概要
古今東西のフィクションにはさまざまなヒーローが登場する。
だがそれらの中には、現代日本の視野で見るとヒーローらしからぬ粗暴・卑怯・自己中心的など反社会的な言動を取っているものも散見される。
予算が足りず作りが雑だったり、現在と比べて表現の規制がゆるかったり、海外との間に文化の違いがあったりすることなどが主な原因。
一方で悲しい過去で復讐鬼と化した者もいるので元々は鬼畜でないケースもる。
模範的であることを求められる「ヒーロー」と、その行動の「鬼畜」さとのギャップが笑いを誘う。
後年になって、それらをパロディ化したと思われるキャラクターも多い。
鬼畜ヒーローの例
また、該当人物の特徴に合わせて補足文や以下のマークを付記してもよい。
S、鬼畜ヒーローから改心する。
A、根は善良
B、敵には一切の容赦を見せない
C、自身が信じる正義には忠実
D、自身の欲求を満たす為ならば平気で悪事を行う
E、撃退法がえげつない
F、目的のためならば手段を選ばない
G、趣味の領域に達するほど相手を痛めつける
H、人の迷惑を考えないどころか仲間に対する気配りが薄い
I、一般人にも容赦なく攻撃する
J、他人を見下す傾向が強い
V、考えが悪そのもの
W、悪と手を組む
X、もはやどっちが悪なのかすら分からないほどのど外道レベル
Y、ヒーローと対立する
Z、完全に悪に身を墜とす
代表的な鬼畜ヒーロー、もしくはそれに類ずる物
アッガス・ノルド…上記の悪徳勇者の代名詞的存在の一人、アリオス・オーランドの仲間である戦士。かなり利己的な性格で、屈強な外見に反してヘタレで小心者で有る事や、自分が窮地に追いやられると見苦しく命乞いを乞いたり、自分自身の保身を最優先する行動に出る。
夜鳥子、ロゼ:世にも珍しい『勝利した悪徳勇者』。ただしプレイヤーやファンからは非難轟々となっている。
ラグナス・ビシャシ:レベルアップの為なら何の罪のないぷよを倒す、通りかかっただけのシェゾに斬りかかるなど勇者として問題が多い。コミカライズ版『とっても!ぷよぷよ』では「悪者大魔王がこの世を征服しようと企んでいる」と思い込んでサタンの所に殴り込みにいく始末。ただし、『SS魔導物語』では名実ともに勇者となっており、性格もストイックなものになっている。
キリエル人:「自分たちこそ『地球の民を導く存在』」と自称する意識体。確かにそれだけの力や歴史は備えているものの、その実態は自己中心的かつ顕示欲の塊であり、後にマッチポンプをして民意を得ようとした。最終的には「自分にできること」を心掛けて戦う青年がなる光の巨人に2度も敗れた挙げ句、超古代の邪神の復活を知るや「自分たちを崇めなかった地球の民が悪い」との負け惜しみを吐いて地球から逃げ出した。後に令和リブート版でも登場し、ほぼ同様の行為を繰り返すその有り様は『勇者としての力こそあるが、勇者としての資質が著しく欠落している存在』とも評価できる存在。
チャゴス:こちらは王子でありながら、他者を見下したりする態度などはある意味悪徳勇者にも似たような物がある。ただ彼は劇中では改心はなかった物の、やっている事は他の悪徳勇者よりはマシなレベルであり、エンディングでは改心の余地はあると思われる。
藍染惣右介:実力と人望の双方を併せ持つ人格者……を装ったサイコパスで、劇中では彼の演技・本性を見抜けた者はほぼ皆無であった。目的のための人心掌握に長けつつも、同時に「不要」と断じた者は容赦なく切り捨てる様は、この記事の悪徳勇者達を十分に想起させる。『策士』としての用意周到さや知能犯ぶりは、今記事で取り上げている悪徳勇者達よりも遥かに格上だと評価できるだろう。
ロブ・ルッチ:広義で見れば“公的機関に属し無法者に対処する役人”であるが、その実態は“自らの戦闘欲求・暴力衝動を満たすために与するならず者”と、ある意味で悪徳勇者の極致(=「正義のためなら邪魔する者は誰であっても排除する」)の実例とも評価できる存在。こちらは上記のモノを満たすのを最優先にしており、権勢欲や目に見える利益などの興味は最低限に止まっているが、プライドの高さから時にトップの指示を無視し暴走した場面もある。
