概要
初出は1965年8月の『Strange Tales #135』。
数多のヒーローやヴィランが跋扈するMARVEL世界を束ねる武装組織で、秘密裏に諜報や法施行を行う。ゴジラの対処に追われていたこともある。
当初はアメリカ合衆国、ある時期から国際連合の傘下にある組織として描かれている。
正式名と和訳
1965年 | Supreme Headquarters, International Espionage Law-Enforcement Division | 国際諜報・法執行部門最高本部 |
1991年 | Strategic Hazard Intervention Espionage Logistics Directorate | 戦略的危機干渉諜報論理監督局 |
2013年 | Strategic Homeland Intervention Enforcement and Logistics Division | 戦略国土調停補強配備局 |
主なメンバー
(事務局長経験者)
- リック・ストーナー
- ニック・フューリー(『シークレット・ウォー』で失脚)
- ティモシー・"ダム・ダム"・デューガン
- ジョージ・ワシントン・"G.W."・ブリッジ
- マリア・ヒル
- シャロン・カーター / エージェント13
- トニー・スターク / アイアンマン(『シビルウォー』後に就任)
- スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ
- デイジー・ジョンソン / クエイク / スカイ
(エージェント)
- アレクサンダー・ピアース
- ヴァレンティーナ・アレグラ・デ・フォンテーヌ
- ゲイブ・ジョーンズ
- サイモン・ウィリアムズ / ワンダーマン
- ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ
- バーバラ・"ボビー"・モールス / エージェント19 / モッキンバード
- ジェシカ・ドリュー / 初代スパイダーウーマン
- サム・ウィルソン / ファルコン
- サラ / マロウ
- アリソン・ブレア / ダズラー
- キティ・プライド
(前職がエージェント)
(その他)
『シークレット・インベージョン』後にトニーを失脚させ「H.A.M.M.E.R.」に改編。
ちなみにこの正式名称は現在まで不明。
MCU版
第1作『アイアンマン』から登場。
主役にしたスピンオフドラマ『エージェント・オブ・シールド』(以下AoS)も制作されている。
元になった組織は戦時中に誕生した「戦略科学予備軍」SSRで、トニー・スタークの父ハワード・スタークやペギー・カーターが創始者。
正式名称は2013年版(厳密にはこちらが先)。
上述の長い名前がさんざんネタにされ、様々な人物に「長い」とツッコまれフィル・コールソンが「略称を検討中です」と返すやり取りが何度も繰り返された末に、ラストでは現在の名前に落ち着いた経緯がある。
※しかし時系列で過去の話でも既にS.H.I.E.L.Dだったり、SHIELD(盾)にするための名前と言われたりと後の作品を見るに既に決まっていた、メタ的に見れば後の作品では扱いにくさから設定としては無視された可能性もある。
経緯
『キャプテン・マーベル』において示唆された。
地球がクリー人とスクラル人の星間抗争に巻き込まれたことで、地球外の未知の勢力の脅威に対抗するヒーローチーム(後のアベンジャーズ)の必要性を痛感したニック・フューリーとその腹心であったフィル・コールソンが中心となって、ヒーローたちの活動のバックアップを行うことも目的となった。
こうしたこともあり、主にフェイズ1ではヒーローたちの活動をサポートする、日本でいえば特撮ものの防衛チームに近い組織として描写されていた。
その真実
しかし『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』にて、結成当初から、第二次世界大戦中に結成されたテロ組織であるヒドラの影響下にあったことが判明。ヒドラは保安・安全と引き換えに人々から自由を奪うべく密かに暗躍しており、将来計画の邪魔になる恐れがある人物を特定してヘリキャリアで先制攻撃を加えるという「インサイト計画」を企てていた(この時、後に登場するある人物もターゲットになっていたが明らかになっている)。
この暴挙は、スティーブ・ロジャース / キャプテン・アメリカ、サム・ウィルソン / ファルコンらヒーローや、ヒドラの影響下になかったエージェントたちの活躍により阻止されたが、この影響で世間からの信用は完全に失墜し、崩壊した。
映画シリーズのメンバー
- ニック・フューリー(長官)
- マリア・ヒル
- フィル・コールソン(後にコミックに逆輸入)
- ナターシャ・ロマノフ / ブラック・ウィドウ
- クリント・バートン / ホークアイ
- シャロン・カーター
- クレア・ワイズ(短編で登場)
- ベンジャミン・"ベニー"・ポラック(短編で登場)
(ヒドラだったメンバー)
- アレクサンダー・ピアース(理事)
- ミッチェル・カーソン(元幹部)
- ジャスパー・シットウェル
- ブロック・ラムロウ
- フェリックス・ブレイク(短編で登場、AoSでヒドラと判明)
(元メンバー)
- ハンク・ピム / 初代アントマン(脱退)
- ジャネット・ヴァン・ダイン / 初代ワスプ(任務中に失踪)
