いつかの主人公
道端や牧場にウールーが転がる田舎町・ハロンタウンで育ったダンデ。片や、隣町のブラッシータウンに暮らすソニアは、ガラル地方におけるポケモンリーグの一大要素であるダイマックスの研究の第一人者であるマグノリア博士の孫娘。
二人がどのようにして知り合ったのかは定かではないが、やがてポケモントレーナーとして良きライバルとなり、ダンデが10歳の年に一緒にジムチャレンジに参加したことが断片的に語られている。
方向音痴をソニアや彼女のパートナーであるワンパチに助けられながらも、ダンデはそのままチャンピオンの座へ上り詰め、《無敵》と謳われるガラルの英雄として大成。一方のソニアはブラッシータウンへ戻り、祖母の元で研究者となる道を選ぶ。
それから月日は流れ、ダンデの弟であるホップと彼のライバルとなる主人公が、ハロンタウンからジムチャレンジへ旅立とうとしていた。
原作『ポケットモンスター ソード・シールド』にて
短いやりとりの中に積められた二人の距離
主人公とホップにポケモンを贈るべく、久々の里帰りを果たしたダンデ。それぞれの相棒を得てトレーナーとして歩み始めた二人に、ダンデはポケモンへの知識を深めるよう促す。
特にポケモン図鑑を持っていない主人公はブラッシータウンのポケモン研究所へ向かうよう言われ、付き添ったダンデからアドバイス役としてソニアを紹介されることになる。
そこでのソニアの第一声「ダンデくん 今日は なに」、出迎えに来たワンパチに対し「いつも 案内 サンキュー!」、ワンパチとソニアに何度も迷子を助けられたことの言及、と凝縮された二人の距離感も然ることながら、
「彼女の つくる 料理は
てばやく 食べられて いいんだよ」
という、明らかに何度もソニアの手料理を食べたことがある者にしか出ないであろう紹介がある。この紹介を聞いたソニアからは「もう! 昔 いっしょに ジムチャレンジに 参加したからって どんな紹介だよ……」というツッコミをされている。ソニアのツッコミの通り紹介の仕方には他にもあると思われるが、わざわざポケモンと関係のない手料理の話を出したことにより手料理マウントと受け取ったプレイヤーも少なくない。また、ダンデのこのセリフは果たして褒めているのか、といった議題があるが、『ポケモンマスターズEX』にて
「オレは おいしい料理より
てばやく 食べられる料理が 好きなんだ!
はやく 食べ終えれば
ポケモン勝負の 時間が 増えるからな!」
といった話がダンデ本人から聞けるため、原作でポケモンとポケモン勝負が大好きであると語られているダンデからするとソニアの手料理に関するセリフは最大級の賛辞であろう。ただしソニアにはそれが伝わっていない模様。
「以前は いい ライバル だったんだがな」
ブラッシータウンのとある民家でソファに座るおじいさんに話しかけると、
「ソニアと ダンデも
以前は いい ライバル だったんだがな」
という、ソニアがトレーナーをしていた頃は第三者から見てもダンデとポケモンバトルで張り合えていたことがうかがえる貴重なセリフを聞ける。また、いいライバルであったことを象徴するようにダンデの実家とマグノリア邸では同じ形で異なる色をしたトロフィーが飾られている。トロフィーを獲得した時期については現状どのメディアミックスでも不明。
5つ目に訪れることになるアラベスクタウンのジムではダンデとソニアがジムチャレンジをしていた頃のものであろう成績表が残っており、
ダンデの成績表には
「ダンデ …… 不合格 正解数 1
ポケモン勝負の 才能は あたしが みてきたなかで
ダントツ。ただ よくわからない 男だね。」
ソニアの成績表には
「ソニア …… 不合格 正解数 3!
