スペック
※1…大伴昌司の手掛けた図解では「チョコレート怪獣」という分類。ちなみに"怪獣や宇宙人の体内はこうなっている"という怪獣図解を考案したのはこの人。
※2…輸入されたカカオ豆(ブラジル産)に混じって日本にやって来たため、出身地はブラジル。
概要
第6話「沿岸警備命令」に登場。
設定上は東京湾の汚水を浴びて突然変異を起こしたトカゲの怪獣なのだが、怪獣ならぬ海獣という分類や背中・腕にヒレがある点など、その顔つきも相まって魚っぽい印象を抱かせる(なお強化版の[[キングゲスラ]は足の脇にもヒレがついておりより魚っぽくなった。しかしあくまでトカゲの怪獣である)。
そんなゲスラだが最大マッハ2の速度で泳ぐ事が可能で、全身のトゲと背びれには猛毒があり非常に危険。しかし背びれは弱点でもあり、これを切り離されると急速に弱体化し、最悪の場合死亡してしまう。
カカオの豆が大好物であり、都市に出現した際はカカオ輸送船や倉庫を襲撃する。また、普段は大人しいが、大きな音や刺激を与えると怒り狂って凶暴化する習性を持つ。
活躍
巨大化したゲスラは東京湾に潜み、同じく富栄養化で異常成長を遂げた20mの鮫を食い殺したり、東京湾を航行する船を沈めていた。
一方、横浜で遊んでいたホシノ少年はカカオ豆を求めて港を襲うゲスラを目撃。更にカカオ豆の袋を利用して宝石密輸を企む犯罪者「ダイヤモンドキック」に遭遇し、倉庫へ監禁されてしまう。
現地に駆け付けた科学特捜隊はゲスラの習性を知る船員の証言を基に、海上へカカオ豆を撒き、大きな音を立てないよう配慮するなどして被害を食い止めようと尽力する。しかし、ゲスラはカカオ豆を求めて倉庫を襲撃。その場にいたダイヤモンドキックが無思慮に拳銃を発砲した事で凶暴化してしまう。
暴走したゲスラはダイヤモンドキックや彼らを救出に来たハヤタ隊員がいる倉庫を破壊。更に科特隊メンバーが乗ったパトカーに迫るが、瓦礫から這い出たハヤタがベーターカプセルを点火、ウルトラマンが登場する。
ゲスラは全身に生えた毒トゲでウルトラマンを苦しめ、水中に引きずり込んで倒そうとしたが、弱点の背ビレを引きちぎられて死亡する。ウルトラマンがスペシウム光線を使用しなかった初めての敵である(※シナリオ上ではトドメのスペシウム光線で爆砕されており、円谷プロ公式ウルトラマン検定でもこちらが採用されている)。
後に登場する同族・近縁種・亜種
キングゲスラ
『大決戦!超ウルトラ8兄弟』に登場。
スーパーヒッポリト星人に強化改造を施された個体。
幼海獣チビスケ
『ウルトラマンタイガ』第2話「トレギア」に登場。
体長 | 75㎝ |
---|---|
体重 | 7㎏ |
ゲスラの幼体。ヒロユキが10歳の頃、彼に「チビスケ」と名付けられ、可愛がられていた。好物は板チョコ。
その正体はヴィラン・ギルドのレキューム人が保有していた怪獣兵器で、レキューム人により連れ戻され、キングゲスラに改造されてしまった。
幼体という形だが、ゲスラが映像作品に登場したのは実に53年ぶりである。
デザインは井野元大輔が担当した。前話のベビーザンドリアスとは異なり、初見ではゲスラに見えないよう要望されたため、ウーパールーパーやサンショウウオなど、両生類のイメージでデザインされた。
設定に関するあれこれ
- マッハ2
『空想科学読本』では「水中では音の速度が4.4倍になるので、ゲスラの泳ぐスピードとされるマッハ2はウルトラマンの飛行速度(マッハ5)より速いマッハ8.8に相当する」と計算された。
加えて「マッハ2で泳ごうものなら衝撃波とそれに伴う津波により地球が大変なことになってしまう」とも考察されている。
- トカゲ
