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鴨川の前に敵は無し



概要編集

九十九の満月」の世界(以下、九十九世界)に登場する人間の名家。


鴨川家とは信賞必罰立身出世信条とし、素手による組術(くみじゅつ)も取り入れた”鴨川合戦剣術”の流派を持つ剣術一家。


野蛮な印象を持たれるだろうが、戦乱の世を生き抜いた武人の血筋であり、何代も続く信念を持ち続ける由緒正しき?武家である。


歴史編集

時は戦国時代に遡る。


と熟練の技術によって鍛造される日本刀は、武士(もののふ)にとって誉れであり、維新であり、であった。しかし当時の合戦場において最も人を殺めた武具弓矢であり、次いでであった。


武士(もののふ)の魂「日本刀」といえども、厚い甲冑の前では、瑣末(さまつ)な刃物でしかなかったのだ…。しかれど、この刃(たましい)のみで合戦場を戦い抜いたのが、後に合戦剣術の名家となる鴨川家である


鴨川家は尾張徳川の繁栄の基盤にして、信賞必罰立身出世信条とした豪傑一族である。他に類を見ない業(ごう)深い野心と、それを押し通す圧倒的なまでの剣術で戦場を駆け抜けた。【その54】では甲冑姿の鴨川が、日本刀の抜刀で眼前にいる幾人もの武士を屠る勇姿が確認出来る。


時代に名を残した鴨川の人間が何人もおり、その名前は九十九世界の文献に記されている。

また罪人の首斬りを生業(なりわい)とする役人だった時期がある。


現在の鴨川家編集

斬首刑の廃止と開国戦争の活躍により、今では御三家(ごさんけ:幕府から兵の育成を請け負う剣術指南役)の一つで、政府公認の道場となっている。また先述の時代背景からか罪人の首を斬る役人仕事は行っていない。


御三家鴨川」の名に誇りを持ち、その名に恥じないためか自身の息子といえど傷が絶えない厳しい稽古を受けさせている。鴨川の力はただの道場に収まらず、要人との繋がりも強く、難解な事件政府の要請を受けて戦う独立施設部隊の役割をも担っているという。全ての仕事(ビジネス)を請負うわけではないようだが…


どんな依頼だろうが、受けた以上は御三家の名にかけて、鴨川めいて完遂する。


住まいは庭付きの日本家屋で大きなお屋敷を持ち、大勢の女中を働かせられる程の財力がある(詳細は下記参照)。


女中編集

鴨川家のお屋敷では複数の班が作れるほど多くの女中を雇っている。中には物心が付くぐらいの時から働く勤続(キャリア)10年以上の女中頭(超ベテラン)が働いている。


仕事着は右側が四角の斑模様がある着物頭巾。役職ごとに(たすき)の色が異なる。


忙しい職場の様で、例として住み込み下級女中の仕事を覗いて見ると…


まだ星が光り朝日も出ていない早朝から一日が始まる。下っ端はまず水汲みを行う。鴨川家はではなく手押しポンプ(ガチャポン)があって便利だが、寒い朝は冷たい取っ手を握って作業しなければならない。まず呼び水を入れ、取っ手をガチャガチャと何度かポンプすると、井戸が汲みあげられて……こなければ故障の前に妖怪(※詳細は後述の”鴨川屋敷の妖怪”へ)を疑う事。


水を汲み終わったら次は、大きな一杯に入ったそら豆の下ごしらえ。そら豆のおしり部分をパキッと割り、サヤを開き、豆を取り出し、皮を取りやすいよう"おはぐろ"という部位(豆にある線のような黒い部分)を取る。

たまに妖怪(※詳細は後述の”鴨川屋敷の妖怪”へ)も混じっているのでそれも取る。


それから後は幾つもある釜土(かまど)で、ひたすらにを炊いては鴨川の人達へと持っていく。こうした女中達の働きによって、稽古に励む男達の血肉を作る手助けをしているのである。


最後のお米を運び終えれば、ようやく女中達は朝ごはんを食べられ…


女中頭「何言ってんだい。次は食器洗い(おりかえし)だよ。」

ジャラン(大量に積み上げられた食後の食器

下級女中「・・・」


この様に激務な労働だが、長く勤めたら年金が支給されるといった待遇が良い職場でもある。


鴨川合戦剣術とは編集

日本刀(たましい)のみで戦場を駆け上がった武家の「(わざ)」であり、

幕府剣術指南役御三家が一つ「鴨川家」の「(わざ)」である。

詳細はリンク先へ。


鴨川の業編集

信賞必罰立身出世が信条である鴨川家の血を継ぐ者は、仕事(ビジネス)の関係もあってか生殺与奪も厭わない武者(もののふ)揃い。


作中に登場した鴨川の人間で、普段は相手への思いやりを持つなど面倒見の良く、人当たりも良い一面が見られる。だが一度戦闘状態に入ると、普段の様子から一変して鬼神のごとく戦う。相手に情けをかけられれば「己の甘さ」と腹を立てながらも、対戦者への敬意を払って全力で立ち向かう武人の姿勢も持つ。

