大賀美沙知
おおがみさち
「まあそうだねぃ。舞台を作る、場所を作る、誰かが何かをしたいと思った時に、その為のステージを作る……。ってのが、好きかもしんないぜ。」
「あたしは――スクールアイドルだよ」
『ラブライブ!蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ(Link!Like!ラブライブ!)』の登場人物。
103期時代の蓮ノ空女学院の生徒会長としてスクールアイドルクラブを外から応援・サポートしている。
メインキャラクターであるスクールアイドルクラブの9人を除き、村野つかさ、桂城泉、セラス・柳田・リリエンフェルトと並び、現時点で3Dモデルが存在する数少ないサブキャラクターの一人。
乙宗梢ら102期生の一つ上の先輩(101期生)。
スクールアイドルクラブに所属していたが、2年生の秋頃にクラブを退いた、元スクールアイドル。
緑色の長髪にピンクと黄色の2つの髪留めをつけていて、瞳は琥珀色に近い深みのある黄色。
身長は自他共に認める程度に低く(大沢瑠璃乃よりも小さい)、クラブに所属していた頃の回想シーンにて梢たちからからかわれていた。
活動記録で登場する際は時に迷子を導いたり時に試練を与えたりなど、意図の読めない行動をする飄々とした性格。
藤島慈曰く「猫みたいな人」。
男勝りで快活な口調。「なるほどねぃ」「そうだねぃ」など、「~ねぃ」のような語尾が口癖。
蓮ノ空女学院の年に3度ある学校祭のひとつである竜胆祭の準備のために詳細なステージ設営の資料を作成したり、来年度の新入生のための学校説明会をオープンキャンパスとして拡張する案を出すなど、生徒会長として行動力のある有能な人物としても描写されている。
彼女の判断・行動は客観的に正しく合理的なものであり、それ故に夕霧綴理とは過去のとある一件から軋轢が存在していた。
第4話
2年生の廊下で夕霧綴理がゲリラライブを開催していた、というか観客にダンスを見せてほしいとねだられ応えていたのを目撃。
用事(さやかの練習のコーチ)に行きたくて困り顔の綴理に、生徒会としてゲリラライブお開きを命令。綴理は礼を言ってから、来ていたさやかの下に行った。
第7話
春の文化祭「撫子祭」に合わせ、部員として校内新聞の記事を書くことになった日野下花帆と村野さやかがクラブの過去を調べていく中、去年(梢たちが1年生の頃)までスクールアイドルとしてクラブに所属していたことが判明。
併せて、当時唯一の2年生部員であり、ラブライブ!地区大会前に引退していたことが、梢の口から語られた。
第12話
秋の文化祭である「竜胆祭」前に体調を崩した梢の代理で生徒会室を訪れた103期生(1年生)にステージ使用許可を乞われるも「いいや? このままじゃ認められないんだぜ!」として3つの試練を出し、ラブライブ!に出場する理由、スクールアイドルを続ける理由を問いかけた。
第1の試練で日野下花帆、第2の試練で大沢瑠璃乃が各々理由を見つけるに至り、2人を合格と認めるが、村野さやかだけは理由を見つけられず、彼女だけに第3の試練を課した。
第13話
前半(PART1~4)、オープンキャンパスの実行委員となった綴理と、彼女を心配していた梢と慈の回想で登場。
昨年の竜胆祭で慈が怪我をした後、「生徒たちの自由を守るため」と言って、クラブを退部して生徒会長になった(蓮ノ空では、生徒会長は部活動に所属できないルールとのこと)経緯と、蓮ノ空女学院理事長の孫という素性が明かされた。
後半(PART5~8)ではついに夕霧綴理と1対1で話す機会を得、和解。
なお、引退した時、部室で一人泣いたと言っていた事からも、かなり苦渋の決断でクラブを辞めた事、2年生3人とスクールアイドルの事は本当に大好きであった事がうかがえる。しかし、そうした本心を後輩たちに明かしても、結局はクラブを去ることは変わらないからという理由で、後輩たちの前では平静を装っていた。そのことが、綴理に「クラブやスクールアイドルに対して何の思い入れもない」というマイナスの印象を与え、今に至るまでの不和の原因となってしまったのだが、綴理に言われるまでそのことに気づかず、己の至らなさを反省した。
オープンキャンパスでは、終盤、雨天となったために予定されていたクラブのライブを中止するよう綴理に告げたが、和解した彼女の言葉と、クラブの面々が考えた対応策を聞いて翻意。
ライブ開催のためにクラブと協力し、オープンキャンパスを成功に導いた。
また、自らが作った曲が入ったCDを後輩たちに託した。
第14話
クラブの部室に訪れ、「学院でインターネットの使用が禁止され、クラブの活動の大半ができなくなるかもしれない」と告げる。
元々学院の経営層には、生徒の自由を尊重する派閥の他に、学院の伝統と規律を保つために生徒の自由を制限しようとする派閥が存在。沙知がクラブを辞めてまで生徒会長になったのも制限派に対抗するためであったが、沙知の会長としての任期が12月末をもって終われば制限派へ対抗する力が弱まるため、このままでは制限派が求める「学内でのネット禁止」が実行されてしまう…という話だった。
