ヘルナラク
へるならく
概要
『ウルトラマンアーク』に登場する怪獣。
第16話「恐れの光」にて、ザディーメの残した次元の裂け目から送り込まれた尖兵であるモグージョンの見た幻影として顔見せ程度に登場し、その後ザンギルの口から初めて存在が明かされる。
ザンギルからは"冥府の闇将軍"と呼ばれ、別名もそのまま「冥府闇将軍獣」。
この世とあの世の境界にある魔界に君臨する存在で、自身の尖兵となる幽体怪獣達(曰く「悪霊や鬼と言うべき存在」)を生み出して現世へと送り込み、この世の調和を乱して『アーク』世界の地球に自身の怪獣幕府を打ち立てようと目論んでいるらしい。
ただし、手駒とするつもりでザンギルも蘇らせたのだが、本人の善性もあり、支配を脱して敵対される。
挙句に本来ならば無敵の軍団だった筈の幽体怪獣達は、ザンギルが自分の刀「流星剣」を使った幽体と実体の境界を揺るがす力をSKIPにもたらした所為で次々と撃破され、侵攻は立て続けに失敗する。
しかし、大量に送り込んだ無数のタガヌラーが倒されて以降は、少数の幽体怪獣を毎日のように何度も送り込んで敵を疲弊させようとしたり、次元の裂け目内で卵を孵化させてから送り込むなど、「将軍」と呼ばれるだけあってか巧みに戦術を変える知能の高さがうかがえる。
ザンギルの話によれば、第17話「斬鬼流星剣」の時点でヘルナラク自身も次元のすぐそこにまで迫っていたが、その行く手を遮り戦っている勇者によって侵攻を食い止められているという。
外見
左右で様相が大きく異なる歪な姿をしており、右半身は幾何学模様が刻まれた鎧を着込んだかのような無機質な姿だが、左半身はまるで肉体を蝕むかのように複数の怪獣が見境なくごちゃ混ぜに組み合わさったような、奇怪な肉塊の如き醜悪な風貌となっている。
その各部のパーツは、確認できるだけでも左脚にバザンガの外殻、左肩にゲードスの頭部、左胸にタガヌラーの小さな前脚、左腕の先端にタガヌラーの鎌とレヴィーラの触角、左腕の体表はニジカガチのものに似ており、目玉はゲバルガのものに酷似、背面にはモグージョンのトゲや尻尾と、前作に登場した怪獣達らしきパーツばかりとなっている。
配下の幽体怪獣の面子も前作の怪獣達ばかりであることを考えると、まるで配下の幽体怪獣達を利用して自身の肉体を構成しているようにも思えるが…?
能力
体を左右に分割することで、死んだ怪獣の魂や残留思念を封じ込めたクリスタル状の幽体怪獣の卵を生み出し、次元の裂け目から送り込み、孵化した幽体怪獣達に闇のエネルギーを供給して支配下に置いている。この幽体怪獣の卵は、単純に飛び道具としても利用される。
他にも、攻撃技として両眼から赤い怪光線「冥府闇眼光」を放つ能力を持つ。
ヘルナラク最大の弱点は、体の中心部分にある幽体怪獣の卵を生み出す器官である内部コアだが、強固な皮膚に覆われているため、攻略は困難を極める。
劇中の動向
当初、自身は次元の裂け目の奥に潜みつつ、第16話から手下の幽体怪獣を何度も『アーク』世界の星元市に送り込んでいたが、第18話「アーク協力要請」にて遂に本体が登場。
送り込んだバザンガがアークによって倒された後、オニキシウム粒子を浴びて閉じられそうになった次元の裂け目から、直々に『アーク』世界の地球に顕れようとする。
それをアークは阻止すべく、這い出てこようとするヘルナラクを必死に押さえ込みながら、共々次元の裂け目に飛び込み、姿を消してしまった。
……その後、ユウマが目を覚ますと、そこは星元市ではなく星下市となっており、目の前には町を闊歩するヘルナラクの姿があった。
