栗花落カナヲ
つゆりかなを
「…考える必要はない 言われた通りに鬼を斬るだけ」
「全部どうでもいいから 自分で決められないの」
「師範の指示に従っただけなので お礼を言われる筋合いは無いから さようなら」
プロフィール
概要
主人公・竈門炭治郎の同期剣士の一人。
炭治郎と同日に最終選別に挑み、これを生き残った五人の内の一人だが、炭治郎を含めた他の三人（伊之助は集合場所にいなかったため不明）が満身創痍であったのに対して、カナヲは傷どころか土汚れ一つなく涼しい顔で選別を突破していた。
「那田蜘蛛山編」で再登場した時には事後処理部隊『隠(かくし)』の指揮を任されており、後に蝶屋敷の庭で胡蝶しのぶの"継子"である事が明かされた。
機能回復訓練では炭治郎、善逸、伊之助を相手に、彼らが病み上がりという点を差し引いても圧倒的な実力差を見せつける。これは全集中の呼吸・常中をいち早く習得しており、最終選別を簡単に突破したのも純粋に相応の戦闘力を有していたことが理由であった。
物語中での初登場そのものは早期であり最終選別から姿を見せているが、強敵との戦闘シーンが描かれるのは物語終盤からであり、炭治郎の同期組主要メンバーの中では本格的な活躍が最も遅かった。また元から口数が少ないこともあり初めて台詞を発したのは那田蜘蛛山編からである。
一方で幕間には度々登場しており、少しずつ物語へと絡んでいく。
過去
「お腹がすいた 悲しい 虚しい 苦しい 寂しい そんな日々だった」
「だけどある日ぷつんと音がして 何も辛くなくなった」
幼少期は貧しい家に生まれ、両親から死ぬ間際の虐待を受けながら育つ（兄弟が何人かいたが、泣くと引き摺り回され殴られ蹴り回され、瓶の中の水の中に顔面を押し込まれたりといった多くの虐待による暴力で殆どが冷たくなり、命を落とした模様）。
泣くと虐待により殺されてしまう状況や、苦しみから逃れるために感情を閉ざし（当人の言では『ある日ぷつんと音がして 何も辛くなくなった』らしく精神崩壊に近い）、そのまま親に人買いに売り飛ばされ縄で連れ歩かされているところをしのぶと彼女の姉のカナエに保護され胡蝶姉妹に引き取られることとなる。
しかし胡蝶姉妹に出会った後もその頃には既に生育環境により、感情を動かすこと自体に混乱や違和感が生じたり、自分の頭で考えて行動することができなくなっていた。
このことの暫定処置として、カナエに貰った「表」「裏」と書かれた銅貨を投げて物事を決めている。
姉妹に出会うまでは名前すら与えられておらず、「栗花落」という苗字はいくつかの候補の中からカナヲ本人が決めたものであり、カナエとしのぶの「胡蝶」以外にはアオイの「神崎」、「久世（くぜ）」「本宮（もとみや）」などが候補に挙がっていた（19巻大正コソコソ話より）。
ちなみにこの時妹が欲しかったアオイが神崎姓を必死に激推ししまくっていたらしい。
なお、名前も同じように決めたのだが、この際はカナヲの他にしのぶの出した「スズメ」「ハコベ」「カマス」「タナベ」「とびこ」と言ったぶっ飛んだ名前候補が挙げられており、「カマス」を選ぼうとした瞬間、アオイが競技カルタのような早業で阻止したことで、無事に「カナヲ」に落ち着いた経緯があったそうである。
人物
花のように可憐な 感情を出さぬ少女
サイドテールの髪型に紫色の瞳をした、どこか儚げな雰囲気を感じる美少女。
上記の過去の経緯から、当初は常に穏やかに微笑んでいるが自ら喋ることは殆どなく、最終選別終了時の揉め事に一切興味を示さず、師範であるしのぶに同期三人の特訓に混ざることを奨められるも、無言で辞退していた。
鬼殺隊に入った理由は、蝶屋敷での家事や怪我人の治療をアオイ達の様に上手く出来なかったため。カナエとしのぶからは認められなかったが、カナヲは見様見真似で"花の呼吸"を使えるようになっており、更に最終選別に無断で参加し突破してしまう。
それは鬼に家族を殺されたアオイやきよ達、両親や姉、継子達を亡くしたしのぶ、蝶屋敷で優しく接してくれた隊士やしのぶの継子達が鬼に殺されていくのを見ていて、次第に鬼を許せない気持ちが強くなっていった末の行動であり、間違いなく彼女の意志であった。
以降はずっとカナヲを心配するしのぶから、とにかく迷わず、考えず、鬼の頚を斬るよう言い聞かされていた。
能力
視覚
炭治郎が嗅覚、善逸が聴覚、伊之助が触覚に優れているように、彼女は卓越した静止／動体視力を持っている。
上述のように機能回復訓練開始当初、反射訓練、全身訓練では彼等を軽くあしらっており、ながらく継子であったことも影響していると思われるが、恐らくこれもカナヲの視力によるものと考えられる。
後の童磨戦では、童磨の肩・視線・つま先・肘・膝等の全身の動きを見て次の攻撃動作を予測するという離れ業をやってのけた。