元々はカカオの木に生息するおとなしい生物で、大きさは犬くらい。カカオ豆や豆に付く虫などを食べるらしい。
しかし音や光といった強いストレスを受けると激怒し、毒を逆立ててジャガーにすら襲い掛かるという。
輸入されたカカオ豆にゲスラのタマゴが混じっていたので日本に辿り着いたらしい。
- 分類
トカゲならば爬虫類のはずだが、劇中に登場する船員は「ゲスラは水の中で暮らせる両生類だからな」と語っている。というか「海獣」とは、本来海生哺乳類を指すので超大渋滞。後述の初期設定が記載された書籍では蜂の幼虫とされていたので分類がワケの分からないことになっている。
まあ動物の分類としてではなく、"水陸両方で暮らせる動物"という意味で「両生類」と言った可能性も考えられるが……
とはいえウルトラシリーズには爬虫類と鳥類の中間生物や哺乳類と爬虫類の中間生物などおかしな分類が存在するので、その類なのかもしれない。
- ゲスラとチョコレート
ゲスラの好物はチョコレートだが、元のトカゲは「カカオ豆やそれにたかる虫を食べる」という設定なので微妙に習性が変化している模様。
なお人間以外の脊椎動物は代謝の関係でカカオが含む「テオブロミン」という成分への耐性を持っておらず、チョコレートは毒そのものなのだが、ゲスラが東京湾の汚水で変異した事を考えると大抵の毒物への耐性はそこで得ていたのかもしれない。変異元のトカゲがテオブロミンを分解する代謝系を例外的に有していた事も考えられるが。
- 初期設定
トカゲではなく、カカオ豆に寄生するゲラン蜂という蜂の幼虫が怪獣化する予定だった(着ぐるみはモスラの幼虫の改造)。
この名残で、怪獣図鑑等の資料では、ゲラン蜂はカカオと並ぶゲスラの好物の一つであると説明されている。また、古い書籍ではゲラン蜂の幼虫の変異という没設定の方が記されていた事もある。
後年、『タロウ』にてゲランという名の怪獣が登場。ゲスラとは全く似ていないが、蜂の幼虫が羽化せずそのまま怪獣化したと説明されれば、そんな風に見えなくもない。
- 軽いぞゲスラ
身長60メートルで体重1万トンというのは生物としてはあり得ないくらい重い(まあ最大15メートルしかないのにコイツと同じ重さのリトラよりは多少現実的か)。
だが平気で数万トンを叩き出すウルトラ怪獣としてはかなり軽い。
たとえば同じく60メートルの連中ならアボラス&メフィラス星人の2万トン、ゼットンの3万トン、ブルトンの6万トンにテレスドン12万トン、スカイドンに至っては20万トンもある。
ウルトラマンと同じ40メートルだとアントラーやゴモラ、ザラブ星人の2万トン(ちなみにマンは3.5万トン)、骨だけで軽そうなシーボーズですら3万トン。一方ダダだけは7千トンとぶっちぎりで軽い。
間をとって50メートルだとバルタン星人の1.5万トン、ギャンゴの6万トン、ベムラーの2.5万トン、ぺスターの2万トン……と、どいつもこいつもゲスラより重いのである。なんならキングゲスラ(68メートル)でも2.1万トンと倍以上に増えている。
※「ウルトラマン」に登場した怪獣でゲスラと同じ体重なのはジャミラ(50メートル)とガマクジラ(35メートル)だけだが、どちらもこいつより小柄なため相対的にはゲスラの方が軽いことになる。またウー(40メートル)や高原竜ヒドラ(60メートル)は「体重 なし」となっているものの、彼らは実体を持たない幻影のような存在なのでそれも仕方ない。
以降の作品での登場
とぼけた表情やチョコ好きという設定などから一定の人気を獲得しているゲスラだが、『タイガ』に登場した幼体を除けば、映像作品に登場した事は『ウルトラマン』以来一度も無い。