そこに現れたのはなんとアースガロン。両者の闘いが始まる中、ヘルナラクが放った幽体怪獣の卵からユウマを庇ったのは、石堂シュウと瓜二つの防衛隊員であった……。
その後、夏目リンや伴ヒロシと瓜二つの防衛隊員とも対面。一般市民と間違われ避難するよう促されたユウマだが、「自分にも何かできることがある」と飛び出し、アークに変身。ブレーザーと協力してヘルナラクと交戦する。その直後にユウマに似た防衛隊員も登場していた。
ヘルナラクは二人のウルトラマン相手に互角以上の戦いを繰り広げ徐々に追い詰めていくが、ブレーザーの放ったスパイラルバレードにアークがアークファイナライズを発射したことで体に穴を開けられ卵を生み出す生体器官が露出。これ以上の交戦は無理だと判断しバザンガを差し向け撤退するが、ブレーザーの機転でアークが次元の穴を通り追跡。バザンガはブレーザーとアースガロンに足止めされてしまう。
ブレーザー世界を追い出されてもなお、アーク世界を完全に掌握すべく4日間にわたり周囲に卵を生み続けて防衛隊もSKIPもお手上げ状態となって星元市全域から住民が避難すると言う状況に追い込んでいたが、防衛隊による総攻撃を前にユウマがアークに変身したことで交戦。
先程とは違いアークに1VS1の勝負を仕掛け圧倒するが、卵をSKIPメンバーと防衛隊の戦闘機の尽力で無力化されてしまい、更にはブレーザー世界でブレーザーがアークに与えていた力の一端が「ブレーザーキューブ」へと変化。
「スパイラルバレードソードアタック」をモロに喰らい、そのまま前回の戦いと同じくアークファイナライズを立て続けに喰らいついに爆散した。
余談
- 名前の由来は「hell(地獄)」+「奈落」と思われる。
- OPでは第14話より登場。
- ソフビはウルトラ怪獣シリーズで2024年11月23日に発売。
- 「己の野心のために怪獣幕府を開こうとする冥府の闇将軍」というのがヘルナラクの簡潔な説明だが、実際に自分で名乗った訳ではなくザンギルの侍口調な比喩表現の可能性もあるため、表現方法がこれで正しいかは不明。ただし、別名は「冥府闇将軍獣」となっているため、肩書きに関しては概ね合っていた模様。
- なお、出身地や目的こそ判明しているものの、このヘルナラクが元々どういった経緯で魔界に君臨した存在だったのか、現世に怪獣幕府を作って何を成そうと目論んでいたのかは現状不明のままである。
関連タグ
共通点のある存在
- ジェロニモン、ウルトラマンベリアル、バット星人グラシエ、レイバトス:死んだ怪獣を復活させて軍団を築いた、ウルトラシリーズの先輩達。特にジェロニモンとグラシエは、復活させた怪獣の中に裏切り者が居た点が同じ。
- ジャンボキング、イズマエル:1つの作品の登場怪獣のみで構成された合体怪獣繋がり。ただしコイツらは作品の黒幕の配下であり、一方のヘルナラクは自身が事件の黒幕という違いがある。
- デストルドス:怪獣がごちゃ混ぜに合体したようなデザインの合体怪獣繋がり。なお、あちらは通称「令和のタイラント」と呼ばれているが、ヘルナラクと異なり令和作品の怪獣は合体元に含まれてはいない。
- アブソリュートタルタロス:「地獄」「奈落」という意味の名前を持つウルトラシリーズのキャラクターで、「ナラク」という名前の次元系能力も使う。また、こちらも過去にウルトラ戦士と戦った敵達を集めて軍団を築いた。
- アクエリウス、グロブスク、ゴブニュ(オグマ):シルエットが似ている。
- グア軍団、バロッサ星人(四代目)、セレブロ:2つの「ウルトラマンが属する世界」を巻き込んだ事件を引き起こし、双方のウルトラマン達と防衛チームを敵に回した者達。