機体解説
北アメリア大陸イングレッサ領はビシニティの北部、過去の文明の遺産が眠るマウンテンサイクルに石像「ホワイトドール」として祀られていたものが再起動した、黒歴史の遺産と呼ばれるモビルスーツ。
月のディアナ・カウンターの地球帰還作戦に応じるかのように起動し、その際にロラン・セアックがこれを動かした事から、なし崩し的に彼がメインパイロットを務める事になった。
当初は機体の名称も出自も不明であった為、正式な名称が判明するまではこれを運用するミリシャからは石像の名前を取って「ホワイトドール」、ディアナ・カウンターからは「ヒゲ」「白ヒゲ」と呼ばれていた。
様々な機能を持ち、また機体スペックも凄まじい物がある。
ナノスキンと呼ばれるナノマシンで構成された装甲を有しており、生物の新陳代謝の如き自己修復機能を有する。ただし修復出来るのは装甲のみであり、内部メカまでは修復できない。そのため、中破したターンAの修復にはホレス・ニーベンなどのムーンレィス側の力を借りている(※ただし、福井晴敏による小説版『月に繭 地には果実』では、原型をとどめないほど破壊されてもコア・ファイターが無事なら時間はかかるが、完全に機体を再生できるという設定になっている)。
駆動系がIフィールドによって機体を駆動させる「IFBD(Iフィールドビームドライブ)」という駆動システムによって構成されていることも特徴の一つ。
これは機体の周囲を覆ったIフィールドをさながらマリオネットの糸のようにして機体の各関節を動かすというもので、これによって機体構造は極めてシンプルなものとなっており、ジェネレーターやモーターといった駆動装置を機体に内包しない構造は、各種武装コンテナを胸部に収めるという独特な機体構造を生み出している。
脚部は殆ど推進器であり、裏側にその一枚一枚がスラスターとなる二次元ノズルのスラスター・ベーンが密集した形態をとる。このスラスター・ベーンはマイクロエンジンが用いられており、ベーン一枚一枚もさらに小さなベーンの集合体というフラクタル構造となっている。
物語開始当初はベーンにナノスキンの垢が詰まっていたことから性能を発揮できなかったが、第12話で機能を回復してからは重力下での完全飛行や、MSの質量を大きく上回り大気圏を脱出できる宇宙戦艦ジャンダルムを正面から押し返すという圧倒的なパワーを見せた。
胸部が武装ユニット化している事と歩行時の安定性の高さからコックピットは股間部にあり、緊急時にはコア・ファイターとして分離・脱出する事が可能。
一見弱点丸出しに見えるコクピット、実は本編のみならずシリーズ屈指の防御力を誇る。それは強固なIフィールドバリアで守られている事(ズサンとの戦闘時飛んできた破片を軽く弾いている)、スカートアーマーがオートで防御姿勢を取る事が理由である。
この機能はコレン・ナンダーが駆るイーゲルとの戦闘時、コクピットを狙われた際に披露している(イーゲルの全重量を駆使した踏みつけをスカートアーマーだけで防いでいる)。
またこの機体は宇宙移民を虐げた悪魔の如きMSガンダムに似ていると言われており、テテス・ハレもこの機体をガンダムの系譜のものと見なしていた。
その正体はかつて「黒歴史」と呼ばれた時代に於いて、その文明を埋葬した超兵器である。
過去の文明を破壊し尽くした後はその役目を終え地中にて眠っていたものの、長い年月を経て発掘されてからはその本来の能力の大半を発揮していないとされており、パイロットのロランの性格もあって、文明を闇に葬り去ったとされる当時のような「活躍」を披露することはなかった。
またグエン・サード・ラインフォードは黒歴史を作り出したターンAの持つ強大な力に惹かれ、月に大きく遅れを取っていた地球の文明の再構築のためにターンAの量産化というおぞましい計画を企み、ミリシャを裏切りギンガナム艦隊と手を組んだ。
しかし地球での最終戦でギム・ギンガナムの裏切りにより失敗している。それでもなおターンAの量産化を諦めず工場へ行こうとしたが、愛想を尽かされたミハエルやヤーニにも裏切られ、ターンA量産化計画の白紙化は確定づいた。そもそもギンガナムに裏切られた時点で、地球人の技術だけでターンAの量産など雲を掴むような話なのだが…
デザインの特徴