これを聞いたクラブの面々は、制限派に対抗するため、様々な策を検討していくことになる。
花帆が最初に考えた「生徒から署名を集める」は、「生徒からの嘆願はいつも山のようにあり、経営陣の考えを変える手段としては有効ではない」と説明。
それを聞いた花帆たちは別の手段を模索し、最終的に、クラブがラブライブ!北陸大会に配信(スクコネ)という手段で出場することでネット利用の有用性を示すという形に落ち着いた。
しかし、突如規制派が、強引に学内のWi-Fiを撤廃、加えて生徒が所有するスマホの通信を制限(どうやってやったのかは不明)してしまった。そのため、規制派を止められなかったことをクラブに謝罪した。
第16話
3学期、ラブライブ!決勝で敗退しながらも、応援してくれた地元の人たちにお礼のライブを開催したいというクラブに協力することになる。
その際、梢たちが入部してから自身が退部するまでの間、3ユニットを兼務していたことを花帆たち1年生に明かした。
なお、PART1で花帆に声をかけた際は「生徒会長」と呼ばれているが、第14話で語った通り、生徒会長の任期が12月末までだとすると既に会長ではないはずだが、花帆に対して肯定も否定もしていない。
第18話
3月になり、沙知を含めた101期生の卒業が迫る中、クラブは「沙知を送るための歌」を作ろうとする。その中で、回想という形で、102期当時の沙知の姿が登場する。
102期生(蓮ノ大三角)の初顔合わせのときは、自己主張の激しい3人の姿に「ちくしょー!」と頭を抱えたり、自分がスクールアイドルとは思えない綴理に「私と、DOLLCHESTRAをやろう」と誘ったり、タレント時代の気分が抜けない慈の初配信にお邪魔したりと言った姿が描かれている。
卒業を間近に控え、クラブの部室に訪れる。
6人が揃った様子を見届けると、これが部室に来る最後(今後も、校内には居る)と告げ、部室を去る。
だが、その顔に何か含むところを感じた2年生から、生徒会室に呼び出される(もう生徒会長ではないのだが、一番落ち着いて話せるという理由)。
3人に「何か思うところがあるのでは」と問われると、かつて1年生で新入部員だった自分が当時の先輩たちからもらった恩を、後輩である3人に返せなかったことを後悔していることを吐露。
そんな沙知に2年生は、沙知のためにと蓮華祭用に作った新曲をアカペラで披露。
そこに込められた想いに、思わず涙し、自分の心残りが解消されたことを知る。
そして、クラブの6人に、かねてより生徒に詳細非公開で建設されていた学園内の新施設が、第二音楽堂であることと、その完成を報告。
この第二音楽堂は、沙知が生徒会長として、クラブOGとして成した、最後の仕事の成果だった。
沙知は、この新たな舞台で蓮華祭ステージを実施することになった6人に対し、最高のパフォーマンスを見せてくれることを期待する。
103期3月度Fes×LIVEでは、6人のパフォーマンスを客席から鑑賞。
新曲「抱きしめる花びら」の最後では、ステージを見守る彼女の後姿が登場した(Fes×LIVEで、メンバー6人以外のキャラクターが登場したのは、これが初めて)。
Fes×LIVE終了後、『蓮ノ空』公式Xにて、ステージで6人とともに記念撮影している様子が投稿された(この写真は、2024年3月30日以降のWith×MEETSで登場するクラブの部室に飾られていたが、既に変更されてる)。
そして、在校生である蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブメンバー一同に見送られ、卒業していった。
With×MEETS
2024年11月17日配信の「夕霧綴理生誕祭 ~18歳編~」にて、綴理の誕生日を祝い、手紙を送る(慈が沙知に頼んでおり、梢も知らなかった)。
内容は、梢と慈が作ったビデオメッセージの中で、慈が読み上げる形で紹介された。
2023 GRADUATION LIMITED COLLECTION vol.2にて、最初にして最後のカード「UR【蓮ノ空女学院スクールアイドルクラブ101期生】大賀美沙知」が実装された。
レアリティはUR、スタイルタイプはトリックスター。
スペシャルアピールはなく、スキルは「ドリーミングサポート」。
手札の全てのスキルの消費APを-3し、ステージ中、獲得するLOVE・ボルテージを向上、メンタルダメージを無効化するというサポートに徹した効果を発揮する、まさに生徒を支える生徒会長ならではのスキル。
加えて、スキルを3回使ったらデッキから除外されるグラデュエーションという特性を持ち、3年間過ごして卒業してしまうことを表していることから、多くのファンに衝撃を与えた。
このカードは102期生・103期生キャラクターのサイドスタイルに編成できる(メインスタイルは不可)が、2024年4月の大型アップデートにて実装された104期デッキの104期生のサイドスタイルには編成できない。
カード一覧では、やはり103期の表示ではどのメンバーにも属しており、例えば花帆のみ表示の状態でも表示されるし、さやかのみ表示の状態でも表示される。対して104期の表示では一切表示されない。
