「そうだ。僕は特別な人間なんかじゃない……
けど、僕は自分のできる事をする!」
概要
本作の主人公。23歳。 一人称は「僕」と「俺」の両方を使う。
かつてはTPC輸送部に所属していたが、3年前にデシモ星系人の仲間と思われる異星人の母船に拉致されそうになったサワイ総監を救出したことから、その勇敢さと判断力を買われてGUTSに配属された。
超古代人の遺伝子を受け継いだ「光であり、人である」存在だったことから、ゴルザとメルバが巨人像破壊のためにティガのピラミッドを襲った際、巨人像の一つと融合して変身アイテムスパークレンスをかざし、ウルトラマンティガに変身する。
当初は光になることに戸惑う局面もあったが、戦いの日々の中で徐々に「自分にできること」として意味を見出してゆく。
温厚な性格で高い能力と向上心を持つが、誰かの自由を奪う者に対してははっきりと怒りを露わにしたり、自分が正しいと信じたことについてはたとえ仲間と論争をしてでも筋を通す強い情熱も併せ持っている。同僚のヤナセ・レナとは序盤からいい雰囲気であり、後に結婚し、子供も生まれている(後述)。
時には他の隊員のように際立った専門技能が無いことにジレンマを抱いたり(養成所の出身ではないため。ただしたった半年で装備の扱いをマスターしている辺り、能力は相当なものである)、ウルトラマンになれなければ自分は無力な存在なのではないかと思い悩むこともあったが、最後は「ウルトラマン」としてではなく「人」としてできることをするという答えに行き着いた(なお、レナは途中からティガの正体に薄々気付いていた模様)。
ハロウィンではかぼちゃの被り物で仮装し、お菓子を貰おうとしたり、錦田小十郎景竜の言動を愚痴ってレナに訝しまれたり、第49話では1966年に飛び、現地の撮影スタッフ「長野」と間違われて撮影に協力させられたり、GUTSのユニフォームが科学特捜隊のアイデアのきっかけになったりとコミカルな描写も多い。
ちなみに、何故かシンジョウ隊員と一緒にガッツウィングに乗ると十中八九墜落してしまうというジンクスを抱えており、「墜落コンビ」と呼ばれていて劇中でも2人で「これで何機目だ?」とぼやく場面が存在する。
ガッツウィング2号をキングモーラットの攻撃で落とされた時には、修理してから戻ってこいと命令を受けた。
テレビ本編最終決戦で一度は邪神ガタノゾーアの前に敗れ、ティガは再び石像と化し、ダイゴも謎の空間でクリスタル状の物体の中に閉じ込められてしまう。しかし、最後まで希望を捨てなかった世界中の子供達の光を得てグリッターティガとなり復活。ガタノゾーアを打ち破り、闇に支配された地球を救った。この戦いでダイゴは全ての力を使い果たし、ティガに変身する力を失った。
なお、ティガ=ダイゴである事を知っているのはこの時アートデッセイ号のコクピットにいたメンバーのみであり、参謀クラスでも知り得ない最重要機密となっている(『ウルトラマントリガー』に登場する元TPC情報局のシズマ・ミツクニもこの件に関して何か知っているような素振りを見せている)。
劇場版『THE_FINAL_ODYSSEY』
本編最終話後はレナと共に世界中を旅していたが、ルルイエに封印されていた闇の巨人の復活で再び戦いに身を投じる事になる。本作ではカミーラに渡されたブラックスパークレンスでティガダークに変身。戦いの中で徐々にかつてのティガの姿と力を取り戻す。
デモンゾーアを倒した後、無事にレナと結婚し、植物栽培の研究のために火星へと旅立った。その際に次作の主人公アスカ・シンとすれ違う形で初邂逅を果たしており、その際に心の中で彼にエールを送っていたことからこの時すでに彼が光を継ぐ者であると見抜いていたことが分かる。
本作では、一人称は「僕」で統一されている。
他作品での活躍
「TPC・トライアルNF」という開拓チームに所属。
最終章に登場(それ以前にも劇場版で名前や写真でのみ登場している)。レナとの間に娘のヒカリも誕生している(さらに外伝「古代に蘇る巨人」ではツバサという息子が主人公として登場、ヒカリの弟に当たる)。運命的にもダイナが初めて現れた日、彼もまた火星のそう遠くない場所におり、そして今回はゼルガノイドとの戦いで負傷し、火星を彷徨っていたアスカを救出する事となった。その後、アスカに「戦うことの意味、人としてできることは自分自身で見つけ出すしかないんだ」と教え諭す。その時の会話内容から、互いにウルトラマンであることに気づいていたことが示唆されている。そして、このダイゴの助言を受けたアスカは「ウルトラマンとして生きる」という道を選び、結果的にかつてのダイゴとは逆の道を選んだと言える。
尚、ウルトラマンダイナ=アスカは歴史の教科書にも記載されネオフロンティアスペースの全住民に正体が知られているのに対し、ダイゴはかつてのティガの変身者だった事実が厳重に秘匿されている(アスカはスフィアとの決戦の際にダイナへと変身する姿が中継されていた)。
