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ドクターイエローの編集履歴

2024/11/10 19:36:17 版

編集者:しょうちゃん

編集内容:シンカリオン

ドクターイエロー

しあわせのきいろいしんかんせん

新幹線の設備を検査する事に特化した車両である「新幹線電気軌道総合試験車」の愛称。

概要

正式名称、「新幹線電気軌道総合試験車」。

この車両は、線路架線信号設備、通信設備等を走行しながら点検する、検査用事業用車であり、一般客は乗車出来ない。設備を点検する事から、「新幹線線路の医者さん」とも呼ばれている。

車体は「夜間作業でも目立つように」「(白い車体の)営業列車と区別出来るように」などの理由から、車体が黄色く塗られている。

このような理由から、「ドクターイエロー」と呼ばれるようになった。

また、この車両をモデルに『新幹線変形ロボ_シンカリオン』シリーズにも、「シンカリオン・ドクターイエロー」と、「シンカリオン・923ドクターイエロー」という特務ロボットが2体登場。こちらについては後述。

超特急ヒカリアンに登場するドクターイエローについては、Dr.イエローを参照。

なお、2024年現在活躍するドクターイエローは、後述する東海道・山陽新幹線の923形のみで、今ドクターイエローといえば大体同車両の事を指す。

JR東日本もかつてはドクターイエローを所有していたが、現在は白に赤帯のEast-i(後述)に交代している。

また、JR九州(九州新幹線、西九州新幹線)は、営業車両に検査機器を搭載可能な編成が存在し、その車両を使用して検測しているため、ドクターイエローの所有や走行は無い。

都市伝説

特徴は一目瞭然、言葉通りの「黄色の新幹線」。白い車両が多い東海道・山陽新幹線ではかなり目立つため、等で入線した際の注目度は他のどの車両に比べても大きい。存在を知らない人からも「黄色い新幹線を見た」と話題になるほど。

出会うと幸せになれる、幸せの黄色い新幹線

という都市伝説が鉄道趣味誌ならず全国系一般新聞等の記事で載るほど、今や著名な存在となった。非旅客用車両でここまで愛称で呼ばれる事が多いのは他に例を見ない。

その有名さや人気からか、グッズも多数発売されており、タカラトミープラレールでも一番売れている車両はドクターイエローとの事。

現在稼働中のドクターイエロー

923形と呼ばれる、ドクターイエローとしては3世代目の車両で、700系をベースに製作されている。

2000年JR東海が保有する「T4編成」、2005年JR西日本が保有する「T5編成」が製造された。この2編成には、搭載するアンテナの数などの差がある。

7両編成で、各車両の役割は以下の通り。

1号車電気や信号、通信関係の測定、検査室
2号車電力・集電状態(架線)の測定、機器室
3号車電力関係の測定、データ整理室、架線観測ドーム、便所
4号車軌道の測定、データ整理室
5号車架線観測ドーム、休憩室、便所
6号車ミーティングルーム、資材置き場、電力関係測定機器室、高圧機器室
7号車添乗員室(700系と同じ客席50席)

検査測定走行は1ヶ月に3~4回行われ、東海道・山陽新幹線を270km/hで走行する。

通常の主要駅にしか停車しない「のぞみ検測」の他に、各駅停車の「こだま検測」も稀にあり、どちらも東京博多間を2日掛けて1往復する。

ダイヤは非公開だが、日中も走行するため、運が良ければ走る姿を目撃出来る。

2024年6月13日、JR東海は、老朽化した923形(T4編成)を2025年1月付けで引退させると発表した(※JR東海-20240613, TrafficNews-20240613)。引退以降はJR西日本のT5編成がしばらくは単独でカバーする事になるが、次代のドクターイエローは計画されておらず、永らくドクターイエローが担ってきた検査業務は2027年からN700S車両に導入される営業車検測機能をもって代替する予定であるという(※JR東海-20240613, TrafficNews-20240613)。

過去のドクターイエロー

東海道・山陽新幹線

  • 941形&922形(T1編成)&921形 941形は、1962年8月に新幹線試作車の1000形A編成を改造した2両編成で、当初は電気試験車として、その後1964年に救援車に改造され運用された。

