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また阪和線か!
5
JR阪和線のダイヤが乱れた時に発せられる利用者の嘆き。

阪和線、そのありえない遅れについて

時代に関係なく阪和線は遅延する。ただ遅れるだけではなく、乗り入れる関西空港線紀勢本線(きのくに線)、大阪環状線東海道本線JR京都線)を巻き込んでくる。

それらも各々直通運転を行っているので、連鎖反応的に近隣路線に遅れを拡大させてゆく。こんなに悪い意味で影響力を持った路線はなかなかない。


過去には新幹線に接続待ちをさせて首都圏各路線に遅れを持ち込んだ、東海道本線の貨物列車をせき止めて北海道の物流を狂わせたといった、冗談としか思えないような逸話さえ残している。


遅れの案内でも妙に悪目立ちする。「車両故障」ならばまだマシな部類で、「線路内立ち入り」や「非常ボタンが押された」、酷い時にはふとんがふっとんだ」などというしょうもない理由が頻繁に挙げられる。

回復もかなり遅く、異常気象等で同時多発的に遅れが発生しても、阪和線だけがいつまでも引き摺るといった事も少なくない。

それとは逆に、異常気象とは一切関係ない理由で止まったりすることもある。その事象例として、2023年6月2日は大雨で阪和線が終日運休。かろうじて翌日の朝に運転を再開したが、その矢先に人と接触し全線ストップした。


こうした光景から自然発生的に生まれた乗客の合言葉が「また阪和線か!」なのである。


阪和線は何故遅れる?

かつての阪和線は日本一の高速を誇る「超特急」を走らせ、速度違反さえ頻繁に繰り返していたという、今とは逆方向の問題児であった。それが今のようになってしまった原因は、その後の発展を読み違えたところが大きい。

簡単に言うと、阪和間をとにかくぶっとばす事がサービスになると思っていたが、実際には短区間で乗降する乗客が大勢いたのである。そのため多数の鈍足列車を設定する必要が生じ、ダイヤが複雑化していった。


線路脇までびっしりと住宅が立ち並んでしまっている場所も多く、路線の改良も困難である。国鉄時代には丸ごと買収して線路を倍増させる計画もあったが、結局実行には移されないまま民営化を迎えてしまった。ふとんもふっとぶわけである。

堺市駅のような主要駅も例外ではなく、特に利用の多い天王寺間で1度も普通列車と快速系の接続ができない(途中数駅で通過待ちを行うのみ)といった厳しい条件となっている。


関西空港線の開業以降は常に空港方面と和歌山方面の2系統の列車が走るようになり、いよいよ列車が飽和し始める。特に環状線方面への直通列車が増加した事で、単線区間もある連絡線の容量が逼迫。この部分だけでも混乱の原因となり、ただでさえリスクの高い長距離列車をより脆弱にした。

列車が飽和すると、踏切の閉まる時間はそれだけ長くなる。線路改良が遅れている阪和線は大半の区間で地平を走り続けており、一つや二つではない数の開かずの踏切を抱えている。そのため故意の無謀横断を含めた事故が起こりやすくもなっている。


また、関西空港は陸から5kmの地点に造られた人工島である。そのため空港線は常に海風に晒されており、減速や運休を強いられやすい。しかし、接続相手が滅多に来るものではない飛行機とあっては無下にもできず、混乱時も空港方面を最優先にした運行を心がける。そのため混乱は収まるどころか拡大する

それに加えて当初は南海等への対抗として、関西本線大和路線JR難波駅への乗り入れや荷物輸送のサービスまで行っていた。当然、運行形態は複雑化の一途を辿った。


1999年には和歌山方面の輸送改善に紀州路快速が新設されるが、天王寺方にそれを走らせる余裕は既に無くなっており、途中の日根野駅まで既存の関空快速に連結させる事となった。

そのため常に共倒れするリスクを抱えた状態での運行となったばかりか、車両数と利用客数の兼ね合いから両列車に用いる車両が異なり、時間帯によっても入れ替わるというダイヤを組む事となり、一層融通の利かないものとなってしまった。


運行車両について

上記のような背景の他、このスラングが生まれた2000年代の阪和線を走る車両はとにかくクセが強く、近年までその大半が30年以上使われ続けた旧型(国鉄)車両を占めていた。

