約束の王を待つ
概要
フロムソフトウェアより発売されたアクションRPGであるエルデンリングのDLC。
2023年2月28日にDLCの制作と発売が発表され、それから約1年後となる2024年2月21日0時(22日)にて、予告トレーラーと発売日が発表された。
本作では、本編では謎多きデミゴッドにして、最も愛らしく最も恐ろしいデミゴッドとされた聖樹のミケラの過去を追う物語となると、本作のディレクターを務めた宮崎英高によって明かされている。また、「過去を追う」と言っても、本編の過去時空に行くわけではなく、時間軸は本編に準拠したままであり、あくまでもプレイヤーが過去を追及していくものとなる模様。
新たな情報
発売前の段階で明かされている情報として、DLCには本編にはなかった新たな要素が加わることも公式から発表されている。
現在分かっている点として、以下の情報が明かされている。
- 新たな舞台である「影の地」へ行くこと。
- 「影の地」へはミケラの繭を通じて、転送門式の移動で行わなれる。
- 「影の地」へ行く為には血の君主モーグと星砕きのラダーンを倒す必要がある。
- 「影の地」ではDLCオリジナルの成長要素がある。
また、新たな看板ボスとして、デミゴッドと思しきキャラクターの串刺し公、メスメルと、謎の獅子舞の様なキャラクターの存在も明かされた。
この他にもストーリーの重要な要素となる存在も明かされており、DLCでは影樹と呼ばれる黄金樹の対となる聖樹が作中のキーワードとなる模様。
新たなシステム
2024年6月5日に各メディアが発表した先行試遊レポートにより、以下のシステムが明らかになった。
影樹の加護
DLC限定の新たな成長要素。影樹の破片を集めることにより、攻撃力とカット率を上昇させる事ができる。
追加される武器種
DLC発表当初から、新たに八種類の「武器種」が追加される事が明らかにされていたが、その詳細が明らかになった。
武器種名 | 内容 |
---|---|
格闘 | 素手に見えるが、徒手空拳で戦う事ができる。 |
逆手剣 | 逆手に持つ剣。技量系の剣。 |
軽大剣 | 細身の大剣。リーチの長さは大剣だが、大剣より素早く動ける。 |
投擲武器 | ナイフや斧などを投げつけて攻撃する。 |
刺突盾 | 盾と槍の性質を併せ持つ武器。 |
調香瓶 | 調香瓶の属性に合わせて、範囲攻撃を繰り出す。 |
大刀 | 刀版の大剣。 |
獣爪 | 本編の爪武器とは少し違う武器種。 |
この他にも、新たな戦技や魔法が追加される事が明かされている。
用語集
- 影の地
狭間の地とは別の、隠された土地。黄金樹とは別の聖樹である影樹が聳えている。
狭間の地とは違う土地だが、これが別の空間にあるという事なのか、別の大陸という事なのかは不明。
一方で、狭間の地の地図と影の地の地図を重ね合わせると、概ね狭間の地の中央部の湾岸線と地形が一致するという特徴がある。
- 影樹
狭間の地の黄金樹に当たる聖樹。
- メスメルの火
作中では主に二つの意味で使われる。メスメルが炎を使うデミゴッドである事から、メスメルが使う火という意味でのメスメルの火。そして、メスメルがかつて起こした影の地での虐殺である事件としてのメスメルの火。作中では、この事件を指して火と通称される。
- 約束の王
ミケラが待つとされる王。
主なボスエネミー
- ストーリーボス
ストーリー上、必ず倒せねばならないボス。
キャラクター名 | 戦う場所 | 備考 |
---|---|---|
双月の騎士、レラーナ | エンシス城砦 | カーリア王家との繋がりが深く、カーリア王家の系統の魔術を主に使う。 |
黄金カバ | 影の城 | フロム名物の動物系ボス。カバと言うが、普段の外見はむしろサイに近く、戦闘時にはヤマアラシのような姿になる。 |
串刺し公、メスメル | 影の城 | DLC最大の看板ボス。マリカの子でありながらも、その存在を隠された謎多き存在。 |
蕾の聖女、ロミナ | ラウフの古遺跡 | DLCにて登場した異形の美女系キャラクター。 |
