曖昧さ回避
- 漫画『ONE PIECE』に登場する悪魔の実の分類の1つ。読みは「ロギアけい」。
- ドラゴンクエストモンスターズシリーズにおけるモンスターの分類の1つ。読みは「しぜんけい」。ナンバリングタイトルでは植物系のモンスターが当てはまることが多い。
概要
この記事は単行本・アニメ未収録の重大なネタバレ情報を含みます。 |
---|
悪魔の実の能力を大別した分類の一つ。読み方は「自然(ロギア)系」が正しいが、作中では便宜的に「自然系」でロギアと呼ばれる事が多い。
様々な特殊能力が使える超人系、ストレートに身体能力が強化される動物系に対し、身体を自然物そのものに変化させる能力を指し、三種の中でも最も希少。
また後述の特性から3系統のうち最強種と位置付けられる。
食した者の肉体を炎や雷などの自然現象や、砂や雪などの自然物そのものに変化できるようになり、あらゆる物理攻撃をすり抜ける事が可能になる。従って銃や刀などでは一切傷つかず、首を刎ねられようが蜂の巣にされようがすぐに元通りになってしまう。その上、炎や雷、爆発といったエネルギーによる攻撃も無効化されるため、ほぼ実質的な無敵状態となる力を得ることになる。
時折「流動性を持つこと」が条件とされるが、一部氷や森といった流動性を持たない固形物に変化する能力も存在する。ただし、凍結や新芽により損傷した部分が即座に修復され、ダメージを受けている様子もないため、流動性を持つ能力とほぼ変わることはない(※ヤミヤミの実のみ例外)。
更に「雷であれば雷速」「光なら光速」で移動する、「マグマであれば地面を溶かして地中を掘り進む」「ガスや煙は擬似的に飛行を可能とする」といったように、自然物に応じた移動手段を得られるものもある。
その自然物を放出することも可能であり、練度次第では文字通り自然災害といえるほど大規模な影響をもたらすこともできる。
「実質的な無敵状態」「移動力の向上」「広大な影響範囲」などバランスのよい強化具合、それが自然系は最強と称される所以。
ただし「砂は液体に触れると凝固する」「雷は絶縁体に伝わらない」など、自然物なりの天敵が存在しており、天敵による攻撃は受け流すことはできず、場合によっては能力による現象全てが完封されることもある。
また、「マグマグの実>メラメラの実」「ヒエヒエの実>ユキユキの実」など、一部の能力には明確な優劣関係が存在し、能力者同士がぶつかった場合は下位の方が一方的にダメージを受けてしまう。
また、悪魔の実共通の弱点である海楼石に触れている間は能力が発動できず、生身の人間に戻ってしまう。更に覇気を纏えば相手の「実体」にダメージを与えることができるため、自然系能力者相手でもダメージを与えることが可能となる。
しかし、それは同じ土俵に上がれるだけにすぎず、そこから相手を打ち倒せるかどうかはまた別問題。
自然系能力者が覇気を使用できる場合は、覇気で攻撃されても自身の覇気を超えられなければ覇気によるダメージは緩和・無効化できる様子。
作中ではクザンやサカズキが武装色の覇気による攻撃の相殺、更にはシャーロット・カタクリのように超高度に鍛えられた見聞色の覇気による未来視と自然系の特性である流動化を利用した回避方法を見せた。
しかし、このように強力ではあっても、決して完全無欠ではない。
能力者によっては研鑽を怠る者もおり、強者には意外なほどあっさり倒されてしまうこともある。実際、ヌマヌマの実の能力者カリブーは、相手の力を考慮せずペコムズに戦いを挑んだ結果、覇気によって一撃で戦闘不能にされてしまった。このことを作中でペコムズは、「自分が無敵と勘違いした自然系の寿命は短い」と表現している。
また、四皇やその幹部、王下七武海などの強豪は能力を実力と共に鍛錬し工夫することにより、強力な使い方を見せている。
要はどんな能力も本人次第であり、能力が強いから無条件に最強というわけではないのである。
事実、能力の制御は高い練度を必要とするため難しく、一朝一夕の者は任意の部位だけを自然の物質に変化させることすら上手くいかない(トラファルガー・ローによって精神がスモーカーと入れ替わってしまったたしぎは煙状態の体を上手く制御できず移動すらおぼつかなかった)。
どんな能力も力の大きい使用方法であればあるほど心身共に高い実力を必要とする傾向が見られるため、例え自然系の能力による技も能力者の実力を超える場合、自ら繰り出すことは不可能である。
一覧
名称 | 自然物 | 能力者 | 備考・特殊能力 |
