概要
2024年度前期放送予定の連続テレビ小説の作品。日本初の女性弁護士である「三淵嘉子」をモデルに激動の時代を生きるヒロインを描いた作品。
シナリオは吉田恵里香、主演は伊藤沙莉。主題歌は、米津玄師の「さよーならまたいつか!」
ナレーションは尾野真千子が担当しており、「主人公の心の声を別人が演じている」という特殊なスタイルになっている。
「女賢しくて牛売り損なう?」のように、各週のタイトルが女性差別的なことわざに「?」をつけたものになっている。
サブタイトル
第1週 女賢しくて牛売り損なう?
第2週 女三人寄ればかしましい?
第3週 女は三界に家なし?
第4週 屈み女に反り男?
登場人物
猪爪家の人々
猪爪寅子(いのつめ ともこ)
演:伊藤沙莉
本作の主人公。大正3年(1914)五黄(ごおう)の寅年に生まれたため、こう名付けられた。女学校の卒業を迎えた年、お見合い結婚を勧める母親を振り切って、女性に法律を教える日本で唯一の学校への入学を決意。そこで出会った仲間たちと切磋琢磨し、やがて日本初の女性弁護士となる。「はて?」が口癖で疑問に思ったことは最後まで突き詰めないと気が済まない。世間知らずで自信家の所もあるが、全てに全力。弁護士として、裁判官として、一歩ずつ成長していく。あだ名はトラコ(トラ、トラちゃんとも呼ばれる)。
猪爪はる(いのつめ はる)
演:石田ゆり子
寅子の母。料理と整理整頓が得意で、猪爪家の家計も家事も完璧に管理するしっかり者。常に現実的で、寅子には早く結婚して欲しいと思っている。夢を語る寅子に厳しいアドバイスをすることもある。だが、寅子が桂場に「母親一人説得できないようじゃ話にならない」「(女子部に行ったところで)泣いて逃げ出すのがオチだろ」などと言われたのを聞いた際には「お黙んなさい!あなたにうちの娘の何が分かるって言うんですか!?」と彼に強く反論し、家に帰った後も「ああ腹が立つ。知ったような口聞いて若造が!」と珍しく怒りをあらわにしていた。
猪爪直言(いのつめ なおこと)
演:岡部たかし
寅子の父。銀行に勤め、3人の子どもの父として猪爪家を支える。大抵のことは笑って許してくれる優しい父だが、妻のはるには頭が上がらない。法律を学びたい寅子の夢を応援する。
佐田優三(さの ゆうぞう)
演:仲野太賀
猪爪家に下宿している書生。早くに両親を亡くし、弁護士だった父に憧れて大学に通うが、高等試験(現在の司法試験)にはなかなか合格できない。昼は銀行で働き、夜は大学で勉学に励む。
米谷/猪爪花江(よねたに/いのつめ はなえ)
演:森田望智
寅子の女学校の時の同級生。女学生のうちに結婚することが夢で、寅子の兄・直道と結婚。妻として必要なものを全て習得し、家庭で一番になりたいと願う。寅子の親友から、家族となった。先に惚れたのは直道だと思われていたが、実は彼女だった。
猪爪直道(いのつめ なおみち)
演:上川周作
寅子の兄。人が良く、妹思い。寅子の親友・花江に一目ぼれし、婚約をしている。「俺には分かる!」が口癖。寅子の結婚を心配しているが、好きなことをして欲しいとも思っている。問題が起きた際彼が丸く収めると寅子(&本編を観ている視聴者)に毎回心の中で「いやなんでお前がまとめてんだ…」とツッコまれている。
猪爪直明(いのつめ なおあき)
演:永瀬矢紘
寅子の弟。純粋な性格で家族想い。責任感が強く、家計を支えるため自分を犠牲にしようとするような一面も。
稲(いね)
演:田中真弓
花江の実家・米谷家で働く女中。花江と寅子を母のように見守る。故郷の新潟に帰った後も、寅子との縁が続いていく。
明律大学の面々
女子部法科
山田よね(やまだ よね)
演:土居志央梨
颯爽とした男装の女性。同級生の中でも人一倍やる気があるが誰とも群れたがらず、呑気に見える寅子たちに強く当たる(初対面の時点で寅子に対し「お前みたいにヘラヘラしてる奴がいるから女はなめられるんだ」と言った)が、寅子に褒められた際は「…あほか」と若干デレを見せている。女子に弁護士資格を与える法改正が延期された際「この法改正が10年後、20年後となれば話にならない」と穂高に熱弁していることから女性の社会進出に熱い信念を持っていることが窺える。
桜川涼子(さくらがわ りょうこ)
演:桜井ユキ
華族のお嬢様。ファッションや行動が雑誌で取り上げられるほどの有名人。海外で過ごした経験もあり英語が堪能で、成績優秀。いつも玉というお付きの女性を伴って登校している。
大庭梅子(おおば うめこ)
演:平岩紙
寅子の同級生で一番年上の学生。弁護士の夫がいる。家庭では3人の息子の母親でおっとりとした落ち着きのある話し方をする。「若いとお腹がすくから」が口癖で、毎日のようにおにぎりを作ってきてくれる。
崔香淑(さい こうしゅく/チェ ヒャンスク)
演:ハ・ヨンス