だが姑息な手段や邪々堂々(じゃじゃどうどう)も厭わない戦法を取るなど一筋縄ではいかぬ厄介な一族である。


そんな鬼のような血族だが、絵を描くのが好きな生粋の平和主義者がいる事も…。


余談編集

  • その12】では、とある妖怪が「鴨川本家の~」と発言しており、分家も存在するのかなど詳細不明。
  • 鴨川家の元服は独自のもので、他の人達と若干元服を迎える時期が違うとの事。その他詳細は九十九の満月・用語一覧
  • 作中で判明している限りでは十二代続く名家。
  • 鴨川屋敷の敷地内で猫が登場する場面が多く、首輪を付けた猫もいるが鴨川で飼われているのかは不明。


鴨川屋敷の妖怪編集

その133】などで、鴨川屋敷に発生した様々な妖怪を観察できる。


例えばー

通り名(※1)ガチャポン腹
名前呼び水枯らし
妖怪の分類 物化妖(ものばけよう:物が触媒(ベース)の妖怪)
命紋(※2)ガチャポンのような紋
登場回その133
容姿小さな耳とプニッっとしたほっぺに大きな鼻と、顔立ちは動物のバクに似る。

作中では「新しい道具ができれば新しい妖怪も出てくるものだ。」との事で、手押しポンプを触媒に生まれた九十九神と思われる。


通り名サヤ入り娘
名前(※3)そら豆女房
妖怪の分類生物妖(せいぶつよう:生物が触媒(ベース)の妖怪)
命紋お歯黒のような紋
登場回その133
容姿そら豆お歯黒があり丸髷のような髪がある。口内?には人間のようなに似た部位が二本生えている。

※1 煽り文句(キャッチフレーズ)みたいなもの。

※2 みょうもん:己を示す紋章の事。

※3 女の漢字は「匁」っぽい字体が使われている。


九十九世界の人間界で家具などを触媒に発生する妖怪に対して、一般の人間達は特に恐れる様子がなく公然の存在として認知されている模様(その他、九十九世界の妖怪については九十九神(九十九の満月)へ)。【その163】では、目を輝かせてその変わった生態・珍妙な出で立ち・壮大な生き様を見せる妖怪達魅せられる鴨川の坊ちゃんが描かれている。


関連タグ編集

鴨川

九十九の満月・用語一覧

鴨川満月

武家 武士道































































「鴨川家」とはどんな人間か?編集

文献云々の情報よりも、「鴨川家」の人間に会った事がある人間・妖怪達の生の声を(心の声も含めて)聞いてみると…

※内容は一部編集してあります。

※とある妖怪で「罪人の首でもはねてろ」と発言しているが、現在は罪人処刑する役職(その妖怪曰く、くびきり一家)は行っていない。現在は幕府への剣術指南役などを担っている社会情勢を知ってて言ってんだばかやろう!!
























とある妖怪はー


すごい!!

あんな小柄な体で全部の弾をはじき飛ばすなんて!!

まるで…軍神(いくさがみ。戦神(いくさかみ:最強の武人に付く称号)の事?)
























とある妖怪はー


うっせぇ!

この体裁き。てめえ鴨川のアホだろう。ばかやろう!

公僕(こうぼく)はだまって罪人の首でもはねてろ、ばかやろう!!
























とある人間はー


つっっっえぇええー!!

何なんだこのガキ!?

噂にゃ聞いてたが、これ程とは!!


囮(フェイント)にかからねえのはともかく、視覚外からの攻撃も全部いなすとは…。

産まれ持った資質が段違い。ゴロツキの俺なんかじゃ、手合い違いもいいところだな…。
























とある妖怪はー


グ~~~ド♪
























とある鬼はー


ざっけんなバッカヤロー!!

鬼がせっかく話し合おうって言ってんのに!!

どんだけ戦闘狂(せんとうぐるい)なんだ…
























とある人間はー


おいおいこりゃ誰かと思ったら…

鴨川の天才ぼっちゃんじゃねえか。

話通りのヘタレちゃん♪
























とある人間はー


あの盗人鴨川と同じに語るとは!

笑止千万 否 億兆!!

パクリ、パクリ。鴨川はパクリー!!
























とある妖怪はー


バーカ。

この鬼!ホメホメモロン!!
























とある鬼はー


何でこんな血の気の多い流派に入ってしまったんじゃろうか…。

…まあ、稽古の時はちと厳しいが…


じゃ、じゃが。それ以外は優しいぞ!!

たとえば、えー…あれ?意地悪ばっかじゃな。で、でも本当に優しいぞ!優しいぞ?

ほんと…じゃぞ?


師匠は誰よりもすごいんじゃ!!

なんでも見通すすごい目を持っとるし!

誰でもぶっ飛ばす技も持っとる!

わしの自慢の師匠なんじゃ!!
























とある鬼はー


ヘタレ野郎。

少し腕がたつが喧嘩っ早くて、負けず嫌いで、そのくせ食中毒になってビビらせるし、弟を稽古と称してイジメやがって!

それなのに私より弟になつかれて!!

…ほんとムカつく男だ。






















とある人間はー


はじめてあった時のことを憶えてる。

あんたを初めて見た時…

目付きが悪くて、意地っ張りで、なんて生意気なやつなんだろうと思ったよ。























とある半妖はー


初めて会った時のことは良く憶えている。

やさしくて、おせっかいで、妖怪が好きでー

そしてー

とっても意地悪さんなのです。


と、とにかくほんとズボラ!!自分のことは関心ないんですよ!あの人は!!

だけど他人の事となると、いつも一生懸命でほっとけない、そういう優しい人なんですよ。


予想外にも無鉄砲で、負けず嫌いで、いじわるで、

そうして予想以上にずっとずっと素敵な人だった。

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