概要
「21世紀のヒーロー」ということで、ウルトラマンネオスの変身者、カグラ・ゲンキがその名を付けた、もう一人のウルトラヒーロー。(テーマソングにも20世紀の壁を越えて…とある。)
宇宙保安庁の所属でネオスの親友。ネオスの倍近く年上で仕事に関してもベテランであり、任務のバックアップや共闘の相棒として登場する。
主人公以外のもう一人のウルトラマンとしては登場回数が多い方で、全12話中8話となっている。偶数回ごとに登場する印象が付いている人は多いと思われる(正確には奇数回である第1話と第11話にも登場している)。
また、出てくる度に八面六臂の活躍をしてネオスの足をひっぱることがない(この人と少し立ち位置が似ているような気がしなくもない。間違ってもこの人ではない)
スピードスタイルのネオスとは逆の、パワースタイルの戦士。
彼の様に体が赤いウルトラ戦士は『レッド族』と呼ばれ、生まれながらの戦士であるとされる。シルバー族の両親からレッド族が生まれることもあるので、隔世遺伝なのかもしれない。
パイロット版では目を細める描写がある。ゼアスやウルトラの父は口が動いていたが、目を動かすウルトラマンはネオスと彼ぐらいだろう。
決まった人間態を持たず、状況に応じて様々な人間の姿をとって行動する。ミステリアスな美少女や(海外作品以外で)外国人の男の姿に化けたウルトラマンは今のところ彼だけである。その為か等身大での活躍が多い。
よく見るとパイロット版とOV版とでは体を走る銀色のラインの形状が微妙に違う。
また、元々地球防衛の任に就くのはネオスではなく、彼だったのだが、ダークマターの影響で自分の持ち場を離れる事が出来なくなってしまい、代わりにネオスが地球に派遣される事となった。これが心残りだったのか、セブン21はM78星雲付近に実体を残したまま、セブン21テレポーテーションを使って魂だけを地球に送り込んでいる。つまり、ネオス本編で登場しているのは21の本体ではなく魂が実体化した存在という事である。また、この能力の使用には正義と勇気に満ちた人間の力が必要であり、該当する人物が現れた際にのみ、地球に出現するという設定になっているらしい。
データ
- 出身:M78星雲光の国
- 所属:宇宙保安庁
- 年齢:1万8000歳
- 身長:56メートル(等身大にもなれる)
- 体重:5万7千トン(等身大にもなれる)
- 飛行速度:マッハ26(パイロットフィルム版ではマッハ24)
- 走行速度:マッハ7.7
- 水中速度:マッハ2.5
- ジャンプ力:1300メートル(パイロットフィルム版では1100メートル)
- 変身アイテム:アコレイザー(ウルトラアイ型のアイテムらしいが、結局使われなかった。OV版では目が光って変身する)
性格
地球では隠密行動をとっており、ネオスへのサポートぶりを見るに冷静でスマートに物事を運べる印象を受ける。
……とはいっても元々はネオスと共にショーやイベントの為に設定されたウルトラマンであるせいかウルフェスなどではやけに粗暴になったりとイマイチキャラが安定しない。
ちなみにこのウルフェスではネオスに嫉妬心を抱き、敵とみなした相手には容赦無いというお前ホントにウルトラマンかと思うほどの鬼畜ヒーローとして描かれていた。同じセブンタイプにして任務には冷徹なジャスティスでさえ、敵に猶予を与えた事があるというのにとんでもなさすぎである。紆余曲折の末にネオスやウルトラの母から説教を受けて宇宙警備隊特別部宇宙保安庁の養成機関へと半年間預けられることとなった。
流石に現在はOV版準拠の性格で描かれる事が多い。
能力
アドリウム光線
額のビームランプから発射する光線で、ウルトラセブンのエメリウム光線に相当する技。発射ポーズが微妙に異なるのが特徴。OV版では片手を添えて放っていたが、パイロット版では両手をビームランプに添えて撃ち出していた(セブンは所謂「チョキ」の手で発射するが、セブン21は親指・人差し指・中指を立てている)。
「大いなる陰謀」ではパイロット版準拠の構えになっている。
ヴェルザード
頭部に装備する宇宙ブーメラン。
本家で言うアイスラッガーに相当する武器。21スラッガーとも呼ばれている。なお、相当頑丈らしく、パイロット版ではザム星人の光線を切り裂いた事も。
セブンとの違いは、使用する際に頭部のデザインが大きく変化しないこと。
ウルトラXアイズ
所謂透視光線。あらゆるものを透視し、人間に化けたザム星人の正体を見破ることもできる。
レジアショット
セブン21最大の必殺技で、右腕を水平に伸ばした後に、腕をL時に組んで発射する強力破壊光線。
セブンのワイドショットに当たる技であるが、威力はワイドショットより10倍強いらしい。
構えはのちに登場したセブンの息子の技にそっくりだったりする。
UGFでも決め技として使用、80のサクシウム光線、ネオスのネオ・マグニウム光線、コスモス&ジャスティスのクロスパーフェクションと同時に放ち、ルーゴサイトを撃破した。
フィンガーダーツ
パイロット版で使用した赤色の破壊光弾で、ドレンゲランに対して連続で発射してダメージを与えた。
ウルトラ・ファイヤー・ボール