優秀だが ちょいと あきらめやすいかもね。
まあ あのマグノリアの 孫は 大変だね。」
と、ポプラのものであろうコメント付きで書き記されている。ジムリーダーの目から見てもソニアがトレーナーとして優秀であった一方で、ダンデとソニアの成績表が一緒にあること、“あの マグノリアの 孫は 大変だね”と記されていることの2点から、当時のソニアは周りからポケモンバトルの才能に恵まれているダンデや優秀な研究者であるマグノリアと比較されてきたのではないか?といった推測がある。
エンジンシティのポケモンセンターにて
主人公はエンジンシティのポケモンセンターにてソニアからサンプルにリーグカードをもらうが、そのリーグカードがソニア本人のものではなくダンデのものが渡される。リーグカードのほとんどはカードに写る本人からもらうため、どうしてダンデのリーグカードをソニアからもらえるのかと様々な見解が飛び交っている。
また、ダンデのリーグカードからダンデがチャンピオンになったのが10歳であることが読み取れるため、少なくともダンデとソニアの交流は10歳以前の子どもの頃から続いていることがうかがえる。
スボミーイン/キルクスタウンにて
主人公に対し、スボミーインにて
「ホップのこと よろしくね
ダンデもさ 父親代わり として
あいつのこと 心配しているんだ」、
キルクスタウンにて落ち込みからふっきれたように映るホップを見て
「やっと ふっきれたのかな
あいつが 元気じゃないと ダンデも 心配するし」
といった、“ホップのことを考え心配するダンデ”に対するソニアのセリフが見られる。ダンデは物語内では当然のこと、攻略本内にある設定資料集ですらチャンピオンやトレーナーではないダンデ個人の話はほとんどといっていいほどプレイヤー側には見せないが、ソニアに対してのみ例外でチャンピオンやトレーナーではない人間としてのダンデの姿を見せる様子。
また、“父親代わりとして”の言葉通り、家族が集うダンデとホップの実家には父親のみ姿が見られないため、ダンデがホップの父親代わりとして見守っているのも本当であると思われる。
ソニアの元およびソニアと関連した場所では迷わないダンデ
自他ともに方向音痴であることを認めているダンデだが、ソニアの元およびソニアと関連した場所では迷うような描写がない。特にまどろみの森ではそれが顕著に出ており、ホップからも森の中で「へっ…… アニキ? 方向オンチなのに よく来れたな」と言われている。それに対しダンデは「心配させておいて なにを いっているんだ!」と作中でも珍しく強めに注意をしているため、まどろみの森の中でひどい目に遭った過去があるソニアの例を思い出し迷わず辿り着いたのではないか、と推測されている。
ダンデとソニア、主人公とホップ
作中でダンデとソニアをセットとして扱われていることが多いことはもちろんのこと、同時期にジムチャレンジを始め《チャンピオンまで昇りつめた者》と《チャンピオンになることは叶わなかったが新たに進む道を見つけた者》の対比がダンデとソニアの間と主人公とホップの間で重なることが多く、主人公とホップのやりとりを見て過去のダンデとソニアに対し思いを馳せるプレイヤーも少なからず見られる。
webアニメ『薄明の翼』にて
仲違いしてしまったトミーとジョンのために、オニオンが一肌脱いだ第6話。オニオンや彼のゴーストポケモンたちの愛らしさ、少年たちの友情が描かれ、余韻に浸っていた直後に流れたエンディングで描写されたのは、電話越しに言葉を交わすダンデとソニアの姿であった。会話の内容こそ不明なものの、楽しそうに話している2人の様子に加え、
・時間帯は夜(ソニアの部屋の時計から20時前)
・ダンデはローズに会うため移動中
・ソニアのタブレットには"0:34"の表示
・ソニアは自室で部屋着姿、ハンズフリー通話で髪を梳かしながら
等々、たった数秒の間に二人の関係性がどういったものであるか深読みし甲斐がある描写が詰め込まれた。加えて、この二人の描写はゲーム本編でエンジンシティのユニフォームショップ前隅にいる男性のセリフ「会話に 意味が なくても 好きな 人の 声が きけたら それ以上の ことは ないでしょ!」から来ているのではないか、という推測がある。