外見の大きな特徴は顔面の「ヒゲ」である(劇中でも「ヒゲ」と呼ばれるほど) 。
デザインはRX-78ガンダムをより「人間的」にリデザインすることから始まった。
「機械としての合理性」を強調し、関節は人間が動かせる極限の範囲まで可動出来るように、フォルムも人間のように丸みを帯びたシルエットを持たせるようにデザインされた。
機械ではあるが、キャラクター性を持たせるために一番目立つ頭部のVアンテナは曲線になり、口のヒゲの部分に置かれている(デザイナーのシド・ミード氏曰く「アンテナは必要だが、従来の位置に置きたくなかったので日本の兜を参考に顔の下側に設置した」とのことである)。
本来はガンダムタイプの伝統である頭部バルカンも付くはずであったが、胸部に収納スペースがあること、兄弟機のターンXとの共通点である「内蔵武器は極力削り表面をシンプルにすること」がコンセプトであるため、バルカンは描かれていない。
当初デザインが公開された時はファンからの批判が続出したが、劇中での演出や活躍により批判の声は少なくなり、やがて「味のあるデザインのガンダム」として受け入れられるようになる。
また、平面的に描かれたイラストよりも模型や3Dなど立体的に描かれる構図で可動範囲に説得力が出てくる。
なお、シド・ミード氏も最初は「ヒゲのガンダム」が受け入れられるか不安だったらしいが、宇宙刑事シリーズ等のメカニックデザインで知られる友人の村上克司氏に相談したところ、氏が手がけたゴッドシグマを見せてもらったことで安心したとのこと。
「ロボット兵器としてあり得るデザインであり、アニメという絵の中、おもちゃとして立体で動く人形」を目指した∀ガンダムはアニメというジャンル、また子供から大人まで手に取るであろう玩具の「マシン」としての一つの回答であるとも言える。
劇中での活躍
アニメ第2話において、ディアナ・カウンターの砲撃に反応して神像「ホワイトドール」の中から出現。
ロラン・セアックによってムーンレィスの地球帰還作戦を平和的に解決するべく、戦闘だけではなく、物資の運搬・土木作業・洗濯(!)や牛の運送なども行った。
頭部の髭に関しては作中の人物にも度々言及されていて、特に14話でディアナ・ソレルが言い放った「ガンダムにお髭がありますか?ありません!」というセリフはよく知られている。
数々の戦いで機能を取り戻していったが途中でグエンの陰謀でギンガナム軍に奪われると言う最悪の緊急事態に陥ったがどうにかロランに奪回される。
最終的にはターンXと相打ちになり、ナノマシンの繭に包まれて再び眠りについた。
武装
ビームライフル
ターンAの主兵装。
重金属粒子を固有振動によって収束させて発射する共振粒子砲(リフェーザー砲)であり、メガ粒子を集束して発射する宇宙世紀時代のビームライフルとは原理が異なる物。
高出力で発射する際にはストック部分をスライドさせ、内蔵された回転式グリップを使用する。モード変換は機体本体とのデータリンクにより、内蔵デバイスが自動的に判断して実行する。
その威力は歴代シリーズでも最強レベルに危険な物で、一発で街や山を丸々消滅させ、地図を書き換える破壊力を持っている。
最初に持っていたものは経年劣化により2発撃った後に銃身が溶融して損壊したため、その後は発掘された新品を使用するようになる。
大気圏内や水辺で使用してもビーム兵器につきものの威力の減衰も起こらない。
ちなみに「重金属粒子を撃ち出す共振粒子砲」という設定は、富野監督自身が手がけた小説版『機動戦士ガンダム』におけるビームライフルの設定でもある。
ビームサーベル
背部のプラットフォームに発生器が2つ格納されている格闘戦用光学兵装。
宇宙世紀のメガ粒子を使ったものとは異なり、プラズマ化した重金属粒子を電磁場で固定して刀身を形成する。他のガンダムシリーズに比べてビームの刃部分が非常に細く描写されているのが特徴。
持ったまま手首を回転させることで簡易的なビームシールドとして使える他、2本合わせると刀身を延ばすことができ、出力調整を行っている様子も見られた。
シールド
楕円形の大型シールド。
強力なIフィールドバリアを展開する機能を有し、ビーム兵器だけでなく実弾兵器や核爆発の衝撃波まで防御することができる。但し、盾そのものの物理的強度は標準的。
