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負担重量

ふたんじゅうりょう

負担重量とは、一般的な競馬において、競走馬が背負う騎手や重りの重さの合計である
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競馬において、競走馬騎手が乗って走るわけだが、負担する重さが異なれば当然、軽いほうが有利になる。このため、レースごとに定められた所定の規則により定まる重さを背負って走ると定められている。その重さが負担重量(斤量)である。


負担重量の単位編集


日本フランスでは、キログラムを使う。一方、イギリスアメリカなどではポンドを使う。

JRAによる海外競馬の馬券発売では、後者のポンド単位のものもキログラムに換算して発表されるが、多少の誤差が含まれるのが普通である。


ちなみに、レースの距離についても、日本やフランスではメートルで発表されるが、イギリスやアメリカではハロンマイルなどを使う。


負担重量の決め方編集


以下、日本の競馬に絞って話をする。負担重量の決め方は、「別定」「定量」「馬齢重量」「ハンデキャップ」という4種類がある。


別定編集


馬齢と性別により定まる重量に、実績による加増軽減を行い、負担重量を決める方式である。


別定の具体例1: 2024年オクトーバーステークス編集


オクトーバーステークスの場合、以下のような負担重量になっている。


  • 日本調教馬の場合
    • 4歳以上牡馬・せん馬57kg
    • 3歳牡馬・せん馬55kg
    • いずれも牝馬は上記から2kg減
    • 収得賞金1600万円を超える部分について、1200万円ごとに1kg増
  • 外国調教馬の場合
    • 4歳以上牡馬・せん馬57kg
    • 3歳牡馬・せん馬55kg
    • いずれも牝馬は上記から2kg減
    • G1勝ち馬5kg増・G2勝ち馬3kg増・G3勝ち馬1kg増(ただし、2歳時の実績は加味しない)

例えば、順当に未勝利戦・1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスと勝ち上がった4歳牡馬が、オープンクラスの初レースとしてこのレースを走る場合は、収得賞金2400万円なので、加増項は0kgとなり57kgとなる。

一方、例えばソールオリエンス(新馬・京成杯皐月賞、および日本ダービーセントライト記念宝塚記念2着)がこのレースに挑むと仮定する(実際には計算結果からありえないことは明らかになるが)。この場合、収得賞金が2億3900万円となり、その結果加増項が18kgとなってしまい、負担重量は75kgとなる。

こういったレースでは、この手の実績を積んだ馬は参戦が事実上不可能となるため、ある程度実績が高い馬はもっと格が高いレースに挑むことになるだろう。


別定の具体例2: 2024年毎日王冠編集


毎日王冠の場合、以下のようになる。


  • 4歳以上牡馬・せん馬57kg
  • 3歳牡馬・せん馬55kg
  • いずれも牝馬は上記から2kg減
  • 直近1年間の牡牝混合GI級競走勝ち馬2kg増
  • 直近1年間の牝馬限定GI級競走、もしくは牡牝混合GII級競走の勝ち馬1kg増
  • 直近1年より昔の牡牝混合GI級競走勝ち馬1kg増
  • ただし実績による加増項については、2歳時の実績は加味しない

先ほどのソールオリエンスであれば、1年より昔のGI皐月賞勝ち馬なので、加増項は1kg。このため負担重量は58kgとなる。

また、先ほどの順当に未勝利戦・1勝クラス・2勝クラス・3勝クラスと勝ち上がった4歳牡馬であっても57kgとなるため、こういったレースでは実績馬とそれ以外の馬で負担重量の差が小さい。このため、こういったレースでは強い馬が集まりやすい。


別定の具体例3: 2024年ひまわり賞編集


ひまわり賞の場合、以下のようになる。


  • 基本重量は55kg(2歳戦で、牡馬・せん馬・牝馬で負担重量の違いはない)
  • 収得賞金500万円超の馬は2kg増
  • 未勝利・未出走馬は2kg減

この時期に500万円を超える馬は、オープン格のレースを勝っている実績馬である。また、このレースには未勝利や未出走の馬も一定数出走する。このため、このような設定になっている。