第7話では、キバナとバトルするダンデを見て、ワンパチを撫でながら「ダンデくん、楽しそうじゃん」と呟くソニアが見られる。
週刊ファミ通2020年9月24日号では薄明の翼の特集が組まれており、インタビューでは山下監督が「もしもう1話作れるなら、ダンデの過去の話をやってみたかったですね。ダンデの生い立ちや、チャンピオンになるまでの話とか。ソニアとの出会いについても描くことになるでしょうし、そういう意味ではソニアがメインの回ということになるかもしれません。(原文ママ)」と短いながらも重要な発言をしている。
このインタビュー全体を読んでわかるように、薄明の翼はポケモン公式から預かった資料を参考にし、かなり繊細かついろんな意図を込めてつくられている。その上で第6話のエンディングでダンデとソニアの描写が入れられ、もう1話つくれたのならダンデとソニアの出会いについて描くことになるとインタビューを通して発言したということは、ゲーム本編でも薄明の翼でもダンデという人間を語るにあたってソニアの存在は欠かせないことが分かるであろう。
また、インタビューではない監督個人の発言ではあるが、ダンデとソニアの関係性についての解釈をこのように呟いている。①/②
アニメ『ポケットモンスター』にて
第27話 英雄伝説!ダンデ最強バトル!!
ポケモンワールドチャンピオンシップ・マスタークラスのダンデの試合を見に来たサトシとゴウ。ダンデ対キバナの試合を見終わった後に目にしたものは、ガラルの英雄像であった。それを見たサトシが「これってもしかしてダンデさんの像なのかな?」と言うと、近くでそれを聞いたソニアが「ダンデくんが英雄ねえ……」と、ダンデが英雄視されていることになにか思うところがあるような独り言をこぼした。
第42話 ソード&シールドⅠ「まどろみの森」
ひょんなことでソニアと共に行動することになったゴウは、はぐれたサトシから通話でサトシとダンデが共に行動していることを知る。車を運転しながらゴウとサトシの会話を聞いていたソニアは、「お友達、ダンデくんと一緒なんだ……」と、ゴウに声をかけるのであった。
第43話 ソード&シールドⅡ「ブラックナイト」
ソニアと共に調査を進めるゴウは、ふと「ソニアさんはどうしてポケモン博士になろうと思ったんですか?」と問う。そこでソニアは祖母であり研究者であるマグノリアの近くでいたことも理由の一つであるが、ダンデが関わっているということを言う。幼馴染であるダンデと共にポケモンバトルで切磋琢磨していたソニアであったがダンデには勝てず、別の形でポケモンに関わるのもいいなと思い、ポケモン博士としての道を目指した様子であった。
第45話 ソード&シールドⅣ「最強の剣と盾」
ムゲンダイナからサトシとゴウを庇い吹き飛ばされたダンデ。後から追いついたソニアは倒れているダンデを発見すると、慌ててダンデに駆け寄った。
サトシとゴウ、ザシアンとザマゼンタが事態を収束させ、喜ぶ二人の元にダンデはソニアの肩を借り歩み寄る。サトシとゴウを英雄と称えるダンデだが、あくまでも二人は英雄はザシアンとザマゼンタであると答える。それを聞いたダンデとソニアは顔を合わせ、笑顔になるのであった。
その後ソニアはマグノリアに認められ、ポケモン博士に就任した。
第100話 密着!ダンデのスペシャルトレーニング!!
ダンデとトレーニングをすることになったサトシ。ダンデの運転で海に行きトレーニングをする予定だったが、迷子になり急遽森でのトレーニングと変更になった。車から降りたダンデはサトシをリザードンに乗せ飛び立ち、その際に「スリルあるだろ?ソニアの運転みたいに!」と言っている。その直後に車にゴウを乗せたソニアの滅茶苦茶な運転が見られた。運転中にソニアがダンデの迷子癖を心配することで初めてゴウはダンデが完璧でないことを知り、ソニアは笑いながら世間のイメージと実際のダンデが違うことを話した。
第127話 ゴウとエースバーン!はじまりの場所!!