このように、様々な点で、沙知という存在を表している仕様になっている。
あくまでサブキャラクターであるため、演者の小原好美がリアルライブに登壇することもない。
ただし、103期後半をテーマとした蓮ノ空2nd_liveにおいては、全公演の終演時ナレーションを、小原演じる沙知と思しきキャラクターが担当。
前半は全公演共通だが、後半部分はメンバーや観客に向けたメッセージを公演ごとに変えてくるという、ファン感涙の演出だった。
なお、終演時ナレーションを小原が担当したかどうかは公式には発表されていない。
しかし、小原が自身の配信番組などで同イベントに言及しているので、十中八九間違いないだろう(なお、どの公演も現地観覧はしていなかった模様)。
生徒会長
『スクールアイドルミュージカル』を除くラブライブ!シリーズ恒例の生徒会長キャラだが、これまでとはパターンが異なる。
まずラブライブ!シリーズの生徒会長ではあるが、現役のスクールアイドルではない(これは、蓮ノ空女学院の規則の一つとして、「生徒会長は他の部活に入れない」というものがあるため)。
これまでの作品では、生徒会長がスクールアイドルになる、スクールアイドルがスクールアイドルのまま生徒会長になる、そもそも生徒会長が登場しないという2パターンだったため、沙知の「スクールアイドルとしての活動期間と生徒会長としての活動期間が重複しない」という設定はシリーズ初。
また、これまでの生徒会長キャラは、本心から主人公たちの行動を妨害していたため、認められない系生徒会長と言われていた。沙知は最初から、自分の後輩であるスクールアイドルクラブを応援しているので、逆の存在と言える。一方で、乗り越えてくれるだろうという期待を込めて、主人公たちに試練を与えるという、今までとは違う「認められない系生徒会長」として行動したことがある。
サポーター
前述したように現役のスクールアイドルの活動をサポートしている描写から、彼女を高咲侑や『スクスタ』のあなた、三船薫子のような、サポーターと見ることもできる。
特に侑とは、現役高校生であり、スクールアイドルの活動を応援しているが、自身はスクールアイドルとして活動していないメイン級のキャラという点が共通。髪も同じ緑系統。
一方で、侑がスクールアイドルと自分との間に一線を引いている(メンバーからは「侑もスクールアイドル」と評価されている)のに対し、沙知はクラブの未来のために涙を呑んで身を引いた元スクールアイドルであり、「スクールアイドルは皆で作り上げる芸術であり、裏方の人間もスクールアイドルである」「自分をスクールアイドルと思うかどうかの価値観は人それぞれ」と侑のスタンスをフォローするメタ発言をしている。
なお、沙知の考えは、侑ではなく、むしろ「あなた」に通じるところがある(『スクスタ』第29・30章にて、「スクールアイドルを好きだという気持ちがあれば、誰でもスクールアイドル」という考えに至っている)。
元スクールアイドル
また、これまでの作品では、主人公グループは物語開始以後に設立された前例しかなく、スクールアイドル引退後から卒業までの学校生活がほとんど描かれない、あるいはまだ誰も引退していないため、「主人公グループの学校に現役で在籍する元スクールアイドル」という設定もシリーズ初。
なお、主人公グループの学校以外となれば、『スクスタ』の夏川マイや『アニガサキ』の三船薫子という元スクールアイドルのキャラクターがいる。
演じる小原好美女史は、ラブライブ!シリーズの源流である雑誌『電撃G'sマガジン』関連において、『天華百剣』や『しょにおや!』に出演している。
また過去には『サンシャイン!!』にモブキャラの役で出演した経験がある。
沙知のイメージカラーやその名称について、公式には発表されていない。
ただし、103期3月度Fes×LIVEでのステージの照明や客席のペンライトが濃い緑色(梢のマーメイドグリーンよりも濃い。シリーズで一番近いのは小泉花陽の緑だろうか)になったり、沙知に捧げる「抱きしめる花びら」の衣装の色が緑色であることなどから、沙知のイメージカラーは緑系であるというのが、ファンの共通認識になっている。
なお、蓮ノ空1st_liveのラブライブレードには、6名以外の緑系の色として、薄緑色、黄緑色、緑色、深緑色などが入っている。
身長についても、正確な数値は不明。
ただし、活動記録のシーンから、瑠璃乃(151cm)より小さいと推察されている。
背が小さいことは本人も気にしており、他人から小さいと言われると「小さい言うな!」と言い返す。
別作品のキャラつながり
藤原千花:かぐや様は告らせたいのキャラクターで、中の人つながり。生徒会役員(ただしこちらは書記)であること、作品における権力者(沙知は理事長、藤原は元首相)の孫である点、大事な存在を守るために力を奮ったことなどが共通しているが、普段の性格は全く異なる(シリーズ別作品のキャストの伯父のネタでダイエットを済ませた気になっていたこともある)。
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