- ローラ・バートン / エージェント19 (脱退)
- エライアス・スター(解雇)
- ビル・フォスター(解雇)
- エイヴァ・スター(脱退)
- ジミー・ウー(不明)
Aosでのみ登場のメンバー
- メリンダ・メイ
- デイジー・ジョンソン
- レオ・フィッツ
- ジェマ・シモンズ
- アントニー・トリプレット
- アルフォンヌ・"マック"・マッケンジー
- ランス・ハンター (途中で脱退)
- バーバラ・"ボビー"・モース (途中で脱退)
- エレナ・"ヨーヨー"・ロドリゲス
- マイク・ピーターソン / デスロック
- パイパー
- ジェームズ・デイビス
- ディーク・ショウ(シーズン6で加入。ただし正規の手続きで加入したわけではないため厳密にはメンバーではない)
- フリント(ファイナル・シーズンラストで加入。まだアカデミーの学生でありシーズン5で登場したフリントとは別人。)
- ビクトリア・ハンド
- エリック・ケーニグ
- ビリー・ケーニグ
- サム・ケーニグ
- LT・ケーニグ
(ヒドラだったメンバー)
- ジョン・ギャレット
- グラント・ウォード
(元メンバー)
- キャラ・パラマス / エージェント33(ヒドラに洗脳され脱退)
その後
- AoSシーズン1
終盤、表向きは死んだことになったフューリーはコールソンに長官の座を譲り、地下組織として活動を再開。
- シーズン2
政府や軍から追われる身となっている。
また、秘密主義だったフューリーやその後継者であるコールソンに反発した者たちがもう1つのS.H.I.E.L.D.を作りコールソンたちと対立した。
残骸から復元したヘリキャリアに搭乗して、ウルトロンと戦うアベンジャーズの援護に回り、逃げ遅れたソコヴィアの人々を救命ボートで救出する活躍を見せた。
キャップ曰く、「これこそが本来の「S.H.I.E.L.D.」だ」。
- シーズン3
ソコヴィアの一件でコールソンは組織を統合。
軍や政府とは衝突もあったものの再び政府に認可された組織となり、ヒドラやインヒューマンズの問題を解決していくことになる。
しかしインヒューマンズの部隊を政府に黙って結成したことからコールソンは長官から外される。
その交換条件として去ってしまったキャプテン・アメリカのような象徴となる超人を新たに長官とすることをあげた結果、ジェフリー・メイス(コミックでは3代目キャプテン・アメリカ)がその座に就くことになった。
- シーズン4
存在を公表して再び表舞台に現れる。
しかし終盤、メイスが実は薬物で強化されたただの人間であることが世間に明かされ、人々からの知名度が高かったエージェントのデイジーのライフモデルデコイが軍人のタルボットを襲撃した事件もあって、再び信頼が失われて追われる身となる。
- シーズン5
荒廃した未来に歴史を変えるためにクロニコムに連れ去られたり、サノスが地球を破壊する前にグラヴィトニウムを狙う宇宙人の連合とそれに対抗しようとするヒドラとの衝突があったりと、明確に組織の名誉を回復させることにはならなかったが、終盤には警察や消防と協力して民間人の救出を行なっていた。
また前シーズンで一時的にゴーストライダーの悪魔と契約したことでコールソンに施された蘇生治療の効果が薄れ始めたため、コールソンは数日の命を残してパートナーのメイと共に脱退し、新しくマックが長官となっている。
- シーズン6
コールソンに瓜二つの宇宙人サージや寄生生物シュライクの群れ、そしてシュライクを操る宇宙人アイゼルが襲来し彼らと対峙する中、母性を失ったクロニコムが地球を手に入れるためにシールドを襲撃する事態が起きてしまう。
- ファイナル・シーズン
歴史改変によってシールドを消滅させ地球を支配しようとするクロニコムとその首領シビルを止めるためにシールドはライフモデルデコイとして復活したコールソンと共に1931年~1983年までの様々な時代に飛ぶことになる。
クロニコムを倒した後はある者は戦いや冒険を続け、ある者は一戦を退くことになり、長らく続いたチームの活躍に区切りが付くこととなった。
フェイズ4以降
以上がフェイズ3までの活動なのだが、フューリーやマリア・ヒルなど『エイジ・オブ・ウルトロン』以降で登場した元メンバーはコールソンたちとの連絡を断ち、アベンジャーズ(というよりトニー)の支援で独自に動いてる模様。
なおシャロンはCIAに移籍。
また後年、S.H.I.E.L.D.のエージェントが『エンドゲーム』の最終決戦の場にいたことが明かされている。
※メタ的な話、そもそも映画とドラマでは連携が取りにくいという大人の事情に加え、フェイズ4から映画以外の配信作品も本編扱いされるのと対照的に、AoSなどこれまでのスピンオフは正史から外されることが、コールソン役のクラーク・グレッグら関係者から示唆されている。
ドラマ『ワンダヴィジョン』ではS.W.O.R.D.(知覚兵器観察対応局)、『ノー・ウェイ・ホーム』では以前から存在はしていたD.O.D.C.(損害統制局)がそれぞれ登場し、元々のS.H.I.E.L.D.のような役割を担っていくと考えられる。
ちなみにコミックにおけるS.H.I.E.L.D.は地球内の、S.W.O.R.D.は宇宙からの脅威に対抗する諜報機関という棲み分けがされているのだが、『ファー・フロム・ホーム』終盤ではフューリーやヒルがスクラル人と行動を共にしており、地球ではなく宇宙での活動をメインにしているような描写があるため、ちょうどあべこべになっている。