とは言え、「ダイナの正体が人間であったならばティガも同様だったのでは無いか?」と、当然ながら疑う者は出てきており、小説『未来へのゼロドライブ』などではダイゴと対面したサエキ・レイカがその事実に気付き、ヒビキ・ゴウスケもイルマから遠回しではあるが、「アスカと同じ苦悩を抱えていた元部下がいた」と知らされている。
ダイナの劇場版『光の星の戦士たち』にもティガが登場するが、このティガはあくまで人々の希望が実体化したものであり、ダイゴが変身したティガとは別の存在とされている。
ちなみに後付けではあるが、上記の『THE_FINAL_ODYSSEY』でウルトラマンの力を取り戻している為、設定上はティガへの変身は可能ではないか?と見解するファンもいるが
スタッフインタビューにおいて「火星へ移住するまでの、戦士ダイゴとしての終息を描いた」と語られていることから、変身能力は失っているようだ。
劇場版にティガが登場。ダイゴは登場しないが、設定上はダイゴ本人が変身したものとされている(脚本の初稿では、ダイゴとアスカがラストシーンで変身を解除して登場する出番が書かれていたが長野氏とつるの氏の両名とも予定がつかなかったという事情もある)。
後日談として描かれた小説『超時空のアドベンチャー』では、とある理由で現役時代のダイゴとアスカが邂逅し共に戦うこととなった。この小説版の描写で赤い球に直接関わった者達以外の記憶は消えるという設定が明らかになった為、ダイゴはこの世界での記憶は有していない事になる。
ウルトラマンティガとして戦い続ける事を選んだ世界戦が舞台のダイゴ=ティガが登場。変身前の姿は直接登場しない。
ストーリーモードではガッツウイング2号に搭乗してグローザムに砲撃を加えるが、インペライザーに撃墜されてしまうも、ウルトラマンティガに変身してグローザムを撃破。以降も主人公達をティガとして助けて行く事に。
主人公として登場。『ティガ』本編とは別の世界のダイゴ。
横浜市の観光課に勤務する公務員で、アスカや我夢とは幼馴染みという設定である他、ウルトラ4兄弟の変身者にそっくりな人物達とも知己である。
幼い頃から宇宙飛行士になりたいという夢を持っていたものの、現実を考え、レナのそばにいたいと思っていたこともあり諦めていた。遅刻をしたり仕事中に居眠りをしたりとデスクワーク時の勤務態度は真面目とは言い難く、上司のムナカタから叱責されるシーンもあった。その一方、外での海外からやって来た視察団への対応の仕事ぶりは真面目である。
幼少期はウルトラシリーズのファンであり、ゲスラの弱点やパンドンを知っていたから少なくとも『ウルトラマン』〜『ウルトラセブン』までの作品を見ていた事は確かである。ただし、この世界では平成ウルトラマンは放送していないのか、ティガは夢に見るまで存在を知らなかったようだ。
黒い影法師やスーパーヒッポリト星人の侵略行動にいち早く気づき、事態を打開すべくこの世界に迷い込んできたヒビノ・ミライ=ウルトラマンメビウスと共に奔走する。
しかし、ミライはウルトラ兄弟を尊敬するあまりにハヤタ達を混乱させてしまっており、その対応に追われる羽目に。
作中終盤ではウルトラマンとして活躍している別世界の自分の記憶が宿ったことでティガへの変身能力を手に入れ、ダイナ、ガイアやウルトラ兄弟と共にスーパーヒッポリト星人率いる怪獣軍団や黒い影法師らと戦った。
事件解決後、念願の宇宙飛行士となり、ラストシーンでは我夢と藤宮が開発した宇宙船に搭乗し、M78星雲への旅へと出立していった。
ちなみに、劇中の描写からネオフロンティアスペースのダイゴよりも年上である事が窺える(この世界のダイゴは少なくともウルトラマン放送前に生誕している一方で、ウルトラマンティガの時代設定が2007年から2010年を舞台にしており、そちらの世界のダイゴは1980年代頃の生まれである為)。
ティガが登場しており、今作に登場するウルトラマン達は設定上「各々の世界からやって来た本人」とされているためダイゴが変身している可能性が高いが、V6のメンバーでもある長野氏のスケジュールの都合によるものか、声は長野氏ではなく声優の村上ヨウ氏が担当しており、また他のウルトラマンと比べると特徴的な台詞があまりなかったため真相は不明。
ちなみに同映画のBlu-rayに付録されているブックレットには「GUTSという特捜チームのマドカ・ダイゴ隊員が変身しました。」と、一条寺友也の文面で紹介されていたりする。
掛け声は放送当時に収録された真地勇志氏のボイスが流用された。