朝鮮半島からの留学生。法律を学んだ兄の勧めで明律大学女子部に進学した。日本語が堪能で、寅子たちともすぐに打ち解ける。
久保田聡子(くぼた さとこ)
演:小林涼子
寅子の先輩となる女子部一期生のリーダー的存在。率直な話し方でとっつきにくそうだが、後輩の面倒見は良い。
中山千春(なかやま ちはる)
演:安藤輪子
聡子と同じ女子部一期生。人当たりが柔らかく涙もろい。3年生に上がった時点で久保田と2人だけであり、授業中にも泣いていたが、2人とも本科まで残っている。
本科の面々
花岡悟(はなおか さとる)
演:岩田剛典
社交的で学生たちの中心的な存在。女子部卒の学生たちにも心を開き、轟をいさめながら寅子たちと行動を共にする。女性から大人気で、寅子にとっても気になる存在。が、それは仮の姿であり彼も女性蔑視のような一面があり「女は優しくされるとつけあがる」と発言していたり「男と同様に勉学に励む君たちを、最大限敬い、尊重している!」と言った際には寅子に「私達は特別扱いされたいんじゃない!」と反論され崖から落ちてしまう。命に別条はなく病院に見舞いに来た轟に「寅子を訴える」と発言したが「思ってもいないことを言うな」と叱られる。
轟とは旧友である様子。
轟太一(とどろき たいち)
演:戸塚純貴
寅子たちが女子部から法学部へ進学した際に出会う男子学生。男は強くあるべしと努めて男らしく振る舞う。女子部卒の学生たちに対し警戒心を持っているように見えるが、男子学生が直言らが絡んだ共亜事件を機に学校に来れなくなった寅子のことを「明律の恥晒し」「さっさと退学しろ」など心無い言葉を漏らした途端その学生を殴り「それ以上言ったら殴る…!」と怒っていたり寅子を訴えると言い出した花岡を叱り「あの人たちは漢(おとこ)だ」「俺が漢の美徳と思っていた強さ、優しさをあの人たちは持っている」と言っていることから彼女らを認めていることが分かる。
桜川家
桜川寿子(さくらがわ ひさこ)
演:筒井真理子
涼子の母。夫・侑次郎を婿に迎え、桜川家を存続させた。娘・涼子にも自分と同じように婿を取り、家を守ってくれることを望んでいる。
桜川侑次郎(さくらがわ ゆうじろう)
演:中村育二
涼子の父。桜川家への入婿であるためか、寿子より立場が弱い。涼子の将来には放任主義の姿勢を見せる。
玉(たま)
演:羽瀬川なぎ
桜川家のお付き。涼子(桜井ユキ)を敬愛し、いつもそばにいるため、寅子(伊藤沙莉)たちとも親しくなる。
岸田(きしだ)
演:奥田洋平
桜川家の執事。涼子の監視に猪爪家まで来ていた。交友関係について口出しし、更にはお付きの玉に難癖をつけた際には涼子に怒られている。
寅子の運命を変える人々
笹山(ささやま)
演:田中要次
いわゆる「傍聴マニア」で寅子たちと法廷でたびたび顔を合わせる。「笹寿司」の主人で寿司職人。寅子を娘のように思い、応援している。
竹中次郎(たけなか じろう)
演:高橋努
ゴシップ記事のネタを常に探す新聞記者。女子部の寅子たちのことも皮肉に書き立てる。各界に通じている事情もあり、時に寅子に忠告することも。
雲野六郎(うんの ろくろう)
演:塚地武雅
寅子が働くことになる雲野法律事務所の代表。人情に厚く、いつも依頼をタダ同然で受けてしまうので事務所の経営は苦しい。
桂場等一郎(かつらば とういちろう)
演:松山ケンイチ
司法の独立を重んじる気鋭の裁判官。堅物で腹の内を決して見せないため、周囲の人々も彼をつかみきれない。寅子に対して、女性が法律を学ぶことに疑問を呈する(が、純粋な疑問をぶつける寅子を馬鹿にしたように嗤った男子学生達に対しては「何がおかしい?彼女は分からないことを質問しているだけだ」と一喝していた)。「法の世界」の手ごわい先輩だが、実は甘党(なのだが食べようとしたタイミングで突然現れた寅子に声をかけられはるに怒られたり、共亜事件の裁判長となった武井(演:平田広明)に声をかけられたりなどことごとく食べ損なっている)。
穂高重親(ほだか しげちか)
演:小林薫
高名な法学者。女子教育に熱心で明律大学女子部の立ち上げに尽力し、教鞭をとる。優三に弁当を届けようとしていたらたまたま聞こえた「女性は無能力者」という言葉に疑問を抱いた寅子に対して「言いたいことがあるなら言いたまえ」と彼女の話を遮らずに聴いていた。おおらかで何事にも動じないが、飄々としてお茶目な一面も持つ。「法の世界」における寅子にとっての「生涯の師」。
余談
水沼役の森次と若島武吉役の古谷はかつて『ウルトラセブン』の主人公のモロボシ・ダン役とアマギ隊員役としても共演し、古谷は初代ウルトラマンのスーツアクターも演じており、ネット上ではファンから「ウルトラマンコンビですね!」「お二人とも、まだまだ現役でご活躍。いいですね」「アマギを守れよダン!」とコメントが寄せられた。