ステラ・ルーシェ「こいつ…いつも…いっつも!」
アンドリュー・バルトフェルド「馬鹿!だったら早くエターナルに入れ!お前の機体を取ってこい!」
機体データ
型式番号 | ZGMF-X88S(連合側RGX-03) |
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全高 | 17.8m |
重量 | 69.85t |
装甲材質 | ヴァリアブルフェイズシフト装甲 |
動力源 | バッテリー |
所属 | ザフト→地球連合軍第81独立機動軍ファントムペイン→クライン派 |
パイロット | リーカ・シェダー(テストパイロット)→ステラ・ルーシェ→アンドリュー・バルトフェルド |
概要
ユニウス条約締結後、ザフトが開発した試作モビルスーツ群「セカンドステージシリーズ」の1機。型式番号の「8」は陸戦型系統、「8」は開発ナンバー、「S」は「Second Stage(セカンドステージ)」を示す。
地上での高機動戦闘を想定して開発されたMSで、第1次連合・プラント大戦時の地球上で活躍したTMFシリーズ(バクゥやラゴゥ)の流れを汲む四足獣形態に変形する。
装甲にはヴァリアブルフェイズシフト装甲が採用されており、更にデュートリオンビーム送電システムにより戦闘継続時間の延長が可能である。
人型形態と四足獣形態の両立というスタイルは、重力と無重力両方の環境を併せ持った、プラントのコロニー内部という限定空間内においては無類の戦闘能力を発揮し、四足獣形態の元となったバクゥやラゴゥの役割も果たす汎用機としてセカンドステージシリーズのコンセプトを満たしている。
アーモリーワンにてカオス・アビス共々地球連合軍第81独立機動軍ファントムペインに奪取され、以降ステラ・ルーシェの乗機となる。
なお、大気圏内飛行能力は有しておらず、母艦やサブフライトシステムによるサポートが不可欠となる。アウル・ニーダ曰く「ガイアは泳げない」と言ってる為、水中での戦闘も不可能だと思われるがインド洋での戦闘の時になんと水上をモビルアーマー形態で走っていた。忍者かッ!?(おそらく浅瀬であると思われる)
ちなみに、四足獣形態のときの頭部にはモノアイは無い(漫画の岩瀬版や一部のイラストにはモノアイがある)。
「大地の女神」を意味するガイアの名の通り、ザフトのテストパイロットも女性であるリーカ・シェダーだが、強奪した勢力で本機を運用したのもたまたまなのか女性のステラである。
同じく強奪されたカオスとアビスが「混沌」と「深淵」というネガティブな意味を持っているのに対し、この機体にはそういったものがない。まるで連合に盗まれて以降も勢力を転々とする事を予見していたかのようである。
武装
MMI-GAU25A 20mmCIWS
頭部に2門内蔵されるCIWS。MA形態時は頭部が格納されるため使用不能。
MA-BAR71XE 高エネルギービームライフル
中距離用の射撃武装。基本構造は他のセカンドシリーズのライフルとほぼ同じだが、外装や照準センサーを地上戦用に特化している。 MA形態時は右肩に固定して使用する。
意外というべきか、この機体で一番破損したり紛失してる武装だったりする。
MA-M941 ヴァジュラ・ビームサーベル
両腰部にマウントされる斬撃武装。アビス以外のセカンドシリーズに装備されているサーベルと同型。手持ち装備ゆえMA形態では使用不可能。
ユニウス条約の締結によるミラージュコロイド技術を応用した従来のビームサーベルの使用禁止を踏まえた、新しい技術でセカンドステージシリーズのMS用に開発された。
なおユニウス条約では最終的に、両陣営にビームサーベル関連技術は許可されている(あまりにも不利益になりすぎるため)。
MMI-RS1 機動防盾
表面に対ビームコーティングを施した防御装備。MA形態時は腹部の増加装甲となり、下方の攻撃からコクピットを保護する。
MA-81R ビーム突撃砲
背部に2門装備されたビーム砲。主にMA時の主砲として使用されるが、MS時も使用可能。カオスの「EQFU-5X 機動兵装ポッド」にも同型のビーム砲が装備されている。
MR-Q17X グリフォン2ビームブレイド
背面の姿勢制御ウイング前面に展開されるビームエッジ。バクゥの口吻部ビームサーベル同様、擦れ違い様に敵機を切り裂く事を目的としている。MS、MA両形態で使用可能。
MMI-GAU1717 12.5mmCIWS
MA形態時の頭部に4門装備されるCIWS。近接防御の他に、装甲車等への攻撃にも使用される。
劇中での活躍
本編では、アーモリーワン内部でミネルバの進水式前にファントムペインのステラ・ルーシェに強奪され、ザフトの守備隊と交戦したのが初陣となった。
跳躍と姿勢制御ウイングの推進力でディンを両断、シン・アスカのインパルスとの戦いでもMA形態での俊敏さを活かして翻弄するなどコンセプトが正しかった事を皮肉にも実証している。