仮にダイゴだったとしても、連れてこられた時間軸は一切明かされていないが、超時空の大決戦シリーズと違って記憶を失った描写は一つもなく、「TFO」でダイゴがアスカを「光を継ぐ者」として見抜けた理由の一つに挙げるファンもいる。一方で、ティガ本編とよく似た歴史を辿りつつも分岐した世界線も存在する為、そちらのダイゴが登場したと考えても矛盾はない。何れにしてもある意味、この映画における「ネクサスのデュナミストは誰?」議論よりも謎を呼んでいる話題の一つだと言える。
- 『ULTRAMAN』
スピンオフ小説に登場。ULTRAMANの世界とは違う別宇宙の人物であり、古代人のような皮の服を身に着けている。
元いた宇宙では地球星警備団・調査警備隊員であり、異世界に繋がる扉を開く為の儀式を行っていた隠秘学者のダガンを倒す為に戦っていた。しかしダガンの死後、闇に魅了されたカミーラ達の裏切りによって闇の眷属が到来し、ユザレの尽力で異界の門は封印されたが元居た世界は自分とユザレの2人を残して滅んでしまう。異世界でカミーラ達がガタノゾーアを復活させようと活動し始めると、TIGA SUITを身にまとってユザレと共に事態の収拾にあたり、幾度かの対立を経て科特隊と共闘することになる。
余談
放送当時、長野はV6としての仕事中に左腕を骨折してしまい、これが第16話で左腕を負傷したというストーリーに反映された。
長野自身が一番好きなウルトラマンは『ウルトラマンA』らしく雑誌やテレビで度々強い愛着を語っており、『大決戦!超ウルトラ8兄弟』ではエースの主人公・北斗星司役の高峰圭二と共演している。また、小学校2年生の頃に「リアルタイムで『ウルトラマン80』を見ていた」と語っている。ちなみに長野は『A』第27話が放送された3日後に生まれた。
「ダイゴ」という名前は当時円谷プロ制作部に所属していた渋谷浩康の考案である。名字の「マドカ」は「円谷の子どもだから」という意味で、その一字である円から取られた。ちなみに後者は脚本を担当した長谷川圭一によれば、「ダイゴ」が名字か名前か長らく決まらなかったことや長谷川自身もイメージが出来上がってからでは違和感が生じるため反対的だったため、スタッフ間でフルネームを付けるのは永久に封印することにしていた。しかし、レナとの結婚が描かれることや名無しの権兵衛ではかわいそうだと監督の村石宏實が案じたことにより決まった。
小説版の設定では奄美群島あたりの名字だという設定になっている。
S.H.Figuartsの真骨彫ウルトラマンティガのCMでは、マドカ・ダイゴを演じた長野博氏が登場した(YouTube配信版でも差し替え無しでCM内包がなされている)。
同時にWeb公開された宣伝PVでは、当時ティガのスーツアクターを担当された権藤俊介氏も登場し、両者が共に映るシーンもある。
なお、CM内に「マドカ・ダイゴ役」等の表記・言及がなく、初見ではかつて長野氏がティガを演じたことがわからないような作りとなっている。
マドカ・ダイゴの本格的な客演では無いが、長野氏の登場にはSNSなどで多くのファン達が反応、テレビのニュース番組でも話題となった。
後に長野氏が所属するグループであるV6が11月1日に解散する事が発表(解散後も長野氏はジャニーズ事務所に残留する模様)。
この発表にV6のファンは勿論、『ティガ』のファンからも衝撃を与えたが、これが「V6の長野博」としての最後の『ティガ』の仕事になった。そのため『ティガ』のリブート作品である『ウルトラマントリガー』にゲスト出演して欲しいという声も多くあった。
また、解散日直前の10月26日に放送された『学校へ行こう!2021』では、ゲストの学生からのお願いで共にティガの変身を披露した他、長野氏がロデオに挑戦する際には『ティガ』の主題歌『TAKE_ME_HIGHER』が流れただけでなくテロップが赤と紫、金色に表示されるという『ティガ』のタイトルとグリッターティガを意識した様な演出が見られた。
ウルトラマンダイナ25周年を迎えた記念のインタビューで、アスカ役のつるの剛士氏は、偶然にも長野氏と同じ番組に共演する機会があり、その際に「(ウルトラマンとして)戻ってきてくださいよ、25年間温めてきたんで」と伝えると長野氏から「そりゃそうだよ! 僕も行きたいよ!」という返答があったとの事。
少なくとも長野氏自身はウルトラマンへの出演には前向きなのは間違いないだろう。
その思いが届いたのか、NHKの特番『全ウルトラマン大投票』ではウルトラヒーロー部門でティガが第1位に選ばれた際に長野氏がVTR出演を果たす。
前述のS.H.Figuartsの出演と異なり、ハッキリと「マドカ・ダイゴ役」と記載され、感謝の言葉を送った。
関連タグ
ウルトラマンティガ ウルトラマンティガ(キャラクター) GUTS 光
鹿目まどか…名前つながりの従兄妹というネタあり。ただし彼女の場合の「まどか」は「名前」であり、(後付けの設定とはいえ)「苗字」であるダイゴとは対極であり、ダイゴとは正反対に「力を得て人を捨てた」という末路になっている。
歴代ウルトラマンの主人公系譜