ウルトラマンベリアル:『かつての仲間に対する嫉妬心や劣等感を拗らせた果てに、本来であれば宇宙の平和を守るヒーローとなり得る筈だった、輝かしい未来を自ら閉ざしてしまった』と、悪徳勇者達の辿る顛末とよく似た経緯で悪へと堕ちたが、彼は悪徳勇者とは反対に、自らが元いたコミュニティーから追放されている。
デラックスファイター:ヒーローでありながら、平気でヒーローらしくない悪行をする悪徳ヒーロー。そのため悪徳勇者と同類の存在でもあり、作中では『インチキヒーロー』呼ばわりされ市民や家族からは激しく嫌悪されており、悪徳勇者はさしずめ『インチキ勇者』とも評せるだろう。
スプレンディド … 言うなれば、身勝手さと、鬼畜さと、いい加減さを倍増しにしたデラックスファイターといえる。
マリオ、カービィ … こちらも言わば鬼畜さとクズさとゲスさを倍増しにしたデラックスファイターとも言うべきインチキヒーロー仲間(※あくまでも各自リンク先のキャラクター・作品に限った話であり、原典の彼らは紛うことなき正統派ヒーローである)。
スッパマン、キャプテントーマス … デラックスファイター同様に、ヒーローの皮を被った無能な俗物という『インチキヒーロー』仲間。
ミスター・サタン、ぶりぶりざえもん、キャプテン・クォーク … 基本的に彼らはデラックスファイターのように、周囲の助力を得る事で(結果的にではあるものの)ヒーローと名乗るに相応しい活躍を見せる事もある。
マン … こちらも悪どさや鬼畜行為に加え悪の組織の首領になるばかりか日本を征服するという暴挙までやらかしたヒーローだが、彼は誰よりも情に熱く、ヒーローと名乗るに相応しい活躍を見せるなど、デラックスファイターや他のインチキヒーロー達よりはまだ正統派といえる。
涼村暁/シャンゼリオン…こちらも金に汚く、仲間の金銭をちょろまかしたり命乞いする敵にとどめを刺したり敵味方問わず騙くらかしたりとヒーローらしからぬ行動が多いばかりかヒーローとしての責任感もないというデラックスファイターと同じ残念過ぎるヒーローだが、彼なりの正義感や人望もそれなりに厚い面を持っているなどデラックスファイターや他のインチキヒーロー達と比べればまだ正統派といえる。
マークハンター…こちらも傭兵の様な事をする守銭奴繋がりのヒーロー。
サンレッド、サイタマ … 同じく一発で勝負をつけてしまう事から比較対象にされる事が多いヒーロー達だが、いずれも大ぴらな悪徳行為には手を染めていない為、ヒーローとしてはデラックスファイターや他のインチキヒーロー達と比較すれば、十分正統派といえる。
カズマ(このすば)…デラックスファイターと同様、「人間性に重大な問題や一部の能力が特化しすぎて他の分野は全く使えず殆ど運や周囲の助けありき」といった共通点があるが、人間としてはデラックスファイターよりも最低限の良識を持っており、周囲からの評価はデラックスファイターや他のインチキヒーローたちに比較すればまだ正統な面を見せつけている。
アッガス・ノルド…上記の悪徳勇者の代名詞的存在の一人、アリオス・オーランドの仲間である戦士。かなり利己的な性格で、屈強な外見に反してヘタレで小心者で有る事や、自分が窮地に追いやられると見苦しく命乞いを乞いたり、自分自身の保身を最優先する行動に出るなど、デラックスファイターとも共通点が複数存在する。
竜生…駈斗戦士仮面ライダーズに登場する龍騎。金にがめつく狡猾で横暴で傲慢、そして自分より目立つ存在を許さない独り善がり、とにかく外道と言う共通点がある。
アンガー4…回転むてん丸に登場するヒーローのチーム。ダイハント社のヒーローの中でも一番の実力を持ち世界一のヒーローを自称しているものの、戦い方が荒っぽく、市民が怪物に襲われているのにもかかわらず怪物を倒すのに必殺技を放ち平気で市民を巻き添えにする、さらに市民の安全よりも会社の利益を優先するなど、ある意味ではスプレンディドや市民を見下す長官にも近いヒーローチーム(その巻き添えになりそうになった被害者の少年のアオは「ヒーローなんて大嫌いだ!」と言っていた(アオの父親も「アンガー4の巻き添えで大怪我を負って入院した」とアオは明言している)。むてん丸達やアンカー4達と会った事でアオのヒーローに対する認識は変わったものの、下手すればヒーローを狩る者になっていた可能性も高い。
