「血もほしいが それいじょうにカネがほしい!!」
概要
女吸血鬼にしてモンスター一族の盟主。名称はドラキュラとヴァンパイアから。
なお英語翻訳版では "Trampire" とされている。
一人称は「わし」。ホラー・セクシー・ズッコケと、三拍子揃った有能な漫画キャラである。
ペンギン村近傍の森の中に城館を持ち、日中は棺の中で眠っている。ただし、基本的に昼間外出しないのは眩しい日光が嫌いなだけでドラキュラの様に日光を浴びることが致命傷になるわけではない。
棺から出て、「血がほしい」と言うが、続けて「血もほしいが、それいじょうにカネがほしい」とのたまい、それを聞いていた二人の下僕をずっこけさせた。
夜になると人家に押し入り、生き血と金品を奪うという強盗行為を繰り返していたが、則巻家に押し入ってしまったために未知のオバケ(ロボットと異星人)に脅かされ、また旨そうな血びっ子を見つけて首筋にかぶりつくが吸っても吸っても血液にありつけなかった(ロボットなので当然だが)。
寝ぼけたアラレのんちゃ砲を目の当たりに。更にはその物音を聞き、ガッちゃんに運んでもらいながら斧を構える寝ぼけた千兵衛とも遭遇。「カネより命じゃ!」とビビりつつ逃げようとする。
しかし、下僕が発見した造りかけのロケットを、金庫と間違えて中に入り(その際には「やはり命よりカネじゃ」と掌返ししている)、発進スイッチを押してしまった。そのまま、自身の城館に彼女たちを乗せてロケットは飛んでいき墜落。城は壊れ、本人も重傷を負うという散々な目にあってしまう(単行本第五巻)。
後に、モンスター一族再興の資金を確保するために閻魔庁で死神(アルバイト)を務めるが、則巻千兵衛の死に際し、閻魔大王の怒りを買いクビになってしまう。
このとき閻魔を怒らせたのはアラレであり彼女がクビになったのはとばっちりに近いが、そもそも死ぬべき運命でないアラレをあの世に連れて行ったのはバイト料の上乗せを目論んでのことなので結局は自業自得である(単行本第十四巻)。
また、このときはターボくん誕生後のエピソードで、彼女が千兵衛をあの世へ連れて行こうとした際、その一部始終を目撃したみどり先生は浮気と誤解し、怒ったあまりにターボくんを連れて家を飛び出してしまい、千兵衛とみどり先生を離婚の危機に陥れていた。
その後はターボくんの介入もあって浮気の疑いは晴れたが、みどり先生が戻ってきた頃には既に千兵衛(+アラレ)があの世に連れて行かれた後で、千兵衛の突然の死にショックを受けるも、地獄行きの船の整列係をしていたチビルくんの手助けで千兵衛は無事に息を吹き返し、アラレも戻ってくることができ、みどり先生たちを驚かせた。
『Dr.スランプアラレちゃん』
原作に準拠する第17回と第143回、およびアニメオリジナルエピソードの第62回に登場。CV:潘恵子。
容貌が木緑あかねと似通っていることが何度かネタにされている。これに関してはみどり先生をふくむ多くの女性キャラに当てはまることなのだが…
なお、『ドラゴンボール』で孫悟空がペンギン村に来た際、飛行中のドランパイアが写っているシーンがある。
『ドクタースランプ』
第24話、第71話・72話に登場。CV:小林優子。
原作と前作で彼女とは無関係だったオバケ屋敷のエピソードが、本作ではバイトをクビになったエピソードにまとめられている。
また、第71話・72話の2話連続で原作と前作同様、千兵衛とみどり先生の結婚後のエピソードであるため、二人を離婚の危機に陥れていたが、最後は色々あって無事に仲直りしている。
