薩摩廉太郎
さつまれんたろう
「私たちは生きるためにしか戦わん。行くぞ、クダモン!」
デジタルワールドと人間界を守るDATSの隊長で、常にサングラスをかけている。
未熟な大門大たちにとって導き手となる冷静沈着で厳しくも優しい好漢で、その怒号は「鬼の一喝」と称され藤枝淑乃ら隊員たちから恐れられている。
パートナーのクダモンとの関係は良好であり、クダモン本人も薩摩の肩がお気に入りの場所と感じているようである。
デジソウルチャージは大同様右手で行っている(これは大の父である英も同様)。
来歴
かつては湯島浩と共に神奈川県警の刑事であったが、連続失踪事件の原因探求のために超生物学者の大門英らと共にデジタルワールド探検隊に参加(これがDATSの前身となる)。
数年後、英から送られてきた使者であるクダモンとカメモンの2体と出会い、湯島と共にDATSを設立。
回想シーンにてヌメモンにたじろいでいたことから、設立当初は慣れないデジモンへの対処に苦心していたことがうかがえる。
後半戦での動向
DATSのメンバーが倉田明宏の策略でお尋ね者になり自身も拘束された中、先に脱したクダモンと共に脱出し国家機密省のエージェントを退けつつ、大ら実働チームの危機を救うべく、デジタルゲート内でバイオデジモンと化した倉田の配下3人組(倉田軍団)と対峙。大たちを庇い、彼らと交戦した際に行方不明となってしまう。
このためベルフェモンと化した倉田との決戦には参戦できなかったが、倉田の悪行に業を煮やしたイグドラシルの配下であるロイヤルナイツによって追い詰められていた大たちを救い、ともに人間界に帰還。満身創痍のクダモンを究極体であるスレイプモンに進化させることには躊躇いを見せていたが、イグドラシルの命で横浜市中心部に侵攻してきたデュークモンから大たちを救うべく、クダモンの決死の願いを聞き入れる形で彼を『デジソウルチャージ・オーバードライブ』でスレイプモンに進化させ、人間世界の破壊を阻止した。
デジヴァイスは最後までicのままであったが、クダモンを究極体に進化させられる『デジソウルチャージ・オーバードライブ』を行使できるほどメインキャラ以外のDATSメンバーの中でもデジソウルの使い方には長けていた。
また緊急時には横浜港の埠頭にあるプレハブ小屋地下に隠されていた秘密基地を使用できるよう美樹と恵に手配させるなど、行方不明期間であっても抜かりのない活躍を見せている。
放送当時は主要4人組である淑乃を差し置き、彼の持つデジヴァイスicと同じカラーリングのものが販売された。なお、大人組のアイテムが販売されるのは歴代では最初にして最後のパターンである。
しかもパートナーデジモンの進化系が全種登場しており、大人サイドではかなり優遇されている人物である(とはいえ残念ながら進化バンクは1回のみ)。
また、『デジモンテイマーズ』以降途絶えていた、ロイヤルナイツに進化するデジモンをパートナーにしているテイマーでもある。過去作でロイヤルナイツ所属デジモンに進化するデジモンをパートナーに持つテイマーたちはいずれも主人公級であることを考えると、かなり異例の待遇といえる。また、その過去作のテイマーたちのパートナーデジモンはあくまで正式なロイヤルナイツ所属ではないため、明確にロイヤルナイツに所属しているデジモンとパートナーになったテイマーは彼が初である(なお、そもそもアドベンチャー~テイマーズ、クロスウォーズ(漫画版を除く)、ゴーストゲーム、アプモンの世界にはロイヤルナイツと言う概念は存在しない)。
この他にも、アニメシリーズのテイマーでは珍しい大人のテイマーでもあった。最終的にパートナーを得られた及川悠紀夫がその先駆けといっても過言ではないが、レギュラーキャラでデジヴァイスを所持し、かつ大人になってからパートナーデジモンと出会ったのは彼(と湯島浩・黒崎美樹・白川恵)が初であり、かつアニメシリーズでは今の所唯一である。
アニメシリーズのテイマーは基本的に小学生から中学生であり、セイバーズの大人達4名は極めて異例とも言える。
主人公である大門大ばかりが型破りな登場人物として注目されがちな本作だが、薩摩もまた、デジモンのメディアミックス全体を俯瞰してみるとかなり型破りな人物なのである。
山木満雄(デジモンテイマーズ)、西島大吾(デジモンアドベンチャーtri.):デジモンシリーズにおける主人公をサポートする大人キャラ繋がり。特に山木とは同じネットワーク監視システムの責任者である点、サングラスを掛けている点が共通している。
ドギー・クルーガー/デカマスター(特捜戦隊デカレンジャー):立ち位置や人物像が似ている。『セイバーズ』初期はデジモン犯罪を取り締まる治安維持組織の隊員である大たちの活躍を中心に描いた、デカレンジャーに似た作風でもあった。