そうなれば故障は頻発し、ただでさえ外的要因で遅れる阪和線はまさに混沌を極めていたのである。


車両の大半は性能・内装共に互換性が無く、同一形式内ですら代走等が不可能な組み合わせも珍しくはなかった。はっきり言ってパズルゲームでもやっているようなものである。

現在は車両面においてかなり改善されており、すべて現代型(JR)車両で運転されている(それでも故障は避けられないが)。


以下、阪和線で活躍した主な車両を掲載する(2000年以降の時点)。


JR型車両(特急)

  • 281系(6両編成、3両編成):「はるか」用。
  • 271系(3両編成):「はるか」用。
  • 283系(6両編成と3両編成二種類):「くろしお」用。かつてはオーシャンアローという名称だった。近年は坂を登れないトラブルが多い。
  • 287系(6両編成、3両編成):「くろしお」用。阪和線以外では奈良の臨時特急「まほろば」でも使用。
  • 289系(6両編成、3両編成):「くろしお」用。阪和線以外では兵庫の通勤特急「らくラクはりま」でも使用。

JR型車両(快速・普通)

  • 223系(4両編成):2000年代の主力車両。関空・紀州路快速から普通まであらゆる運用に入る。
  • 225系(6両編成、4両編成):現在の主力車両。関空・紀州路快速から普通まであらゆる運用に入る。
  • 221系(4両編成):快速専用。2010年のダイヤ改正で奈良電車区へ戻ったため、現在は走っていない。

国鉄型車両(特急)

  • 381系(6両編成三種類と3両編成):「くろしお」「スーパーくろしお」「はんわライナー」用。独特な性能の故に故障が多発していた。2015年に引退。

国鉄型車両(快速)

  • 113系(4両編成、2両編成):きのくに線直通列車等に。2011年に撤退し、残党が2020年に完全引退。

国鉄型車両(普通)

  • 103系(6両編成、4両編成、3両編成):普通列車の大半がこの車両だった。2017年に引退。
  • 205系(8両編成、6両編成、4両編成):103系より少々新しい普通列車。2018年に拠点を奈良へ移した。

2008年以降は高架化等の線路改良も進んでおり、阪和線の遅れは多少改善する傾向にある。

ただ事故の件数そのものはそこまで減っていなのでホームドアの設置が急がれる。また、和歌山県民からは昔みたいな高速運転への要望もある。


関連タグ

JR西日本 阪和線 関西空港線

阪和線、そのありえない遅れについて

時代に関係なく阪和線は遅延する。ただ遅れるだけではなく、乗り入れる関西空港線紀勢本線(きのくに線)、大阪環状線東海道本線JR京都線)を巻き込んでくる。

それらも各々直通運転を行っているので、連鎖反応的に近隣路線に遅れを拡大させてゆく。こんなに悪い意味で影響力を持った路線はなかなかない。


過去には新幹線に接続待ちをさせて首都圏各路線に遅れを持ち込んだ、東海道本線の貨物列車をせき止めて北海道の物流を狂わせたといった、冗談としか思えないような逸話さえ残している。


遅れの案内でも妙に悪目立ちする。「車両故障」ならばまだマシな部類で、「線路内立ち入り」や「非常ボタンが押された」、酷い時にはふとんがふっとんだ」などというしょうもない理由が頻繁に挙げられる。

回復もかなり遅く、異常気象等で同時多発的に遅れが発生しても、阪和線だけがいつまでも引き摺るといった事も少なくない。

それとは逆に、異常気象とは一切関係ない理由で止まったりすることもある。その事象例として、2023年6月2日は大雨で阪和線が終日運休。かろうじて翌日の朝に運転を再開したが、その矢先に人と接触し全線ストップした。


こうした光景から自然発生的に生まれた乗客の合言葉が「また阪和線か!」なのである。


阪和線は何故遅れる?

かつての阪和線は日本一の高速を誇る「超特急」を走らせ、速度違反さえ頻繁に繰り返していたという、今とは逆方向の問題児であった。それが今のようになってしまった原因は、その後の発展を読み違えたところが大きい。

簡単に言うと、阪和間をとにかくぶっとばす事がサービスになると思っていたが、実際には短区間で乗降する乗客が大勢いたのである。そのため多数の鈍足列車を設定する必要が生じ、ダイヤが複雑化していった。


線路脇までびっしりと住宅が立ち並んでしまっている場所も多く、路線の改良も困難である。国鉄時代には丸ごと買収して線路を倍増させる計画もあったが、結局実行には移されないまま民営化を迎えてしまった。ふとんもふっとぶわけである。