ダンデとの決戦を明日に控えたサトシはダンデに「見せたいものがある」とシュートスタジアムに呼ばれ、ゴウと共に向かう。そこではダンデ、ソニア、マグノリアが二人を待っていた。ソニアはサトシに「バトル見てるよサトシくん!すごいね~ここまできたらダンデくんをやっつけちゃって!」とノリノリで言う。それをソニアの隣で聞いていたダンデは「おいソニア、そりゃないだろ?」と困ったように笑い、ソニアも笑顔になるのであった。
ダンデが言っていた「見せたいものがある」のはムゲンダイナであった。マグノリアはムゲンダイナとの共存なくしてガラルの未来はない、と考えを示しており、ソニアがダンデに頼みムゲンダイナのお世話を頼んでいた。
第129話 ファイナルⅠ「激流」
サトシとの決勝戦を控え、ダンデは控え室で瞑想する。思い出すのはソニアと初めてポケモンバトルをしたときのことであった。スタジアム席にいるホップの元に、ソニアも「生で観たい」とやってきた。
決勝戦が始まり、サトシのゲンガーに自身のインテレオンを倒されたダンデは、サトシに向かって「追いかけるからな、サトシ!」と高らかに宣言する。それを見たソニアは「火がついちゃった、こうなると彼はすごいから」と、笑顔で言った。
第130話 ファイナルⅡ「翻弄」
サトシのルカリオをダンデはドラパルトで倒し、不敵に笑うダンデ。それを見たソニアは真剣な顔で「ダンデくん、余裕の笑みね……」と呟いた。
第132話 ファイナルⅣ「相棒」
ダンデとのバトルに勝ち、力尽きたピカチュウ。ピカチュウが休息から目を覚ましサトシと戯れているところにダンデがやってきて、ダンデはサトシに楽しいバトルであったことを告げる。ダンデはソニアと初めてのポケモンバトルをし、楽しく、そして負けたあのときの悔しさを思い出した。
《無敗のチャンピオン》と謳われるダンデだが、それはチャンピオンになってからの話であり過去にはソニアに負けていたことがこの回で判明した。
ダンデのとある朝
Twitter(現X)ではアニポケ100話放送記念に「ダンデのとある朝」というタイトルでオーディオドラマが制作された。そのドラマでは、寝起きにモモンの実とカゴの実でつくられたミックスジュースを飲んでいる最中にソニアから着信が来、ダイマックスバンドの修理が終わったことを聞きそのままソニアの元へ訪れに行く様子が織り成されている。なお、ブラッシータウンに行くはずがナックルシティまで辿り着き、迷子になった。
漫画『ポケットモンスターSPECIAL ソード・シールド』にて
1巻
タチフサグマを追い払いウールーの大群を線路上から牧場へと無事に帰すことができたダンデと創人。そこで出会ったマグノリアに対しダンデは「ソニアは元気ですか?」と問う。あちこち忙しそうに飛び回るソニアの話を伝えるマグノリアに対し、「来週始まるチャンピオンカップ、今年こそ見に来いと伝えておいてください。」と、ソニア宛の言伝を残す。その後マグノリアはマナブにチャンピオンの知り合いなのかと聞かれるが、意味深な沈黙を残したまま答えることはなかった。
原作と異なる点としてダンデとソニアは連絡先を交換しておらず、なにかしらの事情があり長らく交流が無いといった点が見受けられる。
2巻
ローズからランチに誘われたソニアと創人。そこでソニアはローズから「ソニアくんは、いまだチャンピオンカップもジム戦すらも見れないのかい? 親友のルリナくんの試合であっても?」と聞かれ、気まずそうな、困ったような顔をする。それに対しローズは「差し出がましいことを言ってしまったかな。わたし自身、チャンピオンカップ出場経験者でもあるし、それにマグノリア博士にはお世話になったから、つい…ね。」と、あくまでもソニアを心配している様子。ソニアもそれは理解しているようで「ご心配おかけしてすいません。」と返している。
