基礎データ
他言語版の名称
英語 | Malamar |
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イタリア語 | Malamar |
スペイン語 | Malamar |
フランス語 | Sepiatroce |
ドイツ語 | Calamanero |
進化
マーイーカ→カラマネロ(Lv.30以上かつレベルアップ時に3DS・Switchを上下逆さまにする)
概要
『ポケットモンスター X・Y(第6世代)』から登場したマーイーカの進化形で、イカを逆さまにしたような身体を持つ。
詳しく説明するとイカの口にあたる部分に顔がついている。2本の長い触腕が手のようになっており、それ以外のゲソは髪の毛のように表現されている。
またひれは真ん中に切れ目が入っており足の様に使って立っている。本来頭だと思われがちな胴体はそのまま胴体として表現してある。
胴体の模様を光らせて誘い寄せた獲物を、頭の触手で絡め取り、抜群の切れ味を持つヒレ先や、浴びせた消化液で仕留めてしまう。
最大の特徴として、「ポケモン中最も強力なさいみんじゅつを操る」とされており、カラマネロの力を悪用しようとする者も後を絶たない。歴史を変えるような大事件の裏には、カラマネロの催眠能力が関わっていたとさえ言われる程。
元祖さいみんポケモンとして有名なスリーパーの立場を奪ってしまったポケモンと言えるが、スリーパーのさいみんじゅつの場合は、「ストレス等が原因で不眠症に陥ってしまった者でも安らかに眠らせる事が出来る」という医療的な活躍の見込みがある違いもある。逆にカラマネロの場合は、強力過ぎる故に相手への精神的負荷が大き過ぎて、医療には使えない模様。
進化方法は前述の通り、30以降のレベルアップ時にゲーム機が上下逆さまになっているというかなり異彩を放つもの。これは3DSの機能ジャイロセンサーを使ったもので、専用技は進化に関係無かった。いつまでも進化しないと嘆いていた人はぜひやってみよう。
Switchに移行した剣盾では携帯モード以外は回転しても不可能なので注意が必要。
2021年9月にポケモンGOでも実装され、普段は進化条件欄が?だが、スマートフォンも逆さにする事で進化ボタンが逆向きに現れるという、カラマネロ独自の仕様が追加された。
長年(第2世代から第5世代まで)タコがいるのにイカはいないポケモンの世界であったのだが、XY(第6世代)にてついにイカポケモンが登場した。
しかしみずタイプでは無く、ポケモン史上初であるあく・エスパーという組み合わせ。上記の要素も含め、色々な点でひねくれたポケモンである。
デザインはありがひとし氏であり、色違いの個体は黄金に見える。
ゲームにおける特徴
HP | 攻撃 | 防御 | 特攻 | 特防 | 素早さ |
---|---|---|---|---|---|
86 | 92 | 88 | 68 | 75 | 73 |
搦め手が得意そうなイカのような見た目&たまごグループが「水中」であるにもかかわらず、水タイプの技を一切覚えず逆に炎タイプの技を覚え、イカが逆さまになった姿と、実に天邪鬼なポケモン。
だがまさか戦法までも天邪鬼だとは誰が思ったか(後述)。
攻撃範囲はなかなかだが、防御面ではお互いに弱点タイプと半減タイプを相殺しあっており、その結果エスパータイプ無効、フェアリータイプが2倍、むしタイプ4倍、それ以外が等倍という、ノーマルタイプみたいな平たい耐性になってしまっている。
よく言えば弱点をいい感じに打ち消したことではあるのだが……
発売前に「さいみんじゅつ」「ひっくりかえす」などのトリッキーな補助技を覚えることが明らかにされていた事や「あく/エスパー」というタイプのイメージから、ファンからは進化前のマーイーカ共々、ステータスは特殊寄りで補助系の技を駆使して戦うのではないかという予想をされていた。
とくせいに能力ダウンと能力アップを逆転させる「あまのじゃく」がある事も公開されていたが、補助主体では有効活用できるかどうか疑問視されていた。
