データ
別名 | 毒炎怪獣 |
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身長 | 57m |
体重 | 4万5千t |
スーツアクター | 新井宏幸(『タイガ』、『トリガー』) |
概要
『ウルトラマンタイガ』第5話「きみの決める未来」に登場。
セゲル星人に侵略兵器として使役される怪獣。彼らの持つ丸い水晶玉を触媒に召喚され、召喚後は一切の命令を受け付けず、本能のままに暴れ狂う。
二足歩行のオーソドックスな怪獣型だが、全身を毒々しい緑色の鱗に覆われたヘビとライオンの相の子のような容姿を持つ。
最も目を惹くのは頭部の造形で、眼は皿のように見開かれ、瞳は近くから注視して辛うじてわかる程に小さく、しかも焦点が定まっていないという不気味な面相を持つ。
セゲル星人葵は「セグメゲル様に選ばれた」と自負していた事から、母星では神として崇められている存在であると思われる。
能力
口から放つ毒を含んだ紫色の火炎放射「セゲルフレイム」を武器とする。この毒はセゲルフレイムのみならず、全身の体液にも混ざっており、全身余す所無く毒まみれという厄介な怪獣である。流石にキングゲスラのように体の一部を触っただけで毒に侵されるということは無いが、それを差し引いても強力にすぎる毒性を誇り、その強さたるや尻尾を破壊して血を浴びてしまったタイタスが激しく悶絶する程である。更にタチの悪い事に、この毒は相手が浴びた箇所から侵蝕してゆく特性も持つ。
また、同じく口から吐く青白く渦巻く火炎の奔流「フレイムボルテクス」(こちらは無毒だが破壊力は抜群)や、鋭い牙での咬みつき攻撃「セゲルバイト」、長い尻尾と鋭い爪も強力な戦力。
しかも複数個体が存在するようで、倒してもセゲル星人を倒さない限り別の個体が何度でも召喚される。
活躍
第5話「きみの決める未来」
セゲル星人葵によって世田原区に召喚され、そこに現れたウルトラマンタイガと戦闘となりセゲルフレイムで苦しめるも、ゼロ距離でストリウムブラスターを食らい爆死する。
その後葵によって別の個体が召喚され、セゲルフレイムや尻尾での攻撃でタイガのみならずフーマも苦しめ、傷口から溢れる毒血でタイタスをも追い詰める。しかしピリカの説得に絆された葵が自らの命を犠牲に毒の抗体となり、タイタスを解毒したことで形勢は逆転。最後はエレクトロバスターを食らい爆死した。
ニュージェネクライマックス
ヘルベロス、ナイトファング、ギガデロス、ゴロサンダーと共にトレギアが怪獣リングから召喚し、新世代ヒーローズと戦う。
主にエックスと戦うが、最後は劇場版形態となった五大ウルトラマンの一斉攻撃(自身はオーブトリニティのトリニティウム光輪)の前に他の四体共々敗れ去った。
ちなみにエックスとの戦いは、「人間や怪獣と絆を育んだウルトラマン対絆を否定するトレギアに召喚された怪獣」という構図及び、「仲間と横の繋がりで結ばれたウルトラマン対セゲル星人と縦の繋がりで結ばれた怪獣」という構図になっている。
その後の作品での登場
ウルトラマンZ
第2話「戦士の心得」の回想シーンにて、デビルスプリンターの影響で暴走した怪獣の1体として登場。何気にデビルスプリンター有りとはいえ、野良のセグメゲルという可能性もあるが詳細は不明。
OPではベータスマッシュと戦っている。
ウルトラマントリガー
第18話「スマイル作戦第一号」にて、回想シーンで登場。どこかの場所でトリガーダークとカルミラの二人と激突。トリガーダークにセゲルフレイムを浴びせるなどの善戦を見せたが、二人のコンビネーションに圧倒された末にカルミラの破壊光線とダークゼペリオン光線の同時攻撃で撃破される。
この戦闘シーンではやたらと上空が緑がかっていたほかに何かしら都市のような物も確認できるため、「この場面でカルミラとトリガーたちが戦っていたのは地球ではなく『トリガー』世界のセゲル星なのでは?」という考察もあった。今のところは公式からの言及はなく、BOX解説書にて田口監督が「セゲル星が闇の巨人に侵攻されたイメージで撮影した」と言及している程度である。