ナックルシティではキバナの発言によりソニアがジムチャレンジ経験者であることが分かり、ソニアとローズのやりとりから、ジムチャレンジの際にソニアの身になにか遭ったことが示唆される。
3巻
ナックルシティで起こった爆発音の正体を探るべくエネルギープラントに向かったソニアは、ローズやナックルシティの不測の事態を想定してエネルギープラントに向かったダンデと偶然出くわす。その場に居合わせたビートの後ろに隠れ適当な挨拶だけして逃げようとしたソニアを捕まえようとしたダンデだったが、キバナから「カムカメじゃあるまいし、目の前のものにすぐかみついてるんじゃねえよ。」と制止される。キバナは不測の事態はホームの人間である自分に任せ、不測の事態を心配するなら野次馬や住民を避難させてくれとダンデに説得を試みソニアをその場から離そうとする。ダンデは「オレはソニアに話が…。」とキバナに反論するものの「チャンピオンのおまえが公衆の面前で腕ひっつかんで難詰していたらソニアがどんな風に見られるのかよく考えろ。」と返される。ソニアはダンデを制止するキバナに対しお礼を言い、「やっぱり、ちゃんと話さなきゃいけない…よね…。」と不安そうにこぼす。
チャンピオンカップもジム戦も見ることができず、ダンデと顔を合わせただけで逃げ出すソニアではあったが、ナックルシティでの騒動を終えしばらく経った後に「あの騒ぎのおかげで、ダンデくんと話すのも先延ばしになっちゃったけど…。…顔を見たら話すのがそんなに怖くないような気になったな。」「むしろ、さっさと全部吐き出したいくらい…。」と、前向きな方向に変わる様子が見られる。
4巻
マリィと共にスパイクタウンに向かうホップがダンデとソニアの過去について話す。
「…兄貴にはさ、いっしょにジムチャレンジした
幼馴染がいたんだ。」
「兄貴が言うには、小さいときからポケモンバトルで
勝てたためしがなかったらしいよ。」
「兄貴がいつも言ってる「ガラル全体で強くなる!」って
いう言葉、もともとは幼馴染が言ってた「自分と
ダンデがチャンピオン・準チャンピオンになったら
ブラッシータウン全体がガラル一強い町になる!」って
その思いを引き継いでいるんだって。」
「ところが、その人はアラベスクタウンでポプラさんに
負けたとたん、ジムチャレンジを
あっさりあきらめたんだ。」
「その人はしばらくして町を去って、長い間連絡が
とれなくなってしまってたらしい。」
「兄貴はもともとポジティヴで前向きだったけど、
それ以来、ことさらネガティヴなところを
見せなくなったようにオレには思えた。幼馴染との
別れに思うところがあったのかもしれない。」
なお、ホップのセリフから分かるように『ポケットモンスターSPECIAL ソード・シールド』ではホップとソニアは面識がなく、1巻の鉱山で出会った人物がダンデの幼馴染のソニアであることにシルドミリアと創人に言われて初めてホップはソニアを認識した。
ソニアは調査を進めていく中で、くちたけんとくちたたてを持ち去りシルドミリアの手持ちをさらった二人組の手がかりをつかむ。その二人組にとある人物が関わっていることにひどく混乱し、急いでマグノリアの元へと向かうが、道中で何者かに襲われアーマーガアタクシーごと墜落してしまう。それを聞きつけたネズがキバナと共に現場に向かうと、ソニアと合流する約束をしていたダンデが間一髪のところでソニアとアーマーガアタクシーを救出していた。なお、その際にダンデはソニアをお姫様抱っこしている。その後ダンデはソニアをお姫様抱っこしたまま、キバナの案内で彼のフライゴンに乗りナックルシティの医療機関へソニアを搬送していった。
搬送先で目を覚ましたソニア。ソニアは気を失っている間に起こったことをダンデから聞くと「じゃあ、次はあたしを狙ってくるかも…。」と不安そうな顔をするが、ダンデがすかさず
「そんなことさせるか!
