概要
『デジモンゴーストゲーム』に登場するデジヴァイス。末尾のVは『VITAL』の頭文字だと思われる。(基本的にはバイタルブレスの改良型であり、玩具としての機能はそちらを参照。)
液晶画面のついた腕時計型アイテムで、腕に巻きつけて装着する。腕時計型デジヴァイスはアニメでは初で、メディアミックス全体を通しても漫画『Vテイマー01』以来となる。
右側面にはボタンが、左側面には『Dimカード』というメモリーカードの様なものを差し込むスロットがある。
デジモンセイバーズのデジヴァイスic(バースト)と同じく人間が作った機械で、使用制限は無い模様。
使用者の元に個別に現れる事の多かった旧作のデジヴァイスとは違い、天ノ河宙の父である天ノ河北斗が行方を絶った際残したものを3個まとめて宙が発見。1つを宙本人が使用し、残りは月夜野瑠璃と東御手洗清司郎に譲渡された。
こうした経緯上、彼らは終盤までこのデバイスの出自について何一つ分かっておらず、取扱説明書の類も無いため、物語の進行と共に手探りで使い方を見つけている。
デジモンとのシンクロ
装着し起動した人間は、本作の実体化していないデジモンの存在を知覚できる様になり、一体のデジモンをリンク登録させパートナーデジモンにする事が可能。
この場合、自力で実体化・非実体化の技術を得られていない者も、デジヴァイス側面のボタンを操作する事で切り替えが可能になる。
クロスローダーの様にデジモンを収納は出来ないが、この機能によりパートナーは一般人から気付かれることなく生活できる。
その他本機独自の機能として、両者が心を通わせて戦う際、装着した人間はパートナーの「技名と技の内容」が脳裏に浮かび、ポケモントレーナーのように技を指示することが可能となる。
逆にグルスガンマモン時のような、両者の心が不一致を起こした状態では、流れ込む情報もノイズとなってしまい頭には入らない模様。
そして面白い点として、ある程度の信頼関係さえ出来ていれば、異なるペア間でも情報が伝わってくる事があり、劇中では宙と瑠璃がジェリーモンの技名を受け取り指示を出したことがある。
デジモンの進化
無論デジヴァイスである以上、これが最も重要な機能。
装着者とリンクしたパートナーデジモンのバイタル情報を読み取っており、この値が上昇する事でパートナーデジモンが進化する。
これは歴代作品の、『人間が気合を入れるとデジモンが進化する』演出に説明がついた形とも言えるだろう。
また本作の進化バンクはテンポを損なわないようにか、最新の演出ながらもコンパクト化されており、「デジソウルチャージ」のような掛け声も必要無い。
なお、今までの作品同様、精神力とエネルギーが有れば人間と関わりの薄いデジモン達も普通に進化することが出来る為、急激な進化・退化をするパートナーデジモンの在り方を珍しがるシーンも見られる。
なお、無印シリーズと同じく、成熟期へは「進化」、完全体へは「超進化」の呼称が使われているが、これまた無印同様、超進化以上には何らかの"制限"が存在する。
完全体のままある程度戦いが長引いた場合、デジヴァイスからアラームが鳴り始め、そのまま程なくすると強制的に直前の姿に退化してしまう。28話で一度味わったカノーヴァイスモンは「この進化にはリミットがあるのかもしれない」と推察していた。
後に危険性を抑えるための機能であったことが明かされるが、描写的にはデジモンの消耗による影響が大きいようで、カノーヴァイスモンがギガスモンとの戦いであっという間に退化してしまったのに対し、テティスモンは作中一度も退化していない。
そして「デジモンの進化制御を助ける」という機能を応用する事で、相手側の意志次第だがパートナーデジモンを通して他のデジモンを退化させる裏技も可能。
その際、シリーズで初めて、デジヴァイスで進化したデジモンが自力で退化する際の要領が「戻るべき姿のイメージがある」と描写された(昔のグラウモン等はイメージがうまくいかなかったということか…)。
また、シンクロさえできればパートナーデジモンに限らないようで、クラヴィスエンジェモン戦では宙が既にガンマモンをシリウスモンに進化させている状態で、更にエスピモンをホバーエスピモンに進化させ、技も指示することに成功している。
疑似デジタルワールド
デジヴァイスVの側面ボタンを操作する事で、広域に展開されるデジタルワールドに似た疑似空間。
元々は北斗がDIMカードに記録したデジタルワールドの風景を見られるようにした立体アルバムで、初期に展開した際の見た目は過去作のデジクォーツに似ていた。
この空間に入れるのはデジヴァイスの装着者とデジモン、及びデジモンの影響を強く受けた生物に限られ、それ以外の存在はそのまま現実世界に残される。
そしてドラえもんの「入り込みミラー」と同じように、内部での物質の破損は現実世界には影響しない(これは最初にガンマモンが看板を壊した時に宙が気付いた)。
その為、毎回デジモンが暴れる際の被害から、一般人や街を守るために使われている。
いわゆる大気爆裂マックスフィールドやメタフィールドに似たポジションで、周囲に被害を出さないためのフィールドは歴代でも珍しく、カードスラッシュやデジクロスとは異なった戦略性を生み出すに至っている。
