概要
演じたのは小林昭二。初代「仮面ライダー」から「仮面ライダーストロンガー」まで様々な形で仮面ライダー達をサポートした人物。
当時の設定資料によると、1971年時点で42歳。すがやみつるのコミカライズだと、第二次世界大戦時は特攻隊員であった。同コミカライズや『仮面ノリダー』、『仮面ライダーEVE』では既婚者であるが妻を早くに亡くしたことが語られている。
また元レーサーで家族がそのレースを観に行こうとして交通事故にあって亡くなったというものもあった。
特に、親を早くに亡くした本郷とは幼少期から親子のように仲が良かった。『S.I.CHERO SAGA』の設定では、本郷の亡父の友人であり、本郷が赤ん坊のころから知っている。
ライダーを始め多くの人々から「おやっさん」と呼ばれ慕われている(初期は本郷に「立花さん」、滝和也には「おやじ」と呼ばれていた。一文字が「おやじさん」と言い出す)。
本郷猛、一文字隼人、風見志郎、木梨猛らが戦意を失った際に叱咤激励する一方で、彼らが勝利した際には誰よりも暖かく迎える。
1号ライダーやV3など、歴代ライダーを鍛え、新たな必殺技を生み出すのにも協力している(1号の「電光ライダーキック」、V3の「マッハキック」など)。変装も得意であり、また本郷の実験の助手を務める機会もあった。
またその指導力を買ってショッカーの死神博士にトレーナーとしてスカウトされた事もある、ただしそれ以外に選択肢が無かったのと弱点を見極める目的があったと思われる。
最初は喫茶店「アミーゴ」を経営していたが、本郷が日本を去ると「立花レーシングクラブ」というバイク店を開業。その後も「V3」ではスポーツ用具店、「X」ではコーヒーショップを経営しており、「アマゾン」「ストロンガー」では不明(ただし、漫画『仮面ライダーSPIRITS』では城茂と二人でバイク屋をやっているようだった)。
敵の目を欺く為か頻繁に職や店舗を変えるが営業開始日に花輪が送られてきたり正月に年賀状が送られてきたり店が怪人に荒らされ、敵の組織に弁償させたいと言ったらその組織の幹部が弁償金を渡しに来たりと明らかに拠点の所在がバレている。
しかも敵も敵で所在がわかっているのにいきなり襲撃することなく花輪を送ったり、年賀状を送るなど妙に律儀なところが回りくどいことで有名な宇宙人を髣髴とさせるところがある。(まさか、と思うが実際にやった人達がいるが、ライダーをおびき寄せて偽物を用意したりする作戦の前段階であったりなど、そこまで違和感のある設定ではなかった、またガニコウモルとライダーが相打ちになり消息を絶った時に時限爆弾入りの葬式の花輪が送られてきた)
コーヒーを淹れる腕は一流であり、本郷をはじめとしたライダーたちの好物であるほか、人間態で訪れたアポロガイストも納得するほど。
最後に小林氏が立花藤兵衛を演じたのは『仮面ノリダー』においてである(ちなみに、スカイライダー本編が開始される前の特番で、東映の撮影所を訪れ、7人ライダーの戦いを子供たちに語るとともに、スカイライダーの番組紹介を行ったこともある)。
作品がコントであるためコミカルな演技が多かったものの、ノリダーが窮地に陥った際には単身でジョッカー基地に侵入して彼を助け出したり(「恐怖コウノトリ男」)、マリナが重傷を負ったことで動転する木梨猛に愛の鞭を振るう(「恐怖スチームアイロン男」)など、本家ライダーシリーズを思わせる活躍を見せた。
続編の『仮面ノリダーV2』では傷ついたノリダーV2・一文字マモルの負傷を治す活躍も見せている。
本作では、ウルトラマンのムラマツキャップ(これも小林氏の代表作)にも扮して見せた。
身体能力
一般人とは思えないほど身体能力が高く、戦闘員程度ならボコボコにできるほどの戦闘能力はある。
また、ゲルショッカー怪人・イノカブトンの角を戦闘員のナイフで叩き折り、仮面ライダー1号の窮地を救った。
イノカブトンの毒ガスで身体の自由が利かないながら言い放った、「俺が悪魔に魂を売ると思ったか!?」は名言。
