概要
正式名称、「新幹線電気軌道総合試験車」。
この車両は、線路や架線、信号設備、通信設備等を走行しながら点検する、検査用事業用車であり、一般客は乗れない。設備を点検することから、「新幹線の線路のお医者さん」とも呼ばれている。
車体は「夜間作業でも目立つように」「(白い車体の)営業列車と区別出来るように」などの理由から、車体が黄色く塗られている。
このような理由から、「ドクターイエロー」と呼ばれるようになった。
また、この車両をモデルに『新幹線変形ロボ_シンカリオン』シリーズにも、「シンカリオン・ドクターイエロー」と、「シンカリオン・923ドクターイエロー」という特務ロボットが2体登場。こちらについては後述。
超特急ヒカリアンに登場するドクターイエローについては、Dr.イエローを参照。
都市伝説
特徴は一目瞭然、言葉通りの「黄色の新幹線」。白い車両が多い東海道・山陽新幹線ではかなり目立つため、駅等で入線した際の注目度は他のどの車両に比べても大きい。存在を知らない人からも「黄色い新幹線を見た。」と話題になるほど。
出会うと幸せになれる、幸せの黄色い新幹線
という都市伝説が鉄道趣味誌ならず全国系一般新聞等の記事で載るほど、今や著名な存在となった。非旅客用車両でここまで愛称で呼ばれることが多いのは他に例を見ない。
その有名さや人気からか、グッズもたくさん発売されており、タカラトミーのプラレールでも一番売れている車両はドクターイエローとのこと。
現在活躍中のドクターイエロー
923形と呼ばれる、ドクターイエローとしては3世代目の車両で、700系をベースに製作されている。
2000年にJR東海が保有する「T4編成」、2005年にJR西日本が保有する「T5編成」が製造された。(この2編成には、搭載するアンテナの数などの差がある。)
7両編成で、各車両の役割は以下の通り。
1号車 | 電気や信号、通信関係の測定、検査室 |
2号車 | 電力・集電状態(架線)の測定、機器室 |
3号車 | 電力関係の測定、データ整理室、架線観測ドーム、便所 |
4号車 | 軌道の測定、データ整理室 |
5号車 | 架線観測ドーム、休憩室、便所 |
6号車 | ミーティングルーム、資材置き場、電力関係測定機器室、高圧機器室 |
7号車 | 添乗員室(700系と同じ客席50席) |
検査測定走行は1ヶ月に3~4回行われ、東海道・山陽新幹線を270km/hで走行する。
通常の主要駅にしか停車しない「のぞみ検測」の他に、各駅停車の「こだま検測」も稀にあり、どちらも東京~博多間を2日掛けて1往復する。
ダイヤは非公開だが、日中も走行するため、運が良ければ走る姿を目撃できる。
過去のドクターイエロー
東海道・山陽新幹線
- 922形(T1編成)&921形 初代ドクターイエローT1編成は、新幹線試作車の1000形を改造した4両編成。電気や信号を調べた。最高速度200km/h。線路設備は921形という検査用客車を911形ディーゼル機関車で牽引し検査した。こちらは最高速度160km/h。1964年の開業時から、1975年まで活躍し、廃車された。
イラスト左が922形、右が921形。
- 922形(T2編成・T3編成) 1974年と1979年に製造された、0系ベースの2代目ドクターイエロー。最高速度210km/h。7両編成で、電気・信号設備と線路設備を同時に検査出来るようになった。T2編成(大窓)がJR東海、T3編成(小窓)がJR西日本所属。それぞれ2001年と2005年に廃車。T3編成の7号車がリニア・鉄道館に保存されている。T2・T3編成までは軌道検測車の測定方法が在来線のマヤ34と同一の3台車式であり、同じ理由で軌道検測車のみ車体長が17mほど(台車中心間隔も5m+5m)と他車(25m級)に比べ大幅に短かく、また検測車の走行安定性からも運転速度を220km/h以下に抑える必要があった。
東北・上越・北陸新幹線
- 925形 1979年に200系ベースに製作されたS1編成と、1983年に962形試作車から改造された2編成がかつて所属していた。7両編成で基本は922形と同じ設備。北陸新幹線対応工事も受けていた。山形新幹線、秋田新幹線は走行不可能。それぞれ、2001年と2002年に廃車。軌道検測車はレーザー光により車体のたわみも常時チェックし、一般のフル規格新幹線車両と同等の台車中心間隔(17.5m)の2台車の偏移だけで測定できるようになったため、25m級の車体を有する。
ドクターイエローの仲間
東北・上越・山形・秋田・北陸・北海道新幹線