リョーマ(寿司ストライカー):リョーマ(寿司ストライカー):立ち位置は解放軍というレジスタンス側の人物でありながら、寿司のシャリを残す戦法を行ったせいで、スシガミの怒りを買い、事態を悪化させたという点ではアンガー4にも通じる部分がある。
愛染マコト/チェレーザ:『幼少時に目にしたヒーロー』への憧れを拗らせた結果、自らがヒーローになるべく、手段や犠牲を問わずに暴走してしまった人外。目的通りヒーローの力を得ると、自分よりも先にヒーローになった兄弟の失脚に走る、更なる名声のためにマッチポンプを行うなど、本質的にはヒーローごっこに終始していた。このように大きく見れば『悪徳勇者』めいた存在であるが、チェレーザ自身は最終的に『全宇宙の脅威』を倒す計画を立てる等(彼なりのだが)正義感は残っており、この記事に記載されている者たちに比べれば、マシな方だったりする。最後はある存在により放逐されるものの、(一応は)生き残っている(と思われる)。
東條悟:『英雄』への憧れを拗らせて、外道へと堕ちた青年。元々、情緒そのものが不安定な上に、上記の憧れの根幹も「『英雄』になれば自分は愛されるかも知れない」とする現世利益であり、その過程で恩師や同胞を殺害、ひいては自分に友誼の念を抱く=自分を愛してくれる可能性があった青年の死をきっかけを作るなどの暴走を起こした。最終的には見ず知らずの親子を、自らの命と引き換えに救って望み通り『英雄』になれたが、上記の通り自己の欲求を満たすため、他者の命を奪う所業を繰り返した以上、悪徳勇者と何ら変わりない。
ちなみに上述の「英雄って言うのは~」の台詞は、彼の最期を決定づけるきっかけとなった敵からの皮肉である。
鬼畜ヒーローと思われる人物の一覧
※50音順
アーマージャック(突撃アーマージャック)
アイゼンボー(恐竜大戦争アイゼンボーグ)
赤いサイバトロン戦士 特にG1時代のアイアンハイド、クリフ中心(トランスフォーマー)
天之河光輝、南雲ハジメ(ありふれた職業で世界最強)…前者:S、A、C、W、Y(Wは洗脳時に限る。Yは基本後者とは馬が合わない為。)後者:A、B、E、F、G、H、I、J、Y(Gは黒竜退治時、Hは豹変当初、Iはメインヒロインが体を黒幕に乗っ取られたショックで暴走した時、Jは主に敵対者に限る。Yは基本前者とは馬が合わない為。)
天野河リュウセイ(人造昆虫カブトボーグVxV)…A、F、X
アントニー・シプリアーニ(GTALCS)
アンガー4(回転むてん丸)...C、E、F、G、I、J、V、Y、
アリオス・オーランド(勇者パーティーを追放されたビーストテイマー)…D、F、H、J、V、W、X、Y、Z
イケメン仮面アマイマスク(ワンパンマン) …B、E
一方通行(とある魔術の禁書目録)
ヴィクター・ヴァンス(GTAVCS)
ウルトラマンエース(ウルトラマンA)…E(ただし、後付け設定ではあるものの後年の作品において「戦ってきた敵は痛みも恐怖も感じない存在であるため、完全に動きを止めるまで攻撃を加え続けるしかない」とフォローとも取れる描写はされている)
オーウェン・グラディ(ジュラシック・ワールド) …A、B
カービィ(まんぷくプププファンタジー)…D、F、H、I、X、Z(Zは一部のエピソードに限る。て言うかやること成すことがほぼ外道)
ガイスト(装鬼兵M.D.ガイスト)
カズマ(この素晴らしい世界に祝福を!)…A、B、H
門矢士/仮面ライダーディケイド(仮面ライダーディケイド)…A、B、C、E、F、Y、Z
草加雅人/仮面ライダーカイザ(仮面ライダー555)…B、C、D、F、H、X
キタキュウマン、ヤマシロン、グレイトZ(ドゲンジャーズ)…①:A、B、C、F、J、W ②:A、E ③:S、A、B、C、E、J、Y
竜生/仮面ライダー龍騎(駈斗戦士仮面ライダーズ)…D、F、G、H、J、V、X