その身体能力は仮面ライダーが新しい必殺技を編み出すための特訓を行う際にも生かされており、仮面ライダー1号の頭上に崖上から巨大な岩石を投げ落としたり、変身したXライダー相手に模擬戦闘をやってのけたこともある。
エンジニアとして
非常に知識が豊富で手先も器用であり、本郷と共同で新サイクロン号を製作したり、設計図だけでアマゾンライダーのマシン ジャングラーを製作するなどの技能も持つ。
『仮面ライダーSPIRITS』では、大破した仮面ライダーZXのマシン、ヘルダイバーを修復した。
「V3」ではクレーン車を運転しており、大型特殊免許も保有しているようである。
悪堕ちに定評のあるおやっさん
彼が登場する作品のすべてにおいて、催眠術や洗脳の効果を受けて悪落ちしてライダーと敵対する。しかもそれが一作の1クールにつき一回は必ずあるレベルの高頻度で繰り返されるので、もはや伝統芸能の域である。
漫画版
禿げかけた頭に口髭を生やした風貌で、本郷家に先代から仕える執事として登場した。「本郷家の財産のほとんどをつぎ込んで地下に研究所を作るなどの様々なバックアップをする」など、どこかバットマンのアルフレッドを彷彿とさせるキャラクター。剣道の有段者という設定。同じく石ノ森章太郎がテレビマガジンで連載していた『仮面ライダーアマゾン』にも同様のキャラ付で登場する。
続編である『仮面ライダーEVE』では、30年以上の時が経過しても風貌は変わらず、脳髄のみとなった猛に仕えていた。ガイボーグ・門脇純に対して暖かく接し、彼を支える力となっている。今作では孫がいたことが明らかになっている。
また、すがやみつるや山田ゴロが描いたコミカライズ版にも登場。容姿は上記の漫画版、内面はテレビ版というキャラクター付けがなされていた。
ゲーム版
プレイステーション用格闘ゲーム『仮面ライダーV3』において、使用可能キャラの1人として登場する。(変身前はなんと珠純子、変身で純子と交代する)
ボイスは故人である小林氏のライブラリ出演であるため、声の種類は少ない。
モーションもデストロン親衛隊戦闘員からの流用である…のだが、その性能は凄まじく高く、マシンガンのごとくパンチを連打し、一方的に敵を秒殺する事もできる。
バトルモードをクリアすると、デストロン首領を爆殺し、無言で立ち去るおやっさんを見る事ができる。
小説版
仮面ライダー1971-1973ではTVドラマ版同様に喫茶「アミーゴ」のマスターであるが、緑川家の執事として働いていたという漫画版を彷彿とさせる経歴を持つ。
本郷猛がその超人的な能力を持ってしてもショッカーによる犠牲者が一向に減る事のないという事実に絶望した際、以前彼に助けられたという女性の話を語り勇気づけた。
その後は本郷猛の良き協力者として尽力するようになる。
リメイク映画版
仮面ライダーTHE FIRSTに登場。TVドラマ版で風見志郎を演じた宮内洋が演じる。
オートバイショップ「立花レーシング」の店主であり、本郷猛に何か大きな変化があった事を見抜いて彼にサイクロン号を提供した。
その後明確な描写は無いものの一文字隼人が本郷と協力する事になった際には一文字にもサイクロン号を提供したようである。
また、2015年に公開したスーパーヒーロー大戦GPにも登場。漫画版と同じ「本郷家の執事」で、風貌も漫画版を再現しており、今までのテレビや映画作品とは違うスタイルでの登場となった。しかし、実は「ある悪の怪人」が変装した姿である。演じるのは井手らっきょと言うまさかのキャスティング。おそらくその辺の理由は彼の台詞にあるのかもしれない。
2016年公開の『仮面ライダー1号(映画)』では、すでに小林は故人であるため、写真出演という形で登場。本作では孫娘も登場する。
二次創作
仮面ライダーダルダの主人公「立花リカ」は藤兵衛の孫娘である。
関連タグ
仮面ライダーV3 仮面ライダーX 仮面ライダーアマゾン 仮面ライダーストロンガー 仮面ノリダー(小林氏が最後に立花藤兵衛を演じた作品) 仮面ライダー(新)(番組の宣伝をした)