オレがここにいておまえを守る!」
と、力強く返す。その直後にダンデの口から「なんて…、おまえに勝てたためしのないおれが言ってもいまいち説得力がないけどな。」というセリフが出ているため、ホップが話していた通りダンデがソニアに勝ったことがないのは事実である。ソニアは今までダンデから逃げ続けていたことを謝罪し、トレーナーを辞めブラッシータウンを離れた理由を話した。
なお、ソニアがトレーナーを辞めた理由は、周りからは誹謗中傷だと思われていたが実際はそうではなく、試行錯誤を積み重ねても勝つのがやっとのことになってしまい、ジムチャレンジという巨大なプレッシャーからバトルを楽しめなくなってしまったからである。ジムチャレンジ中に挫けかけていたソニアは、ダンデも同じように弱音を吐きたくなっているのではないかとダンデの試合を観に行ったものの、ダンデはプレッシャーすらも楽しんでおりそれを見ていたソニアは
「たとえでもなんでもない、輝いて見えた。」
「かなわないなあって思った。」
とこぼしている。また、ソニアとダンデの会話でダンデの言う「ガラル全体で強くなる!」という言葉がソニアから受け継がれていることが判明したが、現在は過去と異なりダンデは「助けを必要とする人を助けられる力を持つことが、ガラル地方全体で強くなること…、そういう意味で。」と言っている。それを聞いたソニアは「ポケモンバトルのことしか考えてなかったダンデくんが…!」「チャンピオンを続けてると、そこまで器が大きくなるものなんだねえ!」と、嬉しそうにダンデの頬を人差し指でぐりぐりしている。
5巻
ブラックナイトが起こり、ルリナやキバナとナックルシティのダイマックスポケモンの制圧および原因の追究に当たるダンデとソニア。その際にソニアに大丈夫か、と声をかけるダンデの姿が見られる。その後、ブラックナイトを引き起こしたと見られるローズの元に辿り着いた一行は、ブラックナイトを引き起こしたことはガラルの未来を千年後まで守るための計画であることをローズから聞くが、それを聞いたネズはダイマックス現象の頻発で物的人的被害が出ている現状から怪しみ、ダンデはソニアが命の危険にさらされたことを強調した。ローズはソニアには己のミスで命の危険にさらしてしまったことを謝罪し、ダイマックスの頻発については対策済みであることを伝えた。
6巻
ムゲンダイナの毒から解毒剤で目が覚めたダンデたちであったが、毒の副作用から髪の毛が驚くほど伸び、ソニアにとってそれがあまりにも衝撃的だったのか写真を撮りホップに送信した。
アプリゲーム『ポケモンマスターズEX』にて
ポケマスEXの1.5周年記念にチャンピオン姿のダンデが実装。
ポケマスのホーム画面であるポケモンセンターでは所持バディーズの中からランダムで会話ができ、そこでチャンピオン姿のダンデに話しかけると
「オレには 昔 一緒に ジムチャレンジをした
幼なじみが いるんだ
今でも アドバイスを くれたり オレが
迷っているときに 案内してくれたりするんだ
オレに とって 最高の 幼なじみだな!」
と、さらっととんでもないことを言われる。また、原作の項目でも触れた通り、「オレは おいしい料理より てばやく 食べられる料理が 好きなんだ! はやく 食べ終えれば ポケモン勝負の 時間が 増えるからな!」というセリフも、チャンピオン姿のダンデから聞ける。
エピソードイベント「変わらない冬のできごと」
2021年の冬に開催されたイベント。このイベントでサンタの格好をした21シーズンのダンデとルリナが実装された。
ウインターパーティーでプレゼント配りをすることになったダンデとルリナ。
ソニアはウインターパーティーでダンデ・ルリナと久しぶりに遊べることを楽しみに早めに研究を切り上げ会場に向かったが、ソニアはダンデとルリナがプレゼント配りに参加することを知らなかった。なお、ダンデとルリナがプレゼント配りに参加することは事前にポリゴンフォンでお知らせされており、ソニアは研究に没頭しているせいでお知らせを確認していなかった。ダンデは「だが なかなか 時間が とれず 直接 伝えることは しなかったな」と言う。ソニアは
「……仕方ないよね みんな それぞれの 夢を
追って 違う道を いっているんだから」
「好きなことが できるって 素敵なことよ
むしろ 忙しいことを 喜ぶべきだわ」
と笑顔を言うものの、それは自分に対して納得させるようなニュアンスも込められており、
「……そう 仕方ない ことよ」
