偵察から空中戦へ
第一次世界大戦の当初、レシプロ機は飛行船の後継として前線の偵察に使用され、敵偵察機に石を投げるなど偵察の妨害を始め、やがて乗員が拳銃で撃ち合うようになった。その延長で機銃が搭載され、「戦闘機」が誕生した。
初期の戦闘機には、まだ防弾板がなかった。
空の主役
戦間期も各国が戦闘機用の小型軽量・大出力エンジンの開発競争を繰り広げた。
また、大柄な機体にエンジンを2基組み合わせ、軽快さと引き換えに出力を高めて多用途性を図った「双発複座戦闘機」が流行した。
第二次世界大戦は航空機を戦術に取り入れた初の戦争となり、その重要性が増していった。
「双発複座戦闘機」は「単発単座戦闘機」相手に通用しない事が実戦で判明したが、出力の大きさを利した「戦闘爆撃機」、ナビゲーターが搭乗できる事から「夜間戦闘機」などに転用された。
飛行機を発着させる航空母艦の登場により、戦闘機は洋上での作戦行動も行えるようになった。
第二次世界大戦終結後、各国でジェット戦闘機の開発が進み、レシプロ戦闘機は急速に第一戦から退いていった。
各国の主なレシプロ戦闘機(記事のあるもの)
日本
陸軍航空隊
海軍航空隊
・三菱A6M 『零式艦上戦闘機』
・三菱J2M 『雷電』
・三菱A7M 『烈風』
・中島A6M-2N『二式水上戦闘機』
・川西N1K 『紫電改』
・九州J7W 『震電』
アメリカ
陸軍航空隊
・ロッキードP-38 『ライトニング』
・ベルP-39 『エアラコブラ』
・カーチスP-40 『トマホーク』『キティホーク』『ウォーホーク』
・リパブリックP-47 『サンダーボルト』
・ノースアメリカンP-51 『マスタング』(ムスタング)
・ノースロップP-61『ブラックウイドー』
海軍航空隊
・ブリュースターF2A 『バッファロー』
・グラマンF4F 『ワイルドキャット』
・ボートF4U 『コルセア』
・グラマンF6F 『ヘルキャット』
・グラマンF7F『タイガーキャット』
・グラマンF8F『ベアキャット』
ドイツ
ルフトヴァッフェ
・フォッケウルフFw190
・フォッケウルフTa152
・ユンカースJu88戦闘機型
・ハインケルHe219
イギリス
RAF(ロイヤル・エアフォース:王立空軍)
・スーパーマリン・スピットファイア
・ブリストル・ボーファイター
・デ・ハビランド・モスキート戦闘機型
・ボールトンポール・デファイアント
Royal Navy(ロイヤル・ネイビー:王立海軍)
・スーパーマリン・シーファイア
・ホーカー・シーフューリー
ソビエト連邦
労農赤軍航空隊、赤色空軍、防空軍、海軍航空隊
・ポリカルポフI-15
・ポリカルポフI-16
・ミコヤン・グレヴィッチMiG-3
・ラボーチキンLa-5
・ラボーチキンLa-7
・ヤコブレフYak-1
・ヤコブレフYak-7
・ヤコブレフYak-9
・ヤコブレフYak-3
イタリア
空軍
・マッキMC.200 『サエッタ』
・マッキMC.202 『フォルゴーレ』
・フィアットG.50『フレッチャ 』