ペスターのデータ
別名: | 油獣(もしくはオイル怪獣) |
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身長: | 50メートル |
体重: | 2万5千トン |
出身地: | 中近東 |
『ウルトラマン』第13話「オイルSOS」に登場。
ヒトデが突然変異して誕生した怪獣で、立ち上がったヒトデを横に二体つなぎ合わせ、それをコウモリの翼に見立てて中央にコウモリ似の顔を付けるという、ウルトラ怪獣の中でも非常にデザインセンスとアイディアが光る傑作。
ちなみに元がヒトデのくせに貝類ではなく石油を常食にしているという経済的に迷惑な怪獣で、1日に1兆円分の石油を呑むこともあるらしい。年間ならまだしもたった1日でこれなので、一体何日持つやら……。
なお100kmの速さで海中を泳ぎ、ソナーを発して障害物を判別している為、コウモリ要素は見た目だけに終わらず、設定にも反映されている。
名前は「Petroleum(石油) Starfish(ヒトデ)」の略。
元々は石油の産出量の多い中近東で活動していたが、科学特捜隊中近東支部の警戒が厳重になったので日本へとやってきたらしい。
しかし太平洋を超えてまでやって来たこの国ではほとんど石油が出ないため、たとえ1年分でもペスターにとっては一口分にもならないだろう。お目当てのブツが欲しいのなら日本じゃなくて他国に行くべきだったヤツは以降の作品でも時々出てくる。
武器は口からの火炎放射と移動中に発する青い燐光。石油を常食としている為、体内には石油が溜まっているので、自身がガソリンタンクそのものと化しており、戦闘には向いてない(当然ながら炎は大の苦手)。
劇中の活躍
中近東でタンカーや油田を襲って生活してたが、科特隊中近東支部の警戒が激しくなったので、生活圏を日本へと移しタンカーを襲っていた。しかしある夜酔っぱらいに目撃され、さらにタンカーを襲っているところを科学特捜隊に見られ存在が露見。海上で大量のドラム缶を利用しておびき寄せた上で爆破する作戦が取られたが、イデ隊員のミスで仕留め損ない、コンビナートに上陸。
火炎放射でコンビナートを火の海にする……が自分も火災に巻き込まれ動けなくなった所を急所にビートルのロケット弾が直撃して倒れる。
火災を消火するために現れたウルトラマンに、虫の息のまま背後から火炎放射で攻撃するがスペシウム光線で瞬殺されたのだった。
ちなみになぜこんなオチの付き方だったのかというと、同話の脚本は“もともと『ウルトラQ』で作る予定だった話を『ウルトラマン』の話としてアレンジしたもの”だと言われており、つまり本来ウルトラマンがいなくても成り立つシナリオにウルトラマンの出番をねじ込んだ結果こういう展開になったものと思われる。
ウルトラマンパワード(パワードペスター)
別名: | 油獣 |
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身長: | 50メートル |
体重: | 4万6千トン |
出身地: | 中近東 |
第10話「二人の英雄」に登場
基本的には初代と同じだが、全身に吸盤があるなどよりヒトデっぽくなっている。顔もより醜悪かつ凶悪なものになっていて、初代とは似ても似つかない。
体温が非常に高温であり、液体窒素で冷凍されても短時間で融けてしまう。
やっぱり自分自身が爆弾みたいなものという事には変わりなく、パワードに片手で持ち上げられて空中に投げ飛ばされ、メガスペシウム光線で粉々にされた。
ウルトラゾーン
ミニコーナー『怪獣English』で登場。
彼曰く、自分は怪獣ではあるが基本的には『ヒトデ』であるという認識。
オイルが好物であるという自分の生態を「私の体はオイルでできているの」と川島なお美語録を交えて語った(元ネタは『私の体はワインでできている』より)。
ウルトラマンX
スパークドールズから実体化した怪獣という設定。
中東のどこかの国のニュース映像にだけ登場。その後人類側の奮戦で撃退されたのか、以降は登場していない。ほとんど一瞬の出番だったが、映像作品の出演は49年振りである。
スーツはおそらく、ショーなどで使用されていた物の流用。田口監督曰く「倉庫の中にあったボロ座布団のようなものをひっくり返してみたらペスターだった」らしい。相当劣化しており、二人一緒に入れただけでも奇跡的とのこと。
ウルトラマンオーブ
『ウルトラマンオーブ完全超全集』に収録されている「ウルトラマンオーブクロニクル」のエピソード2-2「深淵より出づる者たち」では、水の惑星ヌオックにガマクジラやタッコングと共に水の魔神として封印されていたが、ギブリ族とシロッコ族の争いを回避するためにギブリ族族長の娘サラムによって封印を解かれる。共同戦線を張った二大勢力と戦うが、サラムニの手に負えなくなって暴走。ウルトラマンオーブと戦い、他の二体と共に撃破された。
セブンガーファイト
第9話で登場。
スフラン島の湖に生息する初の淡水性の個体で、磯臭くてヌルヌルしているという見た目通りの特性を持つ。