最近では着ぐるみの関係で強化種キングゲスラの方がひっぱりだこになっている。果たして普通のゲスラをテレビで拝める日は来るのだろうか。今後に期待である。
なお、『ウルトラマンX』にもキングゲスラが登場したが、大地が「あれはゲスラ……いや、キングゲスラだ!」と発言しているので、設定上はゲスラの存在も確認されていた模様。
漫画『ウルトラマンTheFirst』
幼体が多々良島のモブ怪獣として出現している。
漫画『酩酊!怪獣酒場』
第28話で初登場。恋愛の神様の子供を自称する大口を叩くいけ好かない人物だったが、ダダのミクロ化器で発言をミクロ化されて謙虚な講釈師のような言い回しに変化してしまった。
第63話では取り巻きにバレンタインデーのチョコを貰う為には「家族」と「儀式」というネタを使った噂を流せばいいというアドバイスをし、取り巻き達はチョコを貰う事に成功するが、ゲスラだけはバレンタイン当日にチョコを貰う事ができず、バレンタインデーという日、ついでに自分たちを怪獣化した資本主義に対して怨嗟の言葉を吐き続ける。そこへ自分の流した「故郷の南米ではもらったチョコを家族で見せ合う儀式がある」というデマカセを信じて自分そっくりに作られたチョコを運んできたハルに話を聞かれてしまい、慌ててダジャレでその場を取り繕うとするが、スベってしまう。
「2nd」36話でも登場。アロハシャツを着て合コンに参加し、自分語りを延々として女性陣を呆れさせた。しかし、それも寂しさ故に虚勢を張っているだけに過ぎず、同席していたうるまの計らいで席替えするが、隣席していた女性に弱点の背びれを掴まれて気絶してしまった。
漫画『ウルトラ忍法帖』
(恐らく)朧党の忍獣として登場。口から火を噴くなど原典では見せなかった能力を持っていた。
初登場コマでは既に殺意吐き出しでマンと乱闘の真っ最中であり、マンの頭にクナイを突き立てるが自身も八つ裂き光輪で頭部から多量出血する。そんな状況でも忍者小学校の新入生を募って乱闘中にも拘わらず2人に纏わり付いていたタロウをマンと共に追い払った。
『ウルトラマンZ』
第2話のモニターの画面に名前のみ登場。ブラジルに出現したらしく、ゲスラの原型であるトカゲがカカオの木に生息している事から、カカオの本来の原産地である南米に出現したと考えられる(カカオの原産地は中南米)。
変異元のトカゲはともかく、変異した姿であるゲスラが日本国外、それも遠く離れた南米で出現したという記録は、歴代でも初めてである。
『怪獣バスターズ』
最初の敵として登場。しかも通常のゲスラとは別に、亜種形態が三種も用意されており、割と優遇されている部類に入る。
ちなみに最初の敵として登場したゲスラを倒してもらえる報酬は500G。自販機の炭酸飲料が100Gなのでジュース5本分……。
防具をゲスラシリーズで統一するとMA『ゲスラポイズン』が発動し、攻撃に毒の追加効果が付与される。
(以下、太字はパワード限定)
ゲスラ(通常種)
ミッション「下水の主」「ゲスラ大集合!」(惑星レラトーニ)、「よごされた水」「生命のいずみ」「ワッカ怪獣決戦(ランダム)」(惑星ワッカ)に出現。
這いずり、前足払いに加え、一定確率で毒状態を付与するヘビーアタックとショッキングベノム猛毒(毒針射出)、混乱状態を付与する汚水吐きが戦力。
ドロップする素材アイテムは『黒い鱗』『ゲスラの耳』『バブルジェル』『おすいぶくろ』『王冠ヒレ』『ゲスラの黒ヒレ』『バブルジェルX』『クラウンフィン』『白の玉』『ハードチップ』および『ハードチップ+』。フリーズロック成功時は『白銀のクォーツ』が得られる。
