概要
競走馬のうち、2012年生まれ、2015年に3歳の世代。現11歳。
菊花賞で頭角を現したキタサンブラックが大活躍したキタサンブラック世代。母父サクラバクシンオーの血統的不安を払拭すると、その後も長距離戦線で活躍した。
他には佐々木主浩氏の保有馬であるシュヴァルグランや、菊花賞2着馬で海外G1のリアルスティール、G1馬アドマイヤグルーヴを母に持ちルーラーシップの甥にあたる二冠馬ドゥラメンテが活躍した。
フェブラリーSなどGⅠ2勝を挙げたダート馬ノンコノユメや、クラシック三冠レース全てに出走経験を持ち7歳で障害に転向したタガノエスプレッソは10歳まで現役を続けた。二頭とも現役最晩年までGⅠを含む重賞戦線で好走し、タガノエスプレッソは2歳と10歳で重賞を制した初の日本調教馬となった。
各路線の推移
芝・牡馬
皐月賞~日本ダービーの時点では超良血馬ドゥラメンテが主役で、他にリアルスティールやサトノクラウンなどが奮戦を続けていた。しかしドゥラメンテは骨折してしまい、春の時点では上がり馬だったキタサンブラックがセントライト記念で重賞初勝利を挙げると菊花賞も優勝。
古馬になってキタサンブラックは負傷離脱した北村宏司に変わって武豊を主戦に据え、中長距離で存在感を発揮。クラシックで善戦を続けてきたリアルスティールも春のドバイ遠征でドバイターフを勝利。ドゥラメンテの僚馬で、クラシックでは結果がなかなか出なかったサトノクラウンも4歳末の香港ヴァーズでハイランドリールを撃破、5歳時にはキタサンブラックを宝塚記念で倒した。
芝・牝馬
ダート
ひとつ上の世代のコパノリッキーが台頭していたこともありこの世代のダート馬は地味ではあったものの、3歳時にJDDを勝ったノンコノユメが去勢後、6歳でフェブラリーSを優勝。現役晩年には大井に移籍して9歳で東京大賞典2着を記録するなど長らくダート戦線を盛り上げ続けた。他にもアポロケンタッキーがいる。
障害
2歳時に重賞勝ちがあり、クラシックにも皆勤したタガノエスプレッソが障害転向するとオジュウチョウサンを倒して重賞勝ち、その後もオジュウチョウサンのライバルとして活躍した。
他にはキタサンブラックの調教パートナーを務め、全兄妹2×2のきついクロスでも知られたマイネルレオーネもここで、入障後G1で3着2回を記録している。
海外
アメリカ
37年ぶりにアメリカ牡馬クラシックレースで三冠を達成したアメリカンファラオがこの世代の代表。ベルモントSで2着に入ったフロステッドは古馬になってG1を2勝している。
欧州
3歳時の凱旋門賞をゴールデンホーンが制すると、4歳時にはA.オブライエン調教師の手掛けたガリレオ産駒3頭、ファウンド・ハイランドリール・オーダーオブセントジョージで上位独占という偉業を成し遂げた。ハイランドリールはその後BCターフを制し、香港ヴァーズでサトノクラウンと激闘を繰り広げ、5歳シーズンも中距離路線で活躍した。オーダーオブセントジョージは長距離路線で活躍したが、2つ下の世代のストラディバリウスが台頭するとやや霞み気味となった。
その他地域
オーストラリアには2017年創設の芝最高賞金レース、ジ・エベレストを連覇した初代王者レッドゼルがいる。同国での獲得賞金はウィンクス・ネイチャーストリップに次ぐ3番目の数字を誇る。香港では香港マイル連覇のビューティージェネレーションや香港スプリント連覇のミスタースタニング、宝塚記念に来日し2着に激走したワーザーがいる。
種牡馬
ドゥラメンテは早世のため産駒がわずか5世代にとどまったが、初年度産駒となる21世代から菊花賞馬タイトルホルダー、22世代・23世代から二冠牝馬スターズオンアースや牝馬三冠リバティアイランドが登場。キタサンブラックもブラックタイドの後継として供用され産駒が22世代からデビューし、いきなり年度代表馬イクイノックスが出る上々の立ち上がり。23世代でも皐月賞馬ソールオリエンスが出ている。サトノクラウン産駒は23世代でデビューし、なんとダービー馬タスティエーラを輩出した。
既にこの3頭の産駒だけで八大競走を完全制覇しており、ターフを去ってなお覇権争いを続けている。
アメリカンファラオは輸入産駒からダートGⅠ馬2頭を出したほか、仏GⅠ馬ヴァンゴッホが出るなど芝適性も高い。
そのアメリカンファラオを破ったキーンアイスの仔から、21番ゼッケンのダービー馬リッチストライクが誕生、父子揃ってアメリカを戦慄させた。フロステッドは結果が出ていない中で日本へ渡った産駒から重賞馬が出た。