堺市駅のような主要駅も例外ではなく、特に利用の多い天王寺間で1度も普通列車と快速系の接続ができない(途中数駅で通過待ちを行うのみ)といった厳しい条件となっている。


関西空港線の開業以降は常に空港方面と和歌山方面の2系統の列車が走るようになり、いよいよ列車が飽和し始める。特に環状線方面への直通列車が増加した事で、単線区間もある連絡線の容量が逼迫。この部分だけでも混乱の原因となり、ただでさえリスクの高い長距離列車をより脆弱にした。

列車が飽和すると、踏切の閉まる時間はそれだけ長くなる。線路改良が遅れている阪和線は大半の区間で地平を走り続けており、一つや二つではない数の開かずの踏切を抱えている。そのため故意の無謀横断を含めた事故が起こりやすくもなっている。


また、関西空港は陸から5kmの地点に造られた人工島である。そのため空港線は常に海風に晒されており、減速や運休を強いられやすい。しかし、接続相手が滅多に来るものではない飛行機とあっては無下にもできず、混乱時も空港方面を最優先にした運行を心がける。そのため混乱は収まるどころか拡大する

それに加えて当初は南海等への対抗として、関西本線大和路線JR難波駅への乗り入れや荷物輸送のサービスまで行っていた。当然、運行形態は複雑化の一途を辿った。


1999年には和歌山方面の輸送改善に紀州路快速が新設されるが、天王寺方にそれを走らせる余裕は既に無くなっており、途中の日根野駅まで既存の関空快速に連結させる事となった。

そのため常に共倒れするリスクを抱えた状態での運行となったばかりか、車両数と利用客数の兼ね合いから両列車に用いる車両が異なり、時間帯によっても入れ替わるというダイヤを組む事となり、一層融通の利かないものとなってしまった。


運行車両について

上記のような背景の他、このスラングが生まれた2000年代の阪和線を走る車両はとにかくクセが強く、近年までその大半が30年以上使われ続けた旧型(国鉄)車両を占めていた。

そうなれば故障は頻発し、ただでさえ外的要因で遅れる阪和線はまさに混沌を極めていたのである。


車両の大半は性能・内装共に互換性が無く、同一形式内ですら代走等が不可能な組み合わせも珍しくはなかった。はっきり言ってパズルゲームでもやっているようなものである。

現在は車両面においてかなり改善されており、すべて現代型(JR)車両で運転されている(それでも故障は避けられないが)。


以下、阪和線で活躍した主な車両を掲載する(2000年以降の時点)。


JR型車両(特急)

  • 281系(6両編成、3両編成):「はるか」用。
  • 271系(3両編成):「はるか」用。
  • 283系(6両編成と3両編成二種類):「くろしお」用。かつてはオーシャンアローという名称だった。近年は坂を登れないトラブルが多い。
  • 287系(6両編成、3両編成):「くろしお」用。阪和線以外では奈良の臨時特急「まほろば」でも使用。
  • 289系(6両編成、3両編成):「くろしお」用。阪和線以外では兵庫の通勤特急「らくラクはりま」でも使用。

JR型車両(快速・普通)

  • 223系(4両編成):2000年代の主力車両。関空・紀州路快速から普通まであらゆる運用に入る。
  • 225系(6両編成、4両編成):現在の主力車両。関空・紀州路快速から普通まであらゆる運用に入る。
  • 221系(4両編成):快速専用。2010年のダイヤ改正で奈良電車区へ戻ったため、現在は走っていない。

国鉄型車両(特急)

  • 381系(6両編成三種類と3両編成):「くろしお」「スーパーくろしお」「はんわライナー」用。独特な性能の故に故障が多発していた。2015年に引退。

国鉄型車両(快速)

  • 113系(4両編成、2両編成):きのくに線直通列車等に。2011年に撤退し、残党が2020年に完全引退。

国鉄型車両(普通)

  • 103系(6両編成、4両編成、3両編成):普通列車の大半がこの車両だった。2017年に引退。
  • 205系(8両編成、6両編成、4両編成):103系より少々新しい普通列車。2018年に拠点を奈良へ移した。

2008年以降は高架化等の線路改良も進んでおり、阪和線の遅れは多少改善する傾向にある。

ただ事故の件数そのものはそこまで減っていなのでホームドアの設置が急がれる。また、和歌山県民からは昔みたいな高速運転への要望もある。


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