- E926形 2001年に登場したE3系ベースの検査車両。黄色ではなく、白い車両に赤い帯(救急車のような塗装)になり、名前も「East-i」と名付けられた。詳しくはそちらを参照。JR東日本の車両だが、北海道新幹線(JR北海道)や北陸新幹線(JR西日本)も走行する。なお山形新幹線開業後、E926形登場まではフル規格車の925形では入線できないミニ新幹線区間について、保線機械扱いの検測車が在来線区間を測定していた。
九州新幹線
同種の車両を保有していない。営業用の800系にそれぞれ検測に必要な機器を分散して積載し各々点検を行っている。
今後
なお、JR東海は既に923形のベースとなった700系新幹線の全車引退させている上、新型新幹線N700Sに一部検査機器を搭載すると発表し、ドクターイエロー引退説が噂されたが、株主総会にて今後も使用していく方針を示した。
2020年には全般検査もしている。
新幹線変形ロボ_シンカリオンのドクターイエロー
新幹線車両としては、25話にて『ハヤト』が名古屋を訪れた際に、名古屋駅に停車中の923形T4編成を目撃するシーンで初登場。
ブラックシンカリオンのリベンジマッチでハヤトを温存させる為、大宮支部へN700Aのぞみで急行するリュウジが自分を『ドクターイエロー』だと例えた。
38話以降、『シンカリオン』として登場。『シンカリオン運転士』は、N700Aに乗るリュウジが、荒削りながらも戦術眼を持ち合わせる理由から白羽の矢が立てられた。
『新幹線超進化研究所東海(名古屋)支部』が所有し、ベース車両は923形T4編成。他の『シンカリオン』とは違い、5両の車両が変形合体する。36、37話では建造途中の一部分が描写。『500こだま』や『N700A』から蓄積した運用と戦闘データを基に最新技術を惜しみなく投入し、『西日本司令室 京都支部』と共同開発された経緯があり、同様に『クロス合体』が可能となるが、彼の力量をもってしても手に余る程に未知の部分が多いと云う。
違いはドクターイエロー5両と、『E5はやぶさ』2両、計7両合体で、『リンク合体』でも邪険に扱われていた下半身も丸ごと使われ、『グランクロス』を自身のエネルギーで行えば機能停止する欠点を周囲の電子や陽子、イオン粒子を武装から変形させた後光『レーザーブースター』へと吸収し、エネルギー変換させる方式に変更させた事である。切り札は『カイサツソード』を刀身に『レーザーブースター』を左右に合わせた『カイサツスラッシュ』と、『ウルトラグランクロス』。非常に強力な機体だが、エネルギーロスを解消したものの、運転士同士の適合率が0.2%の誤差で同調しなければ合体出来ない新たな制約が発生。単機としても専ら格闘寄りだった『N700A』と異なり、必要に応じて銃と剣を使用した上で防御と索敵能力を高め、スコープを装置レーザースキャンモードを備える。
玩具では、新たにシンカリオンにしたい新幹線NO.1としてDXSシリーズで初登場。5両合体故に他のシンカリオンよりも一回り大型で、変形もやや複雑。武器は大型銃『レーザーブラスター』に変形する二振りの双剣『レーザーソード』と、『N700A』のデュエルモードを昇華させた防御壁『ケンソクレーザーシールド』(ANIMATIONでは検束用窓から放たれるが、玩具では二刀を交差させる形で表現)。
シンカリオン大型商品の5両編成で史上最大額の9100円と財布泣かせの金額になっている。
しかし、それに見合った価格相応の可動とギミックは相当凝っており、変形の都合上足はほぼ自由自在に動き片足を組むことができる程柔軟、変形方法に少し手間が掛かるも完全なロック機構で守られているため丈夫。
その上単体でも完成度が高いのにクロス合体の基本を無理無く覚えれば遊びごたえが倍に跳ね上がる。公式での推奨合体シンカリオンはDXSシリーズの3両シンカリオンとなっているが、非公式では500と『シンカリオン_トリニティ』との腕ジョイントと武装の互換があり、オリジナルシンカリオンが出来上がる。まさにシンカリオン集大成の商品といっても過言ではない。
後に、2両で変形合体可能な機体『923ドクターイエロー』が2編成目のドクターイエローも後に登場。こちらは『京都支部所属』で運転士は『ホクト』。
こちらもベースはT4編成(故に同一車両が2編成いるというあり得ない事態になっている)なのだが、所属支部などT5編成を意識していると思われる部分も存在する。きっと大人の事情だろう…。
公式動画
外部リンク
関連タグ
非関連タグ
末期色(一緒にしてはいけない)
黄色い救急車(同上)