概要
このセリフが登場するのは、映画『バトルシップ』のクライマックスシーンにおいて。
飛来したエイリアンの大型艦五隻(一隻は事故で損失)の内、三隻を撃沈した米海軍のイージス艦「ジョン・ポール・ジョーンズ」だったが、最後の一隻の奇襲を受け奮闘も虚しく撃沈されてしまう。
外部からの援軍は、エイリアンが張り巡らせたバリアに阻まれて侵入することが出来ず、やむを得ず真珠湾に動態保存されていた第二次世界大戦時の戦艦「ミズーリ」を、かつての乗組員と共に駆って決戦を挑む。
その際、駆逐艦「サンプソン」、海上自衛隊の護衛艦「みょうこう」を葬った侵入式遅延信管兵器が第三砲塔に被弾、「ジョン・ポール・ジョーンズ」の乗組員が「大丈夫か!?」と尋ねるが、これに対し古参兵は「戦艦が簡単に沈むか!!」と答えたのである。
ネタ
このセリフは、ニコニコ動画などの動画サイトでは度々ネタにされる。
何故かと言うと、セリフの通り「簡単に沈まなかった」戦艦もいる中、「簡単に沈んだ」戦艦もいるからである。
この場合、「戦艦が簡単に沈むか!!」に合わせて、○○(戦艦の名前):「誠に遺憾である」と言う弾幕が形成される。
簡単に沈んだ戦艦達(巡洋戦艦含む)
アメリカ
イギリス
レパルス(マレー沖海戦)
フッド(デンマーク海峡海戦)
イタリア
ローマ(元同盟国のドイツにより誘導爆弾フリッツXを2発被弾)
ソビエト社会主義共和国連邦
マラート(相手が悪かったとしか言いようがない。大破着底したが修復されて砲撃能力が回復、戦後には復帰している)
ドイツ
ティルピッツ(超弩級戦艦のうち、爆撃のみで撃沈されたのは本艦とアリゾナ、ローマのみ。弩級戦艦を含めれば、マラートも該当する)
日本
三笠(日露戦争後の1905年9月、佐世保港停泊時に謎の弾薬庫爆発を起こし沈没・着底した。同様の悲劇は後の「陸奥」でも繰り返される。間もなく「三笠」は引き揚げられ任務に復帰するも、1921年、ウラジオストック沖でまたも座礁・着底するという不運に見舞われた。
しかも記念艦として保存するため曳航途中、横須賀沖で座礁。艦底部に大きな破口が発生し、それ以上の曳航を断念しやむなく現在の三笠公園の土地を掘り、満潮を待ってそこへ引き入れ記念艦とした。
さらに戦後、めぼしい木材や鋼材などをあらかた剥ぎ取られ、レストランと水族館を作られてしまう。窮状を知ったニミッツ大将や三笠保存会の皆様のお陰でなんとかなったものの・・・・・・)
金剛(レイテ沖海戦から帰国する途中、潜水艦から二本の魚雷を被雷したが直後は航行に支障はなく、艦首脳部は「戦艦が簡単に沈むか!!」と慢心しきっていた。しかし、老朽化が進んでいたことからリベットの継ぎ目からも浸水、徐々に浸水箇所が広がっていた。急激に傾斜が増加して艦首脳部が危機に気付いた時は既に手遅れであり、転覆して弾薬庫が爆発し瞬く間に沈没した)
扶桑(スリガオ海峡海戦。米海軍の奇襲により右舷に複数の魚雷を受けて沈没)
陸奥(柱島泊地に停泊時、第三砲塔で原因不明の爆発が発生し沈没・着底)
その一方で…
簡単に沈まなかった戦艦達
アメリカ
イギリス
プリンス・オブ・ウェールズ(簡単に沈んだ戦艦にもカウントされるが、ビスマルク追撃戦では大破しながらも生還している。なお、マレー沖海戦では…)
日本
大和(坊ノ岬沖海戦において、空母11隻から出撃した艦載機386機の波状攻撃で沈む)
武蔵(レイテ沖海戦で、空前絶後の魚雷38発、爆弾80発と言う猛攻を受けながらも、九時間浮き続けた脅威の戦艦)
伊勢、日向(同じくエンガノ岬沖において、ハルゼー機動部隊の全力攻撃を受けながらも、伊勢は面舵のみ、日向は取り舵のみで切り抜ける。アメリカ側も2艦の対空砲火が苛烈であったことを誉めている)
長門(クロスロード作戦にて、二度の核爆弾に耐える。(しかも二回目は一度目を耐えたことにより、確実に沈むように嫌がらせとして艦首に穴を開けられ、爆雷を取り付けられたという俗説まである)。その後、四日後の深夜に誰にも看取られることなく沈んでいった)
ドイツ
ビスマルク(イギリスの誇りと呼ばれた戦艦「フッド」を撃沈したため、これに激怒した英海軍は全勢力を投入する。空母艦載機による爆撃・雷撃により正常な航行ができなくなり、集められた戦艦や重巡から約400発の砲弾で滅多打ちにされ自沈した)
要するに
戦艦はその性質上、重装甲に身を固めた艦であるため、基本的には簡単には沈まない。ただし、建造時の想定を超える威力の兵器(フリッツXやトールボーイ)の被弾や、内部からの爆発など設計上想定していない事象が起こるとあっけなく沈んでしまうことがある。
同じ艦でも、戦闘形態によって脆くなったり強靭さを見せつけたりする。
例えば、上記の「プリンス・オブ・ウェールズ」の例があるほか、「ティルピッツ」は爆撃のみで簡単に撃沈されてしまったが、同型艦の「ビスマルク」はイギリスの戦艦二隻を退け、もう二隻の攻撃を受けても簡単には沈まなかった。
魚雷2発で沈んだ「金剛」も、沈没に至ったのは被弾を甘く見た判断ミスが原因で、早期に適切なダメージコントロールを行えば生還できたと考えられている。簡単に沈むかどうかは、使う側の人間によって大きく変わるのである。
pixivでの使用法
やはりこの作品に関連したネタが多数を占めている。
関連タグ
でも今の駆逐艦はすごいぞ。最高だ。 同じく、映画「バトルシップ」のセリフが元になったネタ。