声:假野剛彦(この他にもカイザギアやデルタギアの音声も担当)
概要
仮面ライダーファイズに変身するライダーズギアのことであり、普段は銀のアタッシュケースの中に収められている。ファイズギアはそのセットを丸ごと総称する名称である。狭義には変身アイテムであるファイズドライバーとファイズフォンのみを指す。
今までの仮面ライダーがベルトや腕輪だけで変身していたのに対し、ファイズはベルト+携帯電話で変身するという点が話題を呼んだ。また他のライダーズギアにも言える事だが、ガジェットのほぼ全てが(変身ベルトのベルト部分も含めて)転送も自動生成も召喚もされず、そのままの形で持ち歩かなければならないというシリーズ全体で見ても珍しい形式になっている(以降のシリーズでは変身ベルトのバックル部分だけ持ち歩く形式が主流)。よって目立たずに携帯する用途には向かない。さらに、取扱説明書までついている。
各種ガジェットは一般的な電子機器として市販されているが、ファイズフォンからミッションメモリーを外して取り付けない限り、セーフティーを解除して戦闘に使用する事は出来ない。
当時流行し子供にとって憧れのアイテムであった携帯電話をモチーフにしたこと、クールな電子音声や、あれこれ操作して各アイテムが連動するギミックが受けて、それらを再現した玩具も前作を大幅に上回る売り上げとなった。この記録は、6年後のダブルドライバーに更新されるまで、平成ライダーの変身ベルト玩具の販売記録としては史上最多であった。
ちなみに物語序盤は持ち運んでいたカバンが巧の私物とデザインが一緒だった事もあり、よくパンツと入れ替わっていた。また、盗まれて質屋に出されていた際には5000円で売られており、店主には腹巻きと間違われていた。使い心地は暖かったらしい。(それってフォトンブラッドの熱じゃあ…)
ちなみに後年に発売される事となる、劇中の仕様に近付けたCSMより安い。変身できる本物より高いCSMとは…。
ライダーズギアには『SB-○○○ ○』と対応ライダーの変身ナンバーと装備に対応したアルファベットが形式番号としてついている。この形式番号のSBはスマートブレインの略、末尾のアルファベットは実用品としての名称の頭文字を示していると思われる。
なお、変身ナンバーを持たないライオトルーパーや対応する仮面ライダーが複数居るジェットスライガーなどの型式番号は例外となっている。
内容
SB-555B ファイズドライバー
銀のベルト。腹部に装着し、中央のバックルに待機状態のファイズフォンを突き立て左に倒すことで変身する。
SB-555P ファイズフォン
携帯電話。555、ENTERと打ち込んでファイズドライバーに突き立てることでファイズに変身する。また、変身時以外の時でも通常の携帯電話として使用可能。
光線銃「フォンブラスター」としても使える。
SB-555L ファイズポインター
デジタルトーチライト(懐中電灯)。右腰にマウントする。
ミッションメモリーをセットすることでキックモードに変形、右脚の脛部分のホルスターに付けることで必殺技のクリムゾンスマッシュを放つ際の照準器となる。
SB-555C ファイズショット
デジタルカメラ。左腰にマウントする。
ミッションメモリーをセットすることでナックルモードとなり、手に装着して必殺技のグランインパクトを放つ。
ライダーマシン搭載武器
SB-555H ファイズエッジ
オートバジンの左ハンドル。ミッションメモリーをセットして引き抜くことで、フォトンブラッドの通う赤い刀身が出現する。いわゆる剣型の武器。
ロウ・ミディアム・ハイ・アルティメットの4段階出力調整が可能。
必殺技はスパークルカット。
追加装備
SB-555W ファイズアクセル
デジタル腕時計。アクセルメモリーをミッションメモリーを引き抜いたファイズフォンにセットすることでアクセルフォームに変身する。このアイテムのみ初使用後はスーツと同化したのか変身後に自動的に左腕に装着されており、個別の装備として持ち歩く状態が描写されていない。
SB-555T ファイズブラスター
トランクボックス型ツール。ファイズフォンを差し込みコードを入力することでブラスターフォームに変身する。
その他
SB-555A ファイズサウンダー
CDラジカセ。ハイパーバトルビデオ限定で登場したファイズギアで、もともとは『てれびくん』公募の新武器コンテストの金賞に選ばれた作品。
ミッションメモリーを差し込んで変形させる事で音波砲に変形。パッケージイラストではCDを発射する事も出来るらしい。
仮面ライダー図鑑では『響鬼』『キバ』関連以外で唯一楽器にカテゴライズされているが、ハイパーバトルビデオの内容が夢オチであるため「実際には存在していない」とも明言されている。
ライダーマシン
SB-555V オートバジン
オートバイ。専用コードを入力することで人型のバトルモードに変形する。
SB-VX0 ジェットスライガー