---|---|---|---|
モクモクの実 | 煙 | スモーカー |
|
メラメラの実 | 火 | ポートガス・D・エース→サボ |
|
スナスナの実 | 砂 | サー・クロコダイル |
|
ゴロゴロの実 | 雷 | エネル |
|
ヒエヒエの実 | 氷 | クザン |
|
ヤミヤミの実 | 闇 | マーシャル・D・ティーチ |
|
ピカピカの実 | 光 | ボルサリーノ |
|
マグマグの実 | マグマ | サカズキ |
|
ヌマヌマの実 | 沼 | カリブー |
|
ガスガスの実 | ガス | シーザー・クラウン |
|
ユキユキの実 | 雪 | モネ |
|
モリモリの実 | 森 | アラマキ |
|
派生作品オリジナル
名称 | 自然物 | 能力者 | 登場作品 |
---|---|---|---|
ズマズマの実 | プラズマ | スマッシュ | USJプレミアショー2014夏 |
ニトニトの実 | ニトロ | ビュルスト | USJプレミアショー2015夏 |
メタメタの実 | 液体金属 | グレイドル | ドラマティックステージ THE METAL 〜追憶のマリンフォード〜 |
デロデロの実 | 溶解液 | アルトゥール・バッカ | ワンピース novel LAW |
特殊な超人系
ジャンプ本誌掲載時には、シャーロット・カタクリの能力である「モチモチの実」は自然系とジンベエの口から語られた。確かに原型を止めず、攻撃を受け流すことができるなど、カタクリの能力は自然系に近いものではあったが、そもそも餅自体が自然物とは言い難く、掲載直後から物議を醸した。
その後ルフィとの対戦中、未来を見るほどの「見聞色の覇気」との組み合わせで、効率よく身体を変化させて攻撃をかわしていることが言及された(クザンやサカズキなども同様の芸当を行っている)。単行本掲載時に「特殊な超人系」と設定が改められたが、このような設定の根幹が大幅に変更されることは非常に稀である。
ただし、以前からSBS内にて身体を変化させることができる特殊な超人系については言及されていたことがある。
ちなみに、ほぼ同様の性質を持ち、非自然物の水飴に変形する「アメアメの実」が先に劇場版で登場していたりもする。
また、自然系と間違われやすい能力として、ドルドルの実やドクドクの実のような『何かを分泌し操る』タイプの超人系能力も多く存在する。これらは自身が変化しておらず、攻撃を受け流せないため自然系と見分けられる。
攻撃を受け流せないが体は自然現象へ変化しているヤミヤミの実は例外的な自然系として扱われていることを考えると、あくまで人が決めた区分ということもあるだろうが、「体そのものが変化する」ことと「変化する先が人の手が加わらない自然に存在する物である」ことがカテゴリ分けの基準であって、流動性の有無自体はあまり考慮されていないように見受けられる。
もっとも、その割にはニトロになる実も自然系として存在している。主な変化先がいわゆるニトロである人工の有機化合物「ニトログリセリン」であっただけで、本来は「自然界にも存在するニトロ化合物全般」に変化できる能力だったのだろうか(原作外で登場した悪魔の実であるため、作者の意図するところではない可能性もある)。
名称 | 非自然物 | 能力者 | 登場作品 |
---|---|---|---|
モチモチの実 | 餅 | シャーロット・カタクリ |
派生作品オリジナル
自然系への不意打ち描写について
アラバスタ編にて自然系のスモーカーとエースが「ゴムゴムのロケット」で店内に飛んできたルフィにより吹き飛ばされる描写があり、完全に不意を打たれれば自然系でもダメージを受ける様子(他にはスモーカー屈指の名台詞である「おれのズボンがアイス食っちまった」のシーンでも少女がスモーカーの足にぶつかっている描写もある)。
スモーカーやエースの件は一種のギャグシーンだったから、というメタな言い方をしてしまう事もできなくはなく、この手の描写は他にも『ナミとウソップから殴られてボコボコにされるルフィ』といった類例がある。だが、それはそれとして自然系は「能力者自ら身体を自然物そのものに変化させ、流動化することによって攻撃を受け流す」という能力発動をON/OFFさせるスイッチ式の仕組みである可能性が高いため、スモーカーやエースがダメージをうけた理由としては、不意打ちにより自ら能力で自然物化させることができなかったからである可能性が高い。