胸部マルチパーパスサイロ
ターンAの駆動装置を内包しない構造を利用して胸部に設けられた多目的武器庫。
本来はビーム砲やミサイルランチャー、補助エンジンなどを作戦や戦術に応じて換装・内蔵するためのスペースだが、劇中では牛を運んだり核ミサイルを隠したりといった目的に利用された。
核兵器運搬から洗濯機まで何にでも使える多機能サイロである
腹部ビームキャノン(ビームドライブユニット)
腹部のマルチパーパスサイロに搭載されていた拡散ビーム砲。
∀が敵に鹵獲された際、ギンガナム艦隊技術者の解析で使用可能になった。
物語終盤にジョゼフ・ヨットが搭乗した際に使用したのが最初で最後であり、この時のジョゼフの台詞にちなんでファンの間でついたあだ名が「やったぜフラン砲」。
Iフィールドバリアを突破することができるため、さすがのターンXもキャラバス(背部ウェポンプラットフォーム)を犠牲にしてでも回避せざるを得なかった。
ガンダムハンマー
ビシニティ地下のマウンテンサイクルから発見されたトゲ付き鉄球。
推進用のロケットブースターが内蔵されている他、Iフィールドを展開して敵の駆動系に干渉したり、トゲが爆発したりとギミック満載。
月光蝶
本機の最大の無差別大量破壊兵器。
機体内で生成したナノマシンを大量に散布し、あらゆる人工物の分子結合を破壊、砂(土)に変えることができる。
本編ではソレイユのIフィールドバリアで一時的に防御する場面があった。
詳細は月光蝶の記事にて。
本編以外での活躍
ビルドファイターズシリーズ
トライ10話にて行われたファッションとガンプラの融合を謳ったイベント「東京ガンプラ・コレクション(通称ガン・コレ)」にて行われた一企画「プロダクション対抗ガンプラ・ラリー」にゲスト参戦した「3代目SGOKKU」のリーダー・TAKUが黒く彩られた∀ガンダムを使用。ビームサーベルやライフルといった本家の武装のほかにシールドをボード代わりに使用して水上移動も可能。
本来はバトルではなくレースなのだがそれを無視して攻撃を仕掛けるといった卑劣な妨害行為を行うが、それがミライの逆鱗に振れ、彼女のプチッガイが放つ次元覇王流・蒼天紅蓮拳をコクピットに受け、レース続行不可能になる。なお、その光景は会場にいた男性陣を恐怖させるのだが、その理由はコクピットの位置からお察しください…。
ゲーム作品では
スーパーロボット大戦シリーズ
「1度文明がリセットされ再スタートした世界」ということが他の作品との組み合わせが難しいと推測されていたのだが、自軍部隊が未来にタイムスリップするというという形で同じく荒廃世界を舞台とした作品らと共に『α外伝』で初参戦を果たす。
自軍入りしたての頃は武器数も少なく、地形適応もそれほど良くなく弱い部類に入るが、徐々にパワーアップしていくのが特徴。飛行可能になり、強力な武器も追加されて最終的には月光蝶使用可能になる(しかもMAP兵器版まである)。リアル系のためあまり重視されないが、ナノスキンの再現としてHP回復能力も備える。
また、宇宙世紀系パイロットの乗り換えも可能。そのためアムロやカミーユなどを乗せての月光蝶も可能(一部パイロットに専用台詞有り)。
ただし正規パイロットのロランも負けていない。ニュータイプではなく能力は平凡だが、成長パターンが大器晩成型のため最終的には非常に能力が高くなり、強力な精神コマンド魂を取得可能。きちんと育成すれば黒歴史を呼んだ禁忌の力がいかに恐ろしいかを表す機体となる。
後に『第3次Z時獄篇』を除くZシリーズにも参戦。こちらもシリーズを通して強力な機体として君臨する。
『第2次Z』では『再世篇』中盤までロランがディアナとの約束で月光蝶を封印していたが、『ガンダム00』劇中最大の惨事とされる「ブレイクピラー事件」の被害を少しでも減らすため、苦悩の末に約束を破り月光蝶を開放する…というエピソードがある。
Another Century's Episodeシリーズ
『ACE3』でいるだけ参戦ながら登場。ナノスキン設定故か徐々に体力回復する特殊能力を備える。
発動中は周囲の敵にダメージを与える月光蝶と核投擲が行える。(∀は核を機体内に隠したことがあるMSであって核搭載MSではないのが…)