と、寂しそうに見える表情も見せていた。ルリナがソニアの表情に気づき声をかけようとするもバドレックスが動きを見せ、プレゼント配りをするため解散となった。解散の際に明るく声をかけるソニアであったが、その直後はどこか寂しそうであった。
それら一連の流れを見たバドレックスは、静かに去った。
ウインターパーティーも夜を迎えた頃にソニアの元にルリナがやってきた。プレゼント配りはいいのかと問うソニアに対し、ルリナはソニアにも届けに来たといいプレゼントを渡す。ルリナはソニアのその後の予定を聞き、ソニアは研究もあるから帰るつもりであることを伝えるが、ルリナは
「だと思った でもわたしは せっかくだし
また3人で 一緒に 過ごしたいって 思ってるわ」
と言う。ソニアは
「そ それは わたしだって……! でも ふたりとも
すごく 忙しそうで 邪魔しちゃいけないとも
思うし…… ……本当は みんな どんどん
離れていっちゃう みたいで 悲しい」
と本音をこぼす。それを聞いたルリナはもう一つのプレゼントであり、ジムチャレンジ中にダンデ・ソニア・ルリナの3人でバトルの相談をしているときによく食べていたミアレガレットを渡し、ウインターパーティーでも一緒に食べよう、とソニアを誘う。ソニアの博士就任祝いをまだしていなかったため、ルリナはそこでソニアを祝いたかった様子。それを聞いたソニアは喜んで一緒に食べる約束を交わした。
パシオを巡りプレゼント配りを続けるダンデの元に追加で配ってほしいプレゼントをドリバルが持ってきたが、その際にバドレックスがドリバルの肉体を乗っ取りダンデに話しかける。バドレックスはダンデに対し
「……オヌシは ヨから みても 王たるに
ふさわしい 強者だ」
「だが少々 危うい面も もっているように みえる」
「オヌシは 常に 己を 追いこみ 自分の
逃げ場を なくし
周囲の 期待に 応えようと している」
「そうすることで 自他共に 認める
チャンピオンとして あり続けて
いるのだろうが……」
「だが より遠くへ 進めば 進むほど
ついて いけなくなるものも 多くなるのだ」
「もっと 考えて みたほうがいい
大切な者を 失ってからでは 遅い」
「オヌシが 孤独になることで
悲しませてしまうものも いるだろう」
思い浮かばれているのはユウリ、ホップ、ルリナ、キバナ、そして……ソニア。
「失ったものを 取り戻すのには
時間も 労力も かかる」
「もしかしたら 二度と 帰って来ない
そういうことも ありえるのだ」
とダンデを諭す。それに対しダンデは「…なるほど 確かに そうかもな」と納得する。バドレックスはこのイベントでソニアのことをじっと見ていたため、バドレックスの言うダンデにとっての“大切な者”の中には当然ソニアも該当しているだろう。
「オマエの いうとおり みんなを 悲しませるのは
オレの 望むところでは ない」
「だが オレは チャンピオンだ
それは ずっと なにがあっても 変わらない」
「だから 両方やる チャンピオンとしての 責任だ」
「そのために オレだって
なにも考えていないわけじゃ ないぜ」
と、笑って答えている。それを聞いたバドレックスは
「……オヌシ プレゼント配りも かなり
急いでいるように みえたが ……もしや」
と何かに感付き、
「……わかった ヨも 尽力しよう ではないか」
とダンデに協力する姿勢を見せた。
ウインターパーティーも終わりが見え始めた頃。ダンデ・ルリナと一緒にパーティーを過ごせるか心配そうなソニアにサイトウは「きっと 間に合いますよ ……なんとなく そんな気が します」と笑顔で言う。その言葉をソニアが聞いた直後、サイトウの言うとおりに「待たせたな ソニア!」とダンデがソニアの元へやってきた。遅れてやってきたダンデを見てやっと来たか……とでも言いたげなネズ。ソニアは「もう 終わったの!?」と驚き、ダンデは「バドレックスの 手を 借りて 最高速で 終わらせて 来たぜ! せっかくみんなで 集まれる いい機会 だったからな」と答える。
「それに……ほら」
と、ソニアに手渡したのは、新しい白衣であった。
「迷ったんだが これが 今の ソニアに
一番 必要なものだと 思ってな」
「遅くなったけど ポケモン博士の 就任
おめでとう ソニア!」
「そして いつも サンキューだぜ!」
と、プレゼントと感謝の言葉をソニアに贈った。さすがのソニアも
「ちょ…… ええ!? きゅ 急に なによ!