研究によって開発できるのは『ゲスラ防具』『ゲスラ防具Ⅱ』『ゲスラニードル』『ニードルフェンサー』『ペインニードル』『キラースタンプ』『どくばり』および『ハリネズミ』。10体倒すと『シーサイドガード』の称号が得られる。
初期ゲスラ
ミッション『えんがんけいび』『ライバルからの試練』『ターゲットをねらえ』『ゲスラ大集合!』(惑星レラトーニ)に出現。
主人公が最初に討伐するボス怪獣で、かなり小型の大型怪獣である。振る舞いはノーマルゲスラと同じだが、毒や混乱の追加効果がない。武器の扱い方を習得するための練習台に最適。
ドロップする素材アイテムは『黒いウロコ』『もうどくのトゲ』『バブルジェル』『おすいぶくろ』『おうかんヒレ』『白の玉』および『ハードチップ』。フリーズロック成功時は『白銀のクォーツ』が得られる。
なお研究に関わる情報ポイント、称号に関わる撃破数はノーマルゲスラに計上される。
赤ゲスラ
ミッション『マグマの海』『赤いほのおのゲスラ』『アペヌイ怪獣決戦(ランダム)』(惑星アペヌイ)に出現。
灼熱の環境に適応し、一部の攻撃が火属性になっている。
ドロップする素材アイテムは『赤いウロコ』『もうどくのトゲ』『ファイアジェル』『マグマぶくろ』『おうかんヒレ』『ゲスラの赤ヒレ』『クラウンフィン』『ファイアジェルX』『白の玉』『ハードチップ』および『ハードチップ+』。フリーズロック成功時は『白銀のクォーツ』が得られる。
研究によって開発できるのは『GSレッド防具』『GSレッド防具Ⅱ』『レッドニードル』『レッドペイン』『ブラッドキラー』および『ヒノネズミ』。10体倒すと『ボルケーノガード』の称号が得られる。
青ゲスラ
ミッション『青いどくばり』『青の悪意』『青い光のゲスラ』『ワッカ怪獣決戦(ランダム)』(惑星ワッカ)に出現。ノーマルより大型。
ドロップする素材アイテムは『青いウロコ』『もうどくのトゲ』『バブルジェル』『おすいぶくろ』『おうかんヒレ』『ゲスラの青ヒレ』『バブルジェルX』『クラウンフィン』『白の玉』『ハードチップ』および『ハードチップ+』。フリーズロック成功時は『白銀のクォーツ』が得られる。
研究によって開発できるのは『GSブルー防具』『GSブルー防具Ⅱ』『ブルーニードル』『シャークペイン』『ミストキラー』および『ウミネズミ』。10体倒すと『オーシャンガード』の称号が得られる。
巨大ゲスラ
ミッション『始動!パワードバギー』『再戦!パワードバギー』『ゲスラ大集合!』『ボスゲスラ』(惑星レラトーニ)、『巨大怪獣』(惑星モシリス)に出現。
とにかく図体が大きく、攻撃を回避するのは至難の業。まして未完成のバギーでこいつの相手をするのはちょっとした無理ゲーである。
ドロップする素材アイテムは『黒いウロコ』『もうどくのトゲ』『バブルジェル』『おすいぶくろ』『おうかんヒレ』『ゲスラの黒ヒレ』『ゲスラの耳』『バブルジェルX』『クラウンフィン』『白の玉』『ハードチップ』および『ハードチップ+』。フリーズロック成功時は『白銀のクォーツ』が得られる。
研究に関わる情報ポイント、称号に関わる撃破数はノーマルゲスラに計上される。
pixivでの扱い
ゲスラはカカオ豆、つまりチョコレートが大好きなため、バレンタインデーにはゲスラにチョコをプレゼントする絵がウルトラファンにより描かれている。
余談
名前の由来は「下水」から。別にゲスいからという訳ではない。むしろ本来の性格は極めておとなしい。
初代ゲスラのスーツアクターは荒垣輝雄が担当した。ちなみに、着ぐるみは『Q』のピーターの改造。
関連イラスト
関連項目
アマージョ:こちらも王冠のような部位が存在しており、そこが弱点であるという共通点がある(ゲームシステム上そのことが戦闘に反映されることはないが)。