何気に今作品ではヘルベロスやウーラーといった『タイガ』出身の怪獣のスーツが軒並み別怪獣に改造されてしまった上にナイトファングは登場しなかったため、タイガ怪獣では唯一そのままの姿で劇中に登場した。
なお、一応『Z』の回想シーンを含めれば事実上『トリガー』の登場により令和ウルトラシリーズで3年以上別作品に続投するというちょっとした快挙(?)も果たした。ウルトラシリーズで同名の怪獣が作品の垣根を越えて出現するのは昭和からの伝統ではあるが、チョイ役とはいえこのように連続して同じ怪獣が抜擢された例は少数である。
余談
- これ以前のシリーズにも毒と炎を兼ね備えた怪獣としてバードンが登場しており、こちらはタイガの父であるウルトラマンタロウやゾフィーを倒すほどの強豪で、『ウルトラマンメビウス』では部位破壊した場所によっては毒液が飛散すると言う厄介な特性を持っているなど、能力に共通点が多い。
- 名前の由来はエジプト神話の神セクメトとメルセゲルから取られており、それにちなんでデザインもヘビとライオンをモチーフとしており、頭部の造形も横からと眉間から顔の上顎はヘビ、正面と牙と下顎からはライオンの獰猛さが見えるよう造形段階でアレンジしている。半々に混ざったものの3種類のラフの中からライオンとヘビのハーフが選ばれ、そこに女神の要素を足したものとなった。鱗と鬣は鎧のような形状にしている。甲羅の筋彫りは二股に分かれたへビの舌がモチーフで、額、腕、背面、尻尾、背中のトゲにも同様のものが入っている。
- デザインモチーフが女神であるため、体型も女性(メス)的に造形されている。
- 目は『ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃』のゴジラの白眼の中に白濁してぼやけたような黒目があったことから、ボロボロになって死んだ目のイメージとして取り入れられている。
- 監督の田口清隆は、本来は葵の母星の守護神で美しい姿をしていたが、侵略活動のために酷使されて劣化しこのような恐ろしげな姿になったと想定しており、造形段階で傷を付けたり、筋彫りも所々欠けたものとなっている。カラーリングは金色やアルビノの白い蛇を意識したものもあった。
- ピリカと葵が楽しんでいた思い出の象徴である観覧車を壊すことで、破壊や侵略によって奪われるものを象徴的に描いている。当初は2人が乗る案もあったが、時間的に難しいため断念し、2人の後ろに入れ込んで撮影している。
- 劇中では関与している描写はなかったが、戦闘を見ていた霧崎の台詞と倒した後に怪獣リングが出現した事から、後に登場するロボット怪獣と同じく事前にトレギアの「感情」を埋め込まれていた可能性が高い。
- 当初は『ウルトラマンX』に登場したデマーガの改造を前提にデザインされていたが、最終的に新規造形となった。そのため上記の『タイガ』ではタイタスがエックスレットで発動するエレクトロバスターで倒され、『ニュージェネクライマックス』でエックスと戦うなど、何かとエックスと因縁のある怪獣となっている。
- 着ぐるみは『ウルトラマンデッカー』でスフィアジオモスに改造された。ちなみに当初は『Z』のデストルドスを改造する案もあったが、今後使う頻度が少なく、二足歩行の恐竜体形だったセグメゲルが選ばれた(田口監督はそれを知って惜しんだという)。ほぼ芯しか使用していないため実質新造レベルだとか。
関連項目
ウルトラシリーズ
マガジャッパ:同じくニュージェネ新参怪獣の毒劇物二大巨頭の一角。後に『タイガ』にて原種が登場した。
プルーマ:こちらも血や汗などの体液が毒に満ちている。
ケルビム:顔つきがヤバい怪獣繋がり。
他作品
ヘルガー:同じく毒性の炎を操る。
ギドラ(アニメ映画):異星人から神のように崇められてる怪獣繋がり。