特に前者では、原作と前作同様に千兵衛の浮気を疑ったみどり先生が怒って家を飛び出すも、ターボくん誕生前のエピソードでもある本作では千兵衛があの世に連れて行かれた後、やけ食いで気を晴らして戻ってきたみどり先生は千兵衛の突然の死を知って泣き崩れてしまう。しかし、アラレとチビルくんの鬼ごっこで地獄が目茶苦茶になってしまい、困った閻魔大王は「お願いだから、もう帰って」とアラレにあっさり頭を下げ、アラレ達を生き返らせた上でドランパイア達のバイト代を没収した。ちなみに千兵衛の遺体は既に火葬されていたため、生き返った千兵衛は大火傷で火葬場から飛び出し、車に撥ねられるなどの散々な目に遭ったものの、みどり先生と再会を喜び合い、無事和解に至った。
関連キャラクター
原作には姓名不詳の二人の下僕が登場する。
一人はノートルダムのカジモド、もう一人はフランケンシュタインの怪物の姿をしており、背丈はアラレとほぼ同じ。
カジモドとフランケンは、初登場シーンでは、暗闇の中に浮かんだ互いの顔を見て絶叫。
「いきなりブキミなツラを見せるな! びっくりしたじゃないか!」
「人のことをいえるツラか!」
などと言い合っていた。
フランケンは強盗でもバイトでもドランパイアに同行しているが満月を見ると狼に変身するという特性を持ち、ドランパイアにも『ややこしいヤツ』と評されている。なお再登場時には昼間なのに狼男になっているので、おそらく太陽を見ても同様に変身するものと思われる。
なお、フランケンは初登場時には、飛行するドランパイアとともに、背にロケットを背負う事で飛行している。
ロケットを金庫と間違えたのも、アラレをあの世に連れて行こうと言い出したのも、実はこの狼フランケンである。
ただし両者とも、ドランパイアと比べるとまともな性格をしており、彼女の行動(『ドクタースランプ』における前述のオバケ屋敷のエピソードで今更アラレとガッちゃんを催眠術で操ったり、アラレに謝らせた上に金銭を要求するなど)にはよく呆れている。
類似キャラクター
不思議島の女吸血鬼
ドランパイアより先に登場している女吸血鬼。
原作ではアメコミのヴァンピレラを連想させる容姿だが、アニメ化(劇場版第一作『ハロー!不思議島』(1981年)に際し金髪となり印象が変化している(版権的な意味で故意にそうしたのかは不明)。CV:中谷ゆみ。
『ドクタースランプ』では髪型と服装に大幅なアレンジが施され、頭部には蚊のような触角を持つ。
千兵衛の所持していた、「緊急輸血用インスタントカップ血(カップ麺よろしく、お湯を注げば血液になる)」を貰い、口にしていた(「あんまりうまくねえな」と、味は悪かった様子)。
なお『不思議島(ワンダー・アイランド)』は作者の商業デビュー作であり、こちらには男の吸血鬼が登場している。
ヴァンドラ
『ちょっとだけかえってきたDr.SLUMP』に準ずる劇場映画『んちゃ!!わくわくハートの夏休み』(1994年)に登場。CV:小宮和枝。
『超戦士撃破!!勝つのはオレだ』と同時上映であり、バイオブロリーと同期デビュー。
性質的にはドランパイアに近いが、男装の属性が追加されている。
居城をホテルに偽装し、無料の宿泊サービスをエサとして人間をおびき寄せるという知略を見せており、配下のモンスター軍団もドランパイアのものより大規模になっている。
しかし宿泊客の中に則巻家が含まれていたことから、やはり城を全壊させられるというオチがつく。
なおこのエピソードのエンディングはかつてのTVアニメ版の夏バージョン『アラレちゃん音頭』が用いられているが、ヴァンドラ以下のモンスター軍団もアラレたちと一緒に(実に愉しげに)踊っている。
原作漫画において『アラレたちが破壊した家屋等は、変身ポンポコガンで元に戻している』という説明があるので、ヴァンドラの城も同様に修復し和解に到ったのだろう。