……が、
発売後明らかになった種族値は全体的に控えめだが、そこそこの耐久と中途半端な素早さを併せ持つ、「物理アタッカー」といった感じの配分であり、とくこうは低めであった。
さらに強力だが攻撃と防御が一段階づつ下がる「ばかぢから」を習得できる。
「いつから私がサポート型エスパーポケモンだと錯覚していた?」
……つまり、発売後そこにいたのは「あまのじゃく」と「ばかぢから」でどんどんビルドアップしていき、その攻撃力と耐久で相手を叩き伏せる超脳筋物理型の烏賊ポケモンであった。
「さいみんじゅつ」や「ひっくりかえす」などはあくまで攻撃補助であり、いかに「ばかぢから」で能力を上げて無双体制に入るかが鍵となる。
相手の「いかく」を喜んで受け、ギルガルドの「キングシールド」に平然と殴りかかり、極まった攻撃力から繰り出す「サイコカッター」「つじぎり」「いわなだれ」などの物理技で叩き伏せる姿は脳筋の極み。
「お前のようなエスパータイプがいるか!」とツッコミを入れたプレイヤーも少なからずいただろう。
ちなみにとくこうは低いが、ハッサムなど苦手なむしタイプを迎撃する為にかえんほうしゃを搭載する事もある。イカが火を噴くとはこれまたビックリな設定である。
もちろん補助や妨害の技にも恵まれ、中途半端な素早さを活かして「トリックルーム」で上から攻め、最後の手段とばかりに「みちづれ」まで用意されている始末である。
一応もう1つの特性は「きゅうばん」、隠れ特性は「すりぬけ」というそれらしいトリッキーな特性だが、現状「あまのじゃく」の強さと個性の影に隠れてしまっている。
ちなみにライバル兼先輩は特殊技が多く、攻撃面ではほぼ真逆だったりする。
実際「あまのじゃく」の活用方法として能力低下技を使い続けるというのは他の同特性持ちにも当てはまるのだが、いかんせん元のイメージがイメージなだけに衝撃が大きかった。
「ぎゃくてんポケモン」の分類名通り、カラマネロは発売前と後でプレイヤーに持たれるイメージをひっくりかえしてしまったのである。
ただし、上手く使えば無双状態にできるがステータスを高めるまで少々かかるため、やや玄人好みなところに収まっている。通信対戦ではトレーナーの手腕が問われるだろう。
とにかく良くも悪くもあまのじゃく+ばかぢからの印象が強すぎるため、無闇に繰り出すとゴーストタイプで対策されてしまったりと、パッと見の印象ほど活躍させるのは難しい(本来あくタイプにゴーストを交代で出すこと自体が何か間違っている気がしないでもないが)。
アタッカーとみせかけたサポート、とみせかけたアタッカーなど、相手を翻弄するように動かしたい。
複数戦では蛸モチーフのオクタンやオトスパスとの蛸烏賊コンビを作れるが、タイプと戦術が異なるので被らず戦える。
ただしどちらも鈍足気味(オクタンに至っては種族値50以下)なので「トリックルーム」は必須。此方がサポート役の運用になるか。
第7世代では同じ戦法を使う後輩ラランテスが登場しただけでなく、致命傷となる「とんぼがえり」のシングル採用率が上がったことで立場がやや苦しくなった。複数戦であれば「いかく」を逆手に取れることからまだ活躍の余地はあった。
第8世代では更なるタコモチーフのポケモンでオトスパスが登場。そちらの「たこがため」で耐久を順調に上げていけるが、フェアリータイプが共通する弱点になっているのには注意。
なおマックスレイドバトルでボスとして出現した場合、「あまのじゃく」の作用でバリアが破られるたびに防御・特防が2段階上昇していく要塞と化す。追い詰めるほど耐久が増すので、攻略の際はしっかりと対策しておきたい。
アニポケ
『XY(アニポケ)』の19話にて登場。
ポケモンや人間をさいみんじゅつで操る謎の人物・マダムXのポケモンとして登場し、サトシのピカチュウを狙い、その過程でニャース以外のロケット団も洗脳する。
さらにはアジトである電波観測所に乗り込んだシトロン達までも催眠にかけてしまい、サトシやニャースを追い詰めるというエイリアンじみた活躍を見せた。