約束の王 | エニル・イリム、神の門 | DLCのラスボス。様々な意味で意外な存在が褪せ人の前に立ちはだかる。 |
- DLCボス
ストーリー上倒す必要は無いが、倒すことで有用なアイテムをドロップしたり、世界観の掘り下げを行えるボスたち。基本的にはストーリーボス同様、追憶をドロップする。
キャラクター名 | 戦う場所 | 備考 |
---|---|---|
神獣獅子舞 | 塔の街、ベルラート | DLCにおけるもう一体の看板ボス。 |
泥濘の騎士 | 石棺の大穴 | 聖女トリーナの眠る深紫の花園に繋がるエリアのボス。 |
狂い火の王、ミドラー | ミドラーの館 | 本編における褪せ人のifの姿とも言えるキャラクター。 |
影樹の化身 | 影樹の麓 | DLCで唯一大ルーンをドロップするボス。 |
宿将ガイウス | 影を仰ぐ露台 | メスメルとの関わりが深いキャラクター。 |
指の母、メーテール | ミアの指遺跡 | 本作における外なる神の枠。また、本編における指やマリカに関わる重要なキャラクター。 |
暴竜ベール | ギザ山の山頂 | 追憶をドロップしないが、特別に表記。かつて竜王プラキドサクスに挑んだとされる竜。 |
- フィールドボス
亜人の剣聖オンジ
新たな登場人物
主な敵エネミー
イントロダクション
影の地
黄金樹の影に隠された地
神たるマリカが、降り立った場所
そして、謳われぬ戦い、粛清の地
メスメルの火に焼かれた場所
だから、ミケラは影の地に向かった
その黄金の身体も、力も、宿命も
全てを棄てた
ミケラは待つ
約束の王を
発表後の反応
リリース前の各ゲーム雑誌の評価も押し並べて高かったが、発売後にはこの評価を後押しするほどの絶大な高評価が並んだ。6月27日には、売り上げ本数500万本を達成しており、既存ゲームのDLCとしては異例なまでの人気を獲得した。
特に、新たな冒険の舞台となる影の地は発売前の段階では、本編よりもやや面積の狭いフィールドになると明かされていたが、実際には立体的なマップ構造と高低差を利用したアクションにより、実際の面積は本編よりも広いのでは?と言われてるほどのボリュームであった。
ストーリーに関しては、詳細な内容が明かされないことに関しては本編と変わりないが、ミケラの足跡を追うメインストーリーに合わせて、本編では謎の多かった各デミゴッドたちの隠された真実が明かされていったことから、この点でも非常に評価が高い
総じて、従来のDLCと比較して非常にボリュームのある内容であったことから、事実上のエルデンリング2と言われるほどに多くの褪せ人たちを魅了した。
一方で、不評な点として、本編よりもさらに強くなっている敵キャラクターたちが挙げられる。
人によっては、これ自体は評価を高めるポイントになるかもしれないが、それを差し引いても尚、強い敵が多い。その為、公式から直々にDLC特有の成長要素を使って戦うように呼びかけるほどであった。
しかし、それでも勝てない余りに、誉れを捨ててひたすら防御に徹して勝つ褪せ人が続出した。
特にラスボスの強さは突出しており、これまでのあらゆるフロムゲーの中でも最強の呼び声も高い。
なお、盾を使う・遺灰を呼ぶ・影樹の加護なし・武器強化なしと誉れとは個人の裁量次第である。とにかく勝てばよかろうの心持ちで挑んでみよう
余談
- 発表タイミング
2023年2月27日には、発売から一周年の節目としてヘルシンキにて記念パーティーが開かれ、その様子がYouTubeで世界同時中継された。世界中のファンがそこでDLCの制作発表を行うのではないか?と固唾を飲んで見守ったのだが、何故かそこでは発表せずに翌日にTwitterでひっそりと製作と発売について明かしたため、多くのファンから意味不明のタイミングと首をかしげられた。
- ACVIとの繋がり
6月21日に発売されると言うことが、フロムソフトウェアの前作の主人公であるC4-621の名前と絡む事から、フロムファンからちょっとネタにされた。