実際のところ、オートで触れたものに対して発動するのであれば一緒に自然物と化している着衣はともかく武器どころか食器ですらまともに扱えなくなるため日常生活に多大な影響を与えてしまう他、何なら椅子に座るだけで椅子が燃える、偶然手と手が触れあった瞬間に相手を凍らせる、食物が体をすり抜けてそのまま落ちるといった事故が多発してしまう。この点を考えると、ある程度能力者のさじ加減で能力のON/OFFを切り替えられると考えるべきだろう。
作中でもエースやサボがメラメラの実の炎を上手く使いこなせず、炎が暴発してしまうシーンが描写されたことがあるため、能力の発動は能力者本人の任意であり、鍛えることでその操作性が向上する可能性があることがうかがえる。
また、別の視点としてエネルが居眠り中に槍で頭を貫かれる攻撃を受けたことがあるが、エネルは心鋼(見聞色の覇気)と自身の能力を組み合わせて絶大な探知能力を得ていたため、実際には不意打ちでもなんでもなかったのではないかとする見解もある。
自然系の「覚醒」について
超人系や動物系は、能力の覚醒者が確認されているのだが、自然系に関してはこれまでのところ1人も確認されおらず、不明となっている。なので、「自然系は覚醒しないのでは?」という見解も多く見られるが、それではメタ的考えても不公平な設定となってしまうので、疑問が残る。そもそも、自然系の能力は、
- 最強種である分、超人系や動物系と比較すると個数が極端に少なく、実力者も含めて能力を得られる確率は最も低い方に位置する系統なので、自然系の能力者が現れにくいこと
- 「悪魔の実の能力の覚醒条件(心身が能力に追いつくこと)」「従来の覚醒者」全てを考慮すると、各悪魔の実の能力によっても覚醒する基準が異なっていることも考えられ、能力自体が持つ(エネルギー量の)強さが強くなれば強くなるほど、覚醒に至るまでのハードルが高くなること
- 現時点まで悪魔の実の能力の系統ごとに統計をとったところ、他の超人系や動物系で計算すると悪魔の実の能力者において、あくまでも計算上は系統ごとにおよそ数十人に1人程度の割合で作中世界に能力の覚醒者が現れる計算になるのだが、あくまでも計算上は自然系はそろそろ覚醒者がいても不思議ではないのだが、現状判明している能力者の人数が数十人よりも少なく、完全な意味では覚醒者が現れる段階ではないこと(※統計は原作の能力者に限定し、覚醒が未確定な能力者は除外)
によって覚醒者が現れにくいということが考えられるからだ。実際に、自然系は例外なくポテンシャルが非常に高い能力ばかりで、仮に強者が能力を得て使いこなしても、心身が自然系の能力に追いつくにはかなりハードルが高いので、中々到達しない可能性があり、さらに能力者が他の系統と比較しても現れにくい以上、当然覚醒者も現れにくくなる。
作中では悪魔の実の能力者も多く出てくるので、誰でも簡単に能力を得られる確率の方が高く感じてしまうが、実際に悪魔の実の能力に関して、世界規模(作中世界の人口が不明なため、現実世界の世界人口)で計算すると、
- 超人系の能力は、およそ9000万人に1人の割合で能力者になれる計算
- 動物系の能力は、およそ2億人に1人の割合で能力者になれる計算
- 自然系の能力は、およそ6.5億人に1人の割合で能力者になれる計算
のように条件を同じにすると、自身が悪魔の実の能力者になれる確率は宝くじの最高額の当選者が現れるくらいに非常に低く、しかも能力者になれたとしても、それは自然系以外の系統の方が、極めて高い確率で能力者が現れる可能性が圧倒的に高いということになる(※統計は現時点までのもので、さらに原作の能力者に限定している)。
つまり、自然系の能力に限っては、仮に覚醒者が現れたとしても、それは最低でも数百年に1人程度の割合でしか現れないような長いスパンになるので、他の系統と比較すると覚醒は「極めて稀最低象」となる。
また、覚醒の存在が判明して以降、ルフィ達とサシでまともに戦ったことのある自然系の強者は黄猿のみで、データがかなり不足している状態なので、自然系の「覚醒」の存在を判断できる段階ではない。
このことから自然系は覚醒が起きないのではなく、それが起きるのは3系統と比較しても「極めて稀な現象」であるために、覚醒の存在自体に気づいていないだけである可能性の方が高いというのが最も自然な考え方だ。
また、一部からはパンクハザード(極寒の地と灼熱の地)の描写が、自然系の覚醒能力によるものと囁かれ、もちろんその可能性は十分考えられるのだが、現在のところ詳細不明となっている。