概要
漫画・アニメ・ゲームなどの作品から、多種多彩なキャラクターを二頭身にデフォルメした可動フィギュア、またはそれを模したオリジナルフィギュア。略称「ねんどろ」。
名前の由来は粘土で出来ているから……ではなく、「ねんどろん」という原型チームが制作しているため。
2006年にワンダーフェスティバルにて限定販売された「ネコアルク『換装!ブーブー顔』編」が記念すべきシリーズ第1弾の商品であり、一般販売された最初のアイテムは涼宮ハルヒ。現在は限定販売・受注生産・発売予定のものも含めると実に1000種類以上の商品が展開されている。
初期は2000円台後半から3000円台と、フィギュアの中では安価な値段で売られており、フィギュア入門のような位置づけであった。
2010年代からは、オプションの増加や人件費・原材料費の値上がりを受けて5000円を超える事も珍しくなくなったが、完成済みフィギュア全体で定価が軒並み高騰しているので、相対的に安いのは変わらない。
また、二等身フィギュアという独自の商品スタイルを取っているためか、他の企業(バンダイなど)にフィギュアの主な販売権があるキャラクターも展開されることがある。
購入する際の注意点
ここに書いてあることは、ねんどろいどに限らずフィギュア全般、引いては収集系の趣味全体に当てはまることなのを念頭に入れてもらいたい。
可動範囲
パッケージ等の記述ではアクションフィギュアと銘打ってはいるものの、可動させられるのは基本的に首・腕・脚の付け根に限られ、可動も1軸可動のみとなっており、更に2頭身な事もあって可動フィギュアといってもそんなにダイナミックなポーズがとれるワケではない。
別に一切ないというわけではないが、全商品のごく一部でしかない。これについてはバリエーションと余談を参照。
品薄・高騰
基本的に多く売れる商品ではないため、予約を受け付けた上でそれと同数+不良品対応等の予備だけ作るという「受注生産」に近い売り方をしている。
よほどの人気商品、新作アニメ決定、版権元が再販に積極的といった理由がなければ追加生産はされないので、ものによっては定価の2倍以上のプレミアがつくことも。
確実に欲しい場合は発売前の予約が安定である。もし買い逃したとしても、発売日を覚えておいてオークションやフリマアプリのチェックは欠かせない。
メンバー欠員
いくら低価格とはいえ、主要人物全員がラインナップしているわけではない。つまり定番のメンバーのうち誰かが足りないということが起こる。
残念ながら大抵は揃わず、ヒロインや女主人公だけで商品展開が終了してしまう。特に男の主人公も欲しいと思っている人には辛いものがある。
好きなキャラだけあればいいというなら問題ないが、全員揃えたいなら下調べは欠かしてはいけない。それを補完するために一般ディーラーで同じ規格のガレージキットが発売されるケースもあるが、販売方法が特殊であるため補完するハードルは高い。
出ないキャラを自分で作る強者もいるのだが、工作の素人からすれば現実的ではない。
その他
これはあくまで特殊事例だが、『ストライクウィッチーズ』のメイン11人は全員揃うまで間隔が開きすぎたせいで、並べると体のバランスが微妙に違う。
もともと人数が少なかったり、商品展開が早ければ問題なかったろうが、今回は初弾から最後のまで約8年かかってしまった。
こういった「発売時期のズレによる違和感」も注意したい。
このほか、『NARUTO』は2021年現在のところ国内販売の予定がない。日本発祥のコンテンツなのに日本で発売されないということも極まれにある。
ラインナップについて
ほとんどが漫画・アニメからだが、ドラマや映画のキャラも商品化、ごくわずかに実在の人物までも商品化されている。
主なシリーズ
※同一人物や付属品のわずかな違いなどを除いて、計5種以上を基準とする。
NARUTO(海外のみ)
実在の人物(通し番号順)
- No.35 ジョイまっくす
- No.201、228 小林可夢偉
- No.321 田村ゆかり
- No.322 水樹奈々
- No.369 西川貴教(T.M.Revolution)
- No.1020 紅ゆずる(元宝塚歌劇団・星組)
バリエーション
ねんどろいどぷち
オプションのパーツや梱包を省いて小型化された身長約65mmのトレーディングフィギュア(いわゆる「箱ガチャ」)。1カートンにつきシークレットが1つ同梱されている。
集めやすさもさることながら、『DEATH NOTE』のワタリなどという単体商品化は絶望的なキャラクターがラインナップしているのも見どころ。
実在のアーディストであるClarisやリンキンパーク、さらに新日本プロレスの所属プロレスラーも発売された。
しかし残念ながら、2019年の『刀剣乱舞』でラインナップが止まっている。
ねんどろいどもあ
着せ替え用の衣装やアフターパーツ、ねんどろいどを室内に飾る時に重宝する吸盤などのサブライン商品。
ねんどろいどぷらす
ねんどろいどをモチーフとしたラバーストラップやぬいぐるみ等を展開している。
ねんどろいどこ~で
ヘッド・トップス・アンダー・シューズの4つの部位で構成されたパーツを自由に交換可能。完全な固定フィギュアとなっており、通常のねんどろいどとはパーツの入替はできない。しかし交換用の手脚パーツや付属品が省かれている分、従来に比べて低価格となっている。
ねんどろいどど~る
通称『ねんど~る』。
各関節が可動する、2.5等身の着せ替えフィギュア。キャラとして発売されているほか、素体単品でのリリースもされているので好きなねんどろの頭部を接続することができる。髪のない頭部も別売りで発売しているため、5インチ径のウィッグをかぶせてドールのような仕様にすることも可能(それに関してはねんど~る独自の仕様)。
素体仕様は先行して発売しているキューポッシュと似通っており、着せ替え可能な点と靴底のマグネットで自立で来る点も同様だが体格はこちらのほうが細身かつ長身。ついでにスタンドもポッシュと似通っているため競合商品と見ていい。しかしポジションの食い合いになりそうな矢先、ねんど~る発売2年目を迎えた2020年にキューポッシュ側が展開を終了したため結果的にだがねんど~るがキューポッシュのポジションを奪う形となってしまった。
ねんどろいどSwacchao!