切札勝太(デュエルマスターズビクトリーほかデュエル・マスターズシリーズ)…A、C、D、F、J
切札勝舞/ミスターマッチ(デュエル・マスターズVS)…S、A、B、C、D、F、Y、Z
空条承太郎、ジョルノ・ジョバァーナ、ジョニィ・ジョースター(ジョジョの奇妙な冒険シリーズ)…A、B、C
句楽兼人(ウルトラスーパーデラックスマン)…B、C、E、I
グリーンマン(行け!グリーンマン)
黒城凶死郎(デュエル・マスターズシリーズ)
ゴッドマン(行け!ゴッドマン)
斎藤一(るろうに剣心)…B、C、E、J、Y(Yは幕末の頃から主人公とは宿敵同士であった為。但し明治以降は共通の敵相手に呉越同舟ながらも共闘する事が多い。)
残虐超人、シルバーマン(キン肉マン)…前者:S、A、B、C、E 後者:A、C、E
サンレッド、兄弟戦士アバシリン(天体戦士サンレッド)…前者:A、B、C、G 後者:B、X
CJ(GTASA)
スーパーソニックマン(超次元ソニックマン)
惣流・アスカ・ラングレー/式波・アスカ・ラングレー(新世紀エヴァンゲリオン/ヱヴァンゲリヲン新劇場版)…A、B、C、E、J
孫悟空(Go空伝、ゴゴゴ西遊記)…B、C、D、E、F、G、H、I、J、V、X(ただし仲間のピンチや正真正銘の極悪人が相手の際には真っ当なヒーロー然とした活躍をすることが多く、矜持に「女子供は殴らない」ことを掲げている)
ダーク・シュナイダー(『BASTARD!!-暗黒の破壊神-』)…B、E、F、J、V、X(傍若無人な性格に加えて性欲旺盛な女たらし)
ダイアトラス(トランスフォーマーZ)…A、B、E
鷹山仁/仮面ライダーアマゾンアルファ(仮面ライダーアマゾンズ)…B、E、Y
滝沢直人/タイムファイヤー(未来戦隊タイムレンジャー)…B、C、D、F、H、J、Y
ニコ・ベリック(GTA4)
名護啓介/仮面ライダーイクサ(仮面ライダーキバ)…S、B、C、F、J
爆豪勝己、エンデヴァー(僕のヒーローアカデミア)…A、B
バビル2世(バビル2世)
ハヤタ・マン(ウルトラ忍法帖)…A、G、D、W、Y、Z(Y、Zは一時的に悪の組織に寝返っている間に限る。基本的に仲間のピンチや凶悪な存在が相手の際には真っ当なヒーロー然とした活躍をすることが多い)
パワーパフガールズ(パワーパフガールズ)…A、C(メンバーは全員女性)
ピーターラビット(ピーターラビット(映画))…C、F、I
ビーティー(魔少年ビーティー)
V(Vフォー・ヴェンデッタ)
ファイヤーマン(ファイヤーマン)
フランクリン・クリントン、マイケル・デサンタ、トレバー・フィリップス(GTA5)
フリット・アスノ、キオ・アスノ(機動戦士ガンダムAGE)…S、A、B、C
ホァン・リー(GTACTW)
星の子ポロン(星の子ポロン)
本気戦隊ガチレンジャー(アニメ版みつどもえ)
マリオ(GOGO!マリオワールド)…D、F、H、I、J、V、X
三日月・オーガス(機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ)…A、B、C
メイプル(痛いのは嫌なので防御力に極振りしたいと思います。)
ラウル・エヴァンス(復讐を希う最強勇者は、闇の力で殲滅無双する)…B、D、F、G、H、I、J、X
リムル=テンペスト(転生したらスライムだった件)…A、B、E
竜宮院聖哉(この勇者が俺TUEEEくせに慎重すぎる)…A、B、E、G、H、J
レッドマン(レッドマン)…B、E、X(と言うかやってる事がほぼ犯罪)
レイア・アーネスト・ヴォルドー…B、C、E、I
ルルーシュ・ランペルージ(コードギアスシリーズ)
鬼畜ヒーローを主人公とした作品の例
GTAシリーズ
関連タグ
愛すべき外道 人間のクズ 悪役が一番似合う なんで…笑ってるの?人殺し!
鬼畜ヒロイン※女性(ヒロイン)版
悪徳勇者:鬼畜ヒーローの勇者版に相当する言葉。ただし、この記事で言うカテゴリー上はI~Zに分類されるろくでもない連中ばかりである。
哀しき悪役…ほぼ対義語だが、上記一覧の中には兼ね合わせているキャラもいる。