殴られ、蹴られ、叩きつけられるウルトラマン。
最後のスぺシウム光線も、宇宙怪獣ベムスターには効き目がない。
その時、ウルトラセブンが颯爽と助太刀にやって来た。
さぁ、来週もみんなで見よう。
概要
1971年8月6日放送。本来は前の週に放映される予定だったが、航空機事故(全日空機雫石衝突事故)の緊急ニュースのため一週間延期となってしまい、郷秀樹役の団時朗が謝罪するという一面もあった。報道特別番組で中止になって翌週に延期されるというのは現在までで唯一である。ちなみに『ウルトラマンネクサス』episode.4が放送された日には新潟県中越地震が発生しているが、『ネクサス』は朝に放送されていたため放送中止を逃れている。
ウルトラセブンが客演するエピソードであり、その後のウルトラシリーズにも大きな影響を与えることとなるエピソードである。
あらすじ
MATの加藤隊長は、旧友であるMATステーションの梶キャプテンと談笑していた。梶はもうすぐ地球に帰還予定であり、子供が生まれる予定だという。
そんな時、MATステーションのエネルギーが異常低下を始めた。原因は腹部に口がある未知の宇宙生物であり、MATステーションは梶やほかの隊員諸共飲み込まれてしまった。
地球にやってきた宇宙生物に対し、加藤は梶の仇と言わんばかりにマットアローでの出撃を行う。しかしミサイルは宇宙生物には通用せず撃墜、乗っていた南と上野を負傷させてしまった。
その後、加藤は梶の妻に梶の訃報を知らせる。ショックのあまり昏倒する梶の妻。
調査の結果、宇宙生物の正体は6900万年前にカニ星雲の爆発によって誕生したベムスターであるという。ベムスターは水素、窒素、ヘリウムといったガス資源をエネルギーにしている怪獣だった。
そんな折、コンビナートにベムスターが現れる。マットアローが再度出撃するも、ベムスターの怪光線で撃墜され岸田が負傷、コンビナートは大爆発を起こしてしまった。
それからしばらくたち、郷は喫茶店でコーヒーを注文していたが、なかなか来ない。店員に催促するも、なぜか店のガスが付かなくなってしまった。その時、店が激しく揺れる。第二地区のガスタンクにベムスターが現れたのだ。
郷はウルトラマンジャックに変身して戦うが、必殺のスペシウム光線もベムスターに吸収されてしまう。カラータイマーが点滅!時間がない!
そこで、ジャックはエネルギー補給のために太陽へと向かった。
「太陽、この私をもっと強くしてくれ。お前がお前の子である地球を愛しているなら、この私にベムスターと互角に戦える力を与えてくれ!」
すると誰かの声が響いた。
「ウルトラマン。これ以上、太陽に近づいてはいけない」
「誰だ!?私を呼んでいるのは」
「引き返すんのだ、ウルトラマン。太陽の引力圏に捕らえられたら最後だ」
その言葉通り、ジャックは太陽の引力圏に引き込まれ、太陽に吸い込まれそうになっていた。
その時、何かの影がジャックを救う。
それは、かつて地球を狙う侵略者から命を懸けて地球を守った真紅のファイター、ウルトラセブンだった。
「ウルトラセブン!」
「お前にこれを与えよう。ウルトラブレスレットだ。それさえ手にすればいかなる宇宙怪獣とも互角に戦えるだろう。さあ、地球に戻るのだ」
セブンはジャックに新兵器を持ってやってきたのだった。セブンからの武器を手に地球に戻るジャック。
地球では加藤の乗ったマットアローとベムスターの戦いが続いていた。ついに加藤のマットアローも撃墜された時、ウルトラマンジャックが戻ってきた。
「ウルトラマンが……帰ってきた!」
セブンから授かった新武器、ウルトラブレスレットの出番。必殺のウルトラスパークが炸裂し、ベムスターは首と両腕を切り落とされ爆発するのだった。
梶に仇を取ったと告げる加藤。
マットアローから脱出した加藤だったが、重傷を負っていた、郷が病院に運ぼうとするが、加藤は梶の妻に仇を討ったことを告げるという。
そして二人はマットビハイクルで梶の家に向かうのだった。
史上初の要素
今作は、ウルトラシリーズにおいて初の試みが行われたエピソードでもある。
- 過去作キャラクターの客演。これがのちに第38話の初代マンとセブンの競演、ハヤタとダンの対面、第41話のバルタン星人Jr、最終回のゼットン二代目と続き後年のウルトラ兄弟設定へとつながった。
- パワーアップアイテムによる強化。ブレスレットによる強化は昭和ウルトラシリーズの定番となった。
余談
梶キャプテン役はウルトラセブンのクラタ隊長役の南広氏、その部下にウルトラマン80のイトウチーフ役の大門正明氏(当時の本名である「羅雅煌」でクレジット)、郷が立ち寄った喫茶店の店員役にウルトラマンAの今野勉隊員役の山本正明氏が出演した。