超大型アタッキングビークル。「3821」のコードを入力する事でどこからともなく出撃してくる。
ネクストファイズ用
SB-555BN ファイズドライバーNEXT
銀のベルト。腹部に装着し、中央のバックルに待機状態のファイズフォン20 Plusを突き立て左に倒すことで変身する。
SB-555P20 ファイズフォン20 Plus
スマートフォン。555、ENTERと打ち込んでファイズドライバーNEXTに突き立てることでネクストファイズに変身する。また、変身時以外の時でも通常のスマートフォンとして使用可能。
光線銃やナックルガードとしても使える。
玩具
前述の通り、平成一期の変身アイテムとしては最高の売上を誇るベルト。
DX版、CS版、CSM版が発売されている。違いは以下の通り。
- DX版…ファイズフォン、ショット、ポインター、エッジ、アクセル、ブラスターがそれぞれ単品で発売。DXの穴が空いた小さなベルトと簡略化されたデザイン。
- CS版…ファイズフォン、ショット、ポインターがセットで発売。フォンやベルトはプロップサイズに大型化し、蛇腹構造になっているが、ショットとポインターはDX以上にハリボテ。
- CSM版…ファイズフォン、ショット、ポインターがセットで、後にアクセルも発売。CSサイズでDX以上のなりきり遊びができ、キャストボイスやBGMも収録。見た目も向上。
- CSM版Ver.2…『555』放送20周年を記念して発売。細部がより劇中に近づいた造形になった他、サウンドやキャストボイス周りが一新された。必殺技発動時に連動してΦの紋章が浮かび上がるプロジェクターも新たに付属する。また、これらのギアを収納できる「CSMファイズギアボックス」の発売も決定している。ところが2023年12月26日、「bgmスタンバイモードにして変身後、エクシードチャージできない仕様って酷い」などSNSで苦情が出回った。その二日後には事実と異なる表現及び捏造されている機能が5件も発覚したがバンダイはそれを仕様と押し通し平謝りで謝罪、その結果ファンの怒りをさらに買うハメになり大炎上。これを受けバンダイは開発者ブログが約四ヶ月間更新休止する最悪の事態となった。それから2024年4月12日にはブログ更新が再開されるもこの事件についての謝罪すら一文も無かった。なお誹謗中傷及び間違った情報を伝えるのを防ぐべく、担当者の名前全員非公開及びブログ更新を不定期にするといった厳しい措置が取られた。なお、この事件がきっかけでファンの間ではCSMを買わなくなった及び推しライダーだけしか買わなくなり裏切られたファンもいるどころか「バンダイ最大の汚点」、「CSMブランドへの失望」、「Ver.1の方がまだマシだ」、あるいは「日本中だました」と批判する声も少なくない。
- DX版(2024年)…中国で販売されたファイズドライバーのみの再販版。カイザギアも同時販売。当時の金型は残っていなかったらしく、今回の再販用に新規で作り直されており、当時品とは造形などに若干の差異がある(スピーカー穴が大きい、フォン内部のSMART BRAINのロゴ造形が緩いなど)。音声面も変更され、音質が向上した他、エクシードチャージはクリムゾンスマッシュの音声が加えられている。
余談
- 劇中でファイズギアを収納していたアタッシュケースは当時発売された玩具に倣って「ファイズギアボックス」と呼ばれることが多い。劇中のプロップはデルフィナス VGC-7701という市販のガンケースを改造したもので、当時から有志による改造作例も見られた。現在このアタッシュケースは販売終了となっており、プレミアがつき始めている。
- 本作のプロデューサーを務めた白倉伸一郎によると、日用品や電化製品をガジェットに用いるというコンセプトは映画『スパイ・キッズ』からインスピレーションを受けたとのこと。
- 『仮面ライダージオウ』ではファイズフォンⅩと呼ばれる、ファイズフォンをモデルとした「ライドガジェット」が新たな登場。エクシードチャージも発動可能であり、ファイズショットやファイズポインターに似た装備を召喚することが可能。ただし変身機構などの有無については不明。
関連タグ
仮面ライダー555 ガジェット ツール オルフェノク 変身ベルト
ファイズアーマー:仮面ライダージオウにおけるファイズの力を持つ装備。
戦極ドライバー:主役ライダーの変身ベルト。数字とアルファベットが刻まれたキーアイテムを装着して変身する、敵対する大企業によって開発されたといった共通点がある。
ライダーズギア一覧
以下ネタバレ
他のライダーズギアも含めてその全てが「オルフェノク(=怪人)」専用アイテム。
つまり「人類が怪人に対抗する為に制作した」ではなく「オルフェノクがオルフェノク(の裏切者)を抹殺する為に制作した」ツールである。
まぁスマートブレイン社製であるし、そもそも仮面ライダーシリーズでは何時もの事と言えよう(仮面ライダー1号も本来は「ショッカーの怪人バッタ男」である)。