強力な武装を複数持つがそのどちらもリロード時間が絶望的に長い。如何に使うタイミングを見極めるかが肝心である。
ガンダムVSガンダムシリーズ
主人公後期搭乗機が並ぶ3000コストで参戦。
二刀流ビームサーベルによるアクロバティックな格闘アクションで戦う格闘寄り機体。そして1出撃につき1回だけ核投擲が行える。(だから核搭載機ではn(ry)
メイン射撃にビームライフルやマシンガンを装備している機体が多い中、∀のメイン射撃はまさかの両手ガンダムハンマー。『スカッドハンマーズ』ではないので流石に射撃武装は他にもあるものの、その多くは使用時には足が止まる為、射撃戦をしながら間合いを詰めるのが苦手。ある程度の援護や牽制は行えるものの、距離を離して射撃戦を行う相手には苦戦を強いられる。
しかしそのハンマーが意外に曲者。射程は短いものの、即ダウン力が高く当たり判定は大きい為に、安易に懐へ入ろうとすればぶっ飛ばされる。EXVSではブーストダッシュによるキャンセルを活かして1回でダウンしなかった相手を複数ハンマーで殴るテクニックも生み出された。これは「ハンマーズンダ」と呼ばれる攻めのテクとして相手に恐れられることになる。
即ダウン力の高さと各種格闘をちらつかせてプレッシャーをかけ相方との連携で制す、その格闘機にしては独特な立ち回りゆえについたあだ名は万能機寄り格闘機。ほかに無い独特の動きとダウンのとりやすさで上手く得意な間合いの戦いに持ち込んで相手の守りを切り崩す機体となっている。
このハンマーがメイン射撃ではなくなるのはEXVS2XBの時代(厳密に言えばビームライフルになってに変更、ハンマーはコマンド変更)。ただし大きく変更された際にBD11回と凄まじいレベルにまで機動力が上昇させた結果、今度は早すぎて稼働最初期に下方させられている。
しかしそれでも高い機動力からゲロビで攻めるという高機動戦法が強力で、後々さらに下方が入れられてしまい最上位コストの機体の中でもワーストクラスの耐久値にまで下げられてしまう。なおこのシリーズでは全く使えないレベルにならないようにマイルドな下方が多かったのだが、それが災いし歴代でも最多の下方修正5回という最多記録を塗り替えてしまった。
ちなみに月光蝶はそれぞれのゲームシステムに合わせて実装されている。
- (無印):Gクロスオーバー。ターンXが現れ月光蝶を展開。
- NEXT:特殊能力。体力が一定値以下になると月光蝶を発動させ攻撃力が大幅アップ。
- EXVS:覚醒技。月光蝶を展開しながらタックル。ON以降ではそれに加えて覚醒中は月光蝶が発動し攻撃力UPする特殊能力が追加。
Gジェネレーションシリーズ(トムクリエイト版)
PS時代の初期シリーズは各武装、各機能が再現されていなかったりしているので、原作の様なイメージで期待して使うとガッカリされるかもしれない。
PS2・PSP以降では作品を重ねるごとに改善が加えられ、強くなっている。
『ZERO』から登場。
この頃はアニメ放映中のため、後半で見せた月光蝶もIフィールドも無い。
武装はビームサーベル、ビームライフル、ハイパーハンマー。
よくも悪くもオーソドックスな性能。空は飛べない。
『F』では2種類登場している。
一つは∀のステージにのみ登場するイベント用の機体でステータスと武装が前作とほぼ同じ。
もう一つは前者よりステータスが高水準に引き上げられており、武装がハイパーハンマーから拡散ビーム砲に差し替えられ、MAP兵器として月光蝶を備えているバージョンである。ついでにコア・ブロックシステムも搭載されている。自軍で開発出来るのはこちら。
しかし、Iフィールドや飛行適正は備わっておらず、加えて移動力が5しか無かったりと動かしにくく、ビームライフルと拡散ビームもBEAM1なので敵のIフィールドやビームシールドには無効化されてしまう。また、月光蝶もMAP全体を瓦礫に変えて敵味方全ユニットの武器ENに100ダメージを与えるMAP兵器という、どうにも扱いが難しい仕様。
∀ステージに登場するイベント版をACE登録するか、設計でフェニックスガンダムとリグ・コンティオを組み合わせる事で生産可能になる。
ちなみにのイベント版のターンAは、通常は絶対に生産できないが、追加ディスクである『F・IF』を使えば入手は出来る。
