概要
三谷幸広による漫画作品。ドラえもんズの漫画作品であり、コロコロコミックで掲載されていた田中道明による『ドラえもんゲームコミック ザ・ドラえもんズ』とは別作品(ちなみに、映画になったのはコロコロ版)。
コロコロ版が比較的低年齢層に向けたコメディチックな内容だったのとは対照的に、「小学五年生」「小学六年生」で掲載された本作はシリアスな展開が多く、地球が幾度と無く滅亡の危機に瀕したり、のび太やドラえもんが死亡することすらあった。また、子供たちにも分かるように社会科・理科に関した知識が描かれることも多かった。
本誌掲載版は宮崎まさるがシナリオを書いているが、「小学四年生」に掲載された前日譚「ロボット養成学校編」は一切宮崎氏は関わっておらず、三谷氏のやりたい放題になっている。少なくともドラニコフの暴走を止めるために月を破壊しようとするドラメッドとか、悪魔に魂を奪われそうになり、精神を透視された結果「何も考えてない! 偽物だ!」と言われてしまうドラリーニョが見られるのは本作だけである。
コロコロ版やアニメとは一部設定が異なり、黄ドラがネズミを見てビビりまくったり、マタドーラと王ドラが仲が良かったりと、アニメしか見ていない人が見たらこんがらがりそうなシーンも多い。
主要人物
ドラえもん
主人公だが影が薄い。本編では驚き役、アイテム係、オチ担当(だいたいネズミorどら焼き関連)と言った感じで、「僕には何の個性もない!」と言っていたシーンまである。
特技はサーフィン。
野比のび太
基本的には本編と同じ。キッドと射撃で張り合ったりするのはいつものこと。
ドラ・ザ・キッド
高所恐怖症なくせに宇宙を目指すガンマン。本作では西部開拓時代のアメリカに駐在するタイムパトロールという設定。ドラミとは相変わらずの仲。
王ドラ
真面目で照れ屋の中国カンフー。20世紀の中国で暮らしている。基本的に「あ、あれは!」「知っているのか雷電!」役。医術を学んでいるため大長編では回復係。
エル・マタドーラ
大戦前のスペインのレストラン「カルメン」で下働きをしている怪力無双の闘牛士。プレイボーイだが店主の娘のカルミンには頭が上がらない。普段は寝てばかりだがネズミ型ロボット相手に剣を振るう「闘チュウ」を日課としている努力家で、裏では快傑ドラという覆面のヒーローに扮して悪を討つ。
ドラリーニョ
安定のアホ。ノビーニョという少年の元で暮らしており、住んでいる時代はのび太たちと同じで、タイムマシンを使わずにどこでもドアで遊びに来たりしている。アホではあるが純粋で心優しいことはアニメ版と同じ。
ドラメッドⅢ世
本作一のネタ要因。怒れば巨大化するのは原作通りだが、本作では地球より大きくなって月を素手で破壊するなどというシリアスな笑いの領域に片足突っ込んでる。水に弱いのは相変わらずだが、「水怖いであーる!!」と逆切れして巨大化したこともある(ドラえもんとネズミの関係に近い)。
普段は中世のアラビアでアラシンという少年のお世話をしている。
ドラニコフ
寡黙な一匹狼。旧ソ連時代のシベリアでボランティア活動をしており、ドラえもんズの中では唯一定職がない流浪人。少し惚れっぽい所がある。