「やあやあシンケンジャー、よくぞ来たぁ!我こそは三途の川随一の実力者ぁ~!あ、ヒトミダマだぁ~!」
データ
概要
第九幕「虎反抗期」に登場する無表情の能面のような、牡蠣と赤真珠のような姿を持つアヤカシで、『一つ目小僧』の伝承のルーツになったとされている。
まるで縦にした牡蠣の真ん中に黒い能面がはめ込まれたような頭部をしており、大きな目玉のようにも見える。
両肩や両手首、そして腰には赤い真珠の意匠が見受けられる。胴体は茶色いが、両腕と両脚が赤いのも特徴。
大抵は「武器」を持っているアヤカシには珍しく「防具」を得物とし、その名も「大貝形手盾(おおかいのなりてたて)」。盾なので固い防御を兼ね備えるが、それだけではなく光弾を撃って攻撃できる優れもの。
この盾も遠くから見るとまつ毛の長い巨大な目玉に見える。
その他特殊能力として「顔面から放つ紫の光を浴びた者を自身の意のままに操る」術を扱うことができ、自身の手によって操られた者達が仲間同士殺し合う光景を絶対に安全な場所から茶化しながら見物する嫌なヤツ。他の外道衆の例に漏れず悪趣味かつ卑劣なまた歌舞伎のような大袈裟な言い回しを好む等、自己主張の激しい派手好きの目立ちたがり屋でもある。
劇中での活躍
前回、シンケンジャーの前に現れた腑破十臓が、改めてレッドを自分が狙う許可を得る為に血祭ドウコクに話を通しに来る。当人が「そんなモンは勝手にやれ」と言ったのを受けて十臓が退散した直後、三途の川からヒトミダマが出現。
十臓を前座呼ばわりして一蹴し、自らを真打と称した後、骨のシタリに「良い物をお見せする!」と言ってムチを振るい、志葉家の折神であるはずの虎折神を何故か従えている所をアピールした。
先代シンケンジャーによってドウコクが封印された際、ヒトミダマは地割れに巻き込まれていた虎折神を発見し、自慢の術で下僕にしていたのだった。
現世の尾須森林公園に現れるや、ムチを振るって人々を襲うヒトミダマ。するとそこへシンケンジャーの五人が駆け付けて変身する。
上記の台詞で自己紹介するヒトミダマだが、「自分で一番って言う奴に限って雑魚だけどな」とグリーンから一蹴され、負けじと「これを見ればそんな事は言えまい!」と返して虎折神を出現させる。
思わぬ隠し玉に動揺を隠し切れない五人に対し、上記の経緯を得意気に語った後、ヒトミダマは自らの自慢の術を発動。グリーンの身代わりになったブルーも同じ様に自らの支配下に置いて操り、同士討ちを狙う。
向かって来るレッドにも同じ様に術を仕掛けようとするも、ショドウフォンの「反」のモヂカラで返されてしまう。そのままジャンプして斬り掛かるレッドの攻撃を大貝形手盾で防ぎつつ応戦するヒトミダマだったが、レッドからの剣戟の前にその場で倒されてしまい、虎折神に加勢を指示。そのまま手勢の虎折神とブルーに他の4人を襲わせ、グリーン達三人を変身解除まで追い詰める。
だが、状況を不利と悟ったレッドの火炎の目晦ましによって逃げられてしまい、自身も水切れの為に撤退を余儀なくされるのだった。
「何だこれからと言う時に……。まァ良い。俺様も丁度水切れだ。シンケンブルー!虎折神と待っておれ!」
六門船に帰還後、自らの術で虎折神どころかシンケンジャーまで手中に収めた手腕をドウコクから評価され、自身に操れない物は無いと豪語し、上機嫌になるヒトミダマ。だが、そこへ薄皮太夫から「操りついでに腹でも斬らせれば良い」と返された為、それを「面白みが分からぬ女」と反論。
「絶対にやらぬ事をさせてこそ、操りの醍醐味!御大将もご見物ご見物~!ドゥワッハッハッハァ~ッ!」
そう言って現世の工事現場に現れるや、ヒトミダマはムチを振るい、操ったブルーをレッドと戦わせる。つまらない戦いをすればブルーを切腹させると脅迫し、両者の激突を見物するヒトミダマだったが、対するレッドは「反」のモヂカラの込められたディスクを発動。これによってブルーの精神操作が解除されてしまう。
レッドの狙いが最初からブルーに掛けられた自らの術を解く事だったと分かり、憤ったヒトミダマは、残された虎折神を召喚。再度シンケンジャーを襲わせるが、獅子折神を操るレッドとの攻防の末に吹っ飛ばされた虎折神は、気絶したところにレッドの「反」のモヂカラを施された事でヒトミダマの術から解放される。そして切り札の虎折神まで奪い返されたヒトミダマもまた、ブルー達4人のシンケンマル四連斬りを受けて一の目を潰され敗北した。
直後に二の目を発動して巨大化したヒトミダマは、レッドの操る虎折神と対峙。「この裏切り者め!」と毒づいた後、盾からの光弾で迎え撃つも、今度は自身が地割れに巻き込まれてしまう。
「今度は俺様が地割れに!?貴様、助けた恩を忘れたか!」
その隙を突く様に駆け付けた、龍折神を始めとした四家の折神と獅子折神がサムライ合体したシンケンオーが、更に虎折神を侍武装してトラシンケンオーへと合体。辛うじて地割れから抜け出したヒトミダマも「そんな虚仮脅しで怯む俺様ではない!」と叫び、負けじと大貝形手盾からの光弾で応戦するが、奮戦虚しくそのまま虎ドリル突撃で盾ごと貫かれて爆散するのだった。
余談
モチーフは能面と牡蠣と赤真珠、そして目玉。名前の由来は瞳+目玉。
現代の伝承における『一つ目小僧』という妖怪は、その名の通りに目が1つしかない怪奇な顔を持つ化け物らしい。それはヒトミダマの頭部が大きな1つの目に見えたのがルーツになったと思われる。
彼の登場した第九幕は虎折神の初登場回となった。
声を演じた石野氏は2年前の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』にて臨獣トード拳エルカ、昨年の『仮面ライダーキバ』にてラットファンガイアの声を担当していた。
続く翌年の『天装戦隊ゴセイジャー』でも、ミューズィックのマズアータの声を演じる事となる。
海外版での名前はマディモット。
こちらは操った対象に愛称をつけている。
関連項タグ
侍戦隊シンケンジャー 外道衆 アヤカシ(シンケンジャー) 一つ目小僧
ヒトツメコゾウ兄弟:『忍者戦隊カクレンジャー』に登場した先輩。
煙ヱ門、砲烈道:『星獣戦隊ギンガマン』に登場した怪人で、こちらも歌舞伎役者風を思わせるキャラ造形となっている。
クグツカイ:同じく自身の能力で人間同士を操って殺し合わせようとした卑劣漢。