最終的にはシトロンの作ったロボピカチュウの意外な活躍により全員元に戻り、実はマダムXの正体も調査中に遭遇したカラマネロによって操られていたジュンサーであった事実が発覚。
サトシ達の活躍で目的やその存在を知られてしまい、アジトを放棄・爆破し飛び去っていった。
この回のラストでは、ロケット団が「カラマネロはマーイーカの進化系」と知り、コジロウのマーイーカを見て怯えていた(当のマーイーカは照れ笑いしていたが)。
ちなみにこの回では「カラマ↑ネ↓ロ」と発音されていた。
XY54話では、2体の同志となるカラマネロ達と共に再登場。
カロス地方の科学者達を洗脳して環境変化システム『意義あるシステム』を作らせ、地球そのものの環境を自分達に最も理想な状態に変えてしまうという、壮大な最終計画を実行に移そうとするが、かつての作戦を邪魔したサトシ達やジュンサー達と遭遇。
彼等を脅威に感じてその大半を捕縛するが、かつてコジロウが操られた事に激怒していた彼のマーイーカと、協力した地元の野生ポケモン達、サトシ一行やジュンサーによる反撃によって計画失敗に終わり、最終的には証拠隠滅の為にシステムの補助装置等を破壊し、未来に向かって脱出。
時を越えて必ず最終計画を発動させると宣言、「未来で会おう」と言い残して自分達はシステムの本体に乗り込んで宇宙へと逃亡した。
トレーナーなしでも単独行動ができ、強力な催眠術で相手を洗脳して操ったり、トラックを運転するなど、高度な知性と非常に狡賢い性格を持ち合わせており、シリーズに登場する多くの組織を遥かに超える計画性を有していた。
他のポケモンを自身の手足として洗脳したり、従わない者は同族でも滅ぼそうとするなど、冷酷かつ凶悪な一面を持つ。そのため様々な悪事を働くロケット団ですら「極悪非道」と恐れられ、サトシ達も「恐ろしいポケモン」と評していた。
これらの飛びぬけぶりから、何らかの突然変異を起こした個体だったのではとも噂されている。
コジロウ達に協力した野生のマーイーカやカラマネロ達は、温厚な性格で他の野生ポケモン達と仲良く共存し、世界の環境を変えようとしたカラマネロ達にも反発、森の仲間を攻撃した事に怒り、コジロウ達と協力する事になった。
最終計画を阻止した後、彼らはコジロウのマーイーカを仲間に誘うが、マーイーカはコジロウ達ロケット団と一緒に行く事に決めて別れを告げ、暖かく見送られた。
フレア団の幹部科学者クセロシキも、手持ちポケモンとして使用している。
ごく一部では上記と同じ個体では?という憶測も成されたが、結局無関係だった模様。
個人的恨みもあり、クセロシキはシトロンを自身の発明した装置で洗脳しようとして敗北したが、これは彼自身が発明家としても負けたくないという思いがあったから故。
…仮にプライドを捨ててカラマネロの催眠を使用していればどうなっただろうか?それは誰にも分からない…。
新無印第115話ではマスターズエイトに出場したアランの手持ちとしてまさかの登場。クセロシキに多少影響を受けていたのだろうか?
ダンデのリザードン相手に形勢逆転を図るが、サイコカッターを受け流されたうえに、その後使用したじごくづきを受け止められてしまい、そのまま瞬殺されてしまった。
しかし、サイコカッター自体はダンデのリザードンのだいもんじを相殺する威力であり、降り注ぐエアスラッシュの中を一発も被弾することなく接近してじごくづきで懐に飛び込むなど、決してポテンシャルが低いわけではない。単純に相手が強すぎた。
尚、じごくづきを使用する際はモチーフであるイカの如く空中を泳ぐようにスイスイと素早く移動していた。
余談
アニメに登場するカラマネロの能力と行動には、怪獣映画と共通点が見受けられる。
ガメラに登場する「宇宙怪獣バイラス」は、モチーフがイカで、「脳波コントロール装置」を使い、脳波を支配して生物を操る部分(X星人も怪獣を操る技術も有している)とゴジラに登場するX星人は統制官が円盤を自爆する際、「未来へ向かって脱出する」と言い遺した言葉と共通している点が多い。