『NEO』では拡散ビームが廃止され、胸部ミサイルが追加。アビリティにはようやくIフィールドが搭載された。MAP兵器の月光蝶は前作よりも使いにくくなっている。
相変わらず飛行できないのが歯がゆ・・・惜しいが、中距離に攻撃できる格闘武器であるハイパーハンマーが使えるので後半のビルゴ対策に有効。あちらはビーム兵器しか所持しておらぬ故、中距離で戦う限り圧倒的有利に立ち回れる。
ただし命中率に難が有るため、格闘値が高いパイロットを乗せよう。いっそ射撃をかなぐり捨ててドモンやアレンビーに乗ってもらうのも良い。
Iフィールドとナノスキンのおかげでガンダムファイトモードと相性が良かったり、
本作での本機の評価は「『圧倒的な強さを誇る機体』とまではいえないが、使い方次第では『非常に優秀で有用な機体』。」といったところか。
Wルートでストーリーを進めればタダで入手出来るのも良い。
ターンXに開発できるが、あちらは滅茶苦茶使いにくいのでプロフィールコンプや拘りが無ければ、こちらを使い続けたほうが無難。
『ポータブル』でようやく重力下での飛行が可能になった。Iフィールドとナノ・スキンも搭載している。
しかし、武装はFから改善されておらず移動力も5のまま。
この事に本作及び本機のファンから不評不満の声は決して少なくなかった。
『スピリッツ』には作中で活躍したターンAではなく、文明をリセットした当時のフルスペック・ターンAをイメージしたと思われる極めて強力な機体がラスボスとして登場している。
『ウォーズ』ではベーシック・原作初期・能力解放の3種類が登場。
ベーシックと原作初期VerはPS時代の様な良くも悪くもオーソドックスな性能で飛行とIフィールドは無い。
しかし、能力解放Verは飛行とIフィールドを持ち、初期能力値もかなり高い。そしてサイズも(原作では巨体にもかかわらず)「M」なので、アビリティ「身軽」が適用可。
更にF時代では失われたガンダムハンマーも残っており、何よりもあの月光蝶が威力7000の通常武装として実装された(属性は特殊格闘)。
ここに来てようやくファン待望の本編の強いターンAが登場した。
欠点は相変わらず移動力が5と低いところと、月光蝶の燃費だが、本作から1機体に3つまでオプションパーツを取り付けられるので、それで上手く補うのが良いだろう。
MAP兵器の方の月光蝶は敵味方全ユニットのENを0にするが、自機のENも0になる代物。
癖は強いが、使い方さえ間違えなければ強力な補助攻撃になる。
『ワールド』~『オーバーワールド』ではマルチロックシステムの導入によって、核弾頭ミサイルと月光蝶を装備している能力解放Verが傍若無人の強さを発揮した。
『ジェネシス』では『スピリッツ』と同じくフルスペック仕様のターンAが登場。本作ではガンダムUC(DLC込みで閃光のハサウェイ)までの宇宙世紀ガンダムを収録しているため、早すぎる目覚めとも呼ばれている。
『クロスレイズ』ではDLC限定ユニットとして登場。能力解放Verであるため、コストはミーティア装備のストライクフリーダムとダブルオークアンタの中間あたり。
武装はサーベル・ライフル・ガンダムハンマー・月光蝶(通常版とMAPW版)の計5つ。
特に月光蝶は自軍運用可能な機体では数少ない「防御力無視」特性があり、高難易度の強敵相手程影響が大きく、場合によってELSクアンタ以上の火力を叩き出す事も。
テンションが超強気状態で無いと使えないものの、覚醒武器ではなくなったため、未覚醒パイロットでも十分に運用が可能。
ガンダム無双シリーズ
耐久・防御共に全MS中最高。加えてパイロットのロラン・セアックも防御が全パイロット中最高。本シリーズでは格闘攻撃・射撃・防御はパイロットとMSの数値を合算したものとなる為、原作に沿ってロランと組合せると最も堅牢となる。
その反面、他のステータスは平凡でやや決定打に欠けるのが難点。
『2』のムービーではνガンダムがサイコフィールドによって月光蝶を弾く描写がある。
『3』のムービーではマスターガンダムに対して月光蝶を発動し、片腕や翼を破壊するもその突撃を止めることはできず、蹴り飛ばされてしまった。
コンパチヒーローシリーズ
