「やっと会えた....私....。」
演/CV:???
データ
- 身長:199.0cm
- 体重:102.0kg
- 特色/力:重加速/ドア銃に似たシールドを駆使した打撃と銃撃/タイヤ状のエネルギー弾の発射/アナザートライドロンの召喚・使役
概要
『仮面ライダージオウ』EP44「2019:アクアのよびごえ」から登場するアナザーライダーの1人。
モデルは仮面ライダードライブ・タイプスピード。
スウォルツが不要となったウールとオーラを始末するために送り込んだアナザーライダー。
唯一ソウゴの元に集まっていない平成ライダーの力であるドライブの力を利用して生み出された。
アナザーディケイド共々、EP41の「加古川飛流 変身の像」の中にそれらしき石像の後ろ姿のみ確認されている。
オリジナルのドライブとは逆に、上下からタイヤに押し潰されるようにして変身する。
容姿
ドライブ・タイプスピードを歪めたような外見だが、今までのアナザーライダーと比較しても非常に凸凹が目立つ容姿をしている。
頭部は鼻から口にかけての装甲が無く、初代ドライブに変身していたプロトゼロや、その兄弟機にあたるサイバロイドZZZなどを彷彿とさせる顔が半分剥き出しになっている。
また劇場版での超デッドヒートドライブ同様に左の複眼が破損して中から目が覗いており、破損したカバーをかろうじて繋ぎ止めている赤いコードのようなモールドは、事故に遭った犠牲者が流す血の涙を思わせる。
なお、頭のウイングが欠けているのはプロトドライブの要素だと思われる。
さらに右の複眼はアナザーWと同じような模様が入っている。脚本家繋がりであろうか?
ドライブの象徴であった袈裟がけのタイヤが胸部に無く、代わりに左肩からサスペンションとブレーキディスクと思われるパーツが突き出しており、事故に遭いタイヤを喪失するほどに大破した廃車のような姿をしている。
また、『車を動かす機構』であるタイヤが失われ、『車を停止させる機構』であるブレーキに変わった事で『もう動けない車』を表しているという考察も存在する。
ドライブドライバーに相当する腰のベルトからは赤いコードが飛び出しており、壊れたメーターの様な外見で泥や埃を被ったようにも見える。
これはアナザードライブにはベルトさんが最初から存在しない=未来に向かって歩みだすことのできない、つまり『泥が詰まったような』とかつて進ノ介が表現していた心のままということを示唆しているのかもしれない。
また、原典のドライブでも度々登場している『時間が止まってしまった』という表現を示す壊れて針が止まった時計のようにも見える。
左腕に装備するドア銃を模した武器もやはり壊れた車のドアのようで、「ひしゃげて開かなくなった車のドア」がモチーフともとれる。
こちらはオリジナルとは異なり開発者の独特の感性によるギミックは無いが、表面に『KEEP OUT』のテープが貼られ、代わりに変身者・ベルトさん・シフトカーの三位一体の象徴とも言えるシフトブレスが無くなっている。
単なる武器としての銃しか持たないアナザードライブの姿は、誰も乗らなくなった廃車を連想させるだけでなく、仲間達との絆を胸に戦い続けた本物のドライブとは対照的な「他者を拒み、誰かのために戦うことをしない冷徹な機械」とも解釈できる。ひしゃげて開かなくなったドアを心の象徴とするならば、ハート・ロイミュードを筆頭とするロイミュード達さえ持っていた心の強さを持たない、仮面ライダーにもロイミュードにもなりきれなかった半端者の末路がアナザードライブであると言える。
全体的には泊進ノ介に関する要素だけでなく、ロイミュード側とライダー側を経験したチェイスに関する要素を絡めたキャラクター造形とも言える。
アナザーライダー共通の名前と年号はそれぞれ左胸と左肩に描かれており、左胸に『DRIVE』、左肩に『2019』と描かれている。
