曖昧さ回避
- ギリシャ神話の神、冥府の支配者にしてゼウスの兄弟ハーデス:本記事で説明する
- 安彦良和原作の漫画・『アリオン』の登場人物(?)。ギリシャ神話を舞台としていることもあって、他の登場人物もオリンポスの神々である。
- 『聖闘士星矢』の登場人物:冥王ハーデス を参照
- ゲーム『神々の悪戯』の登場人物:ハデス・アイドネウス を参照
- ゲーム『ゴッドオブウォー』シリーズの登場人物:ハデス(GOW) を参照
- ゲーム『新・光神話パルテナの鏡』の登場人物: 冥府神ハデスを参照
- ゲーム『DDR』の楽曲:HADESへ。
- ゲーム『beatmaniaIIDX』の楽曲:HADES(BEMANI)
- ゲーム『グランブルーファンタジー』に登場する星晶獣:ハデス(グラブル)へ
- ゲーム『ファイナルファンタジー14:新生エオルゼア』『漆黒のヴィランズ』に登場するあるキャラクターの真の姿:ハーデス(FF14)
概要
冥府(あの世)の神。同名のハーデスあるいはエレボスの名で呼ばれる冥府の支配者。
彼の治める冥府が地下にあると考えられていた為地下の神となり、作物は地中から芽を出す事から、転じて豊穣神、鉱物が地面から出土する事から宝石の守護神ともされる。
一般的に冥王とは彼の事を指す。また死神タナトスと同一視される事もある。
ハデスという表記も良く使われ、ローマ神話ではプルートと呼ばれる。
オリュンポス十二神の一人とされるが、逸話が少ない神である。
容姿については触れられていないが、絵では大体ダークカラー髪の美青年として描かれる事が多い。
武器は、二又の槍「バイデント」である。
出自
クロノスの子供である三兄弟の一人。出生順では長男だが、公式には三男という立場になっている(これはクロノスに吐き出された順で、ゼウスとポセイドンの弟2人に先を越された為)。ティタノマキアでは、姿が透明になる『隠れ兜』を用いて敵軍を撹乱し、ゼウスの勝利に大きく貢献した。
性格
元々は無垢で純真だったと言われているが、ティタノマキア後のくじ引きでゼウスが天界の王、ポセイドンが海の王に対し、ハデスは冥界の支配者で、冥王という亡者に疎まれる役職によるストレスからか、厳正な堅物に変化してしまった。
彼の中で唯一癒しの存在となっているのがペルセポネである。
ハデスは彼女以外には目もくれず神々の中で仲睦まじい夫婦として有名である。
ペルセポネを迎え入れる為に略奪婚をしているが(この行為はゼウスの仕業とされており、ペルセポネの母・デメテルも「心優しいハーデスがそんな事をする筈がない」と言っている)。
キリスト教の影響から邪悪なイメージが強いが、ギリシア神話では冥府は地獄である為、必ずしも悪役ではない。全ての死者は彼の前では対等であり、差別も行わないとされている。
逸話
上述の通り厳正な堅物になってしまったハーデスだが、優しさを失った訳ではない。
例えばヘラクレスがケルベロスを捕らえに来た際には「傷つけず、素手で打ち負かしたなら連れて行って良い」と言ったり、
オルフェウスが妻エウリュディケの霊を迎えに冥界に来た折は彼の奏でる琴の音色に涙を流し、冥界の掟を曲げてまでエウリュディケを連れ帰る事を許可したりもした。
ペルセポネを攫いに来たペイリトオスとテーセウスに対しても、その意図を見抜いてにこやかに迎えた。その上で、座った者が記憶喪失になる「忘却の椅子」に座らせ、2人を4年ほど拘束している。
しかし2人と顔見知りのヘラクレスが訪れた際に「友達なんです、赦してやってください」と言われ、すんなり解放している。なお代償は尻の肉(座りっぱなしだったので椅子にくっついたのを無理矢理ひっぺがした)だった。
一方で、死者を蘇生出来る医者アスクレピオス(太陽神アポロンの息子)に対しては「死者を蘇らせる行為は冥界の秩序を乱す事」としてゼウスに抗議する等、冥界の支配者としての厳格さも持ち合わせる。抗議の結果、アスクレピオスはゼウスの雷に打たれて死に、その霊はへびつかい座として空に昇った。
最も、この抗議の契機となったヒッポリュトス蘇生の依頼者アルテミスと実行者アスクレピオスは、それ以前にアルテミスの彼氏オリオンを蘇生させようとしてハーデスに叱責された事がある。
この件でも、神罰を下す前に先ずは叱責で反省させ様とする寛容さは見せている。
関連キャラ
創作でもよくモチーフに用いられ、鉄腕アトムのプルートはハーデスの別名からきている。また海外では、キリスト教の影響か、悪役とされる事が多い。
日本でもキリスト教の影響を受けた永井豪以下ダイナミックプロ系列作品が
一貫して悪者扱いする為、それが定着した。
- プルート(鉄腕アトム)
- セーラープルート(美少女戦士セーラームーン)
- ゼオライマー(冥王計画ゼオライマー)
- 青木さん(居候の赤井さん)
- 三科栄吉のペルソナ(ペルソナ2罪)
- 死皇帝ハデス(デュエル・マスターズ)
- 冥王ハーデス(聖闘士星矢)
- エレボス(マジック:ザ・ギャザリング)
- ハデス(無双)(無双OROCHI3)
- 冥府神ハデス(新・光神話パルテナの鏡)
- ハデスオルグ(劇場版 ガオレンジャー)
- 冥界神ハデス(にゃんこ大戦争)
- デスハー、デスパー(王様ランキング)
ハーデスが名前の由来となっているもの
地質学用語
冥王代:地質時代の分類の一つ。地球誕生〜約38億年前の約7億年間を指し、始生代の前の時代。この時代に地球が形成され、地殻と海ができ、有機化合物の化学進化の結果最初の生命が誕生したと考えられている。
化石以前に、岩石自体が非常に希であり、地質学的証拠が殆どない時代。この時代の地層はないため、国際層序委員会ではこの名称を非公式として扱っている。実態が闇に包まれていることから冥界の王ハーデス(Hades)に因んで名付けられた。
関連タグ
風評被害…ギリシャ神話の神ではマトモな方なのにやたらと悪役扱いされるため