執拗な童磨の攻撃を回避し続け、「柱の娘より実力があるのかもしれない」と童磨に思わせるほどの戦いぶりをみせた。
全集中 花の呼吸
鬼狩りの剣士が鬼の頚を斬るために用いる“全集中の呼吸”、その中の“水の呼吸”から派生させた流派。全ての型に花の名前が入っているのが特徴。なお、カラー版だと型のエフェクトにそれぞれの花の種類に対応する着色が施されているという、芸の細かさを見せている。
- 弐ノ型 ～ 陸ノ型
詳細は花の呼吸の項を参照
栗花落カナヲのみが行使できる、特殊な絶技。
身体機能を活性化させる“全集中の呼吸”の血流を、更に眼球へと収束する事で、カナヲの超視覚（静止／動体視力）をブースト・アップさせる技。
行使している間は、相手の動きがスローモーションのように映る……認識時間そのものが拡張していることから、脳内麻薬を意図的に過剰分泌させての、非常意識状態への強制移行も推察される。
これらによって得られる超速反応によって、より的確な“後の先”を取るという、絶大なメリットを享受できる。
ただし言うまでもなく、カナヲの視神経が受ける負荷も甚大であり、網膜血管が破裂寸前まで拡張して、強膜が彼岸花の如く朱に染まるほど。このため技の使用時間に比例して、失明のリスクが高まっていく。
装備
鬼殺隊士として、日輪刀と隊服を支給され鎹鴉を宛てがわれている。
日輪刀
詳細はこちらを参照。
カナヲが持つ日輪刀は淡い桃色に染まっている（花の呼吸への適性を持つ事を示していると思われるが、そもそも花の呼吸に対応する日輪刀の色が明言されていないこと、"恋の呼吸"への適性を持つ甘露寺蜜璃の日輪刀が類似の色に染まっている事から詳細は不明）。
拵について、鍔は剣呑な『鬼狩りの刀』とは言え、少女隊員の装備に相応しく丸形で白地に梅の図が施された、華やかな意匠を持つ。又、柄は桃色の鮫皮の上から白い柄糸を巻いており、鎺と縁頭、口金と鐺は黄色である他、鞘は黒塗りで上方の中間辺りには鍔と同様の梅の花の意匠が施されている。
隊服
背に“滅”の字が描かれた、黒い詰襟。
特別な繊維でできており、通気性は良いが濡れ難く、燃え難い。雑魚鬼の爪や牙ではこの隊服を裂く事すらできないほど頑丈。羽織は白の無地で赤い飾り紐が付いている。
履物は草履ではなくブーツで、玄弥と同じく全体的に洋装寄りのデザインとなっている。
ちなみにカナヲの隊服の下は初期の頃は膝下まである長さだったが、何故か回が進むにつれてアハ体験の如く気付かれないよう段々と短くなった（推察される原因については、この人を参照 → 単行本21巻にて確定。やはりお前か）。
蝶の髪飾り
カナヲが髪を結うのに使っている蝶を象った髪飾り。
蝶屋敷にいる少女達が髪に着けているのは全てカナエから貰った家族の証である。
カナヲの場合は幼少の頃は赤紫色だったが現在は桃色で、これは鬼に殺されたカナエの形見の一つでもある。
17巻にてカナエと共に設定が明かされた。学年は炭治郎達よりも上の2年で、組は菫組。現・学園3大美少女の1人。
身寄りがないため胡蝶家に引き取られたのは本編と同様。カナエとしのぶとは面立ちが似ているので本当の姉妹と思われがち。学園では華道部に所属しているが、運動神経が抜群なためよくスカウトされたり助っ人を頼まれたりしている（カナヲ本人は華道部の方を優先したいと思っているらしく、コミカライズ版ではバレーボール部のスカウトから逃げ回っている姿が描かれている）。こちらでも炭治郎に好意を抱いている。
外部出演
コトダマン
光属性・英雄族のコラボユニットとして登場。
コラボ召喚より排出されるユニットの中ではレアリティがワンランク下の☆4となる。
火力は他の鬼滅ユニットの中では見劣りするものの、すごわざ「考える必要はない」で回復をしつつ相手に攻撃を仕掛けられるのが強み。
また、☆4ユニットとしては唯一の二属性持ちで、光属性以外にも水属性も扱える。
『無限城決戦編』にて（以下、ネタバレ注意）
※「無限城決戦編」は『鬼滅の刃』の最終章に当たるため、見出しからのネタバレ（当キャラの生死含む）防止目的であえて下記のように表示している。
ネタバレB
愈史郎の札を使い姿を消した上で無惨に攻撃を仕掛けるが、無惨の全方位攻撃によって仲間達は戦闘不能となり、運良く直撃を免れたカナヲも札が斬られた事で無惨に見付かってしまう。
絶望的な状況の前に為す術も無く座り込むカナヲに容赦なく無惨が襲い掛かろうとしたその時、死の淵から復活した炭治郎が参戦。間一髪でカナヲは助かり、炭治郎の手で隠に託された。
| これより先は単行本22巻以降のネタバレの為、注意。 |
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更にそれ以降の詳細はこちらを参照。ネタバレ注意。
ネタバレC
こちらを参照。ネタバレ注意。