能力
原典でロイミュードなどが持っていた重加速を操る能力を持ち、周囲の物体の動きを遅くする事が可能。
その力は強大で、劇中ではこの力でゲイツリバイブ疾風すらも遅くさせ、ウールに時間を止められた際もこの力で時間停止から脱出している。
マッハの変身者はかつてロイミュードと同じく重加速の力を持つ仮面ライダーを怪物に喩えていたが、本当に怪物と化した仮面ライダーが現れてしまう事となった。
なお、ここまで強力な重加速を何故使用できるのか、初登場の時点では謎であったのだが…(後述)
また、上述のドア銃のような装備による防御及び銃撃の他、本家の「オールタイヤアタック」のようなタイヤ型エネルギー弾を発射可能。
劇中では赤いトゲ付きのタイヤと黄色の炎を纏ったタイヤを続けざまに発射した。
さらにEP45では下記のアナザートライドロンを召喚する能力も披露している。
アナザートライドロン
スペック
- 全長:4.9m
- 乾燥重量:1450kg
- 馬力:3000ps(2206kw)
- 最高時速:560km/h
アナザーライダーによって歪められた、悪のトライドロンと呼ぶべきアナザードライブ専用のスーパービークル。
アナザードライブの戦闘を支援し、攻撃力を増加させられる。
本家に比べてかなり禍々しい形状をした改造車の様で、後部には複数のロケットブースターが装備されている。一応、座席シートは存在しているようだが作中では一切搭乗せず自動操縦により使役していた。
ちなみにアナザーライダー専用の乗り物がTV本編で登場したのは何気にこれが初だったりする(劇場版を含めた場合はアナザー電王のアナザーデンライナーが存在する)。
誕生による改変
ドライブの人物などは登場していないため不明。
ただし、ロイミュードはドライブの物語の中で全て破壊されているため、少なくともロイミュードは存在していない。
活躍
- EP44『2019:アクアのよびごえ』
スウォルツから逃亡するウールに重加速をかけながら出現し襲いかかる。時間停止能力を使われ逃げられてしまうが、自力で能力を解除してみせた。
その後、クジゴジ堂からいなくなったオーラを探していたウールの前に再び出現。
再度襲撃を試みるが、ツクヨミや湊ミハル/仮面ライダーアクア、さらにはソウゴやゲイツに次々と割って入られ取り逃がしてしまう。
そのままなし崩し的にグランドジオウとゲイツリバイブ疾風を同時に相手取る事となり、重加速を発動して2人の動きを止めたものの、ウールの時間停止により重加速を解除される。
そしてグランドジオウが召喚したハンドル剣による必殺技とゲイツリバイブ疾風の「百裂タイムバースト」の同時攻撃を受け爆散した。
しかし、その爆炎の中から現れたのは、オーラであった…。
- EP45『2019:エターナル・パーティ』
「あなたにちょっとだけ悪い知らせがあるの。
あなたは今日、ここで死ぬ……」
演/CV:紺野彩夏
アナザードライブがオーラに化けた偽物だと察し、その疑念から目の前に現れた本物のオーラからも逃げ始めたウールの前に現れて変身。時間停止を発動しようとするウールを重加速で妨害し、動けない隙を突いて痛めつけた。
そして現れた本物のオーラの首を締めながらその正体を自ら明かす。
「もうすぐあなたは消えて、私が本物になる。めちゃくちゃいい知らせよね。
力を失ったあなたには、もう何の存在価値もないんだから…」
その正体はかつてドライブと戦った、未来と現代の2体のロイミュード108が融合・超絶進化を遂げたロイミュード、パラドックス・ロイミュード。
アナザーディケイドことスウォルツが「ドライブを倒し、『永遠のグローバルフリーズ』を起こして支配に成功した世界」を生み出して呼び寄せたと思われ、用済みになったウールとオーラを始末すると同時に、自身が擬態しているオーラに成り代わることを目的に行動していた。