また、収得賞金に大きな差がつくことは想定しづらく(函館2歳ステークスからの連戦は連闘になるため、重賞勝ち馬が出走することは基本的にない)、この設定で問題はない。


定量編集


馬齢と性別によってのみ、負担重量を決める方式である。

日本におけるGI競走のうち、世代戦以外はすべて定量である。

また、古馬混合の条件戦は、ハンデキャップの負担重量設定になっている特別競走以外も定量である。


前者は、その区分で最も強い馬を決めるにあたり、負担重量の差を設けるのは不適当という観点から、後者はそもそも条件戦は実績が近しい馬がそろっているのが普通なので、わざわざ負担重量に差を設ける必要性があまりないためだろう。


また、JRAのGII競走では、札幌記念阪神カップも定量である。どちらも同じような距離のGIIと比べて賞金が高いのが特徴で(2024年時点で札幌記念は1着本賞金7000万円とGIIの中で最も高い。阪神カップも6700万円で、これは古馬王道路線の前哨戦である別定戦、中山記念金鯱賞(以上大阪杯のステップレース)・阪神大賞典日経賞(以上天皇賞(春)のステップレース)・オールカマー毎日王冠京都大賞典(以上天皇賞(秋)のステップレース)と同額である)


馬齢重量編集


馬齢の時期と性別によってのみ定められた、所定の重量により負担重量を決める方式である。


  • 2歳(9月まで) - 55kg
  • 2歳(10月から12月まで) - 牡馬・せん馬56kg、牝馬55kg
  • 3歳 - 牡馬・せん馬57kg、牝馬55kg

JRAでは新馬・未勝利戦・2歳1勝クラス・3歳1勝クラス・ラジオNIKKEI賞を除くすべての世代別重賞はすべてこの馬齢重量である。


ハンデキャップ編集


ハンデキャッパーが出走予定馬に対して負担重量を実績等の実力を勘案して割り振る方式である。

その関係で、実績等の実力を勘案するために、直近1年間に出走履歴がある必要がある。

また、事前に出走予定馬がわかっている必要があるため、JRAの一般競走においては採用の余地はなく、一部の特別競走(重賞含む)で採用されている。


ハンデキャップを定めるにあたって、よく用いられるのが、レースの距離と着差の関係である。

例えば、芝1600mの定量戦で1馬身差であり、かつ馬齢・性別が同じなら、負担重量は1kg差にする(もちろん先着した馬のほうを重くする)とおおむねそろうとされている。

これが芝3000mの定量戦で1馬身差であり、かつ馬齢・性別が同じという設定だと、0.5kg差にしないといけないし、1200m戦であれば1.5kg差になってくる。


また、3歳馬や牝馬が絡むときは少し面倒になる。


  • 3歳馬が絡む場合、時期や距離による負担重量変化を考慮する必要がある
    • 例えば8月に1200m戦で2kg差で1馬身差で古馬が3歳馬に先着していた場合(性別は同じと仮定する)、11月にハンデ戦をするときには(距離は同じ1200m)2kg+1.5kg-1kgで2.5kg差にするのが妥当になる。これは、1200m戦での8月の古馬と3歳馬の負担重量の標準的差は2kgが、11月では1kgに縮まること(これが-1kgの内訳。2kg-1kg=1kgである)による
  • 牝馬が絡む場合は、基本最初の負担重量から差がついているので、それを加味する
    • 例えば古馬牡馬が古馬牝馬に2kg差で1600m戦で1馬身先着していた場合、ハンデ戦をするときには3kg差が妥当である。牝馬との基本的な負担重量差2kg+1kg(1600mにおける1馬身差)になるため

基本的に、日本において、ハンデキャップの負担重量では、60kg以上の設定をすることはまれである。これは、骨折などによる予後不良等のリスクを考慮したものである(障害競走においてハンデキャップの負担重量設定は、現在は実施されていない)。また、設定されたとしてもそのような馬はほとんどの場合回避する(例えば2023年シリウスステークスにおいてレモンポップに負担重量61kgが割り当てられたが、そもそもこのレースに出走を予定したのは栗東トレーニングセンターの坂路を使用するためという(レモンポップは美浦トレーニングセンター所属なので、自由に栗東トレーニングセンターの施設を使用することはできず、レースの出走を予定しなければならない)理由によるものである。したがって、もともと本線は交流重賞のマイルチャンピオンシップ南部杯であり、このレースは回避前提だった。もちろん特別登録料はどぶに捨てることになるが、第1回特別登録だけなら1万円なので、それほど問題にはならない)。

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