初代ドクターイエローT1編成は、上記の941形が救援車に改造されたのと同時期に新幹線試作車の1000形B編成を改造した4両編成で、電気や信号設備の状態を確認していた。最高速度200km/h。線路設備は921形という検査用客車を911形ディーゼル機関車で牽引し検査を行った。こちらは検測時の最高速度は160km/h。2両が製作され、921-1は鴨宮モデル線区の開設に際し新造された車両で、後に増備用として造られた921-2は、スハ32系客車から改造であった。

なお、増備車の921-2の方が廃車が早く、1964年の開業時から1975年まで活躍し、翌年に浜松工場で解体された。対する921-1は、検測を伴わない被牽引では200km/hでの走行が可能な事も相まって921-2よりも長期間運用され、1978年5月より東北新幹線先行試験区間の小山試験線に投入されて各種試験・測定に使用された後、1980年に廃車解体された。

ちなみに、試作車1000形を改造した941&922形は、当初は落成当初の白地に青帯のカラーのままであったが、1964年に両車とも黄色に青帯のカラーに変更された。なお、軌道試験車921形(921-1)は鴨宮モデル線区に導入された当初からこのカラーで、ドクターイエロー色の元祖は実はこちらである。

  • 922形(T2編成・T3編成)1974年1979年に製造された、0系ベースの2代目ドクターイエロー。最高速度210km/h。7両編成で、電気・信号設備と線路設備を同時に検査出来るようになった。T2編成(大窓車)がJR東海、T3編成(小窓車)がJR西日本所属。それぞれT4・T5両編成の配備に伴い2001年2005年に廃車。T3編成の7号車がリニア・鉄道館に保存されている。T2・T3編成までは軌道検測車の測定方法が在来線のマヤ34と同一の3台車式であり、同じ理由で軌道検測車のみ車体長が17mほど(台車中心間隔も5m+5m)と他車(25m級)に比べ大幅に短かく、また検測車の走行安定性からも運転速度を220km/h以下に抑える必要があった。

東北上越北陸新幹線

  • 925形 1979年200系ベースに製作されたS1編成と、1983年962形試作車から改造された2編成がかつて所属していた。7両編成で基本は922形と同じ設備。北陸新幹線を走行するための対応工事も受けていた。山形新幹線秋田新幹線は走行不可能。それぞれ、2001年2002年に廃車。軌道検測車は当初は17m級の921形を組み込んでいたが、晩年に200系の余剰中間車をベースにした物への組み換えが行われ、レーザー光により車体のたわみも常時チェックし、一般のフル規格新幹線車両と同等の台車中心間隔(17.5m)の2台車の偏移だけで測定出来るようになったため、25m級の車体を有するようになった。

ドクターイエローの仲間

東北上越山形秋田北陸北海道新幹線

  • E926形 2001年に登場したE3系ベースの検査車両。黄色ではなく、白い車両に赤い帯(救急車のような塗装)になり、名前も「East-i」と名付けられた。詳しくはそちらを参照。JR東日本の車両だが、北海道新幹線JR北海道)や北陸新幹線JR西日本)も走行する。なお山形新幹線開業後、E926形登場まではフル規格車の925形ではミニ新幹線(在来線)区間には入線出来なかったため、代わりに保線機械扱いの検測車が在来線区間を測定していた。