だが、現れたウォズギンガファイナリーとゲイツリバイブ剛烈にオーラの抹殺は阻まれ、2対1の戦いとなる。
時間や空間といった概念の根源たる宇宙の力を持つウォズギンガファイナリーには重加速が通じず、高速移動もゲイツリバイブ疾風に対応されるも、アナザートライドロンを呼び出して互角に戦える戦闘力を見せつけた。
だが、本物のオーラがスウォルツの魔の手から生き延びるべくウールを殺害してしまい、それを見て、高らかに笑い始める。
「ハハ… ハハハッ…! さすが私…私以上に私! アハハハハ…!」
そのウールの死を嘲笑するかのような態度に、ソウゴは初めて明確に怒りを爆発させる。
ソウゴ「何、笑ってんだ… 何笑ってんだよ!!」
グランドジオウの怒りの猛攻に押され、さらにドライブ・タイプスピードを召喚。
最後は「オールトゥエンティタイムブレーク」でアナザートライドロンもトライドロンに破壊され、2人の「スピードロップ」を受けてアナザードライブからオーラ、そして元のパラドックス・ロイミュードの姿に戻って爆散。2つの108のコアに分離し、そのまま消滅した。
考察
劇中では登場の原因が「ジオウがドライブの力をまだ継承していないから」とされており、泊進ノ介/仮面ライダードライブから力を奪って生み出された可能性もある。
余談
- 平成二期のライダーをモデルにしたアナザーライダーでは一番最後の登場となった。
- ドライブの力については物語序盤からライドウォッチやアーマーが度々登場しており、視聴者の間では早くよりその登場が期待されていた。
- その一方で、逆に「もうウォッチを所有しているのでアナザードライブは出ないのでは?」と言う意見もあり、登場が不安視されてもいた。
- アナザーオーズ、アナザーリュウガ、アナザーブレイド、アナザーカブトに続く5人目の過去作品のキャラクターが変身するアナザーライダーであり、劇場版の敵キャラクターとしては裏真司に続いて2人目となる。
- また、アナザーライダーで唯一、明確に原典の怪人と呼べる存在が変身した個体となった。
- 元となった「仮面ライダードライブ」劇中で培われてきた「絆」などの要素や敵対組織との繋がりを誰の目にも見える形で否定・反転させたような容姿に加え、その衝撃的な正体、さらには時間を操るジオウやゲイツ、タイムジャッカーにさえピンポイントで対抗できる能力まで備えている事実を踏まえるなら、アナザードライブは「歴史から消えた仮面ライダーとその敵の存在を引き受ける存在」にして「仮面ライダージオウにおける敵怪人」でもあるアナザーライダーの1つの完成形とも呼べる存在であり、アナザーライダーの大トリ(特殊な立場のアナザーディケイドを除く)を務めるにふさわしいと言えるだろう。
- また、『正義のヒーローから奪った力で悪を成す』アナザーライダーの在り方は、ロイミュード108がパラドックスロイミュードとなる為に原典でした行動とも類似している。
- オリジナルの人間がその人間をコピーしたロイミュード以上の悪意を持っているという展開は『本当の悪意はロイミュードではなく、その元となった人間の心の中にある』というドライブのテーマを体現しているとも取れる。
- ロイミュードが偽のドライブに変身するという展開は、本家でも似た例があった。
関連タグ
魔進チェイサー:原典に登場した、同じくジャンクモチーフで左右非対称の存在。アナザードライブの造形や変身者、そしてその動向は、彼に対する強烈なアンチテーゼとも解釈できる。
仮面ライダーハート、仮面ライダーブレン:原典のVシネマで初登場した、ロイミュードが変身した仮面ライダー達。アナザードライブとは真逆の存在と言える。
ゴルドドライブ:原典に登場した、同じくドライブの紛い物と言える敵役。
アナザーディケイド:平成一期アナザーライダーで最後に登場した個体。初登場回もアナザードライブと同じである。