ロストヒーローズ2で参戦。
人格は正規パイロットであるロラン。
耐久力が高く味方屈指のタフネスさを誇るがその点火力は他のユニットに劣る。
倒されにくいという長所とロランの性格にマッチした回復役としての運用がオススメ(というより回復役が似合うキャラはほぼターンAぐらいしかいない)。
仮面ライダーオーズとのクロスオーバーアタックがあり、オーズの変身者とロランの性格がマッチした仕様となっている。
裏設定
本機はアニメ本編で本来の性能を全て発揮することはなかったが、元々は地球外から地球圏に漂流してきた機体を元に開発された機体で、外宇宙文明存在の発覚から対外宇宙文明戦用にこの時代の最新の技術が多く実装されている。
機体の動力は縮退炉の一種を二基搭載している。
外宇宙からの地球圏防衛という開発コンセプト上、単機で地球圏をカバーできるように空間跳躍能力も有する(劇中ではメリーベルとの戦闘中に発動。レーダー等の撹乱ではなく物理的に転移する為、ターンXでさえも位置を捕捉できなかった)。
また汎用性を上げるために武装の多くは外付け、または換装式であり、専用のアームドベースから空間跳躍によって換装を行う(劇中では大半の武器、施設が経年劣化で使用不能であった)。
「∀」という名称は「全ての(∀)ガンダム」の他にも、「黒歴史をAに(新たに)ターン(描き直す)する。」という意味もある。
100%の性能が如何程であるかファンの間で考察が行われている(詳細は割愛する)が、制作スタッフらの説明などから、歴代ガンダムシリーズの中でもトップクラスの性能を持つ機体だと言う事は間違いないようだ。
立体物
ガンプラ
リアルタイムでは主役機だけあって1/144と1/100の両方が発売。
当時の技術では難しかったのか、共にマルチパーパスサイロの開閉は差し替え式(1/100は一部)を使用している。
SDガンダムGジェネレーションでも発売され、400円ながらハンマーに金属チェーンが使用されていたり、ランナー4枚中3枚が多色成型ランナーなどかなり気合の入ったキットとなっている。
2007年にMGで記念すべき100作目として発売。
関節をABS素材に依存したポリキャップレスキットで、ヒンジの小型化によりマルチパーパスサイロやナノマシン散布用ベーンなど全てのギミックが差し替えなしでの再現となっている。スラスターベーンには連動ギミックも追加された。
また、劇中再現には欠かせない「牛」も付いていたことも話題となった。
長らく月光蝶のエフェクトパーツがなかったことが悔やまれていたが、14年にターンXもMG化したのに合わせてプレミアムバンダイ限定で展開されている。
2014年には最新フォーマットのHGCCでも発売。
MGとは真逆のABSレスキットで、当時最新素材だったKPSすら使用していない純粋なポリキャップ関節仕様となっている。また使用されるPC-001ランナーも白成型という非常に珍しい仕様。
マルチパーパスサイロとナノマシン散布用ベーンの展開は丸々差し替える方式で、コアファイターは非合体時のものが別途に付属する。
こちらもプレミアムバンダイ限定でターンX共用の月光蝶エフェクトが別売りされた。
アクションフィギュア
MS IN ACTIONでは残念ながら立体化は叶わなかったが、2009年にROBOT魂でターンXに次いで登場。MGの技術をフィードバックしたため、高い可動範囲を持ち、ブランドでは初期の発売だったため3000円という安価だった。
物語序盤のナノマシン堆積状態のスラスターベーンがボーナスパーツとして付属していた。
月光蝶エフェクトはオミットされたが、プレミアムバンダイ後発のマイナーチェンジモデルである月光蝶バージョンに付属していた。
SDガンダム作品における、ターンAをモチーフとした機体・キャラ
作品 | キャラクター |
---|---|
『ムシャジェネレーション』 | 武者ターンエーガンダム |
『武者○伝』シリーズ | 武者丸 |
『SDガンダムフォース絵巻 武者烈伝 武化舞可編』 | カピターン卿 |
『SDガンダム三国伝』 | 劉邦ガンダム |
関連動画
関連イラスト
関連項目
エドワード・ニューゲート・道円:ターンAがモチーフになっているキャラクターの例。