その後、デブリ帯、ユニウスセブンや地球のインド洋、ダーダネルス海峡でミネルバ隊と刃を交える。
ダーダネルスではハイネ・ヴェステンフルスのグフイグナイテッドと交戦、ライフルを破壊され苦戦する。その後戦闘に介入してきたキラ・ヤマトのフリーダムにも攻撃するが、簡単にあしらわれたことに激昂してフリーダムに突進し、割り込んできたハイネのグフを両断するほど一心不乱にフリーダムを狙うが、最終的に蹴り飛ばされカオスに回収されている。
アウル・ニーダのブロックワードに反応してロドニアへ無断出撃した際は、ラボを調査中だったミネルバ隊へ単機で飛び込むもののインパルスとアスラン・ザラのセイバーの連携によってコックピットを攻撃されて戦闘不能となり、パイロット共々ミネルバへ回収された。
その後はプラント本国に送られたはずであったが、クライン派への横流しに遭ってエターナル所属となり、ファクトリーでアンドリュー・バルトフェルド用へ調整され彼の搭乗機となった。
エターナルがザフトに発見された際、多数のザクウォーリアやグフイグナイテッドの出現により出撃し、ザクやグフを複数撃墜。数的不利から押されライフルを失うが、途中参戦した キラ・ヤマトのストライクルージュの援護を受けて持ち直し、ルージュが取り落とした(HDリマスター版では投げ渡された)ライフルを使用してストライクフリーダム出撃まで持ち堪えた。
バルトフェルドはエターナルの艦長に専念することが多かったためそれ以降は搭乗せず、結果的に唯一無傷で終戦を迎えたセカンドステージシリーズの機体となった(インパルスは後に改修されている)。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』では、強奪前のテスト時代の光景をジェス・リブルが取材している。
バリエーション
ワイルドダガー
ファントムペインが強奪したガイアのデータを基にダガーLのパーツを流用して開発された可変MS。
ダガー系のパーツを使った事で生産コストを抑えており、70機ほど生産された。
カスタマイズ機
バルトフェルド専用機
ロドニアでザフトに鹵獲されたガイアをクライン派が奪取、ファクトリーでアンドリュー・バルトフェルド専用に調整された機体。VPS装甲の起動色が黒からかつての乗機ラゴゥを思わせる朱色に変化している。シールドも塗装が変更されていることから、このカラーリングはバルトフェルドの趣味という説が有力である。その後プラモデルが発売された際に機体色の変化について触れられており、バルトフェルドの戦闘スタイルや義肢でも操縦できるように考慮してOSを設定し直し、その結果朱色となったとされている。なお、小説版ではバルトフェルドが自分好みの色に調整させたと書かれている。
上述のエターナル防衛のために出撃した後は出番はなく、本機はエターナル内で鎮座していた。格納庫でストライクフリーダムやインフィニットジャスティスと並ぶ姿は確認されている。
余談
バクゥやラゴゥには無限軌道が装備されているにも関わらず、ガイアには装備されてないかが議論に挙がるが、そもそもバクゥやラゴゥが地球限定(もっといえば悪路や砂漠、不整地といった無限軌道が本来求められる場所)に対し、ガイアは無重力空間を含めた様々なシチュエーションを想定しているだけでなく、そもそも獣型MSと違い人型MSであるため、デッドウェイトになる可能性が高い。
関連動画
ガンプラ
コレクションシリーズとHG SEED 1/144のみでの展開。
後者はバルトフェルド機の方も発売された。
コレクションシリーズは簡易変形が可能だが、両腕がモビルスーツ用のマニピュレーターのままなのもあり、ほかの同シリーズ機体と比べ締まらない感じになってしまっている。
HGは前腕を丸々差し替える事でモビルアーマー形態に変形可能。実はSEED DESTINYでクリアのビームサーベル刃が初めて付いた立体物である。
本体装甲の大半が黒な上そこから細かく明色が載る配色や、ビームライフルがかなり複雑な配色なのだが、よりによってABS成形だったりするなど塗装においてはかなり上級者向けのガンプラでもある。
RE/100発表時に立体化予定の機体群にもこのガイアは含まれていたが、現在も実現はしていない。同じ強化人間のブーステッドマンの3機はFULL MECHANICSで全て立体化が実現したため、そちらで出る可能性は高い。
関連タグ
インパルスガンダム カオスガンダム アビスガンダム セイバーガンダム
ステラ・ルーシェ アンドリュー・バルトフェルド リーカ・シェダー
ミラージュフレームセカンドイシュー - 外伝作品に登場したモビルスーツであり、こちらも四足獣形態に変形できる。
ガンダムMk-Ⅱ - 元々、黒いガンダムだったが奪取され、色を塗り替えられた者同士 黒(紺)→白