在来線

JR東日本の在来線版検査車両。電車バージョンと気動車バージョンがあり、1台ずつ存在。愛称はそれぞれ「East i-E」「East i-D」。北海道も走る。

JR東海の在来線版検査車両。2台存在し、搭載機器が異なる。愛称は「ドクター東海」。

JR西日本の在来線版検査車両。軌道・信号設備を検査する。2台存在し、四国や九州も走る。愛称は「ドクターWEST」。

JR西日本の在来線版検査車両。こちらは架線も検査可能。キヤ141系の中間車として計画されていたが、別の独立した車両になった。

今後

2020年頃から、

・923形のベースとなった700系新幹線がJR東海から既に引退している

・新型新幹線N700Sに一部検査機器を搭載すると発表された

などを理由に、ドクターイエロー引退説が噂されるようになり、この時は株主総会にて今後も使用していく方針を示していた

しかし、2024年6月13日に、2027年を目処に運行を終了すると報道がなされた

引退後、T4編成がリニア・鉄道館に保存される予定である。

今後は前述の「検査機器を搭載したN700S」で検測を行う予定で、これをもって永らく続いたドクターイエローの歴史は幕を下ろす事になった。

営業運転

乗車体験ツアー

2023年3月22~23日、JR東海は923形T4編成を使用して、体験乗車会という形での初の旅客輸送を東海道新幹線東京駅新大阪駅間)で実施した。

これは、ドクターイエローの人気が高い事から、新型コロナ禍による鉄道利用の低迷を補う収益拡大策の一環として企画された物。

各回同区間の片道利用で、1回50人×4回の200人の募集を行ったが、定員の100倍の応募があったという。EX会員本人のみが応募可能で、料金は運賃込みで23620円だった。

参照

この後も不定期でドクターイエロー乗車体験ツアーが開催されている。

10月12日にはT4・T5の2編成を使用した乗車体験ツアーが開催され、東海道新幹線区間では1時間差で2本のドクターイエローが走行、山陽新幹線区間では、新岩国駅新下関駅ドクターイエロー同士の通過待ち・追い越しが行われた。

ドクターイエロー味ぽん号

2024年11月10日、ミツカン味ぽんが発売60周年を迎えたのを記念し、同じく開業60周年の東海道新幹線とのコラボで「ドクターイエロー味ぽん号」を運行。抽選で選ばれた50名が招待され、T4編成が新大阪駅→東京駅を臨時ダイヤ(途中停車駅:京都、岐阜羽島~三島の各駅、新横浜、品川)で走った。

公式ポスト

エピソード

  • 1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で、東海道・山陽新幹線の京都駅~岡山駅間が被災。被災地域の復旧に貢献するため、新幹線を早期復旧させようとしたが、現地で資材(モルタル)が不足した。このため同月19日、922形T3編成を使用し、作業員24人とモルタル200袋を東京から京都へ輸送した。ドクターイエローがこのような使用をされたのはこの時が始めてである。
  • 2018年6月18日に発生した大阪北部地震でも923形T5編成が東京から大阪へ臨時ダイヤで向かい、揺れが大きかった地域の設備点検を行った。

アニメ

新幹線変形ロボ_シンカリオンのドクターイエロー

車両としては、アニメ第25話にて速杉ハヤトが名古屋を訪れた際に、名古屋駅に停車中の923形T4編成を目撃するシーンで初登場。その後第38話でシンカリオンとして再登場した。

続編作品の新幹線変形ロボ_シンカリオンZ、アニメ新シリーズの新幹線変形ロボ_シンカリオン_チェンジ・ザ・ワールドにも登場している。

全ての作品でドクターイエローは物語の切り札的存在として登場しており、主人公機であるE5はやぶさと合体し最強形態になるのが定番化している。各機体については以下の通り。

アニメ無印

ドクターイエロー(シンカリオン)923ドクターイエロー

シンカリオンZ

ドクターイエロー(Z)

シンカリオンCW

ドクターイエロー(CW)

ヒカリアン

アニメ超特急ヒカリアン及びその続編の電光超特急ヒカリアンに登場。JR東日本の925形がベースで、機械の設計や修理を行うメカニック担当。

また、玩具限定で922形10番台ベースの東海イエローもいた。

詳細はDr.イエローを参照。

トランスフォーマー

922形10番台からロボに変形するトレインボット・ギンオウと、925形から変形するトレインボット・ヤマブキが登場する。

脚注

  • 出典等

※JR東海-20240613 「ドクターイエロー(T4編成)の引退について」 JR東海、2024年6月13日。

※TrafficNews-20240613 「新幹線「ドクターイエロー」引退へ!ついにJR東海が発表 代わりになる車両は?」 メディア・ヴァーグ『乗りものニュース』、2024年6月13日。

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ドクターイエローの編集履歴

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