だって そんなこと 今まで ちっとも……」
と、驚きを隠せない様子。それを聞いたダンデは
「落ち着いたら 渡そうと 思ってたんだが
まったく 落ち着く 気配が なくてな!」
「だから ウインターパーティーのプレゼントと
一緒に なってしまったが……
ソニアには 世話に なっているし こうやって
時間を とって きちんと 渡したかったんだ」
と返した。ソニアはダンデが自分のことをちゃんと考えていてくれていたことに喜び、お礼を言う。
「忙しくて 時間は とれなくなったけど
わたしたちは まだ 昔のまま……」
「あー もう!
わたし すっごく 不安に なってたんだから!」
と、ソニアはぶっちゃけたのであった。
ダンデがソニアにプレゼントを渡した回のサブタイトルは
『変わらぬ思いをあなたに』
ポケモンセンターで21シーズンのダンデに話しかけると、「ポケモン勝負と 同じくらい 家族や 仲間と 過ごす 時間も 大事 だからな!」というセリフが聞けるため、ダンデにとってソニアがどれだけ大切かは言うまでもないだろう。
特別イベント「パシオでお手伝い!」
2023年の春に開催されたイベント。このイベントでは、タイトルの通りパシオにいる人を手伝うことでミッションが達成されていく。そのミッションの一つに、 “迷子の幼馴染”というミッション名で、名前こそ出ていないが
「幼馴染が 街まで弟を迎えに行ったまま
帰って来ないから 探してくれない?
たぶん 全く違うところにいると 思うわ……」
「大きなマントを つけているから
空から探せば 見つかるかも」
というミッション内容が書かれていた。明言こそされていないが幼馴染とその人に弟がいる、おそらくその人は迷子になっている、その人は大きなマントをしている、の特徴から幼馴染はダンデで発言元はソニアであることは簡単に想像できる。
なお、このミッションは街から一番外れたステージでひこうタイプのバディーズを連れていくことで達成される。
各媒体で共通している二人の関係
媒体によってキャラクターの性格や関係が変更されがちなポケモンだが、ダンデとソニアが幼馴染であることはどの媒体でも一貫している。原作『ポケットモンスター ソード・シールド』とwebアニメ『薄明の翼』では作中で二人が幼馴染であることは明言されていないが、どちらも公式サイトではダンデとソニアが幼馴染であることが明記されている。
余談
原作『ポケットモンスター』は、一部例外を除いたシリーズを通し「帽子を被った」「子どもが」「ライバルとポケモンバトルを通して切磋琢磨し」「チャンピオンを目指す」物語である(諸説あり)。これらのシリーズ共通の項目にダンデが全て当てはまっているため、ダンデは『ソード・シールド』本編が始まる前の主人公だったのではないか?と推測されている。また、仮にそうである場合、ダンデにとっての始まりのライバルは『ソード・シールド』本編での言及に沿うとソニアになる。よって、ダンソニは広義的に主人公×ライバルのカップリングとみなされている。
関連イラスト
関連タグ・リンク
オーディオドラマ「ダンデのとある朝」