勝利したGⅠ
この世代の日本調教馬によるJRAGⅠ、ダート交流JpnⅠ、海外GⅠ勝利数の合計:20勝
※2歳GⅠ、3歳GⅠは除く。
前述の通り、キタサンブラックを擁し、5歳時の2017年には6つあるJRAの芝中長距離GⅠを全てこの世代の馬が勝利した(キタサンブラック4勝、サトノクラウンとシュヴァルグランが各1勝)。
反面、芝短距離では1歳上にレッドファルクス、1歳下にファインニードルがおり、GⅠ未勝利に終わった。同様に障害でも1歳上のオジュウチョウサンを筆頭に前後の世代が強力で、2022年末時点ではGⅠ未勝利となっている。
ジュニア~クラシック
レース | 勝ち馬 |
---|---|
朝日杯FS | ダノンプラチナ |
阪神JF | ショウナンアデラ |
皐月賞 | ドゥラメンテ |
日本ダービー | ドゥラメンテ |
菊花賞 | キタサンブラック |
桜花賞 | レッツゴードンキ |
オークス | ミッキークイーン |
秋華賞 | ミッキークイーン |
NHKマイルカップ | クラリティスカイ |
全日本2歳優駿 | ディアドムス |
ジャパンダートダービー | ノンコノユメ |
シニア
中央 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | |
---|---|---|---|---|---|---|
大阪杯(2017-) | キタサンブラック | |||||
天皇賞(春) | キタサンブラック | キタサンブラック | ||||
宝塚記念 | サトノクラウン | |||||
天皇賞(秋) | キタサンブラック | |||||
ジャパンカップ | キタサンブラック | シュヴァルグラン | ||||
有馬記念 | キタサンブラック | |||||
ヴィクトリアマイル | ||||||
エリザベス女王杯 | クイーンズリング | |||||
高松宮記念 | ||||||
安田記念 | ||||||
スプリンターズS | ||||||
マイルCS | ||||||
フェブラリーS | モーニン | ノンコノユメ | ||||
チャンピオンズC | ||||||
地方 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | |
川崎記念 | オールブラッシュ | ミツバ | ||||
かしわ記念 | ||||||
帝王賞 | ||||||
南部杯 | ||||||
JBCクラシック | ||||||
東京大賞典 | アポロケンタッキー | |||||
JBCスプリント | ブルドッグボス | |||||
JBCレディスC | ホワイトフーガ | ホワイトフーガ | ララベル |
海外
レース | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 |
---|---|---|---|---|---|
ドバイターフ | リアルスティール | ||||
香港ヴァーズ | サトノクラウン |
代表的な馬
海外馬
馬 | 性別 | 勝利レース |
---|---|---|
アメリカンファラオ | 牡 | '15KYダービー/'15プリークネスS/'15ベルモントS/'15BCクラシック |
ハイランドリール | 牡 | BCターフ、'15・'17香港ヴァーズなど |
ゴールデンホーン | 牡 | '15凱旋門賞 |
ファウンド | 牝 | '16凱旋門賞/BCターフ |
キーンアイス | 牡 | '15トラヴァーズS |
レッドゼル | セ | ジ・エベレスト |
ニューベイ | 牡 | |
フロステッド | 牡 | '16メトロポリタンH/'16ホイットニーS |
種牡馬
日本関係
ウマ娘プリティーダービーにて
2023年10月から放映されているアニメ3期・第3話までの時点で、ウマ娘として登場しているのは以下4名。
この世代で最初に登場したキタサンブラックはひとつ下のサトノダイヤモンドとの関係性が強調されているが、後にサトノクラウンやシュヴァルグランが登場。さらにキタサンブラックがアニメ3期の主人公に抜擢されたことでドゥラメンテも登場した。
なお、ゲーム版のキタサンブラックのシナリオではドゥラメンテの代理と思われるモブが登場していたが、アニメでは予告も事前情報もなしにドゥラメンテ本人がサプライズで登場することとなった。他にもリアルスティールの代理と思われる者も登場している。