当初は緑化都市風の空間オンリーだったが、第14話では砂漠地帯、第15話では氷で覆われた雪原地帯と、様々なバリエーションが存在する。
基本的にフィールドの種類が違う事にあまり意味はないが、スプラッシュモンのように環境の影響を受けやすいデジモンなら話は別で、27話では任意のフィールドを展開する操作方法を見つけていた事により攻略に多大な貢献をした。
なおその気になれば、空間を破壊して現実世界に出ていく事も可能なようで、グルスガンマモンが実践しようとしていた。
もんざえモンのような特殊な能力を持つデジモンなら逆に外部から中の様子を察知したり、XW3期のタイムシフトよろしく内部に入り込むことも可能な様子(この時のもんざえモンは助太刀だったので良かったのだが、考えようによっては外部から干渉されるリスクもあり得るということになる)。
その他として、GPSが遮断され使えなくなるという弱点もあり、仲間に居場所を知らせる際にはオフにする事もある
デジタルゲートオープン
最終盤になってから明かされたが、このデジヴァイスにはゲートを開く機能がはじめからあったらしい。
が、宙達がデジモンのことをよく理解するまでとボコモン先生により「ゲートは危険」とされていた。
終盤デジタルワールドに向かう際は向こうの世界が異常をきたしていたため、クズハモンの協力を得てなんとか短時間だけデジタルゲートオープンに成功した。
デジヴァイスVV
読み方は「デジヴァイスデュアルヴィー」、北斗から送られたアップデートパッチの影響でデジヴァイスVが進化したもの。所謂ワープ進化や究極進化が出来るようになった。
バンドの色が赤系統に変わり、ディスプレイの上のマークもナノモン回で一時的に画面に映ったものに変わっている。
デジヴァイスが進化した例は「デジヴァイス→D-3」「ディースキャナ→新型ディースキャナ」「デジヴァイスic→デジヴァイスバースト」などがあり、ゴーストゲームでの展開はデジヴァイスが人工物なのを含めバーストが近いか。
(「ディーアーク赤→ディーアーク金」は再構成、「ダークネスローダー→クロスローダー黄」は浄化であり進化ではない。)
玩具としての性能比較等
デジヴァイスVとデジヴァイスVVの玩具としての性能比較は以下
機 能 | デジヴァイスV | デジヴァイスVV |
---|---|---|
バンドの色 | 青 | ピンク |
UI(OS) | バイタルブレスデジタルモンスター | バイタルブレスBE共通 |
DimカードおよびVBMカード | 使用可能 | 使用可能 |
BEメモリー | 使用不可 | 使用可能 |
スリープ機能 | あり | あり |
一度に育成できるデジモン数 | 2体 | 4体 |
バイタルブレスラボ(現在は終了) | 利用可能 | 利用不可 |
バイタルブレスアリーナ | 利用可能 | 利用可能 |
VBアリーナのアプリアビリティ | なし | あり(BEメモリーのデジモンのみ) |
ジョグレス進化 | 属性違い及び特定デジモン同士 | 特定デジモン同士のみ |
未着用扱いされるマイル | 一定時間毎に1以下 | 一定時間毎に30以下 |
アドベンチャーミッション | そのデジモンのDimのみ | バックアップにいるデジモンのBEメモリーのものにも挑戦可能(Dimは不可) |
サポートアタック | なし | あり(BEメモリーのデジモンのみ) |
トレーニングによるステータス強化 | なし | あり(BEメモリーのデジモンのみ) |
玩具としての「デジヴァイスVV」は「バイタルブレスBE」のバージョン違い扱いなのでデジタルモンスター以外のBEメモリーやVBMカードのキャラクターも育成できる。つまり、デジヴァイスでウルトラマンや仮面ライダーが育成できるというわけである(これはデジヴァイスVでも出来はしたが、アプリに送ったりが出来なかった。)。
ただし、DimカードとVBMカード収録キャラクターは特訓してもトロフィー(BE版でいう所の「PP」)しか上がらず、ほぼそのキャラクターの地力だけでバトルに挑まなければならないのでバイタル値上げは格下狩りと運動が中心となるシビアな戦いを強いられる(逆を言えばトロフィー獲得以外でトレーニングをする必要がない)。
デジヴァイスVV(バイタルブレスBE)の問題点
上記の通り何故か未着用扱いされるマイル数だけ退化(正確にはデジヴァイスV以前のバイタルブレスの仕様に先祖還り)している。
また、通常バイタルブレス用のDimカードも使えるのは良いのだが、アプリに送った際のステータスがBEメモリーのものより極端に低く設定されてしまっている(例として、ガンマモンBEメモリーのベテルガンマモンと、アグモンDimのオメガモンのBPが同じ5100など)。
上記の通りDimカードデジモンはトレーニングによるステータス強化も出来ない上アプリアビリティも得られないため、対人戦ではあまり役に立たずコレクション用と化している。
また、Dimカードデジモンはサポートアタックの恩恵も受けられないにもかかわらず、バックアップにDimカードデジモンがいると、表記上だけは「SUPPORT」と出てしまうため無駄に期待をしてしまうという問題もある。