スフラン島凍結用の冷却液が蓄えられたタンクを石油タンクだと勘違いし、GAFJの基地を襲撃した。出動したセブンガーは同時に出現したガンダーとも戦う事を強いられるが、ガンダーの冷凍光線とペスターの火炎放射を躱して相打ちに追い込む事で勝利をもぎ取った。
二対一という不利な状況に追い込まれたセブンガーではあったが、体内に石油が蓄えられている為に迂闊に攻撃できないペスターを爆破させずに倒せる冷凍光線を持つガンダーの登場や、ペスターもガンダーが苦手とする高熱火炎を吐く能力を持っていたという偶然の連続は正に不幸中の幸いだったと言える。
ウルトラギャラクシーファイト運命の衝突
デビルスプリンターによって凶暴化した怪獣の一体であり、日本版でようやくウルトラマンとの戦いらしい戦いを行った個体。
水の惑星リクエターに出現しウルトラマンフーマと交戦したが、フーマの素早い動きに翻弄され、極星光波手裏剣を受け真っ二つになり爆散した。
スーツは恐らく『セブンガーファイト』からの流用。
派生作品
一峰大二の漫画
ウルトラマン
ほぼ何もせずに勝手に焼け死んだ原作とは異なり、海中での初戦ではウルトラマンを油の塊に閉じ込めて動きを封じ、決戦では口から火を吐きまくってウルトラマンを火達磨にし、タンカーをも真っ二つにする強力な絞め技でウルトラマンのカラータイマーが赤になるまで締め上げるほどの活躍を見せた。
しかし組み合っている途中でウルトラマンが無理矢理ガソリンタンクに飛び込んだせいで滑って絞め技から抜け出され、油まみれになっている所にスペシウム光線を受け跡形もなく消し飛んだ。
ちなみに油に閉じ込められたウルトラマンは回転することで油を振り払っており、これが「回れば何とかなる」の元祖であるとされる。
ウルトラセブン ゴードの巻
宇宙人達によって、宇宙連合軍の1体として再生される。
海上を飛ぶウルトラホーク1号&3号に火炎を浴びせ、撤退に追い込んだ。
ウルトラ戦士列伝
テレビマガジンで掲載されていたグラビア記事シリーズ『ウルトラ戦士列伝』では海岸でジャンボーグ9と対決し、クロスショット(ポーズはどう見てもスワニービームのそれ)を浴びて爆散した。
ウルトラマンSTORY0
漫画『ウルトラマンSTORY0』では、海の星でウルトラマンジャックを襲う怪獣の一体として登場。タッコング、グビラと共にジャックを海中で襲撃したが、スペシウム光線で三体仲良く消し飛ばされた。
大怪獣ラッシュ
大怪獣ラッシュでは第3弾からプラズマ怪獣として参戦し、何と『ウルトラマンティガ』のラスボスであるガタノゾーアを押しのけてアクアペスターやオリハルコンペスターとしてボス枠で参加している。
ウルトラ怪獣擬人化計画
小説版に登場。怪獣の因子を持って生まれてきたミュータント:怪獣娘の1人。
人間として暮らしている時の名前は不明。また、現段階ではペスターの擬人化は行われていないため直接登場はせず、名前のみの登場となっている。
大怪獣ファイトのファイターの1人で、火炎攻撃を得意とするベテランファイター。
シーボーズこと滑川シイナの初陣の相手を務めるはずだったが、油の飲みすぎでお腹を壊してしまい、欠場。ゴモラこと黒田ミカヅキが代わりに相手を務めることになった。
ULTRAMAN
小説版によればペスターとウルトラマンが交戦した工業地帯は再開発されてコンサートホールが建てられており、その近くには記念としてウルトラマンの銅像が立っていると言う。
酩酊!怪獣酒場
第32話で登場。サウンドギラーがトイレへ行く為に放った金縛り光線の犠牲になり、トイレの入り口で詰まってしまい、却ってサウンドギラーはトイレへ行けなくなってしまった。
その後もモブとして登場している。
ウルトラ忍法帖
朧党の忍獣「屁°酢多亜」として登場した、ウル忍では初となる鶴亀の国以外の外国で活動した忍獣。足3本で蹴る3倍の威力だがバランスを崩し転けやすい「屁°酢多亜キック」口から石油を吐く「石油ゲロぶっかけの術」石油に塗れた相手をライターで火達磨にする「石油ゲロ引火の術」という忍法でもなんでもない汚い技を使う。体内は国が1つ吹き飛ぶ程の石油で満たされているので、光線技や切断技で倒すことができない。
アラビアのガラダマ王国で石油タンクにストローを突っ込んで石油を盗み飲んでいたが、石油不足で鶴亀の国から遙々やって来たマンやタロウと交戦する。最期はピグモン姫の空飛ぶ絨毯で空中に飛ばされ、ウル忍2人の光線で爆発四散した。
後に(タロウが回収したと思われる)頭部のみが再登場し、合体忍獣に組み込まれた。この時は口から火を噴く攻撃を行っていた。
余談
頭部がコウモリなのは石油は都市の血液と解釈し、それを啜る吸血蝙蝠からの発想であるといわれる。またヒトデ部分の襞は、平べったい形状から来る着ぐるみのしわ隠しの役目を考えた結果であるといわれる。
最後に自滅だったのは、二人で演じるためにほとんど動くことが出来なかったからだという説もある。
放映当時の少年誌にはシーツを切ってペスターの着ぐるみを作る方法が載っていたが、実際作った者がいたか不明である。なお漫画家の唐沢なをき氏は自著『怪獣王』内の企画で実際に製作している。