出演。

4巻

2018年12月27日発売。第12話～第14.5話を収録。

限定版には、トライスタービジョンの歌う「チェリー」、可奈・星梨花・海美の歌う「Dreaming!」、星梨花・亜利沙の歌う「i」を収録。ボイスドラマには可奈・志保・未来・琴葉・昴が出演。

5巻

2019年 6月27日発売。第15話～第18.5話を収録。

限定版には、茜・紬の歌う「キラメキラリ」、可奈・志保の歌う「メリー」、そしてCloverの歌うコミックオリジナル曲「Clover Days」を収録。ボイスドラマには可奈・奈緒・茜・麗花・紬が出演。

6巻

2020年 3月27日発売。第19話～第22話を収録。

限定版には、可奈の歌う「自転車」、ひなたの歌う「チクタク」を収録。ボイスドラマには可奈・百合子・風花・亜美・真美が出演。

7巻

2020年 8月26日発売(本来は7月27日発売予定であったが、新型コロナウイルスの影響で発売延期となった)。第23話～第26.5話を収録。

限定版には、美也・海美の歌う「Vertex Meister」、莉緒・歌織の歌う「Just be myself!!」を収録。ボイスドラマには志保・静香・美奈子・環が出演。

8巻

2021年 1月27日発売。第27話～第30話を収録。

限定版には、ジュリア・星梨花・千鶴の歌う「スタートリップ」、恵美・朋花の歌う「聖炎の女神」を収録。ボイスドラマには恵美・朋花・莉緒・千鶴が出演。

9巻

2021年 7月27日発売。第31話～第35話を収録。

限定版には、エミリー・ひなたの歌う「アマテラス」、莉緒・朋花の歌う「カーテンコール」を収録。ボイスドラマには可奈・志保・ひなた・エミリーが出演。

10巻

2022年 1月27日発売。第35.5話～第38話を収録。

限定版には、伊織・昴の歌う「DIAMOND」、可奈・のり子・桃子の歌う「Happy!」を収録。ボイスドラマには春香・育・星梨花・亜利沙・美咲が出演。

11巻

2022年 6月27日発売。第39話～第42話を収録。

限定版には、千早・志保の歌う「shy→shining」、桃子・のり子・杏奈の歌う「my song」を収録。ボイスドラマには海美・恵美・杏奈・桃子が出演。

12巻

2022年 11月26日発売。第43話～第47話を収録。

限定版には、瑞希・風花の歌う「MEGARE!」、可奈・海美の歌う「キミがいて夢になる」を収録。ボイスドラマには志保・翼・風花・このみ・のり子が出演。

13巻

2023年 2月27日発売。第48話～第51話を収録。

限定版には、杏奈・ロコの歌う「Bigバルーン◎」、まつり・のり子・歩の歌う「魔法をかけて!」を収録。ボイスドラマには可奈・麗花・ジュリア・ロコが出演。

14巻

2023年 7月27日発売。第52話～第56話を収録。

限定版には、桃子・のり子の歌う「Destiny」、海美・可憐の歌う「inferno」を収録。ボイスドラマには可奈・千早・歌織・まつりが出演。

15巻

2023年 11月27日発売。第57話～第62話を収録。

限定版には、亜利沙・星梨花・麗花の歌う「I'm yours」、海美・可憐の歌う「芽吹の季」を収録。ボイスドラマには星梨花・奈緒・エレナ・紗代子・可憐が出演。

16巻

2024年 7月26日発売。第63話～最終話を収録。

限定版にはCloverの「いっしょ」、そして同じくCloverの歌う2曲目のオリジナル新曲「Believe Clover」を収録。ボイスドラマにも可奈・志保・星梨花・海美が出演。

［encore］1巻

2024年 7月26日発売。第1話～第5話を収録。限定版はない。

［encore］2巻

発売日未定。限定版はない。

シアターデイズ

　2018年12月25日、シアターデイズではミリオンフェス限定SSRとして矢吹可奈と北沢志保の両名が登場し、更にこの2名でカバーした楽曲「メリー」がオリジナル歌唱版と共に実装された。

　そして同月27日発売の電撃マオウでは前述のSSRの衣装に身を包んだ可奈と志保が表紙を飾り、また同誌に掲載された第18.5話では、作中で可奈と志保がその衣装を着用してゲーム内と同様のステージで「メリー」を歌う(ところを志保が想像する)シーンが登場した。また、シアターデイズでは新規SSRが実装される度に公式アカウントに実装アイドルの4コマ漫画が掲載されるが、この時の4コマはどちらも本作作者の稲山氏が描いたものであった。

　その後、2024年にコミック3作品との連動イベントが開催されることとなり、その第1弾として同5月31日からイベント「プラチナスターシアタースペシャル～Clover Days～」が開催。楽曲「Clover Days」の実装、ならびにイベントコミュでは本作の作中世界線に準拠したストーリーの展開が行われた。

　また、アプリ内から試し読みページに遷移することができるほか、最新話登場時にはお知らせで告知される。