実質的に「ぷち」の後継となっている。違いは椅子に座らせていることぐらい。
pixivにおいて
既に商品化されたキャラクターを撮影した写真はもちろん、商品化希望の意味を込め、未だ企画されていないキャラクターをねんどろいど風にデフォルメさせた想像画も投稿されている。
類似商品
バンダイ
- chibi-arts(チビアーツ)
顔の雰囲気以外はほぼ同じバランス。2013年のトニートニー・チョッパーを最後に商品展開は停止。
プリキュア、ワンピース、TIGER&BUNNYなどはchibi-artsでしかデフォルメ可動フィギュアがない。
ちなみに第1弾は仮面ライダーWサイクロンジョーカー。
- 魂バディーズ
ねんどろいどより等身が高く、差し替えパーツもなく、全身が一切動かないという割り切った内容。
低コストを活かしてマイナーキャラも揃えようというわけでもなく、初音ミクを最後に消えた。
- ぷちゅあらいず
プラモデルの「フィギュアライズ」の流れを汲むシリーズ。ロゴの下には「Petiture-rise」と書かれている。
例によって雰囲気は違うものの、ねんどろいどのプラモデルバージョンといった方向性で表情付けもできる。頭部が大きく見えるため等身はねんどろより大きく感じる。
第1弾はAqours(ラブライブ!サンシャイン!!)が選ばれ、9人を3組に分けて、3人1組で発売された。
商品1箱で組み立てられるのは1人だけで、残り2人は胴体が足らない(生首)状態になってしまう。商品紹介では「1人を選べる」と掲げられており、コンパーチブル仕様と言えば聞こえはいいが、その実態は3人揃えたければ3箱買う必要があるという複数個買いを強いる内容。
もし我慢して揃えた場合、余り2人×3箱=余り6人、9人全員なら18人分の生首が転がるという意味不明な状況を覚悟しなければいけない。
第2弾のあんこうチーム(ガールズ&パンツァー)では人数分のボディを用意しているため改善されたものの、前回の失態が売り上げに響いたのかここで打ち切られた。
- ぷちりっつ
ぷちゅあらいずの後継で、現在Fate/GrandOrderから8人発売している。表情パーツが無く、等身を上げて腕を可動するようにしている。集めやすかったのか売れ行きは良好だったが、塗装のハードルが高いためお手軽とは言えないのが欠点。
- Figuarts mini
chibi-artsの後継。『鬼滅の刃』の柱をコンプリートしている。
ぷちりっつと同じく表情パーツは無いが、chibi-artsや魂バディーズでは果たされなかった「低価格を活かして、大人数のメンバーを全員揃える」という偉業を成し遂げる。
バンダイ以外
2.3頭身(公式情報)のため腰と肘、膝が動く。また、ねんどろいどもあに相当するオプション群の「キューポッシュえくすとら」も展開されている。
フレームアームズ・ガールやガールズ&パンツァーが主なシリーズ。ダージリンや西住まほなど、ねんどろいどでは未商品化のキャラクターもいる。
上記の通り、『ねんど~る』展開と入れ替わる形でにポッシュの展開が停止している。
- パルフォム(ファット・カンパニー)
およそ3~3.5頭身とキューポッシュよりさらに頭身が高い。
- ナノリッチ(グリフォンエンタープライズ)
ねんどろいどと同じぐらいの頭身。ナノリッチVC(ボイスコレクション)という派生商品もある。
余談
- 『ねんどろいどじぇねれ~しょん』なるクロスオーバー作品がある。
- シリーズNo.500「桜ミク」より生産拠点が中国から国内の鳥取倉吉工場へと移転しているが、この製品は倉吉市への「ふるさと納税」の1万円以上納税記念品としても配布されている。
- 概要にて「大胆なアクションポーズはとれない」と書いたが、シリーズNo.121「セイバー・スーパームーバブルエディション」という21箇所可動を実現した例外もある。
- 単に名前が似ているだけだが、『ドラえもん』に登場するアイテムにネンドロンなんてものがある。なお、ドラえもんのねんどろは未だに発売していない。
関連タグ
アクションフィギュア デフォルメ ちびキャラ SD 2頭身 2.5頭身
ミクダヨー - ねんどろいどの着ぐるみ。
ネオ・ジオング(ハルユニット) - ねんどろいどの器として降臨した新たなる刺客。