メンシュハイトに対して発射した火炎弾で、ネオスの使う体内のエネルギーを様々な変化させる「ウルトラ・メタモーフォーズ」の一種。
21ホイッパー
敵を力強く投げ飛ばす。
ウルトラウィザードビーム
熱線、電磁光線、麻痺光線の三種類の用途があるビームランプから放つ光線。
21・アタック・ビーム
両腕から放つ磁力光線。メンシュハイトにダメージを与えた。
ストップ光線
光輪で対象を拘束する。ザム星人に使用した。
人間態
上述したようにセブン21には地球上で活動する際には決まった地球人の姿はなく、その時々に応じて様々な姿を取っている。
劇中で披露した姿は次の通り。
謎の少女
演:伊澤麻璃也
第2話で披露した人間態。ミステリアスな美少女で、ダークマターの影響で故郷を追われ宇宙を彷徨い新天地を求めるザム星人達の事情を知っている事も手伝い、彼らが行おうとしている実験の推移を見守ることを決意。その事をネオス=カグラに伝える為にこの姿で彼に接触する。
ちなみに、21の性別はれっきとした“男性”なので、この姿に驚いた視聴者は(多分)多いはず…。
剣持慎也
演:正岡邦夫
第4話で披露した人間態。TNSテレビのTVプロデューサーで、同局のアナウンサー・柴田エリカ(演:鵜川薫)の恋人。オリジナルの慎也の指示を無視して汐滑地区に出現したノゼラの生中継リポートを決行して怪獣の破壊活動に巻き込まれたエリカを救出するためにこの姿を取った。
※演じる正岡は『平成ウルトラセブン』にてウルトラ警備隊隊員・シマ・ケイスケ隊員を演じていた。恋人のエリカを演じた鵜川も同作で同僚のハヤカワ・サトミ隊員を演じている。
ショーン・アンクル
演:アール・スコット
第6話で披露した人間態。FBIの捜査官で、何かを企み暗躍するオオトモ博士に化けたザム星人の動向を探るためにこの姿を取り、密かに彼らの動向を監視していた。
宇佐美将人
演:タケ・ウケタ
第8話で披露した人間態。アユミ隊員の恩師にして、地球でいち早くダークマターがもたらす影響の警鐘を鳴らし、それらについて記した著書“蘇る地球”でその名を知られる大学教授で、父親の面影を求めてダークマターの影響で誕生したラフレシオンに依存する教授の娘・ミサキの心を救うためにアユミ隊員に接触する為にこの姿を取った。
ウルトラギャラクシーファイト大いなる陰謀
「宇宙保安庁のセブン21だ!」
2020年冬にYouTubeで配信される映像作品『UGF 大いなる陰謀』でグレートやパワードなどの海外戦士や相棒のネオスとともに主要キャラとして出演することが確定。
この発表にファンからは喜びの声が上がり、『ネオス』を知らない層への認知度が上がることも期待されている。
episode.2からネオスと共に登場。80と共にルーゴサイトの討伐隊を組み、惑星フィードで交戦。
怒涛の攻撃でルーゴサイトを追い詰めるものの、80は突如アブソリュートタルタロスに連れられてきたレイバトスが蘇らせたギマイラをさし向けられ戦力を削がれる、ルーゴサイトには自身のヴェルザードが効かずピンチに陥る。
しかし、寸でのところでコスモスとジャスティスに救われ、コスモス達と共にルーゴサイトに挑む。
そして同時攻撃でレジアショットを放ち撃破に成功するも、突如現れたアブソリュートタルタロスの襲撃を受ける。動けない隙に抹殺されかけるもコスモス・ジャスティスが庇い爆発するとそこに現れた伝説の戦士に救われる。
ネタ
読み方
「ツー・ワン」である。ウルトラセブンツーワン。
にじゅういちでもトゥエンティワンでもない。文句はゲンキに言ってくれ。
セブンとの関係
漫画「ウルトラ忍法帖」シリーズではモノホンを差し置いてセブンとアミアの間の息子ということになっている。
というか初心者の人だと結構高確率でセブンと21を見間違えるくらいには似ているので、親子ではないにしても親戚関係にはあるのかもしれない。
……まあそういうとセブン上司は一体何者なんだという話になるが。
あと彼はセブンより年上である(セブンの年齢は1万7000歳。初期設定では1万9000歳であったがどっちみちそれほど差はない)
よく知らない人からセブンと同一人物なのかと思われるが別人。初代ウルトラマン以降の多くのウルトラヒーローの名前に『ウルトラマン』と付くように、彼も『ウルトラセブン』の名を冠しただけの別人なのである。
こんなところでも…
2018年に放送されたアニメ『SSSS.GRIDMAN』では、第1話で裕太と六花が買い食いをしていたコンビニの名前が“SEVEN 21”になっているという小ネタがある。セブン21と某大手コンビニを賭けた名称であることは言うまでもないだろう。
商品化について
パイロット版が展開されていた頃には、ソフビ人形やガシャポン、食玩などネオスと共にフィギュア化される機会が多かったが、OV版以降は冷遇されている印象がありOV版スーツに準じたフィギュア化は確認できる限り、2002年に公開された劇場版『新世紀ウルトラマン伝説』公開に合わせて発売された『グレートファイター28』(この映画に登場する28人のウルトラ戦士のミニフィギュアとそれに対応した台座が付属しているセット商品)ぐらいしかない。主役であるネオスでさえ、OV版スーツに準じたフィギュア化が少ないとはいえ展開されていたことは対象的である。